HARUTO~原作のないNARUTOの世界へ   作:ゆう☆彡

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作者史上、ベスト3に入るほどの長編です。ぜひ、飽きずに最後まで読んでやってくださいm(_ _)m

そして、前回の小説にたくさんのお気に入りを頂きました!ありがとうございます!!

《千の塔を誇る塔の街・楼蘭》編、残りあと僅かです!!


最後の決着のつけ方

 

―――タッタッタッ

 

―――タタタタ……

 

 

地下に存在する龍脈の根源。その傍にある、龍脈の力が唯一及ばぬ場所。そこに向かうために、忍ではない楼蘭の人々は長い長い階段を一段ずつ降りなければならなかった。

そんな彼らでも降りきれるように、地上ではチョウザとシビが残り、ムカデを足止めしていた。……しかし、

 

「!」

 

ミナトの元にやってきたのはシビの虫たち。

 

「どうかしたのか?」

「うん、やつは龍脈の力を取り込んでいたんだ。 龍脈を封印しない限りチャクラは無限大だってことだよ」

「なんだって!?」

「でも、無限大だとしてもどこかに弱点があるはずだよ」

 

争いの耐えない忍の世界において、チャクラ量が無限であるというのは、最強と言っても過言ではない。それでもミナトは冷静だった。

 

 

―――ゴゴゴ……

 

「「!!」」

 

その地下に響く、大きな音。地上を破って現れたのは……、

 

「……アンロクザン!?」

「サーラ! 早くみんなを!!」

「はい!!」

 

もはや人間の形をしていないアンロクザンの姿に一瞬戸惑ったサーラも、ナルトの言葉で再び地下を目指す。

 

 

 

「ここを通すわけにはいかねぇんだよ!!」

 

影分身を出し、ナルトの手に集められるチャクラ。

 

 

「!!」

 

その乱回転する青い光を、ミナトはよく見た事があった。

 

「螺旋丸!!」

 

しかし、その強力な術もムカデの前に倒れてしまう。壁に打ち付けられたナルトのもとにムカデからの攻撃が迫った、が、

 

―――シュンッ

 

「大丈夫かい、ナルト」

「あ、あぁ……」

「正面からいっても無駄だよ、やつにも弱点は必ずある。 君はサーラを守るんだ」

「けど! それを知る方法は……」

「大丈夫。 僕よりも優秀な忍がもう調べてると思うよ」

「……?」

 

ミナトが柔らかく微笑むと、地下の一番下の地面を少し見た。

 

 

「サーラ!!

お前だけは逃がさんっ!!」―――ドガーンッ!!

「なっ!?」

「サーラ!! 急げっ!!!」

 

ムカデは地上に位置する天井を、その巨体で崩し地下の一番下にいるサーラたちに向けて岩を落とし始めた。

 

「くそっ! ……間に合わねぇ……っ!」

 

ナルトもすぐにサーラのもとへ急ぐが、重力に任せて落下するだけの岩を全て防ぐ手立てがなかった。

 

 

その落ちていく中でナルトは見た。

 

自分と同じ位置にいたミナト(あんちゃん)が全く動かず、特段心配したような素振りも見せずに、下を見ているのを。

 

 

「言ったろ? 僕よりも優秀な忍がいるんだよ」

 

塔を挟むように立つ一人と一匹。

 

「……弥白」

『わかっておる』

「“性質結界封印術・(ふう)”」『“()”』

 

下を見るナルトの前に広がる、赤と緑の色を帯びた半球。そしてそれが、全ての岩を弾いていた。

 

 

「さすがだよ、……ハルト」

 

ミナトのその声は完全に信じきり、安心していた。

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

「これ……」

「大丈夫? ナルト」

「やっぱりルトの術か!?」

「そうだよ」

 

ナルトのもとを離れ、先にサーラたちが逃げ込むはずの塔がある地下を訪れた。

ここまで、多少であれども原作との違いが出てきている。それでも、決定的に大きすぎる違いは出ていない。出るとすれば、最終決戦の場でもあるここの筈だと思い、先に結界の準備をしておいたのだ。それを予想したように、にこやかに動かなかった父さんは……もう人間じゃないんだと思う。

 

全ての岩を弾いたとはいえ、もちろんナルトを弾いたりはしない。落ちてきたナルトはそのまま結界を通り抜け、地面に足を着いた。

 

この結界で最近気づいたことが二つ。一つは、結果で防ぐものとそうでないものを選ぶことが出来るということ。ただ、チャクラの扱い方が難しすぎるので、対象が多すぎると上手くできない。今回はナルトだけだったから上手くいった、というだけだ。

もう一つは、結界に流す性質の相性がよければ、相乗効果で威力が上がるということ。俺と弥白でやるのであれば、【火と風】【雷と水】である。これも、チャクラ量のバランスが取れなければ打ち消しあってしまう危険もあるが、その辺は抜かりない。

 

 

「サーラ様、急いでください。 この結界も無限に持つという訳ではありません」

「あ、はいっ!」

 

何度か加えられるムカデの攻撃には耐えれるが、どんどんきつくなっていく。……重さのままに攻撃されるのには弱いようだ。

建物の歪みによって開かなくなってしまった扉に苦戦しているサーラ様が見える。……持つと思ったんだけど、無理か。

 

「ナルト、構えて」

「?」

「結界、破られる……っ」

「おっしゃぁ! 暴れてやるってばよ!!」

 

 

「サーラぁぁぁぁ!!!」

 

結界が消えたのを見たムカデがこちらに向かってきた。俺の横では、影分身をしたたくさんのナルトがムカデを見据えて戦闘態勢に入っていた。

 

「いくぜぇぇっ!!」

「「「「「「おぅ!!!」」」」」」

 

原作よりはチャクラが残っているとはいえ、無限のチャクラを持つムカデの前では、その差は微々たるものでしか無かった。

 

 

「……行くか」

 

扉がいつ開くかは分からない。あとは彼女を、そして彼女を信じるナルトを信じるしかない。

 

―――シュンッ!!

 

ムカデのすぐ近くの壁へ飛雷神の術を仕込んだクナイを投げ、とぶ。

 

 

「“晶遁・一糸光明”!」

「!?」

 

ナルトが反応しているのが分かったが、ここには見ているのが父さんしかいない。晶遁を使うにはうってつけだ。

 

「あまいわぁ!!!」

「“螺旋丸!!”」

「うぉぉぉ!!!」

 

 

「……くそっ」

 

どんなに攻撃しても、全く止まることの無い攻撃と、弱まることの無い威力。

全てを防げる訳もなく、防ぎきれなかった攻撃が少しずつ民を傷つけていく。

 

 

「お願い……開いて!!」

 

そして、その光景に心を痛める女王の願いが通じる。それを開くための鍵は、本来ならばこの世界にいない異端の者。しかし、その出会いが運命を動かす。

 

 

 

―――ブンッ!!

 

「おわっあ!?」―――ドーンッ!!!

 

「ナルト!」―――シュンッ!!

「大丈夫?」

 

地面に落ちる前に、ナルトを受け止める。

 

「みんな、安全な送庭へ避難しました」

「そうか!」

「後は龍脈の源を止めるだけです! 私が必ず止めます!!」

 

そう言うとサーラは龍脈の源へ走っていく。

 

「あいつは、ここで俺たちが食い止めるってばよ!」

「俺たちって、俺のこと?」

「そうに決まってるだろ!?」

 

そう言うと、ナルトはこちらに向かってくるムカデへ近づいていく。そしてそのままの勢いで巨体の下に潜りこんだ。

 

「『多重影分身』!」

「「「止まれぇぇぇ!!」」」

 

大量のナルトがムカデのあちこちにしがみつきその巨体の動きを止める。

 

「ルト!」

「!!」

 

こういう時のナルトは突然、本当に頭が回る。

そして、会ったばかりの俺をありえないほど信じる。

 

オリジナルのナルトが、ムカデから離れたのが見えたのだ。

 

「俺、出来るなんて言ってないんだけどね。

 

“晶遁・結晶五角牢”!!」

 

ムカデの足下の地面から垂直にピンク色の水晶が成長し、その中にムカデを閉じ込める。

 

 

おそらく紅蓮と同じ術だと認識したのだ。その身をもって、晶遁の拘束力などを理解しているからこそ、それを当てやすいようにムカデの動きを止めに行ったのだろう。そして、オリジナルがその術に当たる訳にはいかないから離れた。……これだけ見たら、普段のバカな様子が嘘なんじゃないかと思ってくる。

 

 

「さすがだぜ、ルト!!」

「それはナルトだよ」

「??」

 

……けど、嘘じゃないんだよなぁ。

 

 

 

―――バチバチバチっ!!!!

 

「「!?」」

 

「こんなもので私をとめられると思うなァァ!!!」

「まだ復活すんのかよっ! 何度やったって、ここは通さねぇってばよ!!」

「くたばれ、木の葉の小僧!!

 

龍脈豪龍火(りゅうみゃくごうりゅうか)”!!」

「ナルト!?」

 

原作よりもかなりの近距離からその術をくらっていた。チャクラが残っているとはいえ、あれはかなりまずい。

 

 

慌てて、ナルトのもとへ向かおうとしたが、……やめた。

 

 

「ハルト、最後の仕上げだ」

「!」

「決着をつけよう、……三人(・・)でね」

「! ……はいっ」

 

 

最後の決着は……【親子】で。……【家族】で


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