HARUTO~原作のないNARUTOの世界へ   作:ゆう☆彡

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お気に入りがものすごい増え、嬉しいです。
ありがとうございます!

それに比例して、低評価も増えていくのですが……。やはり、嬉しさの方が大きいですね(笑)

これからもよろしくお願いします!




……あ、次回から新章です


君が生まれる日のために。

 

 

「……。」

『……、』

「おぉ……、」

『……、』

 

 

──バッ!!

 

「可愛いなぁぁぁぁぁあ!!!」

『た、助けっ、主ぃ!』

「おわっ!? 喋れんの!? こいつ!!」

「喋ってるわけじゃないよ。頭の中に語りかけてるだけ。

 

弥白、僕は助けられないから、頑張って。」

「お前、やしろって言うのかぁ!!」

『ぎゃぁぁぁぁ!!』

「……シスイ、死んじゃう。」

「ほえ!?」

 

少しだけ腕の力を緩めたすきに、弥白はシスイの腕から飛び出して、俺の背後に逃げた。

 

「大変だね、人気者も。」

『……、』

「嫌ではないんだね。母さんは帰ってくるの楽しみにしてたよ。」

『!?』

 

 

口寄せ契約をした白狐の弥白を、初めて母さんに見せた日にも、今日と全く同じことが弥白の身に降りかかった。

 

『モフモフされるのは、もう、ごめんだ。』

 

帰るなり、いきなりガン見されて、お互い見合ってたはずなのに、弥白が先にジリジリと後退し出して、母さんが急に抱きついた。

 

 

 

「すごいなー! ハルト!!」

「父さんに教えてもらったんだよ。契約するまでは、大変だったけど。……ね、弥白。」

『……。』

 

申し訳ないのか、恥ずかしいのか、ふいっ、と顔を背けられた。……だいぶ、被害受けたのは、こっちなんだけどなぁ。

 

弥白と死闘を繰り広げたせいで、父さんには飛雷神の存在などもろもろバレるし、風遁だけじゃなくて水遁も雷遁も扱ってしまったから……。

あの後、色々と説明するのはすごく大変だった。

 

 

「まっ! ハルトの父ちゃんに知ってもらえたなら良かったじゃんか!」

「んー、そういうことでいいのかな。」

「小さいこと気にすんなって! それより! 早く修行しようぜ!!」

「うん。」

 

最早、恒例となった、出会ったらまず一対一から始める。謎のルール。

 

 

 

──キーンッ!!!!

 

もはや、合図すらなく始まり、中心でクナイがぶつかり合う。

忍術も繰り出そうとしたが、

 

 

 

 

 

「ハルト! シスイ!!」

「「!?」」

 

それは、突然呼ばれた俺たちの名前によって遮られた。

 

「イタチ?」

「なんで、お前、こんなとこにいるんだ?」

 

木陰から出てきたのは、まだ一歳になったばかりのイタチ。

 

「ミコトさんに言ってある?」

「……? 母さんはいなかったよ。」

 

だからと言って家から出てきていいわけじゃない。

 

「しょうがない、今日は終わりだな!」

「そうだね。」

「俺も修行する。二人と一緒にやる。」

「お前はまだ一歳だからダメだ、イタチ!」

 

二歳で、俺に向かってクナイ投げたお前が何言ってんだ。

 

「二人だけずるい。」

「イタチももう少し大きくなったらね。そうしたら、三人でやろう?」

「じゃあ、見てるだけならいい?」

「まぁ……、それなら危なくないしいいんじゃないか?」

「とりあえず、今日はダメ。ミコトさんが心配する。」

「そうだな……。」

 

結局、イタチの家で三人で遊ぶことになった。シスイも修行したいだろうが、初めて出来た弟的存在のイタチにはとことん甘い。

 

 

この時の俺の言葉に嘘はない。

シスイもやってたし、イタチが二歳になったら、三人で修行したいと思っていた。

 

 

 

……でも、それが叶うのはもっと先のことになるとは、この時の俺は知らなかった。

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに、

 

「ハルト、」

「ん?」

 

 

「……こいつに触ってもいいか?」

『!?』

 

「触りたいの?」

「……、

 

 

もふもふしてる……。」

「優しく触ってあげてね。」

「!! うん。」

 

 

あぁ、写真に収めたい。

優しく弥白に触るイタチと、今まで最も優しく触られて、気持ちよさそうな弥白の、癒しの絵が広がっていた。

 

 

───────────────────────

 

 

「……。」

『……。』

「……んー、」

『……、

 

 

 

 

 

 

主。』

「ん?」

『暇だ。』

「……解除する?」

『主と一緒にいたいのだ、我は。』

「……。」

 

なんだそれ。ちょっと可愛いな。

 

「じゃあ、弥白も一緒に考えよ。」

『さっきから、主は何を悩んでいるのだ?』

 

 

今日は久しぶりに外出せず、家の中で一人で考え事をしていた。基本的に外にいることの多い俺が家にいるのは珍しく、弥白も不思議がっていた。

 

……口寄せ動物と一緒にいるなんて変?そんなこと、俺が一番感じてるよ。俺が解除しようとすると、弥白がものすごい悲しそうな顔するんだよ!解除なんて出来ないよ!!

 

 

「封印術を作ろうと思って。」

『そうか、封印術か……。

 

 

 

 

 

封印術を作っておるのか!?』

「そうだよ。」

『主。封印術に限らず、術を考えるというのは難しいということを知っているか?』

「知ってるよ。」

 

俺のオリジナル忍術である“風華雷光”も結構、時間がかかった。でも、俺は既に取得のコツは掴んでいる。

 

 

 

それはイメージが重要であるということ。

 

基本的に誰からも教わってない俺が、忍術を使えるようになったのは完全に元の世界での完成体のイメージを知っていたから。

つまり、オリジナル忍術も、世界の理論に反さないように作れば、イメージを固めるだけで簡単に出来るということだ。……というか、既にそういう風に作ったことがあるんだから、間違いない。

 

 

「既にある強力な封印術は、どれも代償が大きすぎる。だから、強力で命を落とすことのない封印術を作ろうと思ったんだ。」

『……主が決めたことならば、我は口を出さぬ。協力しよう。』

「ありがとう、弥白。」

 

この封印術は、もちろん九尾の封印に使うためのもの。原作では、ナルトには九尾の陽の方を“四象封印”で半分を封印したけど、もう半分の陰の方は父さんがその命を代償にする“屍鬼封陣”で自分の身体に封印した。

 

多分、陰の方が強力だから四象封印じゃ抑えきれないから、命を代償にする封印術じゃなきゃいけないんだろうな。

 

 

しかし、それでは意味が無い。

何が起こるのか分かっているのならば、それの対応策を考える。それが俺の役割だ。

 

 

「と言っても、命と同等の代償ってなんだろう……。」

 

九尾の陰の方を封印するための封印術となれば、それ相応の代償が必要だ。命以外に……、ね……。

 

 

『例えば、封印したいものをチャクラ量で抑え込むことは出来る。』

「じゃあ、大量チャクラを封印術式に組み込むとかは?」

『が、日が経てばチャクラは自然と減少する。封印された者が、チャクラが吸い取られることに耐えれればの話だ。』

「そっか……。」

 

 

そもそも九尾をチャクラ量で抑え込むこと自体、無謀か……。

 

「そういえば……、封印術って鍵式だよね?」

『そのような形のものもあるが……。主、どうしてそれを知っている?』

 

やべっ。

 

「まぁ、それは気にしないでよ、弥白。」

『……よいが、』

「封印術自体は強力じゃないけど、その鍵を強力にするのは?」

『なるほど……、しかし、封印術と鍵のレベルがある程度、同等でないと、鍵を開いた時に封印していたものが一気に溢れるぞ?』

「鍵を段階式にして、少しずつ開くようにする。」

 

 

いいぞ、いいぞ。どんどんイメージが出来てきた。

 

『主の考えることは、新しくて面白い。』

「そう?」

『あぁ。そして、筋が通っている。不可能なことではない。』

 

俺よりも絶対に知識のある弥白からのお墨付きを貰い、俺の頭の中で既にそのイメージはできていた。

 

「弥白。協力してくれる?」

『我に出来ることであれば何でも。』

 

 

 

 

封印式はそんなに難しいものじゃない。鍵に細工をする。

命に代わる代償を、忍術の性質の量にする。

例えば、基本性質なら五段階で開け閉めができ、逆に言えば、五重で鍵を閉めているということ。

それに、時が経てばヤマト隊長とかの木遁とか、いれればいい。

 

初期段階は、俺と弥白の風・水・雷・火。そして、カカシさんの土の五段階。

チャクラ量しだいで、封印の鍵を強く出来るようにすればより一層いい。

 

 

「……あれ。」

『?』

 

だめだ。原作では、父さんが先に屍鬼封尽で陰の方を取り出して、残りをナルトに封印していた。でも、今のままじゃ、ナルトに封印することが先になってる……。

 

 

「上手くいきそうだったのに……。」

『主は誰と戦っておるのだ?』

 

その言葉で、弥白の方をはっと見る。

 

『!?』

「弥白は九尾の同族なんだよね?」

『? ……そうだが。』

「九尾と、直接関わりとかってあるの?」

『そうだな……。

 

 

同族の我らは、その恩恵を、僅かだが受けることが出来る。』

「恩恵?」

『簡単に言えば、チャクラを分けてもらえるということだ。』

 

 

なんと。

 

「それは陽の方?」

『……なぜ知っているのかは、もはや聞かぬが。その通りだ。』

 

つまり、弥白は九尾の陽の方と結合出来るということ。俺が四象封印を覚えて、その細工を父さんにしてもらえば、弥白が引っ張り出す九尾の陽の部分を、先に封印出来るかもしれない。

 

 

「……、うん。うまくいきそうだな。」

 

母さんに、怪しまれないように教えてもらおう……。

 

『主。』

「ん?」

 

俺の頭の中を書き出していると、弥白が声をかけてきた。

 

『主の父には言わぬ方が良いぞ。

我を呼び出した時と同じことが起こる。』

「……そうだね。秘密にしておくよ。」

 

 

 

 

母さんにもふもふされる弥白と、父さんに質問攻めにされる俺。

 

そんな未来が見えた気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな未来を……、見ていたかった。

 





「では、近日中にでも決行いたしますか。」
「そうしてくれ。小さいうちから取り込めば、操りやすい。」
「はっ。」




膝まづいていた者がその場から消え、残ったのは杖をついた男だった。



木の葉の闇の部分で、静かに事が動き出そうとしていた

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