投稿、遅くなってしまって本当に申し訳ありません出した。
あまり期間をあけると何の話か忘れられてしまうので気をつけてはいるのですが……。
次投稿は頑張ります。
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まるでネオン街のような夜の街。それは、偽物のサーラを祝うパレードの光。人の形をした大量の傀儡もともに、同じ方面へ進んでいく。
そこから少し離れた通路を、逆走するナルト。
「くっそ、あいつってばどこ行ったんだ?」
人で溢れるこの状況で、チャクラを持たないサーラを見つけるのはかなり困難だった、
「~♪ ……♪」
「この歌……」
ガヤガヤと騒がしい通りの中から、かすかに聞こえた歌声を見つけるまでは。
「その歌、初めて会った時も歌ってたな」
「お母様が、この歌をいつも歌ってくれていたんです」
聖母マリアを連想させる鮮やかなステンドグラスがある塔の中にサーラはいた。
「……お母様に、龍脈の力を民のために使うことを進言したのは、アンロクザンでした。
お母様の龍脈を操る力と、アンロクザンが持ち込んだ技術によって、楼蘭はあっという間に千の塔のある街に発展しました。」
かつての、砂漠の中の資源も何もかもが枯渇していた街からは考えられない変貌。おかげで人々は、以前よりずっと安寧な暮らしをしていると思っていた。
「しかし、お母様は夢半ばで亡くなってしまい……、一人ぼっちになった私の側にはアンロクザンしかいませんでした 、……ほかの誰も、」
幼かったサーラにとって、アンロクザンだけが自分の唯一の見方だと思っていたのだ。そのアンロクザンでさえも味方ではないかもしれない、サーラは本当に一人ぼっちになってしまったのだ。
「俺にも親はいねぇ」
「!」
ナルトがサーラにひかれたのは、きっと成り行きなどではない。自分と境遇があまりにも似ていたからだ。
一人という孤独に押しつぶされそうになっている心を、必死に取り繕う姿が。
「でも、エロ仙人っていう師匠がいる、
……死んじまったけどな」
「ナルト……」
つい先日、木の葉にとって脅威となる暁を討とうとして帰らぬ人となってしまった自分の大切な存在。
「でも俺は、師匠から大事なことをたくさん学んだ、一度決めたことは絶対に曲げねぇ“ど根性”っていう忍道も、師匠譲りのもんだ」
それでも、その意志が消えることは無い。それは、彼が育てた大切な存在によって、確実に受け継がれていくのだから。
「お前も、お前の母ちゃんが守ろうとしていた大事なものをもらってるんじゃないのか」
「大事なもの……、……!」
サーラの脳裏に浮かぶのは、慎重な母が、長年触れられていなかった強大な力を使ってでも、守りたかったもの……
「母ちゃんが大事にしていたものを、今度はお前が守る番だってばよ」
……この街の民の顔。
「お前がやるべきことをやるんだ、絶対に曲げることなく」
ナルトの目がまっすぐ前を見据えており、その姿が、サーラの目には今まで見たことの無いナルトを見た気がした。
そして、その姿に押されるように決意する、……この街をともに育ててくれた者を疑うこと、そしてその者を疑えというこの忍達を信じるということを。
「まずは、この街の真実の姿を確かめなくてはなりません。
私たち女王には、龍脈の流れを感じ取る力があります。この街は張り巡らされているあの管を通って、龍脈の力を供給し動いています。中心のあの塔が、供給源となる核の部分、あそこに行けば何かわかるかもしれません。
ナルト、あそこまで連れて行ってもらえますか」
「おぅ! 任せとけってばよ!」
『その任務、我らも同行してよいか』
「「!!」」
「ごめんね、立ち聞きしたみたいになって」
「ルト!? ……と、何だ?」
『……、』
「俺の口寄せだよ、
サーラ様をあの塔に連れて行くんでしょ? 俺はこの街の情報、結構集めてるから力になれると思うよ」
ナルトは少し考える素振りをしたが、すぐに顔をあげた。
「そうだな! ルトは強ぇし、その口寄せなら問題ないってばよ!
いいよな? サーラ!」
サーラもサーラで考えているみたいだが、そんな時間はないと分かったのか直ぐに了承した。
「ありがとうございます。
向かう前に、外にいるお二人にここで待っていて欲しいと伝えてきて頂いてもよろしいでしょうか?」
「二人?」
「俺から言うよりも、あなたから言って頂いた方が良いと思います、
“必ず連れ戻してくるから、信じて待っていて欲しい”と」
ハルトがそこまで言うと、サーラは何かに気づいたようで建物の外へ向かった、
……母が、そしてその意志を受け継ぐ自分が守るべき民のもとへ。
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「俺たちも外に行くってばよ」
「そうだね、
その前に……ナルト。 君に渡しておきたいものがある」
サーラ様を民の説得へ向かわせたのは、ナルトと二人きりになるため。
記憶は消えてしまう、この世界のことをナルトがナルトの世界へ持ち込むことは無い。
ならば、多少介入してしまっても、それはこの世界の歴史として刻まれるだけなのではないか、
いや……、あの時父さんが施す封印術は、父さん自身の記憶をも消していた。ということは、結果的にこれからここで起こることは、
―――俺の記憶として刻まれるだけなのではないか。
それは、例え世界線が違っていたとしても。
「渡したいもの?」
「はい、これ」
記憶にも記録にも残らない。ならば、小さすぎる介入ならばきっとなんでもないのだ。それが支障をきたすのなら、俺という存在が一番厄介だということになる。
「なんだ、これ?」
俺が渡したのは小さな赤いお守り。
―――
『ハルト。 これ、母さんからお届け物だよ』
『? ……お守り?』
『今回、ハルトが単独任務だって言ったら、
“じゃあちょっとぐらい私情を挟んでも大丈夫だってばね!”
って言われてもらっちゃったんだ』
『あはは……、ありがとう』
父さんたちの班に会ってすぐに貰ったお守り。それには若干だったけど、母さんのチャクラが込められているのを感じた。
「お守りだよ。 まぁ、その辺にあるお守りよりも強力だと思うけど」
それをナルトの首にかける。
「きっと、ナルトの力になってくれる時が来るよ」
母さんのチャクラが込められているということは、そこに多少なりとも九喇嘛のチャクラも含まれているということ。
チャクラというのは、使用主の実力によってその最大値が上がっていくもの。実力を考えずに最大値をあげていけば、逆にマイナスになりかねないが、多少九喇嘛の最大値が上がっても、全く問題ないだろう。 ……むしろ、気づかなさそうだ。
「なんかよくわかんねぇけど……ありがとな!」
「うん。 じゃあ行こうか、案内頼むね」
「案内?」
「ナルトに頼んでないよ。 俺の口寄せがしてくれるんだ」
「おぉ、頼むってばよ!」
『うむ……よろしく頼む』
……うん、弥白ってこういうとこ真面目だよなぁ。口寄せ獣って、結構プライドとか高いかと思ってたんだけど、弥白のそういうとこあんまり見た事ない気がする。
『……人くらい選んでおる』
「ん?」
弥白のその言葉の意味に、俺はきちんと気づいてなかった。