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ありがとうございます!これからも頑張ります!
しかし、今回は短いし遅いし……。申し訳ないです。
「ちょっ、先生っ!!?」
「ミナト、本当に合っているのか。」
爆発があった場所に向かう、ミナトを含めたハルト捜索班。が、そこに向かっている途中に、それは起きた。
「リン、まだ何も感じないか。」
「……うん。爆発があった直前に、ハルトくんのチャクラが大きくなったのは感知できたんだけど。」
感知タイプのリンや、上忍のフガク、そして弥白でさえも、その爆発の直後から、ハルトのチャクラを感じることがな出来なくなったのだ。
そんな中で……
「こっちで合ってるよ。小さいけど、ハルトのチャクラを感じる。」
ミナトだけがハルトのチャクラを感じ取り続けていた。
それでも時間が経つにつれて、ミナトの顔も歪んでいく。間違いなく、それは小さくなっているのだ。
「くそ……っ。」
──シュンッ!!
飛雷神でとぶミナト。それについていける忍は、この場にはいなかった。
「ミナト先生っ!」
『我が追いかける。我のチャクラを辿って追ってこい。
それでよいな、うちはの者。』
忍は追いかけることは出来ない。が、飛雷神を使う弥白は別だ。
「分かった。すまない。」
『気にするな。ミナトの親バカは今に始まったことではない。』
そう言うと、弥白も飛雷神を使って同じ速度で追いかけ始めた。
『おい、ミナト。』
「やっぱり、弥白が着いてきてくれると思ったよ。」
『……そこまで考えていたか。』
「俺もそこまで冷静さを欠くわけにはいかないからね。
俺が抜けても、上忍のフガクさんがいてスリーマンセルの状態は維持出来てる。敵襲が来ても、大丈夫だよ。
それに、リンにはマーキングを施したクナイを渡してある。」
『そうか。』
話しながらも、とにかくミナトは前に進み続ける。
その目に、迷いは一切なかった。
『……、(我でも感じ取れない主のチャクラを……。
ミナトをさすがと言うべきか、……親子だからか。)』
その強い眼差しを見て、弥白は思うのだった。
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──ザッ、……ザッ、……ザッ
足取りが重い。
もはや残っていないチャクラを最大限隠して、上に羽織っている布で懸命に顔も隠し、出来る限り周囲に配慮して歩いていたが、その集中力も間もなく切れそうだった。
チャクラも無ければ、武器もほとんど残ってない。今の俺に出来るのは、気配を隠して歩くことなのだが……
「隠すにも、チャクラいるよなぁ。」
疲れた。止まってしまいたい。いっそのこと、ここで休んでいこうか。
意識朦朧のまま歩いていたからか、ここが暗部のアジトからどのくらい離れているのか、木の葉にどれくらい近づいているのか、分からない。
その事が止まることを恐怖に感じさせた。
──ガサ
「!」
僅かな風と小さな草の音。細心の注意を払っているからこそ気づけた、人の気配。
そして、そこまで研ぎ澄まさなければ感じることが出来ない、その人物の実力。
──ここまで来たってのに……、くそっ。
できるだけ離れた木の陰に隠れ、クナイを構える。
──後、五歩くらいか……?
数を数えていき、ゼロになったところで
──シュンッ!!!! ──ボンッ!!!
仕留められなくていい。少しでも隙ができれば、それでいい。
クナイと煙玉、そして俺の残っているチャクラでできる限界だった。しかし、
──ヒュンッ!!!
「!」
それに全く臆することなく、まるで見えてるかのように、煙の中から人影が現れ、そのまま真っ直ぐこちらに向かってきた。
──……ここまで……か。
クナイは構えつつも、俺のチャクラはもう一つも残っていなかった。立っているのも限界になり、そのまま前に倒れていく。
世界がとても遅く見えた。
──ボフッ
「……?」
感じたのは固い地面の感触ではなく、
「……見つけた、ハルト。」
「!」
温かい腕の感覚。目を開けて、見上げる間もなく、そのまま抱き寄せられた。
「……とー、さん?」
「ハルトっ……、、」
あぁ、久しぶりだ。
どうやったって力が抜ける、この感覚。安心しきってしまう、ここは安全だと認識してしまう。
何もかもが、俺の機能をオフにしてしまう。
「っわ、」
父さんによしかかったままの俺を、抱っこしてくれた。
「着くまでゆっくり寝てていいよ。
帰ろう、母さんが待ってる。」
「……ぅん。」
父さんの安心する声を聞いて、俺の意識は完全に落ちた。