HARUTO~原作のないNARUTOの世界へ   作:ゆう☆彡

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お待たせしました。おまたせしすぎて申し訳ありません。
あけましておめでとうございます。去年までに終わらせたかったのに、終わらせられなかったダメな作者ですm(*_ _)m

このお話で、この章は終了です!
やっと新章に入ります!! あぁ、長かった。次も頑張る。


封印

 

―――ピキッ

 

「!」

「……マジか」

 

―――ドカーンッッ!!

 

ハルトは自らが張った結界の上に立っていたのだが、内側から破壊されそうなのを見て離れた。次の瞬間には破壊され、周囲はものすごい爆風に襲われた。

 

 

結界とは外からの攻撃に対するものであり、内側からの攻撃には多少もろくなる部分もある。しかしそれも見越して、中で複数回の爆発を起こす互乗起爆札を発動しても壊れることのない“晶遁・紅の果実”を選んでいたのだが、尾獣の力の前ではあまり意味をなさなかった。

 

「なぁ、ハルト。 アオイに封印されてるのは、マジで尾獣なんだよな?」

「そうだよ、残念だけど間違いなくね。 疑いたくなる気持ちはわかるけど、それを感じ始めたら敵の思うつぼだよ」

 

アオイには三尾が封印されている。それはハルトが原作を知っているからだけではなく、弥白もそのチャクラに反応しているのだから間違いないことだ。それでもシスイが疑ってしまうのは、今のアオイの姿にある。

普通、もはや意識のないレベルで尾獣に乗っ取られているのであれば、すでにその人柱力は人の形をしていない。尾獣の影のように、赤黒いチャクラが人柱力を覆う。それは憎しみの塊であり、人柱力自身を傷つける。

しかし今のアオイの姿は、人柱力となる前の姿となんら変わりなく、アオイ自身が傷ついている様子もない。仲間の姿で襲ってくるのを止めることなど、そう長い時間続けられるものではない。

そしてそれこそが、敵の思惑。一瞬の油断もあってはならない。

 

 

「さて、お前の考えを教えてもらおうか」

「……俺の考えというよりも、後はシカク先生の判断次第です」

「……?」

 

ハルトがこの場にやって来てから、ようやく全員が合流することが出来た。アオイは、操られているのか見定めているのかは分からないけど、俺たちから距離をとってこちらを見ていた。

 

「尾獣が封印された時点で人柱力になったアオイから、三尾を引き抜くというのはその人の死を意味します。

 

なので、尾獣をこのまま彼女の中に封印します」

「「!?」」

 

ミナトは予め聞いていたから驚いていなかったが、初めて聞いたシスイとシカクは驚いた。

 

「そんなこと出来んのか」

「皆さんの力を借りることになりますが、術的には問題ありません。 それよりも……」

「【里】としての心配か」

「はい」

 

尾獣。それは一個体としては忍界では最強を誇り、その里の力でありながらも忍界のパワーバランスである存在。尾獣を持つ里と持たない里ではその立場には上下が出来、尾獣を持つ里の隣国への影響はとても大きい。

 

「木の葉は既に尾獣を持っています。 同じ里で複数持つというのは、事例がなくしかも木の葉は大国の一つです。

隣国の小国だけでなく、他の四つの大国を挑発する形になってしまう場合も考えられない訳ではありません」

 

しがらみが増える。その判断を、子どもであるハルトがくだせるわけが無い。それは誰もが理解していること。

 

 

 

「(……子どもがそこまで考えるか、普通)」

 

それでもシカクは驚きを隠すことが出来なかった。若干七歳の子どもが、尾獣の存在だけでなく、それによる影響、しかも【国】という単位で配慮する。それに対する判断を、下す力を持つ可能性のある大人に冷静に話す。仲間が敵に囚われているという今の状況で、それを実践できるというのは考えられることではなかった。

 

「……俺に話すってことは、ミナトは許可したってことだな?」

「はい」

「なら、俺も同意だ。 隊長はミナトであり、尾獣のことに関する判断は俺よりもミナトの方が的確だろう」

「ありがとうございます」

 

しかし、そんな年齢離れした提案をしてくるハルトに対して、怯んだりなどはしない。彼は自分の教え子であり、助けようとしているのも自分の教え子だ。シカクにはそれを拒否する理由も、ハルトの出来るという言葉を疑う要素も何も無かった。

 

 

「アオイに封印されている尾獣の主な性質は、おそらく水です。 優劣だけでいえば、土属性が一番いいですが、このメンバーでなら正攻法では無い方がいいですね」

『属性では攻めぬということか?』

 

ハルトが何をしようとしているかを、理解している弥白が問いかける。

この術を作っているのを見ていた時から弥白は気づいていたことだが、チャクラの属性が鍵になること、そしてある性質だけを強くすることが出来ることを考えれば、本来属性など付与されない封印術にも性質が存在することになる。それは多少のチャクラの差ならば、優劣次第で勝ることも出来るということだった。……逆も然りだが。

他の封印術にはない、その特徴をハルトは使わないと言っているのだ。

 

「難しいかもしれないけど、チャクラ量で抑え込みます」

「尾獣相手にか!?」

「普通に考えればありえないかもしれませんが、今回は状況が違います。

 

尾獣をアオイの中に抑えておくために、敵によってそのチャクラ量も制限されているはずです。 アオイの中に抑えておけるレベルの尾獣であれば、弥白を含めた五人のチャクラ量で抑えつけられます」

『メインは風のチャクラでいくのか?』

「そうだね、俺と父さんとシカク先生がメイン。 シスイと弥白は火の性質で頼むよ。 尾獣のチャクラを抑え込めないなら、アオイ自身のチャクラ性質を抑え込むまで。 アオイの中にある風と火のチャクラ性質を攻撃する」

 

 

普段の任務中であれば、ミナトのことを『父さん』と呼んだりはしない。冷静を装っているようで、ハルトも内心焦っているのだ。今目の前で起きていることは、ハルトの知っている事実の中にはないものだ。一番類似している事実を取ってしまえば、その結末はアオイの死。ハルトが追い詰められるのも無理はなかった。

 

「っし! さっさとやろうぜ!! アオイがあのままなんて我慢ならねぇ!!」

「……そうだな」

 

それは本能レベルの信頼と、無意識の絆。シスイのハルトへの全面の信頼が無意識にその言葉を発させた。焦るハルトの心を落ち着かせる、仲間からの信頼というのは今のハルトにとっては最も良いものだった。

 

「隙を見て、皆さんを定位置にとばします。 全員で全力でチャクラを流してください」

「「「了解!!」」」

 

 

見計らったようにアオイからの攻撃が再び始まり、全員が散り散りになる。

 

「そうだ、ハルト!!」

「!? ……びっくりした」

 

なったかと思いきや、すぐにシスイはハルトのもとへ戻ってきた。

 

「弥白には言ったみたいだけどよ、俺にも言ってくれよ!!」

「は?」

「……、

 

 

誓ったんだろ???」

「!」

 

笑いながらハルトを見てそう言うシスイの真意を、ハルトは察した。

シスイにとって、どちらも大切な仲間。どちらにも、変に重荷を背負って欲しくない。その想いの一心だった。

 

 

 

 

「何があっても守る、アオイちゃんと約束したことだから。

 

これから先、何があっても。 ずっと」

「その言葉、忘れんなよ!!!

 

“火遁・豪火滅却(ごうかめっきゃく)”!!」

「“風遁・風の刃”」

 

ほぼ全快の三尾を封印することは厳しい。悪あがきと思われようと、多少なりともダメージを与えることが狙いだった。そのためには、自分のチャクラの消耗量が激しくても強力な術で攻撃するしかなかった。

 

「半端な攻撃だと、アオイちゃんが防ぐことを止められるかもしれない。 そうすれば、尾獣のチャクラは減らないのにアオイちゃんだけが傷を負っていくことになる」

「尾獣にもダメージを与えられるような術じゃないと、尾獣がチャクラを使わないってことか!」

「そういうこと」

 

ハルトとシスイの強力な攻撃は、属性の相性によりさらに強大になり、相殺しようとしたアオイの攻撃によって、あたりは濃い水蒸気でおおわれた。

 

 

「若いヤツらにばっかり仕事はさせられぇな」

「そうですね」

「一瞬だからな、見逃すなよっ

 

“影真似手裏剣の術”!」

 

シカクのチャクラが仕込まれた手裏剣が、アオイの影を捕える。ただ、尾獣のチャクラによってその量が何倍にもなっているアオイの動きを止めておくことは容易ではない。一瞬ではなくとも、それに近い状態だった。

 

ただその一瞬で、敵との距離をゼロにすることが出来る忍がこの場にはいた。

 

 

「“螺旋丸”っ!!!!」

 

ハルトとシスイの連携術とミナトの最強術が重なり、アオイがこの戦いで一番弱った状況を作り出した。

 

「今っ!!!」

 

そうハルトが叫んだ時には、ハルトの分身が三人の体に触れていた。

 

 

「『“性質結界封印術・風”』」

 

弥白とハルトの声とともにアオイの周囲に大きな円が、五人が立つ位置を小さく囲うように術式が展開し、エメラルド色に光った。その光を伝うように五人が指示されたチャクラを流すことで、さらに違う色がその結界をおおった。

 

半球になって発動したその結界の、中心にいるアオイ向かってオリジナルのハルトが歩いた。

 

「ごめん、アオイちゃん」

 

誰にも聞こえない小さな声でハルトは呟く、と同時にアオイの体に触れた。

 

 

「“性質結界封印術・風火水”」

 

その声に反応するように、大きく広がっていた結界はアオイの体に小さく収縮した。

 

 

 

 

 

 

この時、ハルトに予想出来ていなかったことが二つあった。

 

一つはここまでの過程で、敵が全く手を出してきていないということ。

 

もう一つは、ハルト自身のチャクラと体力が、とっくに限界を迎えていたということ。

真っ白な水蒸気におおわれた中で、ミナトがアオイのそばにタイミングよくとべたのは、実はミナトの力だけではない。

外から、シスイの写輪眼をコピーした自身の鏡眼でアオイのチャクラを見つけ、タイミングよく術式が組み込まれているクナイを投げたのだ。そして、封印術では、風と火の性質のチャクラが相乗効果を起こせるように、双方のチャクラ量を調節しながら、それらを消さないように水の性質のチャクラを流す。

 

とにかく、ここまでのハルトの行動はチャクラ量が尋常でないことももちろんだが、全てのことが針の穴に糸を通すような行為ばかりだったのだ。

集中力がきれることは無くとも、乱れるは仕方の無いことだった。

 

そして敵は、その僅かな乱れを見逃すような忍ではなかった。

 

 

 

 

―――ザシュッッ!!!!

 

それは何度聞こうと聞きなれることの出来ない音。人を貫いた音。

 

 

「……ハル、ト……くん……??」

 

アオイの意識が浮き上がり、その目を開き、最初に見た光景は、自分の仲間が自分に寄りかかって倒れているもの。その脇を掴んで起こそうとしても、全く動くことがない。

無理やり自分の真下を見て、ハルトが動かない理由を探ろうとした。

 

 

「何……? これ……」

 

ハルトの腹を貫通する、どす黒い何か。しかし、アオイが驚いたのはその未知なる物体にでは無い。

 

「……わたし、が……?」

 

ハルトを貫通しているその何かが、自分から繋がっていることにだった。

 

 

 

「あ……っ、いや……っ!」

 

直接触れているからこそ伝わる、ハルトの命が弱くなる気配。

 

しっかりと感じたハルトの死、そして、自分が殺したという感覚。

 

 

 

 

 

 

「俺は……。 君にどんなに恨まれようとっ、俺は君に生きて欲しい。

君がどんなに嫌がっても、……俺が君を、守りたいか、ら」

 

名前に由来するように、鏡のような瞳に自分が映るのが見える。死んでしまったと思った大切な仲間が、顔を上げたことの喜びと、その目に映った自分の姿の恐怖。しかし、次の瞬間にはハルトの鏡のような瞳は赤く染っていた。

 

 

 

 

「“鏡眼・万華鏡写輪眼”」

 

その言葉をつぶやくと、ハルトの体は完全にアオイにもたれ、ギリギリを保っていた意識を完全に手放した。




あーあ、とられちゃった。

まぁ、いっか。 これからも俺と遊んでよな、……波風ハルト



「……遊ぶ気は無い。 お前に遊ばせる気も……無い」


それが俺の最後の記憶だった。

聞こえてきた声の持ち主の姿ははっきり見えなかったが、ある部分だけはしっかりと見えた。

「……なんだ、その瞳」

気味悪くニヤリと笑ったような気がした。
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