多数の意見を頂いた【ザ・ロストタワー編】に突入致します!なお、その後に一番も見たいという意見もたくさんありましたが、元々その予定だったので、一番を見たい方はもう少しお待ちください!
※前話の【ハルトとアオイ】のミナトリスペクトのハルトくんが、以外にも好評で嬉しかったです。ありがとうございました!!
千の塔を誇る街・楼蘭
「波風ミナト、秋道チョウザ、油女シビ、
直ぐに楼蘭へ向かえ」
「分かりました」
三代目・ヒルゼンの火影室。未だ沈静化の予兆すらない木の葉の里の外でのいざこざの対処の任務にあたっていたミナトが木の葉に呼び戻されるのは、息子に暗部になる命が下った時、そして今回が二回目だった。
「それで、三代目。 今度の任務、このはたけカカシも加えたいのですが……」
「何か考えがあるのか?」
「えぇ。 まだ若いですが、優秀な忍です」
「ふむ……、やはりお主らは親子なのだな」
「……どういうことでしょうか?」
親子という言葉を聞いて、ミナトには直ぐにハルトの顔が思い浮かんだ。
「今回の任務、ハルトに木の葉の部隊と合流するよう伝えてあるのだ。 その時に、もしよければ木の葉の部隊にはたけカカシを加えて欲しいと言われておった。 まさかお主の方から言ってくるとはな。」
「ハルトが……今回の任務に?」
ミナトには、カカシを連れて行くという考えがハルトと一致した事よりも、任務とはいえ半年ぶりに息子に会えることの方が嬉しかった。
「あぁ。 それに今回は……」
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「ミナト、もう少しで到着だぞ」
「あぁ。 気を引き締めていこう」
「一番引き締めるべきは、ミナトかもしれんがな!」
「大丈夫だよ。 息子の前で恥ずかしい姿は見せられないしね」
シビやチョウザがミナトを少しからかう。ハルトが暗部に入隊し、長期任務の命を受けた時のミナトの落ち込みようは激しかった。
それでも、上忍であるミナトが任務に支障をきたすことは無く、淡々とこなしていった。それでもやはり同期から見れば、いつもと様子は違い、そしてそれを隠すように無理をしていることもよく分かっていた。
だからこそ今回の任務で、少しだけでも元気
になるミナトを見れることは嬉しいことだった。
「楼蘭に入ったら、カカシは任務通りに頼むよ」
「分かりました」
「俺たちは先に入ってるハルトと合流しよう」
「「了解」」
お面をつけ、楼蘭の街へと近づく。砂漠に囲まれたこの街には、門番や護衛などはいなくすんなりと中に入ることが出来た。
「随分と、あっさり入れるもんなんだな」
「……あまりにもあっさりし過ぎてる」
チョウザの言葉にミナトが警戒を高めたその
「上だっ!!!」
「「「!!」」」
ミナトの声に反応して、全員がその場から回避する。
「なんだあれは……」
「傀儡……!?」
あちこちから現れる傀儡の攻撃を回避しながら、全員が術者を探していた。
傀儡であるということは、チャクラ糸でそれを操る術者がいるということ。その人物と傀儡の間のチャクラ糸を切るか、術者を倒せば傀儡の動きは簡単に止められる。……しかし、
「術者が全然見つからない……っ」
操っていると思われる術者は全く見つからなかった。
攻撃して破壊することは出来るが、直ぐに復活する傀儡。少しずつではあるが、追い詰められていた。
「“手裏剣影分身の術”」
横から投げられたきた大量の手裏剣。その全てがチャクラを纏って青い光を放っていた。
繋がる先もわからないチャクラ糸が切れる音がする。ミナト班を追い詰めていた傀儡のその機能を確実に止め、目の前でバラバラに崩れて落下していく。
「こっちです、着いてきてください」
ミナトたちの前に現れた忍は、そう言うと直ぐに姿を消した。
「行こう」
一瞬しか見えないその姿を、ミナトだけは確実に捉えた。と言うよりも、ミナトがいるからこそ、その忍は一瞬しか姿を見せなかった。
たとえ一瞬だとしても、お面をつけていても、隠そうとしなければチャクラを隠せる訳では無い。
「(成長したね……、ハルト)」
旅だった日から、明らかにチャクラ量が違う息子の背中を追った。
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「ここは街の中心から少しだけ離れているので、あの傀儡たちも入ってきません。
改めて、今回の任務でご一緒させていただきます、波風ハルトです。 よろしくお願いします」
「久しぶりだな、ハルト」
「お久しぶりです、カカシさん。 シスイの件、色々とありがとうございました」
「ほんとだよ。 ま、どっちかというとオビトの方が貢献したかな」
「オビトさんにも戻ったらお礼を言っておきます」
ほぼ、黙って木の葉を出た俺にシスイは最初、動揺と怒り心頭で大変だったらしい。 カカシ先生とオビトが何とかしてくれたと後から聞いた。 大変、感謝している。
お面を外して、まるで任務に関係ない話ができるくらい安全なところに逃げてきた俺たち。
だが、そんな呑気な話が出来るのもここまで。
「三代目からどのくらい話は聞いていますか?」
「こっちで君から聞いてもらう、今はとにかく早く出発して欲しいということで、残念ながら情報はゼロかな」
「なるほど。 分かりました。
俺が調べてわかった範囲だけですが、お話します。
この街、楼蘭は少し前まではこんなにも発展した場所ではありませんでした。 周囲は砂に囲まれ、資源も限りなく少なかったこの街が、約六年前にやって来た一人の男によってあっという間にここまで栄えた街になりました。
この街にあった少ない資源、それが今回の任務に関わってくる“龍脈”です」
今回、俺が暗部として任務を遂行している時に火影から名指してこの任務を受けた時、なんという運命かと思った。
なんたって、前世の記憶で聞いたことのある街の名前が出てきたのだから。
情報集めも簡単だった。 自分の記憶にある情報と違う点がないかを確認していくだけ。 ……結果から言えば、無かったのだが。
予定よりも早く終わった情報集めの後に、俺が危惧した事が二つあった。
一つは、俺が帯同することによってカカシ先生がこの任務に関わらないということ。 カカシ先生とヤマト隊長がどこいるか、何をしていたのかはちょっと分からないから、その辺は任せたかった。
この問題は、火影に直接文書を送ることで解決した。
もう一つは、この街にやってくるであろうナルトがどの世界のナルトなのか分からないということ。 世界を超えてやってきたのであれば複雑なことになりそうだし、世界が同じで未来のナルトがやって来るのであれば、恐らく俺の事も父さんのことも認識するはずだから、それも隠すのが大変そう……。
もう一つの問題は、前もって手が打てない為、若干運任せなところがある。 ……まぁ、仕方ない。
「この街を治める女王は、龍脈の力を辿ることが出来るのですが、六年前にやって来た男が、その龍脈を効率よく使うことを提案しました。 ですが、その龍脈の力を傀儡兵器にまで使っているのではという疑惑が上がり、俺に単独任務の命令が下りました。 それの詳しい調査のためです。
そちらの任務は、女王の護衛と事の真相を確かめることでしょうか」
「うん、そうだね」
「なるほど。 任務内容は違えど、おそらく向かう方向は一緒ですから、ご協力よろしくお願いします」
「こちらこそよろしく頼むよ」
とりあえず、ナルトが来るまではできないことも多いかなということで、特に何かをしたという訳では無い。 原作の知識がある俺には、色々と問題が起こる前にことを全て対処しておくことも出来た。自慢するつもりではないが、それくらいの力が今の俺にはあった。
それでも何もしなかったのは、原作の流れをなるべく壊したくなかったから、……という思いが七割くらい。
後は、早くナルトに会いたかった、という思いが三割。 異世界から来たナルトであれば、より一層会いたい思いは強かった。
「あ、これ渡しておきます」
俺はホルダーに入った、特殊な形のクナイを手渡した。
「チャクラ刀です。 使い方はご存知かとは思いますが、チャクラを流せば、チャクラ糸を切ることができます。 ただ、ここの傀儡は術者ではなく、龍脈が流れる無数の管にチャクラ糸が繋がっています。 龍脈の流れは女王の血筋しか見ることが出来ないので、チャクラ人の発見は目を凝らして頂くか、傀儡にチャクラを流して逆説的に糸を見つけるしかありません。 慣れればそんなに難しくはないので……」
この任務受けるにあたって、チャクラ刀は必須アイテムだった。 しかし、原作で父さんたちがそれを持っている様子はなかったので、一応こちらで用意したのだ。
「説明は以上ですが、なにかありますか?」
「あ、一つだけ。 今回の任務で、はたけカカシは別働隊として動いてもらうんだけど、いいかな?」
「分かりました。 考えがあるのなら、構いません」
「ありがとう。 じゃあ、カカシ。 頼んだよ」
「はい」
父さんが言うと、カカシ先生はその場から消えた。 任務内容は知らないが、まぁ、原作通りなんだろう、これも。
「俺からもいいか」
「はい、どうぞ」
「チャクラ刀でもない、しかも影分身の手裏剣にチャクラを纏わせて、チャクラ刀と同じようにチャクラ糸を切るというのは聞いたことがないのだが」
「あぁ、それは……」
どうやら、最初に会った時のことを言っているようだ。 んー、時間が余って暇だったから考えて練習してただけどなぁ。 この世界では、異端なことだったか……。
「手裏剣にちょっとだけ細工してあるだけですよ。 皆さんが来るまで、時間があったので」
まぁ、適当に流しておこう。
その時に驚いた顔をしていた三人に、俺は気づかなかった。
そんなことよりも、
「!」
「「「?」」」
―――ドガーーーンッッッ!!!
「街の中心部ですね。 少し遠いので急ぎましょう」
「そうだね」
感じだ事の無い、それでも本能がそうだと叫ぶ、……自分と似ているチャクラ。
もう少し待たなきゃいけないかと思っていたけど、ちょっと早く会えるかもなぁ。
この世界の主人公であり、
自分の大切な存在である忍のチャクラの方に気がいってしまったから。
「ハルトに敬語使われるの辛いなぁ……」
「……仕方ないでしょ。 敵に、僕たちの関係を知られたらめんどくさいんだから」
「!!」
「まぁ、敵がいなきゃいいけど……」
「ハルトぉぉぉ!」
「危なっ!?」
ほんとにこの人が4代目火影で“木の葉の黄色い閃光”なんて呼ばれる日が来るのだろうか……。
まぁ、父さんの前だと俺って言うのに慣れてない、自分もどうかと思うけど……さ。