HARUTO~原作のないNARUTOの世界へ   作:ゆう☆彡

6 / 64
シスイとの日常

 

 

「ハルトォォォォォォ!!!!」

 

 

──ヒョイッ

 

「ギャァァァァァァ!!!」

 

俺の横を突っ走っていたやつを遠目で見守ってると、しっかりとUターンして戻ってきた。

 

「止まれるスピードで走ってよ。」

「ハルトがかわさなければ、止まれたぞ!!」

「それは止まれるって言わないの。」

 

うちは一族の集落の入口で、俺が待っていた相手は、騒がしいこの男。うちはシスイ。

 

「やっぱり慌ただしいね。」

「そりゃあ、うちは一族の警務部隊長の家族が、増えるってんだからな!」

「だからシスイは追い出されたんだね。」

「追い出されてねぇ!! 俺はハルトと遊びたかったんだー!」

「はいはい。」

 

うちはは厳重警戒の感じだ。なんせ、警務部隊長に第一子が産まれるんだから。

大人たちはその行く末を見守っているので、子どものシスイは御用なしということで、俺と一緒にいる。

 

 

 

 

「っし! やりに行こうぜ!!」

「そうだね。」

 

そう言って走り出した俺達が向かったのは、森に覆われた演習場。

 

「いつも通り、忍術は俺は分身だけ、ハルトは飛雷神だけな! 後は体術と武器だけ!」

「いつも思うけど、僕は飛雷神使っていいの?」

「俺は飛雷神をかわしたいからいいんだ!!」

 

同時に後方に跳び、構える。

 

 

「行くぜ!!」

 

──ザッ!! …キーーンッッッ!!

 

目にも止まらぬ早さで体をぶつけあい、クナイや手裏剣が甲高い音で弾かれ合う。

かわし、かわされ。ぶつけ、ぶつけられ。

 

それを繰り返すうちに、段々とズレが出てくる。それは、常人なら見逃すほどの些細なズレ。

 

 

「……。」

「やべっ!!」

 

無意識に交わしたクナイが、その囮だと気づいた時には、もう遅い。投げるクナイの全てに、印が仕組まれており、それは目印となって中にとどまる。

 

 

──シュンッッ

 

目の前にいた影が、そこにあったチャクラが、一瞬で背後に感じる。

 

──ダンッッッ!!!

 

 

「ぐっっ!!?」

 

重力に従って、そのまま地面に落下する。

落ちた地面では砂埃が舞い、一人はそこに降り立った。

 

 

 

 

「くっそー!! また負けたー!!」

「僕も危なかったよ。まさか、飛雷神を見破られると思わなかった。」

「やるってわかってんのに、動けねぇ!!」

 

飛雷神の存在を、俺は、シスイにだけは教えてた。というか、初めて会った時に思わず使っちゃって、それをまさかのシスイが覚えてた。……お前、二歳児だろ。

 

最近始めた、俺とシスイの遊びいう名の修行。忍術を使うと、明らかに公平さに欠けるから、お互い一つの忍術以外は体術と手裏剣術のみ。

 

 

そんで、こっから……

 

 

「っし、準備できたぞ!」

「わかった。」

 

目を閉じて集中し、周囲を認知したところで、高く跳ぶ。八個の手裏剣を投げ、続けざまに四個の手裏剣を投げ、最初に投げた手裏剣に当てる。

 

「おぉ!!!」

 

あちこちに隠された十二個の的の全てに当てる。体力を消耗した後に、いかに精密さを欠かさないか、という修行。まぁ、その内容はイタチとかがやってたパクリなんだけども。

 

「木の裏にもきっちり当ててるなー!」

「木の裏は回転かければ当たるけど、視界から縦に重なってる木の方が難しかったよ。」

 

 

「よっしゃ! 俺の番!!」

「ちょっと待ってよ。」

 

シスイとは違うところに、十二個の的を取り付ける。

 

「いいよ。」

「よっしゃ! 行くぜ!!」

 

 

 

さっきまでの騒がしさはどこいったのか、と

言いたくなるくらい、静かに集中する。

 

 

──シュンッッ!!!!

 

俺と同じように高く飛び上がり、手裏剣を投げ、後から追加で四つ投げる。

 

キーンッ!という甲高い音が響き、ぶつかりあった手裏剣が方向変えて、的に当たる。

 

 

「どうだ!」

「んー、残念。一個、ズレてるかな。」

「何っ!? 絶対、いけたと思ったんだけどなー!!」

 

いや、二歳でそこまで出来りゃ、すごいだろ。

 

 

 

 

 

「ハルト! 俺、決めた!!」

「!? ……何を?」

 

的を片付けていると、シスイが急に叫んだ。思わずびっくりしてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

「絶対、ハルトのパートナーになれるような忍になる! んで、二人で班になろうぜ!!

 

ハルトに合わせられるのは俺だけだ、って周りにも、ハルトにも言わせられるような忍になってやるよ!」

「……。」

「ハルト??」

 

 

 

 

 

声が出なかった。反応出来なかった。

ほんのつい最近、誓ったことをまるで見透かしたように、この男はすぐに答えてみせた。

 

 

「あはははははっ!!!」

「!? ハルトが壊れた……。」

 

さすがだ。さすが、あのイタチが兄のように慕った男だ。

笑いすぎて、涙が出てきた。

 

「ありがとう。」

「!? ……なにが?」

「……

 

僕に出会ってくれて?」

「!?!? ……だったら、俺もありがとうだ!!」

「!?」

「俺と友だちになってくれてありがとな!!!」

 

 

 

 

 

二歳児に泣かされてていいのかよ、俺。

 

こうやって、人をひきつけていく。

持ち合わせているカリスマ性と、見合う実力。それは、善人も惹きつけ、……悪人も引きつける。

 

 

 

 

 

『じゃあ、兄ちゃんだ!!』

『絶対、ハルトのパートナーになれるような忍になる!!』

 

 

慕ってくれてるやつを殺されるほど、呑気ではない。

俺だって、慕ってくれてるやつには、それ相応に応えたい。





《謝罪》
今回、必須タグである“オリ主”のタグを付けておらず、運営側から警告を受けたため、一時的に、この小説が非公開となっていました。
オリ主のタグが付いていなかったことで、不快な思いをされた方、そして、応援してくださる読者の方には、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。

最早、言い訳にしかなりませんが、オリ主タグは決して悪意があって付けなかった訳ではありません。完全に、必須タグだということを忘れていました。必須タグではなく、普通のタグで掲載してしまっていたため、検索除外に引っかからなかったのが今回の問題です。

申し訳ありませんでした。
これからは、一層、そういう点に気をつけて小説を書いていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。