HARUTO~原作のないNARUTOの世界へ   作:ゆう☆彡

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こんにちは。
今回の話は、結構悩んで作らせていただきました。

かなり地雷だと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、やはり、私的に書きたいように書かせていただきました。
不愉快に思われた方がいらっしゃったら申し訳ありません。

戦闘描写が沢山あるので、少しでも楽しんでいただけたら幸いです。


最強の成功作

 

 

「ちっ、最期まで使えん奴らだ。」

 

 

男、志村ダンゾウの声が、俺の耳まで届いた。

背を向けているため、どのような顔をしているのかは分からなかったが、それでも、何を指しての事かはすぐに分かる。

 

 

 

 

 

「この……っ、化け物め……っ!」

 

──ザシュッ!!!

 

赤い飛沫が俺の身体を染める。

周囲は既に、血の海と化しており、その全てが俺が切り捨てた忍たちであったものだった。

 

 

新たな力が開花したのか。……否。

 

俺と他の奴らとの差があまりにもありすぎて、俺の本来の力だけで制圧してしまっていたのだ。

せめてもの救いは、ここにいる忍の全てが木の葉の者ではないこと。それが無情になりやすくしており、目の前の地獄絵図を作り出していた。

 

 

 

「仕方あるまい。例の奴らを全員出せ。」

「!? ですが……、あれは我々にも制御できるものでは……。」

「奴も連れて来ればよいだろう。実験の成功を伝えれば、直に来る。」

「はっ。」

 

根の部下が下がり、俺とダンゾウだけが部屋に残る。

 

 

俺は微動だにしない。どのように写っているのかは知らないが、今の俺は幻術にかかっていると思われている。ならば、あえて疑われる行動はしたくない。

 

その様子を見て、放っておくことにしたのか、杖の音が遠ざかるのが聞こえ、背中越しでもダンゾウが離れていることが分かった。

 

 

 

 

……気づかれないように、そっとその姿を見る。

 

その背中を今すぐ刺して、ここから逃げ出したい。が、今はまだその時じゃない。

 

 

ふつふつと、確実に湧き上がるこの気持ちを抑え込み、冷静に自分の中の異物を感じていた。

 

 

 

 

 

「ダンゾウ様。お連れしました。」

 

根の忍の声がした方を見ると、明らかに先程の忍とは質も量も桁違いの忍が四人程並んでいた。

 

「奴は。」

「後から来るそうです。」

「そうか。

 

 

全員であやつを殺せ。出来なければ、お前たちが死ぬ。」

「……。」

 

 

全員!?いやいや、ふざけんなよ。

 

 

忘れないで欲しい。俺はまだ四歳なのだ。

対して、目の前に立つ忍は全員大人。

額当ては木の葉ではない、様々な国の忍。全員操られているのか、その目に生気は無かった。

 

 

 

「奴の最高傑作のお手並み拝見とゆくか。」

 

その言葉を合図に、全員が戦闘態勢に入る。

 

 

「“熔遁・灰石封(かいせきふう)の術”。」

「!?」

 

熔遁って、血継限界だろ!?

 

相手が口から石灰を吹き出し、瞬間的に固まっていく。

 

「“水遁・ 爆水衝波”っ!」

 

俺の背後から、巨大な波が相手に向かって押し寄せ、石灰を足元に来る前に、水ですべて固めきる。

 

 

 

──チャクラ、全開で使えんの楽だなぁ。

 

もっと悪戦苦闘すると思っていたのだろう。俺にかけられていた、チャクラを練ることを阻害する術は解かれていた。……幻術はかけられていることになっているが。

 

 

 

捕えられないと分かると、別の忍二人が接近戦に持ち込んできた。

 

 

「“真空剣”!」

 

刀がチャクラをまとって、殺傷力をあげる。金属がぶつかり合う甲高い音が、連続して響く。先程まで相手していた、忍とは桁違いのスピードだっだが……

 

 

──連携、というものを知らないのか、こいつら……。

 

 

「“影分身の術”!!」

 

二対一が逆転する。連携する気がない二人をバラバラにすることは容易だった。

 

二人を抑えている間に、熔遁使いを先に叩く。血継限界相手はさすがにきつい。

 

 

「“氷遁・ツバメ吹雪”」

「!?」

 

 

ちょっと待て。お前もかよ!?

 

接近戦に参加しなかった忍が仕掛けてきた術は、氷遁。原作では確か、白が使ってたっけ。その中に、こんな術はなかったから、多分、俺の原作外の知識だ……、映画かなぁ……。

 

氷のツバメがものすごい勢いでこちらに向かってくる。氷なんだし、火遁が効きそうだが、生憎、火遁は使えない。

 

「“風の刃”」

 

指先に集められた風のチャクラが真空の球となって、そこを中心に縦横無尽に無数の風の刃が飛び散る。氷くらい脆い物質なら、これで粉々だ。

 

おまけに、熔遁使いにも攻撃できた。が、

俺の頭の中では、最悪の状況が出来上がっていた。

 

 

「“木遁・挿し木の術”」

「“嵐遁・励挫鎖苛素(レイザーサーカス)”」

「ちっ……!!」

 

1ミリの狂いもなく、予想が当たってしまった。……こいつら、全員、血継限界使うのかっ!

木遁なんて、ヤマト隊長が初の成功者じゃないのかよっ!!

 

 

 

「“風遁・風壁の術”っ!!」

「「「「“雷遁・風華雷光”っ!!!」」」」

 

“風壁の術”は俺のオリジナル忍術。風の刃が俺の眼前で縦横無尽に飛び回り、通過するものすべてを切り刻む。

 

 

 

 

──くっそ……っ、

 

さすがに血継限界、しかも四人を同時に相手するのはきつい。

肩で息をして、額からは汗が流れる。

 

……ってか、ここまでしても俺の中の異物の正体はわかんねぇのかよっ!

 

 

 

 

 

 

 

 

「手こずってるようね。」

 

──!!

 

「来たか。」

 

 

なるほど。根の奴らだけで行う実験にしては、おかしいとは思ったが、裏であんたと繋がってるってんなら納得だ。

 

 

「最後の手段ね。」

「死んでも知らぬぞ。」

「こんなもので死ぬようなら、そこまでよ。」

 

 

高いところから見下ろす、そいつの顔を睨みつける。

 

 

──俺はまだ、

 

 

 

「やりなさい。」

「「「「……。」」」」

 

 

──死ぬわけには、……いかない。

 

 

 

「“木遁・木龍の術”」

「“氷遁・破龍猛虎”」

「“熔遁・灼河流岩の術”」

「“嵐遁・励挫鎖苛素”」

 

 

もう一人の黒幕による指示で、全員の強力な攻撃が一斉に、向かってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちくしょぉぉぉぉ!!!!」

 

 

叫びが打ち消されるほどの爆発音が、周囲を包んだ。


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