なんか八坂真尋に憑依したらしいけど、ツッコミとか上手くフォーク投げるとか出来ないし、何より面倒だからそこら辺は本人に任せて俺はボケに回ることにした   作:姉川春翠

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続き読みたいという人がいると、余計書きたくなります。勿論、書くのが好きというのが一番の小説を書く理由ですが。


第八話 火と火が二つで炎。木と木二つで林。じゃあ、水と水二つは?ないの?why jap(ry

 本日も良い日柄に、朝早々、僕八坂真尋は頭を悩ませていた。

 僕の周りには今、まともな人間がいない。

 自称惑星保護機構職員、ニャルラトホテプ星人のニャル子。五日ほど前から我が家に居候している。

 自称人間とニャルラトホテプ星人のハーフの幽霊、真逆真尋。二年程前から僕に憑依している。

 この人外二人をどうするかで、頭を抱えているわけだ。

 

「私の宇宙CQCは百八式まであります」

《気をつけろ。俺のあれはそれよりも危険だぞこれ》

「お前らは一体朝っぱらから何を張り合っているんだ。真逆に至っては指示語しかないから、わけがわからん」

 

 昨日に引き続き、今日も絶好調のバカ二名。本当、どうしたらいいんだよこいつら。

 

「ああああ」

《おお勇者よ、情けない》

「黙れ変態人」

 

 朝から頭痛い、胃もムカムカする。

 そもそも僕が一番悩んでいるのは、ニャル子のこれからについてだ。こいつは僕の護衛任務が終わったにも関わらず、未だ出て行こうとしない。

 

「なあ、ニャル子」

「はい、なんですか真尋さん」

「お前地球から出て行かないか?」

「唐突にそれ言われるとグサリと来ますね」

 

 だって出て行けば僕のストレスも減るんだから仕方ない。

 

《まあまあ、面白いことは長い方がいいだろ?》

「僕にとって面白くない上にただのストレスでしかないと、何度言えば分かるんだよお前らは」

 

 いっそのこと、こいつらの存在ごと抹消してしまいたい。

 

「《そんな物騒な》」

「二人して僕の心を読むな」

 

 大体どうしてこうなったんだ? 僕はただ平穏な日常を望んでいるのに。

 真逆の憑依だって、そもそもなんで起こったのかがさっぱり分からない。

 

「真逆、大体お前、なんで僕に憑依してるのか分かったのかよ」

《いや、わからん。さっぱり思い出せん》

 

 真顔で返されるとなんか腹立つな。特にこいつの顔は。

 

《んな、理不尽な》

「うるさい。心読むなって言ってるだろうが」

「真尋さん。そろそろお時間の方が」

 

 ふとニャル子に言われ、時計を見てみる。確かに、そろそろ出ないと間に合わなくなる時間だ。

 

「ところでニャル子、お前それ、何食ってんだよ」

「ホットケーキを知らないんですか? これだから最近の地球人は」

「僕が聞きたいのは、何でホットケーキを食っているのかだ」

 

 フォークをぶっ刺したい気持ちを抑えているのを、お分かり頂けるだろうか。

 

「いやだ真尋さん。一体どこに刺すんですかぁ?」

 

 訂正しよう。ぶん殴りたい。出来ることなら泣いて謝るまでぶん殴りたい。

 

「真尋さん、なんか過激じゃありません?」

「誰のせいだと思っている、誰の」

「そりゃ、真逆さんでしょう」

『いや、ニャル子だろ。なんせ俺は二年の付き合いだからな!』

「どっちもに決まってるだろ」

 

 ああ、我が愛しき平穏な日常よ。早く戻って来ておくれ。そう嘆く他なかった。

 しかし、僕の嘆きも虚しく、新たな厄介事は生まれた。僕の日常は、日増しに遠くなっていく。距離にしてまるで、天竺のようだ。

 学校に着き、朝礼の時間になるとそいつはやって来た。先生が突然「転校生が来た」なんて言うから嫌な予感はしてたんだ。そうしたら。

 

「クー子!? あんた、なんでここにいるんですか!」

 

 いつだったか、そう。あのルルイエランドの闇オークション会場で出会ったクトゥグア星人のクー子がやって来た。しかも「八坂クトゥグア」という、はた迷惑な一部偽名じゃない偽名を使って。

 ちなみに言うと、本当は学校に来る少し前から出会っているわけだが、まあ気にしないでおこう。忘れた。

 

「ニャル子と愛の巣を作るため」

「そんなすっとこどっこいな理由で転校してくんじゃないですよ! このすっとこどっこい!」

 

 ニャル子の言っている意味が少しわからないが、同意する。

 

「大体あんたここがどこか分かってるんですか!」

「え? ニャル子との結婚式会場?」

「んなわけないでしょうが! あんたのそのお花畑な頭一回かち割りましょうか!?」

「ニャル子……優しくしてね?」

「色っぽく気持ち悪いこと言ってんじゃねぇ!」

 

 クラス中が、ニャル子とクトゥグアのクー子……いいや、面倒だから次から普通にクー子で……のやり取りに口をポカンと開けている。おかげで二人の会話は皆に届いていないようだ。なんだよそれ、すごい。

 

《腹……っ! 腹がミートになる……っ!》

 

 それとは反面、真逆が床で笑い転げている。

 というか、笑って腹がミートになるとかなんだよそれ、怖い。

 

「いいですか! ここ学校ですよ学校! イッツぁスクール! 学問するところですよ!」

「大丈夫。私のIQは200だから」

「だまらっしゃい! どうせインテリジェントキューブでしょうが!」

「アーカイブにあったからダウンロードしたけど、やっぱり楽しい」

 

 さて、そろそろ止めないと話が進まなくなる。

 いや、でもやっぱり放っておこう。もう面倒くさい。

 

「大体あんた、昨日の今日でどうやって編入手続きを済ませたんですか!」

「それはお前にも言えることだよな、うん」

 

 ニャル子もすぐ転校して来たし。

 

「私のセバスチャンがやってくれた」

「誰だよセバスチャンって!」

「私の執事。

死んだ犬の名前を付けたの。

なんでも出来る。

すごい」

「小学生の感想かよ! やり直して来なさいよ!」

「大丈夫。私のHPは500だから」

「最早意味が分からねぇ!」

 

 本当にな。多分、ヘッドポイントの略なんだろうけど、そんなものあったかな。

 

「私はニャル子の側に居たいだけなのに」

「私はあんたがいなくて真尋さんがいる場所ならどこでもいいですよ」

 

 なんだかイライラしてきた。ああ、段々頭も痛くなってきた。腹もなんか痛いし。今日は早退しようかな。うん、そうしよう。

 

「先生、具合悪いので早退します」

 

 先生の返事を聞くことなく、未だ口論を続ける二人を無視して、僕は珍しく学校を早引きした。

 

 

 ポケットに手を突っ込んで、僕は帰路を歩く。半ばサボりのように、学校を出てきたけど、今更ながらクラスメイトに不良と思われてないか心配だ。

 

《確かにな。理由、体調不良だし》

「そういうことじゃないんだが。大体なんでついて来てるんだよ真逆」

《お前から半径五メートルを離れると消滅するから》

「よし、全速力でお前から離れよう」

《別にいいけど、それより肉を食べろ肉。焼肉屋で野菜なんか食うな》

 

 なんの話をしているんだこいつは。

 

《つうかマジで学校休むとは、やさぐれてるなぁ。まさにやさぐれ真尋だ》

「喧しい」

 

 まあ、今回の衝動的行為は反省している。今からでも戻ろうか。いや、却って気まずくなるから、次から気をつけよう。

 

《にしてもいやー、あいつら面白ぇなぁ! こりゃ退屈しなさそうだぜ!》

「なあ、真逆」

《あん?》

「もしお前が僕と同じ立場なら、どうするんだ?」

 

 なんとなく、聞いてみた。

 正直今の日々は長い間耐えられそうもない。腹が立って、むしゃくしゃして、ストレスでどうにかなってしまいそうだ。

 

《俺は楽しむに決まってるだろ? あわよくば、惑星保護機構とやらに協力して何かやってもいいくらいだ》

 

 そうだった。真逆はこういうやつだった。それが心底羨ましくもある。

 

《大体、お前あいつらといるのがそんなに嫌か?》

 

 真逆が笑って聞いてくる。

 正直、不思議と嫌ではない。嫌ではないのだが、それとは別にストレスも感じている。そんなところだ。

 

《まあ安心しろ。どうせいつか、これが自分の日常だと思い始めるさ》

「それはうん、願い下げだな」

 

 言いつつも、何と無くそんな気はしている。真逆と初めて会った時はそれこそ、毛嫌いしていたが、付き合いが長いとあまり気にならなくなっている。それと同じように、自然と僕は受け入れるのだろう。

 

「真尋さーん!」

 

 ふと、背後から呼ぶ声が聞こえた。誰かもう、分かっている。

 

「駄目じゃないですか、学校サボったら」

「サボりじゃない。体調不良だ」

「不良だけに?」

「そんな意味じゃない。というか僕は不良じゃない」

「人の手にフォーク刺す人のどこが不良じゃな……あ、はい、すいません。なんでもするんでフォーク閉まって下さい」

 

 うん、やっぱりこいつは少し腹立つな。

 

「ニャル子、今なんでもすると言った」

「あんたに言ったんじゃないですよ。というかあんた何しれっとついて来てるんですか」

 

 こいつはこいつで、上手く利用すればニャル子を引き離せるかもしれない。

 

「な、なんて悪どい!」

「心を読むなと言ってるだろ」

「少年。少年のせいで、転校初日に不良になった」

「はいはい、悪かった悪かった」

 

 実際、学校を途中で出て来たのは事実だしな。それでもこいつらが後に続く理由がわからないが。

 

「少年がいないと分かったニャル子が体調不良を訴え早退。ニャル子がいない学校には興味ないから私も体調不良を訴え早退。以上」

「お前まで僕の心を読むのか」

 

 僕の周りはステータスに読心術を持った者のパーティーらしい。これじゃプライベートも何もあったもんじゃない。

 

「大丈夫。所々しかわからない」

「今まさにプライベートを侵害されたわけだが」

 

 というか、惑星保護機構は地球への侵略等を規制する機関じゃないのかと。

 でもまあ、やっぱり嫌ではない。勿論腹は立つが、それとこれは別だ。

 

「じゃあ真尋さん! 帰ってゲームをしましょう!」

「しないからな」

「ツイスターやりましょう!」

「お前とは絶対やらないから」

「ニャル子、ツイスターしよう?」

「あんたとは絶対やりませんよ」

 

 いつか、これが日常と言える時が来るのかもしれない。

 

「ところで真尋さん」

「ん?」

「今日って土曜日ですよね? てことは」

「……あっ」

 

 そうだ。今日は土曜日、授業も半日で終了する。つまり、結局お昼時には帰れたわけだ。

 

「だったらなおのこと、出てこなければよかった」

 

 やっぱり平穏な日常が欲しい。こいつらのいない、平穏な日常が。

 

 

 

 

「クックックッ、やっと俺の出番か」

 

 わけのわからない事を呟きながら、一人の男が立っていた。彼の周囲には、鮮血の海が広がっている。

 

「長かった。冒頭で来るかと思えば、終盤に来るとは」

 

 男は独り言を、口元に笑みを浮かべながら言う。もし誰かがこの場にいたならば、思うことだろう。この人、頭大丈夫だろうかと。

 

「待っていろニャル子。いや、待っているぞ――ニャル子」

 

 男は笑う。ただ復讐のために、笑う。ニャル子の兄――ニャル夫は笑う。




漢字って不思議ですよね?どうも、不屈の心です。

この間ニャル子原作をさらに買いました。現在所持している巻は1、2、3、5、5、6、6です。
……どうしてこうなったorz
いや、買うときどの飛ばしで買ったのを思い出し、しかしどの巻飛んでたか忘れ、挙げ句どの巻持ってたか忘れた結果がこれなんですけど(白目
次の給料で全部揃えます。巻数ちゃんとメモしておこう。

ちなみにこの作品ですが、私が書いてるもう一つの方と違い、結構巻きで行く予定です。理由としては、原作に沿って進めていくから。追加のオリ設定もあまり入れてないから、ですね。
そのため、二巻は多分あと二、三話で終わります。多分←
まああくまで予定なので、話半分に覚えておいて頂ければ。

それでは、次回でお会いしましょう。

P.S
最近のゲーム、BGMはいいのが多いですよね。特に私が買ったゲーム(白目
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