以前の都市防衛などとかなり重複するでしょうが改めて。
特に古代の歴史は、都市の歴史でもあります。
インダス文明などは、のちの歴史とつながりが見当たらないのに、都市が発掘されただけで四大文明の一つともされています。
近現代史においても都市は重要なままです。特に現代におけるもっとも大きな歴史の流れは、総人口で都市居住者が多数派になりつつあることです。
都市、とは根本的に何でしょうか?
人が多数集まる。日本以外の過去では、城壁を作って敵から民を守る城でもある。
なぜそんなものができるのでしょう。どんな有効性があるのでしょう。
多くの人が、比較的近い距離に住んでいる。
だからそれを動員できれば、戦争であれば戦力の集中が可能で、強い。
近くにいる人とは話したり交換したりできる。だから、『繁栄』にある、アイデアを番(つが)わせることがより容易になる。アダム・スミスのピン工場からの、分業という巨大な力も都市があるからこそ可能。
たとえば、商品としての拵えごと完成された日本刀。
それにどれほどの、多様な人が必要か。
刀身。
山で砂鉄を掘る人。砂鉄を運ぶ人。木炭のため、あるいは鉄鉱山の岩を露出させるため邪魔な木を切る人。ときには木を川流しする人。木炭を焼く人。粘土を掘る人、場合によっては運ぶ人。いい粘土を探す人。水利や山を崩す権利を交渉する人。ふいごを作る人。少なくとも皮を手に入れる猟師や家畜を飼う人と木で細工をする人。
土地を選び、粘土でたたらを築き、木炭と砂鉄を重ね、ふいごを作り、ふいごを動かし続ける人を雇ったり、監督したり、神職も祈る……呪術。
それでやっと玉鋼ができる。さらにあちこちで古い鉄を集めて売る人もいる。
刀鍛冶は玉鋼と古い鉄と多量の良質な木炭を買い、時には刀商人の力も借りて……搾取され、であることも多い……注文を受け、借金をし、炉に木炭を入れて上と同じく作ったふいごで火を強める。鉄の塊である金床と良質な木を用いるハンマー、鉄のやっとこを手にして、また神職の力も借りて身を清め、打つ。藁や砥石粉も使う。
打って終わりではなく、多種多様な砥石も使う。全国から、荒い砥石からとてつもなく細かい砥石も。研ぎは専門家に分業することも。
拵え。
鞘、はばき、鍔、柄、紐の類……
鞘の木。漆塗り。漆を集める人、運ぶ人……色をつける顔料を掘る人、売る人……螺鈿の貝、時には輸入であることも。金箔、金を掘る人、金箔にする職人、金を売り買いする許可をする役人……
はばきや鍔。刀とは違う鉄、銅合金、その他。特殊な錆を作るため梅酢すら売買される。銅や合金の鉛や亜鉛を採掘し、輸入し、売買する人もいるはず。
柄は輸入品の鮫皮、竹や生鉄の目釘、特殊な木、そして高度に染められた柄紐。綿や絹、桑農家・養蚕・糸を取る職人、染色、アイ農家とアイを発酵させ染色する職人、媒染剤の採掘や売買。糸を紐に撚り編む職人。
刀を差すためにも紐がいる。
そして刀の質を保証する商人。手入れ用の椿油……椿を育て種を絞り売る。時代劇で叩く砥石粉と綿のついた棒、箱、それに字を書く筆と墨……
膨大な、多種多様な仕事。分業。それでやっと高水準な刀ができる。
他のあらゆる甲冑、弓、馬で引く戦車、服、贅沢な器、家、宮殿、神殿、葬式で見る仏像と仏具……何もかも同様。
ましてスマホ一つなど、世界各地の鉱山からどれほど多様な資源が集められ、どれほど高度な技術の持ち主が多数、集まっているとは知らずに集まっているでしょう。
多様な仕事をする人を集め、接触・交換させ、組織する。
そのことで高度なものを作ることができ、圧倒的な軍事力や、土木工事も可能にする。
それが都市。
近代、産業革命が巨大な生産力を生み出し、それによる世界征服ができたのも、都市がありそれが宗教や残忍な主君による抑圧が少なかったからです。
『政治の起源』では、中国とヨーロッパの重大な違いに、比較的自由な都市があるかないか、が大きいと指摘されています。
また、同じく世界史の重大問題である、同じ黒死病からなぜ西ヨーロッパは産業革命で東ヨーロッパは農奴制強化だったのか、の答えとして自由な都市の有無があったとも指摘されています。
また、防衛要塞としても都市は非常に強力……日本以外では住民ごと頑丈な城壁で守る。
周辺を焦土にし、家畜も食料も都市内に運んで籠城すれば、食料を運べない昔の軍はすぐに包囲側が飢える。……ある時期の古代ローマや、多数の家畜を連れている騎馬民族、小田原城を落とした豊臣秀吉は例外。
都市の大きい長所は、任意の二点が短い距離で連絡できる。異業種、異民族の人が接触し、知識を「交配させる」ことができる。
本来、為政者や神官はそれを嫌います。
三人集まれば死刑、は多くの古代文明で普遍的な法です。近代でも、アメリカ南部などでは黒人奴隷が三人集まったら犯罪、という法があったそうです。
また、商業・工業を嫌うのも多くの古代文明で普遍的な道徳です。
聖書にもバビロンを淫婦とおとしめ責める記述があります。
都市にはどうしても、暗黒街やスラムも生じます。犯罪組織の活動の場でもあります。
自給自足に近い小規模な生活でも、酒場・賭場・売春宿があることは多いです……特にゴールドラッシュや開拓村では。でも規模が大きくなると、それも質を変えていきます。
『ロスト・ユニバース』などでは特にそういう暗黒面がちらちらと見えます。『タイラー』でも多様な犯罪組織が都市の闇で活躍します。
都市を考えるのであれば、都市内交通と水の流れ=上下水道も考えなければならないでしょう。下水道は侵入口・脱出口にもなります。『スターウォーズ』でルークたちが逃げ怪物や設備そのものと戦ったのも下水設備です。
防御、支配のしやすさ。
二点間の所要時間が短いことで、多くの人が連絡できる。
技術をつがわせることができる。
そう考えると、高層ビル都市・平面都市・直線都市の優劣は?
高層ビルは面積を大きく節約できるが、新幹線に比べればエレベーターは遅く、効率も悪い。
高速鉄道から自転車程度の速度まで複線の平面都市・直線都市のほうがいいのでは?
また、メガフロートを解禁すれば面積は無制限にできるというのも、『現実』が手を出していない大きな内政チートの余地では。
近代以降、ビルが超高層化されると、下のほうの階はエレベーターの面積が増えて実際に利用できる部屋があまりない、という問題が出てきてしまいました。
二次元の都市でも、大都市中心の面積の多くは道路と駐車場に占められています。
『スタートレック』の転送や、『反逆者の月』の荷物を持った人間を瞬間移動させる設備を用いれば問題が消えますが、伝染病という大問題が出てきます。
都市は伝染病の温床でもあります。
天然痘やコレラは大人口がなければ維持できません。
実に多くのSFでも、多くの魅力的な都市があります。
都市そのものがある意味主役である作品も多くあります。
『都市と星』『カズムシティ(レナルズ)』『マルドゥック シリーズ』などなど。『都市と星』のダイアスパーは永遠と無制限の贅沢と臆病さ、『カズムシティ』は融合疫のおぞましさとその中の膨大な富と力……
『スターウォーズ』のクラウドシティも独特の魅力がありました。
『2312-太陽系動乱-』では多様な都市が太陽系の各所に作られています。
残念ながら筆者は、建築とファッションにはほとんど無関心だったのですが……その視点であらゆる作品を読み返したら膨大な発見があることでしょう。
未来らしい都市の描写として、たとえば超高層建築とチューブ状都市内鉄道の描写が多く見られます。他にも繰り返し映画化される『ブレードランナー』など、魅力的な未来都市描写は映像としても価値が高いものです。
『火の鳥 太陽編』も未来側では巨大都市の、巨大な塔に主人公が挑みました。高い壁を登る体力描写は『黎明編』の壁登りの主題演奏繰り返しでもあります。『未来編』の地下都市はそれ自体が人類の最後を雄弁に語っています。
『三体シリーズ』の華麗極まる、木の葉のような都市やスペースコロニーは、間違った方にばかり発達する地球人の技術のいびつさをうまく描いています。
『断絶への航海』『約束の箱舟』『怨讐星域』など大規模な多世代播種船は、それ自体が巨大な都市として、その内部でいろいろな人々の軋轢や権力ゲームが描かれるものです。
逃げ場がない、外部がないというのがその最大の特徴でしょう。
『楽園追放』も、地球外の巨大コンピュータが逃げ場のない電脳ディストピアを構成しています。
『シドニアの騎士』ではその中の戦いがあり、さらに『蒼穹のファフナー』『天冥の標』などでは実際には逃げている巨大船なのに重大な嘘も混ざっています。
『ギャラクシーエンジェル』の白黒の月はそれ自体が遺失文明の遺跡であり、兵器工場であり、超巨大戦艦とも言えます。
白は文明を保存し、トランスバールを助けた存在であり、信仰の対象にもなっています。主人公たちであるエンジェル隊は戦闘艇操縦者であるだけでなく、月の巫女という聖職者であり、さらにロストテクノロジーの研究者でもあるのです。それが兵器工場でもあったこと、膨大な被害をもたらした黒も絶対悪ではなかったことに主人公たちは強い衝撃を受けました。
神聖な存在とされたシャトヤーンを妾としたジェラール前王の暴挙は、宗教から王・軍に力を移す政治的な意味も大きかったでしょう。
都市の防御面をみると、要塞という重大な言葉も浮かんできます。
要塞もまた宇宙戦艦SFの最も華やかな部分の一つです。
城、要塞はそれ自体が最も華麗な建築でもあります。
『銀河英雄伝説』のイゼルローン要塞、またガイエスブルク要塞、レンテンベルク要塞など。
イゼルローン要塞は政治的に重大すぎ、何度も無謀な攻略戦が生じ、また落としてもそれが同盟の自滅につながるという二段構えの罠でさえありました。それは建造者にも見えていなかったでしょうし、ヤンですら洞察できなかったのです。
『宇宙戦艦ヤマト』の都市帝国をはじめとする要塞攻撃。都市帝国やウルクの圧倒的なビジュアルと濃密な火力の強さは常に大きい印象を与えます。『新たなる』のゴルバも非常に印象が強いものです。
『スターウォーズ』のデス・スターもあまりにも重大な存在になりました。
『ガンダム』ではソロモン、ア・バオア・クーという巨大要塞の攻防がカギとなりました。
比較的近い史実では、むしろ要塞の役立たずが目立ちます。
日本では岐阜城が難攻不落と言われながら何度もあっさり落ち、大阪城も落ち、箱根の山も後北条も徳川も守りませんでした。人が足りなければ巨大な城砦は無駄になります。
世界でも、特にマジノ線や、ドイツがあちこちに築いた巨大要塞の無用さが目立ちます。
ただし日露戦争では203高地の攻防が膨大な死者を出し、また第一次大戦の膨大な死者でもわかるように、鉄条網・機関銃・重砲と組み合わさった防御陣は猛威を振るいました。
火薬を発明したのは中国なのに西洋が勝った理由として、西洋は火砲に対抗できる平たい城塞を作った、イスラムも中国もそれをしなかったし、その手の要塞はものすごく費用がかかるので政治や戦争を変質させた、とも言われます。
何よりも華麗なのは現在のイスタンブールである、コンスタンティノープル。長きにわたりイスラムの猛攻をしのいだ、海と陸を複合する巨大城塞都市。その陥落は火砲の時代のはじまりでもありました。
巨大すぎる戦艦も要塞のようでもあります。
『銀河戦国群雄伝ライ』で超巨大・超火力・超装甲の帝虎級戦艦が猛威を振るい、師真はそれを城とみなして攻略します。孤立させ、兵糧攻めにし、脱走者が出るよううわさを流しその脱走者を将が斬ることで将と兵を敵対させ、スパイを潜入させ内部から破壊する……
『スタートレック』のボーグキューブ、『インディペンデンス・デイ』の巨大船、『マクロス』や『イデオン』の超巨大艦も要塞の要素がとても強い。
上述のように、惑星そのものが超巨大要塞になった例もあります。
要塞はきわめて強力な巨砲のプラットフォームでもあります。これは史実とも共通し、要塞砲は常に強大でした。
イゼルローン要塞のトールハンマーは同盟の膨大な艦隊を破壊し、回廊を血で舗装しました。
デス・スターには惑星を破壊するという究極の懲罰を可能とする巨砲があります。
『ヤマト3』のボラーは波動砲が通用しない要塞からブラックホール砲を放ちました。
要塞には強大な火力がある、だからこそ要塞に侵入して内部から破壊するのは華麗であり、特に『ヤマト』で多用されます。しかし常に犠牲は多い。
そしてその要塞が陥落した時には、中の膨大な人には大きな悲惨になるのです。『ヤマト』の都市帝国に、清掃や調理に従事する婦人がどれだけいるか……想像すると苦しいものがあります。加害者に他ならなくとも。
さらに一瞬で死ねればそれは幸運、略奪強姦奴隷化、さらに残忍な拷問の末の死も歴史の常です。おぞましい宗教を押しつけられ、劣等民族として支配されて生きることすらあります。
『ファウンデーション』の首都星は大略奪ののち金属を売って農地となった、という描写があります。それが事実上の帝国滅亡とされます。
また巨大官僚設備だった首都星に食料を運ぶことが帝国の主要機能だった、という話もありました。食料自給が難しい都市が飢えないよう食料を運ぶ、それ自体が帝国の生死を分けるわけです。
古代ローマはエジプトという穀倉からローマに穀物を船で運ぶことがすべてでした。
都市が、国全体が破壊されてから……楽な全滅ではなく多くの生存者の悲惨な生活が『女王陛下の航宙艦』で描かれます。
悪としか言えない帝国の支配で呻吟する被征服民の生活と恨みが『叛逆航路』シリーズで丁寧に描かれます。
要塞は膨大な人々を生活させます。巨大な戦艦、艦隊自体もそうですが。イゼルローン要塞は内部で食料を自給できますが、大抵は外から食料を運びます。
それは都市生活に近いものでもあります。膨大な食糧や衣類を外から運び廃棄物を出すのが常、という。
巨大すぎる要塞として、万里の長城のような超巨大防衛設備も考えておくべきでしょう。中国は騎馬民族の脅威を、長城で防ごうとしました。
日本も白村江で敗れたら水城を築き、また蒙古襲来にも多くの石垣を築きました。
西洋でもイギリスを分け古代ローマ帝国の限界というべき長城があります。
そして第一次世界大戦は、塹壕と鉄条網が海への競争を作り出しました。それはかなり近い形で鉄のカーテンとして文明を二分しました。
マジノ線もその子孫でしょう。
本来の地形と、人間が地形を変える力、守る火力……執念としか言いようがないものです。
『銀河英雄伝説』の、同盟と帝国をへだて、二つの回廊しかない、その見えない長城こそが主役と言えるでしょう。他にも多くの見えない長城があるのでしょう。
ジャンプ点型の超光速をとる作品では、いくつかの主要星系の争奪で、大きな範囲を切り取ったり孤立させたりできてしまいます。
『現実』で都市・要塞ができるには、その材料こそが重要です。
いくつかの巨大文明には、それぞれの「土」さえ重要でした。
中国北方を覆う黄土。奥の砂漠から長い年月で風で飛ばされてきた微砂が土となったもの。きわめて水はけがよく、肥沃で、水さえあれば低い技術水準で豊富な農業生産が得られる。地域によっては黄土そのものに穴を掘り、その中で安定して生活できる。また版築……石灰などを混ぜ、水を加えて重ねては枠を当てて叩き、また重ねて叩くことで、何千年の年月に耐える鋼のように固い壁を作ることができる。
中東も、その乾燥気候により強固な泥レンガを作ることができ、また今大油田地帯であるその地域では自噴油井から揮発性成分が抜けたアスファルトも入手できました。逆にメソポタミアは木も石も乏しく、何もかも輸入に頼ることになります。
中東の一地方には火山灰由来の凝灰岩の土地があり、それは容易に掘って地下都市を作れました。
古代ローマの建築を支えたのは、ローマン・コンクリートの主要素材である火山灰です。地中海周辺に多数ある火山は災いになると同時に大きな恵みともなったのです。そして数々の美しい建築を作ったのは、プレートの動き・火山活動でねじ曲げられ高圧高熱をかけられて地上近くに押し出された大理石です。
ついでに、土地の肥沃さそれ自体も文明を大きく分けます。たとえば、アメリカで特に黒人が多い地域は、何万年も前からの地質学的な動きから、その地に肥沃な土がたまっており、その土を綿畑にした、それで多くの黒人奴隷が集められ、そのままそこに居ついてしまった、とのことです。
ウクライナも極端に肥沃な黒土で知られますが……それは不幸になることが多いようです。
熱帯地域が文明競争で勝たない理由としては、東西幅が狭く作物・家畜につながる動植物の多様性が低いことだけでなく、常に多くの水で流される熱帯雨林気候の土壌は薄く痩せているからでもあります。
無論、どんな要塞・都市を作るにしても、レンガを焼き、岩を焼いて水をかけてガラス鍋を熱いまま水をかけて割ってしまうように割り、木炭にして鉄を精錬し鍛え、木そのものを建材にし、船を作り……常に膨大な木材を消費し、多くの森林を切りつくします。石材さえも枯渇します。
それによる文明の衰亡も常にあることでしょう。
SFも幾多の都市・戦艦は、膨大な資源を消費します。
どんな資源を入手できるか、どう加工できるかで、どれほどの都市、どれほどの戦艦を作れるかが変わるでしょう。
都市や要塞を建築する技術はそのまま土木工事技術であり、治水、運河、鉄道や道路の建設にもつながります。それはそのまま国家、文明そのものを作ることでもあります。
そこには測量技術、地図つくりという技術も強くかかわるでしょう。
宇宙での土木工事といえば、『クラッシャージョウ』のクラッシャーの本来の仕事なのですが……
都市や要塞の設計思想には、芸術や宗教・呪術の面もかなり強く出てきます。
神殿の前の広場、そこから三方向に伸びる道。
前に言った、支配の重要な手段であるパレードは、都市中央に広場を起点とする広くまっすぐな道がなければ不可能です。
そして広場と巨大な道は、フランス革命から天安門事件に至るまで幾多の民衆の叫びの舞台でもありました。
またパリの複雑な小道がバリケードで固められ革命につながる、とナポレオン三世はパリを計画的に作り変えました。
ブラジルやトルコは、まったく新しい都市を築くことで国の構造を変えようとしたものです。
中国式で日本も模倣した、風水の四神を計算し、北中央の宮城からまっすぐ広く伸びる朱雀大路に左右対称・格子状の道も、魔術であり支配手段でもある様式、中国文明そのものとすら言えるものです。
だからこそ、デス・スターもイゼルローン要塞も、単なる要塞・兵器であるだけではなく、国家の死命につながる巨大な何か……神、でさえあるのです。
都市、という生活様式。それは多数の自給自足農村に支えられ……搾取し、また遊牧民と戦って農民を守るためでもある。
膨大な生産力と、食料や木材の供給が絶えれば、また伝染病を浴びれば、攻め落とされれば滅びるもろさ。
文化を育て、焼き、宗教による抑圧にもつながる。
宇宙に行っても人類は、そして多くの人類のような種族は、都市で戦艦を作り、都市を要塞に変えて戦い続ける。
これから『現実』の人類は都市をどう変えていくのか。人口の多くが農村から都市に移り、膨大な人口が都市に集まり、初等教育率が上がる。ものすごい密度でエネルギーが使われ、巨大なスラムで多くの人が苦しみながらたくましく生きる。膨大な人数の中のわずかな天才がチャンスをつかみ、富と権力を得て、世界を変える……それがこれからも続いて文明が離陸するのか、それとも技術の限界・資源の限界が勝ってしまうのか……
都市と、その分岐はとても強い影響がある。
そして都市を否定し知識人を殺し人々を農村に送った毛沢東やポル・ポトは絶対に間違っているはず。