異界へ
1時間後、僕らは再び集まった。
「持ち物は無限にポケモン召喚機に入るし、気にしなくていいよな」
「… ……(うん。いいと思うよ)」
「じゃあ、行こっか」
リーフは先陣を切って歪みの中に入って行った。
「じゃあ俺も」
次にグリーン。
そして最後は僕だ。
足を踏み入れようとしたその時、博士に呼び止められた。
「グリーンやリーフから離れないようにな。もし危険があったら召喚機のオプションの緊急帰還機能を使うんじゃぞ」
「… … (分かりました。行ってます)」
そう言い残し、僕は歪みに踏み入れた。
中は黒みがかった紫色で禍々しい感じがする。
「気分が悪くなってくるな…。最悪だ」
「もうすぐ出口みたいだよ。あそこに光が見える」
リーフが指さした先には白い光が見えた。
(なんとなく、アローラのウルトラホールの中みたいだ。ならあれはウルトラホールといったところかな)
そんなことを思いつつ、光の方に僕らは向かっていった。
歪みから出ると、そこは廃墟が大量にある所だった。
大きな豆腐のような形の建物が目立つ。
「荒廃した街、か…」
「真ん中の建物だけ発展してるようだね」
「…(行ってみよう)」
巨大な建物に向け、歩き始めたところだった。
「待て」
後ろから声をかけられた。
「人型かよー。いつぶりだ?」
「どうでも良い。警戒してかかるぞ」
高校生くらいの少年が話していた。
「なんだ、君たちは」
グリーンが話しかける。
「黙れ近界民」
「おっと…」
「……(これは…)」
歓迎されてないな。
「あー。俺らはあまり戦闘行為はしたくないんだ。その銃、収めてくれない?」
「バイパー!!」
少年が叫ぶと、銃からレーザーのようなものが飛んできた。
「くッ!」
グリーンとリーフは避けることが出来た。
が、僕は少しタイミングが遅れてしまい、太ももに弾が当たってしまった。
そこから黒い重りのようなものが出てきた。
「……!!!」
「なんだこれは…!?クソ…!リーフ!レッドを頼んだ!」
「了解!ゆけ、タブンネ!」
リーフが腕の召喚機からタブンネを繰り出した。
「『いやしのはどう』!」
タブンネがわざを発動した。
脚から重りが消え去る。
「…(ありがとう)」
「このくらいどってことないよ。気にしないで」
「レッド!早速だが、そっちのやつれた方を頼んだ!俺はこっちのつり目をやる!」
「わたしは援護に回るよ!」
「助かる!」
「陽介」
「しゃーない、敵さんに乗ってやるかー」
そう言ってつり目とグリーンはどこかへ跳んでいった。
「さて、2対1なわけだけど、この状況で戦う?」
リーフが言った。
「2対1だと?誰が1人だと言った」
すると僕の立っているすぐ横を、銃弾が通り、地面に当たった。
弾が飛んできた方を見ると、2つ、光の反射を見ることが出来た。
(遠距離攻撃…スナイパーか)
「… … ……(リーフ、2体3だ。分が悪い)」
「じゃあ、わたしがあっちの2人を始末するから、レッドくんはこのリーダー格をやっつけてよ」
1人でやるつもりか…!?
言おうとしたが、それよりもリーフが駆けるほうが早かった。
「おい近界民、トリガーは使わないのか」
「…… …?(トリガー…?)」
「質問に答えろ。トリガーは使わないのか」
(ああ、そうか)
僕はポケットの中にある携帯電話のメモ機能を起動し、入力した。
『トリガーとは?』
「なんだ、唖者か…。トリガーを使わない近界民か。聞いたことない事例だな。だが関係はない。近界民は全て敵だ…!」