HARUTO~原作のないNARUTOの世界へ   作:ゆう☆彡

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普通の少年ならこんなこと言えませんが、まぁ、ハルトくんはチートですから。


第三章~アカデミー入学
決着はまだ先


 

 

「うん! かっこいいってばね!!」

「別に、普通でいいんだよ、母さん。」

 

 

「ハルト、準備できたかい?」

「うん。」

 

 

結構、朝早い時間。そんな時間から、何を騒がしくしているのかというと、

 

「俺と母さんは、後から行くからね。」

「わかった。」

「分からないことがあったら、先生に聞くのよー!」

「大丈夫だよ。」

 

今日から俺は、忍者アカデミーに入学するのだ。

退院してから、一ヶ月ほどしか経っていない。なぜこんな急な時期になったのかというと……、こんなことがあったから。

 

 

 

『“晶遁”はともかく、主の瞳力は、あまりに危険だ。使うべきではない。』

「なるほどな。」

 

退院してからすぐに、俺は、三代目火影に色々と事情を聞かれていた。

一体どこまで話すと呪印が発動するのかが分からなかった為、ほとんど弥白に話してもらった。……てか、精神世界で色々話しちゃってたけど、危なかったのかなぁ。

 

 

「事情は相わかった。ハルト、辛い思いをさせてしまって済まなかった。」

「い、いえ。火影様が謝ることではありません。」

 

目の前の里の長に頭を下げられたことに驚いて、慌てる俺。だが、これがこの人とダンゾウの決定的な違いなんだろう。

人を人として見ており、駒として扱わない。簡単なようで、上に立つ人間になればなるほど、意識することが難しいことだと、俺は思っている。

 

 

 

「ダンゾウのことは儂らが責任をもって対処する。」

「……。」

 

ヒルゼン様に敬意を表している時に言われた言葉に、一瞬、思考が止まる。

 

──うーんと、ちょっと待てよ?

もしここで、ダンゾウが物語から消えたとして、このあと色々とやばくないか?

 

【根】のことも木の葉の裏のことも、もろもろ全部、火影に降り掛かってくる。それは、次の火影である父さんへの負担も増えるってことだ。

 

「あの……、火影様。」

「ん? なんじゃ。」

「ダンゾウ様に何かしらの処分を下すのは待っていただけないでしょうか。」

「!」

「!?」

 

火影様も父さんも驚いていた。

そりゃあそうだろう。今回のことで、ダンゾウに一番怒りを覚えるはずの俺から、擁護の言葉が発せられたのだから。

 

「ダンゾウ様は、木の葉の裏の部分を抑えている、言わば鎖です。今、その鎖を壊してしまえば、木の葉に与えるダメージは計り知れません。

その時は必ずきますから、それまではダンゾウ様の力を借りておくべきだと思います。」

 

俺がそう言えば、納得せざるを得ないだろう。火影様も父さんも馬鹿ではない。ダンゾウが、木の葉の裏を制御していることくらいわかっている。分かっていて、彼を処分しようとするのは、単に俺のため。

長として、父として、俺に出来ることはこれぐらいだと分かっているからだろう。

 

 

 

──だが、そんな簡単に退場させてやるわけにはいかない。

 

お前にはもっと辛い苦しみを味わってから、退場してもらう。

 

 

……そういや、大蛇丸はどうしよ。大蛇丸はかなり大事な人物なんだよなぁ。

なんて、呑気なことを考えてたら言いそびれた。……まっ、何かやらかしたら俺が何とかすればいいか。

 

 

「ハルト、お前の指摘通りじゃ。

お前にまで、理解をさせてしまって申し訳ない。」

「いえ、気にしないでください。」

 

うん、俺が今、一番気にするべきは、横で俺をめっちゃ見てる父さんへの言い訳くらいだろう。まっ、誘拐された時に色々聞いたって言えばなんとかなるかな。

 

「それで、火影様。僕からお願いがあります。」

「ふむ、言ってみよ。」

「僕をアカデミーに入学させてほしいのです。」

「アカデミーか……。お主の年齢と実力を考えれば、何も難しいことではないな。」

「アカデミーにいれば、“晶遁”の練習もしやすいと思うのです。」

「そうじゃな。

ならばちょうど良い。もうすぐ行われる入学式に参加すると良い。」

「……え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……と、まぁ、こんな感じ。

 

日付感覚忘れてたけど、なんと、入学式のちょっと前だったみたい。転校生は嫌でも目立つからちょっどよかった。

 

そこからはもう急ピッチ。父さんと母さんに説明するのはもちろん、シスイにもその話をして、一緒に入学した。というより、させた。

 

『あんなにも、無理矢理な主は初めて見た……。』

「いやぁ、必死だったからね。」

 

まさか一族ってだけで、シスイの両親だけでなくフガクさんやうちはのお偉いさんの承諾もいるとは思わなかった。フガクさんはすぐに終わったけど、それ以外がまぁ大変。

 

 

 

 

「ハルトォォォォ!!! 弥白ぉぉぉぉ!!!」

『……うるさいのが来た。』

「弥白ぉっ!! 今、めっちゃ失礼な事考えただろ!!」

『事実を考えただけだ。』

「おいっ!!」

 

まぁ、その苦労が実ったのだからいいだろう。

 

 

 

 

桜の花が舞う道を、二人と一匹が歩く。

 

 

──忍者アカデミー 入学式──

 

 

 

必ず、大切なやつは守る。

俺は、火影みたいに見知らぬやつらまで家族だなんて言えないけど、そんなふうに思う忍を守っていくことが俺の役目。

 

 

そして、お前は、ダンゾウだけは必ず俺の手で地獄に落とす。

 

 

 

 

 

 

様々な思いを持つハルト。そして、ハルトを慕うシスイ。

ここから始まる二人の天才忍者の話を、まだ誰も知らない。

 





ありがとうございます。

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