そして、そんな中でお気に入り数が2300に近づいてきました!ありがとうございます!!
次回は、戦闘シーンかなぁ。投稿日、遅れそうですね……、頑張ります。
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「では、最後の問題を発表する。」
教室にいた二分の一ほどの忍がカンニングで退場になった頃、試験官の森乃イビキが動き出した。
ちなみに、シスイの解答用紙はひとつも埋まってない。ナルトと同じ状態だ。
ナルトと唯一違うところといえば、
──なんで、そんなに自信満々な顔してるのかなー
ビビってたナルトとは違って、シスイの顔はそんなに焦っていなかった。安心するような、不安が増すような……。
「最後の問題を発表する前に、お前たちには選んでもらわなければならないことがある。
それは、この問題を聞くかどうかということだ」
会場が少しざわつく。
説明されたことは、ナルトたちと同じ。もし、この最後の問題を受けないことを選択すれば、持ち点はゼロになり、班員全員が失格。
受けることを選択した場合、その最終問題が不正解であれば、今後一切の中忍試験受験資格を剥奪する。
そのルールを言われた瞬間、たくさんの野次が飛ぶ。あらかた、今までの問題も解けていないやつらだろうな。
──なるほど。つまり、最終問題だけが解ければいいわけだ。
冷静に今の監督の話を聞けていれば、全ては最終問題にかかっている。つまり、受けないなんて論外であることが推測できるのだが。
──永久剥奪なんて言われたら、そんなとこまで気が回んないのか。
最初は黙っていた試験会場も、一人が手を挙げたことを皮切りに、次々と脱落者が現れる。
さてと、シスイは……
「……。」
相変わらずなんでそんなに余裕そうなのかなぁ……。
とりあえず、手を挙げる気はないらしい。そこはナルトと違うところだな。
脱落者の波はまだ途切れないようなので、俺はある問題を解き始めた。
それは最終問題の一つ前。
“基本的な知識を用いて、封印術を一つ書け。”
これはオリジナルでなくてもいいわけだが、ちょっとからかうつもりで、オリジナル術である“性質結界封印術”を書いておいた。なんか反応してくれるといいなぁ。
結局、シスイが動揺することはなく、最初の受験者数から四分の一になった頃に、扉が閉められ、
「では、
ここにいるものを中忍試験一次試験、合格とする!!」
一次試験の合格を伝えられた。
「この試験、第九問目までの問題は、到底下忍の君らでは解くことの出来ない問題だ。
つまり、否応なしにカンニングをしなければならない状況である。情報とは、いついかなる時もその価値が高く、その奪取は命の危険すらある。カンニングという情報収集を第三者に気づかれた時点で、その情報は既に奪うことに失敗したということだ。
一つの情報が、仲間の、里の命に関わるのだ。」
確かに情報とは、その価値が非常に高い。そして、効果的な取引要素にもなる。
「そして、第十問目。
忍には確かに、忍術や体術、そして頭脳も必要だ。しかし、最も必要なものはそんなものではない。
今回は中忍試験受験資格を永久に剥奪する、という選択肢だったが、もし君らが中忍になったとして、目の前に差し出される選択肢はそんな生ぬるいものではない。
命を危険に晒す、ましてや情報もほとんどない任務で、君らはその任務を受けないという選択ができるか。
……答えは否だ。
中忍に求められるのは、いついかなる時も勇気を示し、困難に打ち勝っていく。それが、中忍に求められるものだ。」
小隊を率いることもある中忍には、上忍には及ばずとも、その隊に課せられた任務をこなすための度胸が必要ってことか。
「ここにいる者には、その度胸はあるということだ。
第一次試験、合格おめでとう。」
「よっ……」
「「「「「「しゃぁぁぁぁぁ!!!!」」」」」」
会場内が、一気に騒がしくなる。
そりゃあ、四分の一しかいない合格者の一人に選ばれれば嬉しいだろう。……これで終わりじゃないけど。
「第二次試験、いや最終試験は明日の早朝から行う!
明日の試験は模擬戦だ! 各自しっかりと準備しておくように!!」
「「「「「「はいっ!!」」」」」」
俺らの時代には、試験が二つしかないらしい。しかも、ラストはナルトたちの最終試験みたいなものだ。トーナメント方式かなぁ。
「ハルト! 帰るぞ!!」
最後の方まで残っていた俺を、出口から大きな声でシスイに呼ばれた。
「うん。 行くよ。」
帰り際に、試験監督である森乃イビキの視線を感じたけど……、まぁ、見ないふりをした。
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オレンジ色の夕陽が照らす教室は炎が赤く燃え上がっているように見える。そこには、机の上にあるテストの解答用紙を回収して回るイビキの姿があった。
「なるほど……、まさかこのテストを白紙で通るやつがいるとはな……。」
それはシスイの解答用紙。
イビキの目から見ても、カンニングする様子もなく終始自信をもって座っていたように見えた。
「初めからこの問題の意図を分かっていたのか……、それともただ単に……。」
少し笑いながら、他の生徒の解答用紙も回収していく。
そして、
「!
なるほど……。」
手にしたのはハルトの解答用紙。
こちらも、カンニングする様子はなく、それでも回答の手が止まることがなかった人物であった。
そこにあったのは、きっちり埋められた満点の回答。
そして、特別上忍であるイビキだからこそ、すぐに気づく問九に書かれた術の正体。。
「……あの歳で、オリジナル忍術を書いてくるのか。
無意識か、挑発か……。」
答えが決まっている試験という状況で、オリジナル性を出してくるのは、賭けである部分もある。それは、これがオリジナル忍術であると気づかれなければ、不正解にもなりかねるからだ。
ハルトは、それを見越してオリジナル忍術をこの問に書いたのだ。自分の試験監督はこれを見抜けるかどうか。
結果として、点数は表示されることもないし、合格してしまったので、ハルトがその真意を知ることは出来ないが。
「面白いやつが二人も、そして同じ班にいるとはな。」
今回、イビキが中忍試験の監督を務めることを火影から聞いた時に、同時にこんなことも聞いていた。
『今回の試験に、まだ下忍になりたての班が一組だけ存在しとる。
お主なら心配ないと思うが、贔屓目で見ずに評価してやってくれ。』
『分かっています。ですが下忍になりたて……というのは、早すぎるのでは?』
イビキがそう言うと、火影・ヒルゼンは立ち上がって木の葉の里が見える窓の方を見た。
『そうだな。
三人全員というのは、少し早すぎるのかもしれぬ。
しかし、うち一人は既に中忍のレベルも超えていると、わしは思っておる。』
忍。それも一国の長である火影が、贔屓などで人を判断しないことは分かっていた。
確かに、もう一人のうちはアオイのレベルも頭脳という点でいえば、既に中忍のレベルであり、総合的に見てもこの班のレベルは申し分ないだろう。
「ミナトの息子か……。」
そんな班の中、いや、この中忍試験を受けている全忍の中でも、波風ハルトのレベルは頭一つ分抜けていた。
そんな彼に、次期火影候補である波風ミナトを重ねてしまうのは、仕方の無いことだった。
「挑発に乗ってやるか。」
中忍試験、最終試験が始まる。