HARUTO~原作のないNARUTOの世界へ   作:ゆう☆彡

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たくさんのお気に入り、感想、ありがとうございます!!

【オリジナルヒロイン】のタグを追加させていただきました。登場はまだまだ先ですが……。


誤解を解いて

 

 

「???」

「ミナト?どうしたの?」

「いや……、何でもない……かな?」

 

突然、不思議な感覚を味わったミナトが、窓の外に目を向ける。

外は既に夕日が沈みかかっており、暗くなっていた。

 

「ハルト、遅いわね。」

「そうだね。いつも、こんなに遅いのかい?」

「んー、シスイくんとイタチくんを送ってるみたいだけど、こんなに遅くなったことはないわね……。」

 

 

ミナトとクシナの心に、少しばかりの不安が浮かんだ。

 

 

 

 

 

『……ナト!!』

「!?」

「えっ!? なんだってばね!?」

 

家のリビングに、突然、時空間の穴が出来た。

 

「クシナ、下がって。」

 

すぐに、クシナを守るようにミナトが構える。が、そこから出てきたのは、

 

 

『ミナト!!』

「え!? ……弥白??」

 

時空間の穴から出てきたのは弥白。そのことにミナトとクシナが安心出来たのは、一瞬のことだった。

 

 

『うちは一族の集落の辺りを探れ!!』

「「!?」」

 

普段、落ち着いている弥白からは考えられないほど焦ったように言われ、只事ではないとすぐに感じ取った二人は、すぐにうちは一族の集落、ハルトがシスイやイタチと一緒に遊んでいる場所に、意識を向けた。

 

 

 

 

「何これ……、結界でも張ってあるの? 全然、感じれない……。」

 

顔を歪めて、結界が張ってあることに疑問を感じるクシナとは違い、感知能力が高いミナトには、

 

 

 

 

「ハル……ト……っ!?」

「!?」

『主……っ!』

 

 

ハルトのチャクラが、感知出来なくなる瞬間を感じてしまった。

 

 

「ミナト!? 何!! ハルトがどうしたってばねっ!!!」

「……うそっ……だろ……っ!」

 

いつも冷静なミナトが、まるで信じられないものを見たような顔をしていた。

 

 

『案内する。ついて来い!』

「あぁ。誰か、他に連絡しているのか。」

『シスイがイタチと共に、イタチの父に。と言うより、主がそのように指示して、二人を行かせるために一人で残ったのだ。』

「その二人は?」

『主の分身がついておるが……。』

 

「ねぇ! ミナト!! ハルトに何があったってばね!!」

 

全てを理解して、それでもなおミナトが冷静でいるのは、彼が、【忍】だから。

 

「……。」

 

 

それに対して、クシナは忍である前に【母親】だ。

 

「ミナト!!」

「っ、

 

落ち着いて聞くんだ、クシナ。……ハルトのチャクラが感じられなくなった。」

「……どういう、い……み……?」

 

クシナも優秀な忍。その意味を理解できない忍ではなかった。

 

「俺が確認してくる。」

「私も行く!!!

 

ミナトが何と言おうと、ついて行くってばね!!」

「……、

 

 

分かったよ。一緒に行こう。弥白、案内してくれ。」

『分かっておる。』

 

既に時間がなかったのと、クシナが言い出したことを、ミナトが止められたことは無い。

 

クシナの心が強いことを信じて、現場に向かった。

 

 

 

───────────────────────

 

 

「フガクさんっ!!!!」

 

既に暗くなっており、辺りも静かになっている時間。──そろそろイタチたちも帰ってくるかしら、とミコトが言っていた頃。

 

その家の扉が、突然、激しく開いた。

 

 

「シスイか?」

「どうしたの!? 大丈夫??

 

それに……ハルトくん?」

 

玄関の床に手をついて、息を切らしているシスイの後ろにいたのは、何に怯えているのか、その腕の中で震えているイタチを抱いたハルトだった。

 

「ハルトは、影分身か。」

「はい。

すみませんが、時間が無いのでイタチのことをお願いします。それから、出来ればシスイのことも家まで送ってあげて下さい。」

「えぇ、それは構わないけど……。」

「ハルト!!! 今はそうじゃねぇだろ!!」

「……シスイ。落ち着け。何があった。」

 

まだ四歳と三歳のハルトとシスイ。それでも、いつもうちはの集落で修行してる二人のチャクラを感知していたフガクには、二人の実力が、既に一人前の忍と同等かそれ以上だと分かっていた。

 

 

「突然、木の葉の暗部が攻撃してきたんだ!!」

「……。」

「木の葉の暗部が……?」

 

フガクは気づいた。シスイが言ったその瞬間に、まるで──その言い方はまずい、と言わんばかりの顔をしたこと。

 

「フガクさん。彼らの狙いは、僕じゃなくてシスイとイタチ、そしてうちはにいる優秀な子どもたちです。

 

僕のことは気にしなくていいので、その子たちを守って下さい。」

「ハルトはどうなるんだよ!!!」

 

 

この時、ハルトの影分身は気づいていた。

自分のオリジナルが、新たに現れた敵に捕まり、瀕死の状態であること。

最後の力を振り絞って、弥白を口寄せしたこと。

 

自分が消えるのも、もう間もなくだと。

 

そして、オリジナルがうちはとの溝を作るなと叫んでいること。

 

 

「大丈夫。

 

ここからは大人に任せておいて。僕の父さんにも、もう連絡はいったから。」

 

そう言って、半ば強引にイタチをシスイに渡した。

 

 

 

 

「慌ただしくてすみません。後はお願いします。

 

 

 

……どうか、木の葉を疑わないで下さい。」

「!? どういう……。」

 

 

 

──ボフンッ!!

 

「!!」

 

目の前で煙となった影分身は、明らかに術者が解除した消え方ではなかった。

 

 

「……っ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

っ、ハルトォォォォォォォ!!!!!」

 

 

優秀な忍であるシスイだからこそ、それが何を意味するのかを理解するのに、時間はかからなかった。

 

悲痛な叫びが、夜の空に響き渡った。


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