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「じゃあ、頑張ってね。」
「でも、僕は見てるだけだよ。」
「それだけでも大事なことよ!」
アカデミーに行く日、俺は父さんと一緒に出る。
いつもよりもしっかりした、けど動きやすい格好で、白い襟付きのシャツに黒い半ズボンで出かける。ナルトというよりは、どっちかというとサスケに似てる配色だなー……。
「さてと。ハルト、行こっか。」
「うん。母さん、行って来るね。」
「行ってらっしゃい!!」
もちろん、飛来神が出来るなんて言ってないから、歩いて向かう。……んー、いつ言おうかな……。
「ハルトはどんな修行をしてるんだい?」
「へっ!?」
な!?え!?バレてんのっ!?
「クシナが言ってたよ。ハルトの服がたまにボロボロになってるから、いじめられてるのかと思った、ってね。」
……ってことは、母さんも知ってるのか。
さすが、ナルトの父さんと母さんだ。
「隠してたわけじゃないんだよ?」
「ん! 修行することは悪い事じゃないし、ケガしてないならとりあえず良しとするよ。」
「ありがとう。」
父さんは、俺の頭を撫でてくれた。……あぁ、これはナルトにも味わって欲しいなぁ。
「それで、ハルトは一人でやってたのかい?」
「うん。」
「よしっ。じゃあ、今日は色んな人とやってみよっか!」
「??」
「今日はね、アカデミー生と僕の部下が手合わせをするんだ。ハルトもやってみなよ?」
「えっ……、そんなの出来るわけないよ。」
「そんな、弱気になんないの。ハルトなら出来るよ。」
いや、そこじゃなくて。
絶対、先生が許可しないし、変に目つけられたくないんだけどなぁ……。
先生よ、頼むから許可しないでくれっ。
「ハルト、残念だけど講師は俺だからね。」
「……ココロヨマナイデ。」
「あはは! ハルトもまだまだだなぁ。」
だめだ。なんか、フラグ立ってる気がする……。
もはや、諦めながら集合場所のアカデミー学校の校門に向かった。
「お、いたよ。」
父さんの目の先にいたのは、想像通りの人たち。
「ミナト先生ー!!!」
まだ、闇堕ちしてないオビトが大きな声で、こちらに声をかけた。
横にいるリンさんとカカシ先生は、すぐに俺の存在に気づき、疑問の顔を浮かべた。
「おはよう。今日は、時間通りかな。」
「先生。その子は誰ですか。」
……おぅ、そんなに敵対視しなくても。一応、見た目は子どもなんだから。
「そんなチャクラの量の子どもは見たことありません。」
……すんません。俺が悪かったです。
「初めまして。波風ハルトです。」
「あー! ミナト先生の息子さんですか??」
「そうだよ。まだアカデミー生じゃないけど、連れてきちゃった。」
「きちゃった、じゃないですよ、先生。」
「まーまー! カカシ!! いいじゃねぇかよ!
俺はうちはオビトだ!! 先輩だから、なんでも聞いていいぞ!!」
カカシ先生の冷たい視線を遮るように、オビトが自己紹介をしてきた。
「私は、のはらリンよ。よろしくね。」
「お願いします。」
「こいつははたけカカシ。愛想ねぇけど、怖がる事ねぇからな。」
「あ、……はい。」
「なんで、俺の自己紹介をお前がしてんだよ。」
「どうせ、お前言わないだろ!!」
「もー!! カカシもオビトも喧嘩しないの!!」
原作でも見たことのある光景。それを見て気づいた。
もしかして、オビトを闇落ちさせなければ、ナルトが狙われることもないんじゃないか。
オビトがトビなわけで、オビトが木の葉にいればナルトを狙うやつもいなくなる……??
安易な考えかもしれないけど、試してみる価値はある気がした。
「はいはい、そこまで。3人とも行くよ。ハルトも着いておいで。」
「っしゃー!! ハルト! 一緒に行くぞ!!」
「あ、はいっ。」
……これは、ナルトと息が合いそうだな。
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「ってことで、少ない時間だけど君たちに教えられることがあれば、教えるからね。」
「「「「「「「「「「お願いします!!」」」」」」」」」」
「よーし! 後輩たちよ!! 俺になんでも聞けよー!!」
「うわぁ、あの人がカカシさんかー!」
「アカデミーを首席で合格した、すげぇ人なんだろ!!」
「ここでもカカシかよ!!!」
カカシ先生って既に有名なんだな……。
「とりあえず、手合わせしてみようか。」
何やかんやで始まった組手。カカシ先生やリンさんはもちろん、相手にされていなかったオビトさんも、結局はこの時代にアカデミーを卒業した人たち。アカデミー生はうまく受け流され、その差は歴然だった。
カカシ先生たちの動きを見るのに夢中で、俺は気づかなかった。
3人の動きを見ている俺のことを、
「……。」
父さんが見ていたことを。