HARUTO~原作のないNARUTOの世界へ   作:ゆう☆彡

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投稿が遅れて申し訳ありません。
戦闘シーンを書くかどうか迷いながら書いていました。オリジナル術がまだまだ出てくると思いますが、お付き合いよろしくお願いします。

投稿がなかった間にも読んでいただいてありがとうございました。


光遁

 

「勝者、うちはシスイ!!」

「よっしゃぁぁぁぁあああ!!!」

 

「勝者、うちはアオイ!」

「やった……」

「おぉぉぉぉぉおおお!!! アオイィィィィ!!!」

「シスイ、うるさい。」

 

一回戦を免除された俺と違い、二人は二つとも勝ち上がり、あと一つ勝てば無条件に中忍になれるところまで来ていた。

そして、一回戦を免除された俺の、実質初戦は、

 

 

「……。」

「……まだ続けた方がいいですか?」

「あ、……いえっ!

 

勝者、波風ハルト!」

 

 

──オオオォォォォォォ!!!

 

ほぼ瞬殺で、結構大きな歓声をもらった。

 

 

「流石だなぁ、ハルトは。」

「そうだね! ……シスイくん?」

「……負けねぇ!」

 

自分の知らないところで、俺の尊敬している相手に尊敬されているとは思っていなかったが。

 

 

 

 

「次勝てば、中忍かぁ!」

「そうだね! 頑張ろう!」

 

中忍という称号が手に届くところまで来ていること。そして、一回戦と二回戦をあまり苦戦せずに突破したことから、緊張もなく最高の状態でここまで来ていた。

 

それでも……

 

 

「シスイもアオイも、次の相手は気をつけて。」

「?」

「別に、誰が来ても手なんて抜かねぇよ! でも……、そんなやばそうな相手だったか?」

「うん。

 

少なくとも、今回の試験に参加している中では、一番強い。」

「ハルトがそういうこと言うとか、怖っ!!」

 

その忍の一回戦の様子を見ていたからだけではない。

 

あの、試験が始まる前に感じた殺気。

それを放ったと思われる人物が、彼ら以外に考えられなかった。

 

「アオイ。」

「どうしたの?」

 

シスイに聞かれないようにアオイを呼んで、小さな声で言った。

 

「本人だけじゃない。」

「え?」

 

「対戦相手と同じ班の忍にも気を付けて。」

「どうして……」

「ごめん、僕にもはっきりとは分からないんだ。でも、注意しておくことに損は無いと思う。

シスイはそんな器用なこと出来るかわからないけど、アオイなら出来ると思って。」

「……うん、わかった。 ありがとう!」

「頑張って」

 

 

今、アオイに言ったことの半分は本当だ。それはもちろん、敵に関する情報のこと。

 

それでも、もう半分は嘘。

 

 

シスイが定かかも分からない敵を注意することが出来ないということ。

シスイは確かに、頭で考えて動くタイプじゃないが、戦いの中で本能的に色々なことに気づいていく。

きっと、勝手に気づいていくと思うから、言わないだけなのだ。今言ったら、逆に混乱すると思うし。

 

 

「アオイぃぃぃぃ!! 頑張れよぉぉぉぉ!!!」

「ねぇ、すごい注目浴びるからやめてよ。」

「アオイを応援するためだ! ほら!ハルトもやるぞ!!」

「……頑張れー」

「気合が足りない!!」

 

 

 

……評価、撤回したい。

 

───────────────────────

 

 

始まった、アオイの三回戦は……

 

「……っ『火遁・豪火球の術』!!」

 

 

「『光遁・乱反射』」

 

 

圧倒的だった。

 

アオイはうちは一族であり、同じ年頃の者は選ばれていない中忍試験にも参加しているのだから、忍術だけでなく体術にも優れている。むしろアオイは、特筆するようなところはなくとも、平均的に全てにおいてレベルが高いタイプの忍だった。

それは強みはないが、弱点もないということ。レベルが拮抗しているであろう中忍試験であれば、最も強く、そして最も有利なタイプであると思っていた。

 

 

「光遁って、なんだよ……っ!」

「僕も初めて見たよ。 多分……、火影様たちも初めて見たんじゃないかな?」

 

そう言って、関係者席を見る。誰が送り込んできたのかくらいは、見当がついてると思うけど。

 

 

今、発動された術。『光遁・乱反射』は、相手の術を完全に断ち切り、そのままはね返すというもの。しかも、はね返された術の軌道は様々であり、自分が強力な術を出せば出すほど自分を苦しめていくのだ。

 

 

「勝者! ……オウギ!!」

 

歓声と動揺。二種類の声が、会場を包んだ。

 

 

 

光遁……って言ってたか。名前から普通に考えれば、血継限界か血継淘汰……。でもまぁ、あいつらが関わっているとすれば、それに限ることもない、か。

 

 

 

 

「!!」

 

試合に夢中になっているたくさんの観客の中から、一人。

 

 

俺に向けて、何か視線を送っていた人物がいた。

いや、視線というよりは……

 

 

「……殺気、か。」

 

 

まだ何かが隠れているような気がした。

 

 

 

「なぁ、ハルト。」

「! ……どうしたの?」

「もし俺が戦ってる時に、関係ない人達まで巻き込みそうになったら、頼んでもいいか?」

 

普段は明るいシスイの顔に暗い影が落ちており、その中で赤い瞳が光っていた。

その頼みは自分の力が制御できないかもしれないという不安と、……覚悟。

 

 

「もちろん。」

「次の試合を行う! 試験生は前へ!!」

 

そのアナウンスで、シスイが柵を乗り越え真ん中の会場に降り立った。


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