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「ミーコートっ!」
「クシナ、来てくれてありがとう。」
「ううん! ……おめでとう!」
だいぶ容態が落ち着き、会いに行けることがわかると、母さんに連れられて、すぐにミコトさんとイタチの元に向かった。
部屋にはミコトさんと、多分、看護師さん的な方が二人。イタチのお父さん、フガクさんは一族の仕事でいないらしい。
「ハルトくん。来てくれてありがとう。」
「いえ。おめでとうございます、ミコトさん。」
「ふふ、ありがとう。相変わらず、クシナよりもしっかりしてるわね、ハルトくんは。」
それからミコトさんと母さんが二人で話しているのを、出してもらったお茶を飲みながら横で聞いてると、
「ぅー、」
「……。」
うわぁ、可愛いなぁ……。
かけられていた布団から、小さな手を出して俺の指を握っていた。……もちろん、イタチが。
握られていない指で、赤ちゃん特有のすべすべの肌を撫でると、少し笑ったような気がした。
こいつが、この男が、木の葉の闇を背負い、一族を滅亡させ、そして大罪人となるのか……。
──いーや、そんなことはさせない。
俺のあとに生まれたからには、絶対にそんなことはさせない。今回は、シスイだって一緒に守ってくれるはず。
傲慢と言われても、その代わりにどこかで知らない人が死んでるとしても、
自分の手の届く範囲は、守りたい。
忍としても、一人の人間としても。命に対してそれ相応の覚悟を持って、この世界を生きると、
この時、俺は決めた。
「プレゼント。一緒に、頑張ろうな。」
周囲に聞こえないような小さな声でささやき、イタチの手を握った。
そして、
「キャー、キャッキャツ!!」
「あらあら、イタチ。もう、ハルトお兄ちゃんに遊んでもらってるの?」
「ハルトも、もう仲良くなったの?」
「うん。早く、イタチくんと遊びたい。」
「ふふ、まだ気が早いってばね。」
まだ弱い、けど、確かに流れてるチャクラに逆らわないように。驚かせないように。
そっと、俺のチャクラを流した。
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「“火遁・豪火球の術”!!!」
「“水遁・水陣壁”。」
──ドカーーンッッッ!!!
火と水が、ものすごい勢いで反応し、辺りは真っ白な水蒸気で覆われる。
──ブン
低い音が響いたと思いきや、白い煙の中から、ハルトが一気にシスイに近づき、攻撃する。
「はっ!? また新しい術かよ!!」
「“真空剣”。風のチャクラを纏わせて、その殺傷力をあげる。」
「どわっ!?」
普通のクナイでは防ぎきれずに、後ろに吹っ飛ばされるが、水面の上を弾かれるように跳ねる。
「……沈めばいいのに。」
「なんか、すげぇ怖いこと聞こえたんですけど!?」
一定の距離を保って、構える。辺りはまだ、若干モヤがかかっていた。
「言い忘れてたけど……」
「?」
「“真空剣”の効力は殺傷力を上げるだけじゃないよ。むしろ、それは後付けだから。」
「……。」
剣だからといって、間合いをとっていれば安全という訳では無い、というのがこの術の真骨頂。
──シュンッッ!!!!
その場で勢いよく、剣が空を切る。すると、
──ゴワッ!!!
「まじかよっ!」
「この術は、ある程度間合いがあっても、剣を振った衝撃波を相手にとばすことが出来る。」
「あぶねっ!!!」
高くとびあがり、その攻撃をかわす。
下にいるであろう相手に目を向けるために、目を凝らすが……
「!?」
その時、目の前にあったのは、ハルトの使う特注のクナイ。ハルトの十八番、飛雷神の術式が書かれているクナイが、シスイの目の前に迫っていた。
が、以前とは違う。何が起こるかわかっているシスイは、交わしてはいけないことを知っている。かと言って、そのクナイを弾き飛ばそうとするが、時すでに遅い。
「勝負だ!!」
──シュンッッ!!!
クナイを構えた先に、飛雷神で飛んできたハルトが現れた。
──キーンッ!
クナイ同士がぶつかり、下から弾かれたハルトのクナイが、ハルトの手から離れる。
「っし!」
「残念。」
飛雷神の術を交わしたと思ったシスイは、背後から聞こえてくる声に一瞬、反応が遅れた。
「なっ!?」
上から蹴りを食らって、重力のままに落下した。
──バシャーーンッッッ!!!
「くっそ、絶対、防げたと思ったのに……。」
シスイが弾いたクナイを持っていたのは、ハルトの分身で、そのクナイにも飛雷神の術式が仕込まれていた。弾かれたクナイは、そのままシスイの背後にとび、そこにハルトがとんだのだった。
「忍術を使ってやんのは、やっぱ楽しいなー!」
「体術だけの方が、いいんだけどなぁ。」
「なんでだよ!!」
「……疲れる。」
「そんなハルトに勝てないのが辛い。」
体術から始まった、俺とシスイの修行は、既に忍術を使ってでのものになっていた。
そして、
「的のセット、完了!」
「いくよ。」
的当てゲームも、的が二十個にまで増え手続いてた。
今では二十個も、俺もシスイも余裕でクリアできる。……そろそろ増やそうかな。
イタチが生まれてから一年が、シスイと出会って、二年が経とうとしていた。