HARUTO~原作のないNARUTOの世界へ   作:ゆう☆彡

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前話、結構地雷覚悟だったんですが、たくさんのお気に入りが増えて、すごく嬉しかったです!
本当にありがとうございます。


知ってたけど、俺は火影に向いてない性格

 

 

「あぁぁぁぁ、疲れたぁぁぁぁ!!」

「シスイ、うるさい。」

「ハルトが最近、俺に対して冷たい……。」

「事実を言ってるだけじゃん。」

「それが冷たいって言うんだよ!」

 

アカデミー入学後も、相変わらず俺はシスイと一緒にいた。

正直に言って、アカデミーはとても楽しかった。原作知識をなんとか思い出すだけで補ってた知識の穴が、少しずつ埋まっていった。

 

でも……

 

「次の時間は実技だぞ! 各自、準備して外に出ておくように!」

 

……これだけはつまらなかった。

 

元気よく、はーいと返事する生徒達が大多数。と言うより、俺以外。隣にいるシスイも楽しそうにしてる。

 

「シスイ。そんなに実技楽しい?」

「座ってるより楽しいぞ!!」

 

そんな嫌か。

だってそうだろ? 俺とシスイは戦闘の基本なんて、とっくに終わってる。アカデミーでやる練習なんて、暇で暇でしょうがなかった。実技の時間は、図書館で借りた本を読んでることがほとんどだった。

 

 

「次! 波風ハルト!!」

「はい。」

 

今日は初めて、授業でクナイを扱っていた。俺も初めての時はかなり練習したけど、クナイを的に的確に当てるのは結構難しい。他の生徒はみんな、苦戦していた。

そんな中で、今までほとんど参加していたのかもよくわからない雰囲気の俺が指名された。そんな俺には様々な視線が向けられる。まぁ、多いのは男からの嫌悪の目だが。

正直、乗り気ではないが、父さんに迷惑をかけるわけにもいかない。この世界は実力がすべて。俺がもといた世界とは違って、強ければいいのだ。楽でいい。

 

クナイを取り出し、的に向かって投げる。まっすぐ勢いよく投げるのも難しい。それは、自分たちがまさにやっていたのだから分かっている。その自分が苦戦したことを何なりとやってのけた。そして、

 

「よし、満点だ。」

「ありがとうございます。」

 

ど真ん中に的中させて見せた。

周囲に響く感嘆の声と舌打ち。いやぁ、二極的で面白い。

 

 

──あれ。俺、かなり冷酷なやつ??

 

 

───────────────────────

 

 

「明日から、また任務に行ってくるよ。」

「分かったってばね。気をつけてね。」

「うん。ハルト、しばらく、母さんのことよろしくね。」

「分かってるよ。」

 

俺がアカデミーに入学してからしばらくした頃。父さんを含めた上忍、そしてその下につく中忍や下忍が任務のために里の外へ行くことが多くなっていた。

 

 

「父さん。」

「ん? どうしたんだい?」

「また……、

 

戦争が起きるの?」

「!」

 

俺は何の気なしに聞いたことだったけど、父さんからすればまだ六歳の息子が、戦争を感づいていることに驚いてるのだろう。

それでも、誰よりも俺のことを認めてくれている父さんは、すぐに教えてくれた。

 

「そうだね。

まだ小さな争いだけど、近いうちに大きな戦争になるかもしれない。それを今から、小さく少なくしとかなきゃいけない。そうしないと里にも影響が出るかもしれない。」

 

父さんはわかりやすく教えてくれた。第三次忍界大戦の知識は少なかったからありがたい。

 

「木の葉の里には結界が張ってある。それでも、何かあった時には、頼むよ。」

「うん。」

 

 

俺は少し不思議だった。原作では知らないけど、あまりにも露骨に外へ戦力を出しすぎな気がした。里の結界はそんなに信用高いのか?え、俺が疑い過ぎ??

 

その時の俺には、それ以上の事を考える力はなかった。

 

 

───────────────────────

 

 

《ミナトside》

 

『また、戦争が起きるの?』

 

任務へ行く前夜、ハルトから聞かれた。

最早、一忍びとしての実力と思考も持ち合わせているハルトから聞かれたことに、驚く自分と当たり前かと思う自分がいた。敏感なハルトであれば、気づくだろうとも思っていたからだ。

 

次の戦争は、前の戦争が消しきれなかった小さな争いが長く続いてきたことが原因にある。いつ、どこで大きな戦争になってもおかしくない状況なのだ。そしてそれは、木の葉も例外ではない。

ハルトにはきちんと説明し、クシナのことを任せた。ハルトなら安心して任せられる。

 

 

 

「さてと……、ハルトはどこまで俺と同じ考えかな。」

 

ハルトが部屋を出る時に、若干、納得出来ない顔をしていたのに気づいた。

里に、同じような顔をして今回の任務を受けている上忍がいる。俺も、その一人だ。

今回の任務では、明らかに里の外へ派遣する忍の数が多い。そのことを懸念する忍が多少なりともいた。

 

 

火影様から受けた任務を無視することは出来ない。それでも今回は、なにか嫌な予感がした。だからこそ、ハルトに隠さず話した。

 

 

 

──何かあった時は、頼むよ、ハルト。

 

 

自分の息子に、色眼鏡なく高く評価できることが嬉しく感じながら眠りについた。


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