新章・【第三次忍界大戦、参戦】編スタートでございます!!
この章は、原作でほぼ書かれていないのと、作者的に大きな分岐点だと思っているので、大きな原作ブレイクがたくさん出てくると思います。地雷の方もいるかもしれませんが、広い心で読んでいただけると嬉しいです。
なにかご意見などありましたら、言っていただければなるべく答えさせていただきます。
それでは、新章!!よろしくお願いします!!
第七班、再結成!!
「おーい! アオイー!!!」
木の葉にある、唯一里外との出入りを許す、【あ】と【ん】の文字が書かれた大きな門の前で待つ少女の耳に聞き慣れていた、それでも懐かしい声が響いた。
「おはよう、シスイくん。 久しぶりだね」
「お互い任務で忙しいからな、あんまり里にいないことの方が多かっただろ」
「うん。 でも、私は基本的に後方支援だったから……、里に帰ってくる機会も多かったけど。
シスイくんみたいに前線の補給に行ってたら、それこそあんまり機会はないよね。 さすが、シスイくん!」
「まぁな! でも後方支援も大事だろ、アオイもすげぇよ!」
「ありがとう」
一年越しの再会。幼さの残っていた二人の忍は、下忍だった頃に行っていたものとは比べ物にならないレベルの任務に着いていたこともあり、忍らしさが見える優秀な忍に育っていた。戦争という悲劇が生み出してしまったと言えばそれまでだが、この世界ではそれによって獲た力が、自分の価値を図る。
この世界では二人は、既に優秀というレベルにいた。
「よぉー、相変わらず早ぇなぁ」
「シカク先生!?」
「おはようございます、先生」
ただどんなに優秀であっても、まだ六歳と九歳の子ども。一年越しに自分の恩師に会えれば、嬉しいものだ。
「二人とも、任務の実績は聞いてんぞ。きちんと班をもって、隊長もやってるらしいじゃねぇか」
「もちろんっすよ! なんたって、火影補佐の生徒っすから!!」
「先生、火影補佐就任、おめでとうございます!」
「おう、ありがとな」
あの第七班を中忍に合格させ、卒業させた後、シカクは自らにずっと依頼としてきていた火影補佐の就任の件を受けた。三代目火影・ヒルゼンも含め、木の葉の上層部たちはずっと保留にしていたのに突然どうしたのだと騒いだが、長年の依頼が承諾という形で落ち着いたのだからとすぐにその騒ぎもおさまった。
―――もちろん、まだ六歳だった自分の生徒のおかげで決心がついたという事実を知るものはいないが。
火影の近くで仕事をしているシカクには、一番に任務の達成状況が入ってくる。意識はしなくとも、やはり自分の生徒の達成報告は嬉しいもので、一番に確認していた。……ちなみに、火影に言われるまでシカクは全くの無意識だったが。
「すみません、俺たちの方が遅かったようですね」
「「!」」
三人が談笑していると、自分たちの後ろから声が聞こえた。
「いや、時間通りだ。 気にすんな、ミナト」
「カカシさんに、オビト!?」
「てめ、シスイ!! オビトさんだろ!!」
「リンさん!」
「アオイちゃん、また同じ任務だね!」
そこにいたのは、波風ミナトを隊長とするミナト班。
本来ならばこの大戦で結成されるはずだったこの班も、ハルトの存在する世界では既に班を結成しており、チームワークも申し分ないレベルの班になっていた。
「今回の任務は、ミナト班との合同任務だ」
「おぉ!! 合同任務!!」
「感謝しろよー、シスイ!!」
「なんでだよ!! 俺はカカシさんと一緒に任務できるのが嬉しいだけだ!」
「そっちの方がなんでだよ!」
「上忍になった人だぞ! オビトとは格が違う!」
「俺は火影になる器なんだよ!」
「カカシさん、上忍昇格、おめでとうございます」
「あぁ、ありがとう」
「おめでと! カカシ!!」
シスイとオビトが幼稚に言い合っているのを他所に、リンとアオイはカカシの上忍昇格を祝っていた。
「これ、私とアオイちゃんから! 簡易医療キットね!」
「カカシさん、危険なところへ任務に行くこともあるって聞いたので……」
「ありがとう」
リンが渡していた医療セットは、アオイのても加わりより高性能なものになっていた。
「カカシ、俺からはこれ! 特注のクナイ!
俺の飛雷神の術式が埋め込んであるし、君にも扱いやすいと思うよ」
「ありがとうございます、ミナト先生」
ミナトが渡したのは、あの独特の形をしたクナイ。殺傷能力はそのままで、カカシでも扱いやすいようにと少しだけ軽くなっている。
「カカシさん! 俺とシカク先生からは特製の手裏剣!!
うちはが使ってるやつをよりカカシさんに合うように、シカクさんが見てくれたんだ!」
「ありがとな、シスイ。
シカクさんもありがとうございます」
「おう」
シスイからは、手裏剣術を得意とするうちは一族の手裏剣。シスイだけでは、改良することは出来なかったので、そこはシカクの力も借りていた。
「で?」
「はぁ?」
「ん」
「ん、って言いながら手を出すんじゃねぇ!!!
なんで俺がお前に、用意しなきゃならねぇ!」
「まっ、期待してないからいいけどね」
「はぁ!?!?」
そんなくだらない会話をするカカシとオビト、そしてそれを止めようとするリンと苦笑いしながら見ているミナト。
「なんか、リンさんたちを見てたら会いたくなっちゃうね」
「……ハルトにか?」
「うん……」
シスイとアオイとシカク。この三人が集まれば、後もう一人。否応なしにいるはずのハルト。いないのも仕方が無い、ハルトは今、暗部として里外の任務についているのだがら。
「俺に、危険なところへ任務に行くって言ってたけど、俺なんてハルトに比べれば安全すぎるくらいだと思う」
オビトと言い合っていたカカシが、いつの間にか二人の元へやって来ていた。
「まぁ……、大丈夫だって、アオイ!!
俺がちゃんと守ってやるからな!
それに、ハルトはちょっと……まぁ、変だからな! 死んだりはしないだろ!」
「ふふっ、ありがと、シスイくん」
何故だかシスイが自信満々にアオイに言い張り、アオイも笑顔を浮かべたが、
シスイの言葉に引っかかった人物が一人。
「俺がなんだって?」
「「「「「!?!」」」」」
シスイがアオイを励ましたとほぼ同時、二人の頭上から声が降ってきた。知らなかったのか、ミナト班の生徒も驚いている。
「……ハルト!?」
「ハルトくん!」
「久しぶり、二人とも」
あの大きな門の上から降りたハルト。
「いやいや! いつ帰ってきたんだよ!」
「ん? さっきかな」
「さっき!?」
「そ、この任務に参加するために帰って来たからね」
「そうなのか!?」
「俺は一度もお前ら二人で終わりだなんて言ってないぜ?」
「勝手に俺がいない感じで話進めるから、焦ったよ。
そんで、シスイ? 俺が変なやつってのはどういう意味かな?」
「げっ!? ……聞いてたのか」
「随分、自信ありげだったけど、俺に勝てるようになったのかな?」
「もちろんだぞ!」
久しぶりに揃った第七班のシカク班。アオイとシスイはお互いの成果くらいは聞いていたが、ハルトに関しては誰もその成果を聞いたことがなかった、それこそ、親であるミナトと火影補佐てあるシカク以外は。
それでも、何も聞かずとも感じる、以前との明確な差。ハルトが扱うチャクラの量も桁違いに変化していたが、何よりもその瞳が護衛任務や補給任務を行ってきた自分たちとは明らかに違う瞳をしていた。
それは、殺傷を見ただけでは絶対に手に入れられない、覚悟のある瞳。
「まっ、そんなことよりも……」
「うん!」
「……?」
しかし、そうであっても彼の中の忍道までもが変わった訳では無い。ハルトの中心はいつだって、シスイとアオイ【目の前にいる二人】なのだ。二人が人間的に変わってしまわない限り、ハルトだって変わることは無い。
そんなハルトが大切にする二人だからこそ、ハルトがどんな任務をこなしてこようと、何も気にとめたりはしない。
「「おかえり! ハルト(くん)!!」」
ただ笑って、彼を出迎えるのだ。
「うん、ただいま!」
ここに史上最速で中忍になり、稀に見る優秀な班と既に認定されている第七班が、再結成された。
ちなみに、今日は作者が勝手に決めたハルトくんの誕生日です!!
ハルトくん、おめでとう!!!