HARUTO~原作のないNARUTOの世界へ   作:ゆう☆彡

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投稿、遅くなってしまい申し訳ありません!!
夏休み満喫しておりました、作者です。
ここからの数本は早く投稿できると思います!

三人称で一本書いたのは初めてでした。初めてで読み辛い点もあるかもしれませんが、最後まで読んでいただけると嬉しいです。

次回が【千の塔を誇る街・楼蘭】編は終了です!長い間、お付き合いいただきありがとうございました!!次回編も、ぜひよろしくお願いします!!


君のような忍になって欲しいと願い、そして叶った

 

―――ドォォォン!!

 

ムカデの持つ小さな弱点を破壊し、巨大な傀儡が力なく崩れる。再生し、組み直されていたその身体も、サーラによって龍脈の流れを止められた今となってはその力は発揮されない。

 

 

「やったか!?」

「……いや、まだだ!!」

 

破壊し、再生も防いだのだが完全に戦闘不能に陥らせることが出来たわけではなかった。

 

「ただでは……死なんっ!!!」

「「!?」」

 

僅かに動ける力を、そのまま龍脈の力が満たされている塔の下に身を投げる力に使う。

ムカデの身体が大きな音を立ててその中に落ちた。大量の龍脈の力を持っていたムカデの身体によって、龍脈の本来の容量を超えてしまう。紫色の蒸気が爆発のように大きく発生する。

 

「まずい! 龍脈の暴走だ!!」

「! サーラ!! 早く逃げろ!!」

「!?」

 

細くなった支えだけの中心の土台にいたサーラの元に繋がる道もまた、細いものだけだった。

ムカデが落下したことによる爆風と、龍脈が波打つ力でその脆い通路も崩れていく。

 

「くそっ!」

 

今にも崩れそうな細い中心部へ、ナルトが迷わず向かっていく。

そのナルトの目の前で、サーラの足下が崩れ氾濫する龍脈へ落ちそうになったが、間一髪のところでナルトがその腕を掴んだ。

 

「く、そっ……、離すんじゃねぇぞ!!」

「ナルト……っ」

 

掴んだのだが……

 

「うわっ!」

 

振動と爆風でいっそう脆くなっていた細い道は、ナルトの重さに耐えられず無残にも崩れ落ちる。

 

「危ない! ……あっ」

 

そして、慌てて駆けつけようとしたミナトの足下の道も崩れてしまった。

三人が暴走した龍脈へ落ちていく。

 

 

……そう、三人だけが。

 

 

「“飛雷神の術”」

 

遠くから見ていたハルトがナルトとサーラのもとへとんだ。そして、

 

「隊長だけ、お願いします!!」

「分かった」

 

ハルトが叫んだ後方、後ろからやって来たのはヤマトとカカシ。二人が原作通り援護にかけつけ、ヤマトの木遁の術でミナトを落下から救い出した。

 

そしてハルトは、

 

「ナルト、しっかり持っててよ」

「おう!!」

 

落ちていくナルトに触れると、予めマーキングしておいた中心部へ二人を連れてとんだ。

 

「助かったってばよ、ルト!」

「君にあげたお守りが役に立ったよ」

「お守り??」

 

ハルトがナルトに渡したお守りには、実は予めハルトがマーキングを施していたものだった。それを頼りにハルトはナルトの元へとんだのだった。

 

 

「みなさん!! 無事でよかった……!」

 

ナルトが突破ってきた入口の所には、足止めを引き受けたチョウザとシビ、そしてサーラによって安全な部屋へと避難していた楼蘭の民たちが集まっていた。

彼らを見たサーラは、緊張していた肩の力が僅かに抜けほっとしていた。

 

 

―――ガラガラガラ!!

 

暴走している龍脈へ落ちてしまうことは防げたが、まだ根本的な解決には至っていなかった。龍脈は暴走を続け、塔は今にも崩れてしまいそうなほど、崩壊を続けていた。

 

「「!?」」

「まだ龍脈の暴走は止まっていないんだ、これから龍脈を完全に封印する」

 

 

……ここだ。

 

ハルトが決意をした目で、その場を見すえていた。

 

ここは原作のナルトの世界ではない。ハルトが生きる世界なのだ。龍脈の暴走を防ぐためには、原作では完全に封印するしか方法がなかったのかもしれないが、今ここにはハルトが生きている。

 

そして、

 

「……説明をつけるためには、ここしかないよね」

「……」

「ルト? なんか言ったか??」

 

「……ここは俺が封印します。

元々、俺の任務だったので構いませんよね?」

 

ミナトがナルトからクナイを受け取ろうとしていたところにハルトが待ったをかけたのだ。

 

「あぁ、構わないよ」

 

そして、信頼している息子からのお願いを蔑ろにするミナトではない。

 

「ありがとうございます。

龍脈には特殊な封印術を使います。 ちょっと手伝って欲しいのですが。他にはカカシさんと、後はヤマトさんとナルトも手伝って 下さい」

「……俺も?」

「俺たちも入って大丈夫なんでしょうか?」

 

ヤマトは自分が未来から来たことをきちんと理解しているようだった。そんな存在である自分達が、封印に携わってしまうことで歪みができることを心配しているのだ。

しかし、原作を知っているハルトにしてみれば、ここは世界観すら違う場所。今更、チャクラがどうこうなどと言ってもあまり驚かないのだ。

 

それに、ハルトがこれからしようとしていることは、この先の未来で実際に使うかもしれない、むしろ本来想定していた使い方とかなり近い状況であるため、ハルトにしてみれば試さない理由などなかった。

 

「それぞれ、二時・四時・八時・十時の位置に立ってください。

ナルトは二人で風の性質チャクラを、カカシさんは土の性質チャクラを、ヤマトさんは木の性質チャクラを流すイメージでお願いします。

 

この術はチャクラ性質を鍵として使う封印術です。 風の性質チャクラを基礎とするので二人は全力でどうぞ」

 

ナルトはよく分かっていない。カカシとヤマトもよく分かっていなかったがとりあえずチャクラを流せばいいことだけは理解したらしい。

 

ハルトは自分がマーキングをする時に使うクナイを中心に突き立てた。

 

「それでは始めます、……弥白!」

『あぁ』

「『“性質結界封印術”』」

(ふう)(らい)(すい)()(もく)

 

向かい合って立ったハルトと弥白が、最初に円で囲まれた後、次々と四人を結び大きな円になる。それぞれが指示されたチャクラ性質を流し、一番強力な【風】のチャクラがエメラルドの色を放って半球を彩った。

これこそが、ハルトが九尾が暴走してしまった時に使用しようとしていた方法。……まぁ、九尾の封印が解かれないのが一番なのだが。ナルトのために編み出した術をナルトと共に使う。ハルトには感慨深いものがあったのか、ナルトの方を愛おしく見ていた。

 

展開されていた術式が、龍脈の根源へと集まるように収縮していく。そして、完全に小さくなったところで封印は完了し、暴走していた龍脈も沈静化され、赤黒い色から綺麗な青色へと変化した。

 

 

「ん、問題なく終わったみたいだね」

「はい、ご協力ありがとうございました」

 

ハルトもミナトに笑顔を見せた。……そして、

 

「お? なんだ!?」

 

ナルトとヤマトの身体が透け始め、元の時代に戻る時が来た。

 

「うん、術式を戻したことで時間が揺れ戻しを起こしているんだろうね。

カカシ! 無事に任務をやり遂げたようだね」

「え……、カカシ先生!?」

 

ナルトは自分が知っているよりもかなり幼い師を、信じられないようにまじまじと見ていた。

 

「お会いできて光栄です」

「え!? ヤマト隊長、この(あん)ちゃんてば……」

「残念だけどお別れだね。

 

歴史を変えないためにも、ここでの記憶は全て失くした方が良さそうだね。 互いに全てを忘れる術式を施すけどいいよね?」

 

ナルトの言葉を遮るようにミナトが話す。サーラは残念そうにナルトを見た。

 

「ナルト……」

「サーラ! お前はやるべき事をやったじゃねぇか! もう立派な女王だってばよ!! 俺達がいなくてもお前なら大丈夫だ!」

 

「それじゃあ、いくよ

 

“滅”」

 

ナルトがサーラを励ますとほぼ同時に、ミナトが術式を展開した。

 

(あん)ちゃん! その前に俺の話を聞いてくれってばよ! 今言わなきゃ、もう言うことは出来ねぇんだ!!」

 

薄々感づき、そして未来から来ているナルトだからこそ、奇跡のようなこの時間。そして聞いてみたいたくさんのことを知っているであろう人。

会えなくなってしまう人。

 

「いや、きっともう一度、君に会える時がくる、いつかきっと。

その時にたくさん聞くよ」

「……っ、」

 

ナルトたちの身体が輝き始める。もう時間はない。

 

(あん)ちゃんってば、ひょっとして……」

「僕の息子にも、君のように育って欲しいと思っていたんだ。 そして今、君のように育っているよ」

「!」

 

ミナトが優しくハルトの方を向いた。ハルトは気まずそうに顔をそむけたが、その頬は少し赤くなっていた。

 

「ナルト! あなたが言っていた通り楼蘭の街は滅びるのかもしれません! でも私には楼蘭の民がいます! 民のために自分のやるべきことをやり遂げます!

ナルトが教えてくれたことだから!」

「おう! おめえのド根性があれば、必ず出来るってばよ!!」

 

ナルトたちの体は光に覆われ、既にこちらからは見えないほどになっていたが、

 

「ルト!!」

「!」

 

最後の最後に、ナルトは今回の任務で最も一緒にいたハルトの方を向いた。

 

「お前ってば……」

 

なにか言おうとするも、既にその声は聞こえない。しかし、それは向こう側からの声に限ってのことだった。

 

 

 

「ナルト!」

「!!」

「……、

 

 

 

もう少しだけ話そうか」

 

年齢に不相応な大人びた笑顔をナルトに向けながら、自分の足下にミナトが発動したものとは違う術を展開する。

 

「ごめん……」

「いいや、行っておいで。 ハルト」

「! ……うん」

 

ミナトが笑顔で送り出したのと同時に、ナルトとヤマトの姿も完全に光の中に消えた。

 

 

原作と違うことは……、

 

同時にこの世界に住む者も一緒に消えたこと。

 

 

 

 

―――まだ、俺は君に伝えたいことがある

 

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