「レッド!」
どこからか僕の名を呼ぶ男の声が聞こえてくる。
「レッドくん!早く!」
今度は女の声。
(あいつらがこんなに急かすことなんてあまりないよな…。何かあったのかな)
ベッドで横になっていた僕は体を起こし、彼らの元に行った。
「おい、レッド。大変だぞ」
最初に僕に声をかけてきた彼の名前はグリーン。髪を茶色に染色したトゲトゲ頭。不良みたいな見た目だけど頭はよく回る。
「これ、見てよ」
次に声をかけた彼女はリーフ。この辺の少女の中で最も美しい女の子。
2人とも僕の幼馴染みだ。
「……」
「驚くだろ?空間に歪みがあるんだ」
僕は小さい頃に起こった事故でものが言えなくなってしまった。しかし、僕のことを昔から知る人には言わなくても分かるようだ。
僕の家の前になにか黒いものができていた。
「おそらく、シンオウ地方で何かがあったんだろうな。空間を司る神であるパルキアに何かが起こってるかもしれない」
「……(だったらシロナさんに連絡を…)」
「オーキド博士に頼んで今してもらってるよ。もうそろそろ報告が来るんじゃないかしら」
(パルキアって確かコウキくんが捕まえたんだよな…。新しいパルキアが産まれた衝撃か…?)
そんなことを考えていると、向こうの方から白衣をまとった60代くらいの男性が駆けてきた。
彼はオーキド博士。グリーンの祖父であり、このカントー地方についてなんでも知っている博士。他の地方の博士とも仲が良く、よく連絡を取って情報共有をしているようだ。
「おお、レッドくん。グリーン達から説明は受けたかね?」
「……(はい。かなり大変な事が起こってるそうで…)」
「で、じいさん、結果はどうだった?」
グリーンが報告を急かした。
するとオーキド博士は首を振り、
「シンオウでは何も起きていないようじゃ」
「そうなんですか。ならどうして…?」
「まあ行ってみればわかるじゃろ。ほれ、改良したポケモン召喚機じゃ。これがグリーン、これが…」
行ってみろだなんて無責任な…。まあロケット団を壊滅させた後に博士の助手になりたいって言ったのは自分たちだけど。
「改良したって何をしたんだよ」
「前のはポケモンを召喚することしか出来なかったが、今度のは
「マジかよ!じゃあここでポッポの能力を使えば空飛べたりすんのか!?」
「まあそうじゃな。じゃあ準備を終わらせたら1時間後ここに集合じゃ」
一通り説明を終えたオーキド博士は僕らにそう言って去っていった。