ポケットモンスター―異世界調査―   作:機械龍

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対超大型トリオン兵

〈コォォォ…〉

 ビギュン――

―――ドドドドドド…ンッッ!!!!

 一撃の砲撃で、警戒区域の東側の地区が焦土と化した。

「こんなん受けたら、本部が1発で崩壊してしまうぞ!忍田君!どうにかしたまえ!」

 開発室長である鬼怒田が叫喚する。

「大丈夫です。既に手は打ってある。慶。ポイントに着いたか?」

『着きましたよ。あれを斬ればいいんですね?』

 モニターに複数の男が映し出される。

 太刀川慶(たちかわけい)界境防衛組織(ボーダー)内の小隊の第1位に君臨する、攻撃手(アタッカー)

 出水公平(いずみこうへい)。太刀川と同じ隊に所属する射撃手(シューター)

 生駒達人(いこまたつひと)。B級隊員だが、組織内の実力者。攻撃手。

 荒船哲次(あらふねてつじ)。同じくB級隊員だが、攻撃手としても、狙撃手(スナイパー)としても動くことが出来る凄い人。

 彼らは、焦土と化した東側に配置されていた。

「不思議な組み合わせだな。……いや、そうでも無いのか」

 太刀川と生駒でまずは白兵戦を行う。それの援護を他のふたりで行う。そして攻撃手のどちらかがギブアップしたら荒船が代わりに、という感じだろうか。

「生駒、行くぞ。『グラスホッパー』」

 青い板を出現させ、それを踏んで飛び上がった。

「了解。『旋空弧月(せんくうこげつ)』」

 先程の砲撃で犠牲にならなかった建物の上に立っている上に、生駒の旋空弧月はかなり伸びる。これで届かないはずがない。

 が、

「なんやと!」

 ガッツリ攻撃は入ったはずなのに、体表を軽く削っただけだった。

「はぇー。装甲車だなありゃ!太刀川さん、ちょっと削るから、ちょっとグラスホッパーで避けてください」

『分かった』

「『炸裂弾(メテオラ)』+『変化弾(バイパー)』」

 出水は2つの種類のトリオン弾を混ぜ合わせた。

 すると、1つの複合弾が完成した。

「『変化炸裂弾(トマホーク)!』」

 無数にあるその弾を一気に打ち出した。

「砕けろ!」

 小さな範囲に沢山の量を打ち込んでいく。

 同じ所に荒船が『アイビス』を打ち込み、生駒が旋空で斬り、太刀川が危なくない距離まで近づいて同じく旋空。

〈ォオオォォオォオ!!〉

 装甲が破壊された。

「良し!『通常弾(アステロイド)』+『通常弾』」

 間髪入れず、次の弾を生成する。

「『徹甲弾(ギムレット)!』」

「出水さん、待て!」

 徹甲弾を撃とうとしていた出水を、荒船が止めた。

「なんや、荒船さん。今やれば確実にいけるやん」

「見えないか、あれが!」

 巨大な龍の方を見ると、変な格好をした人間が飛行しているのが見えた。

「なんや、あれ」

「多分、さっき三輪たちが戦っていた近界民(ネイバー)だ」

「なんで近界民が近界民を攻撃すんだよ」

「きっと違う国なんだろ」

「じゃあこれは違うところに撃っとくか?」

「いや、温存しておいて下さい。無駄に撃つのはダメだ」

「…そうか。分かった。じゃあ沢山作っとけばいいかな」

 そう言うと出水は複合弾の生成に移った。

 

 先程、荒船が変な格好をした人間といったのはレッドだった。

(さっき、あの人たちが装甲を剥がしてくれたところを攻撃すれば…)

 レッドは今、ミュウツーYの能力を得ている。特殊技が強化されるため、遠中距離の戦闘に向いていると思ったのだ。

 出水が破壊した装甲の真下に到着した。

 サイコブレイク

 巨大な念力の玉を作り出し、装甲が剥がれているところに向け、発射する。

「はかいッこうせんッ!!!」

 下の方では、グリーンがはかいこうせんを発射した。

「ゲノセクト、テクノバスター!」

 リーフがゲノセクトにこおりのテクノバスターを発射させた。

 まず初めに着弾したのは、テクノバスターだった。装甲が剥がれた部分と剥がれていない部分の境を凍らせ、回復できないようにした。

 次に、はかいこうせんが着弾した。「肉」を抉り、内蔵のようなものをむき出しにさせた。

 最後にレッドのサイコブレイク。内蔵のひとつに直撃し、それを破壊させた。

〈オォォォァァァアアア!!〉

 バケモノが咆哮する。

 その咆哮で東側の破壊されていなかった建物も倒壊する。

 テクノバスターの氷が溶けだした頃、地上のボーダー隊員が攻撃を再開させた。

 空中で待機していたであろう二刀流使いも、先程レッドたちが攻撃を与えた部分に何度も攻撃を与えている。

「君たち凄いね。この人数で俺らがここまでやるのにはあと1時間くらいかかってたかもよ」

「ありがとうございます。でも、油断は禁物ですよ」

 ポケモンの力を使うとレッドは話すことができるようになる。それをいつも使っていれば良いだろ、と思うだろうが、レッドはできる限り自分の姿で心から伝えたい。と考えているため、いつも使うようなことはしないのだ。

「全く、その通りだ。下がれ!」

「え?」

 その言葉にレッドが疑問に思っていると、付近で爆発が起こった。

「うああああ!!」

 レッドはその爆発に直撃したため、墜落していく。

「ッッッ!!ギガ――ッインパクトッ!!」

 持てる力を発揮し、最後に一撃を食らわせる。

 貫通――

 穴から空を見ることができるようになった。

「近界民!ナイスだ!」

 地上で誰かが叫んでいる。

「しかし、この爆発は…イルガーの自爆か!?それよりも遥かに大きいが…。本部、解析できましたか?」

 太刀川が通信を介して、本部に訊く。

『ああ、完了した。確かに、イルガーの自爆や爆発と似た反応がでた。先程の砲撃はバンダーだ。もしかしたら、そのトリオン兵は他のトリオン兵の力を使うことが出来るのかもしれない。…そうなると厄介だな…』

 対抗できるのは、近界民についてよく知っている彼だけ(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)か…。

 本部室にいる全員がそう思った時、その彼が現場に到着した。

「別にここまでこなくても良かったじゃん。陽介先輩」

「太刀川さんたちがここの装甲を破壊してくれたって情報があるんだから使わないてはないだろ?」

「それもそうだな。じゃあ俺は殴ってくるよ」

 空閑はそう言い残し、『弾』印(バウンド)でトリオン兵ががいる所まで飛び上がった。

『強』印(ブースト)四重(クアドラ)『射』印(ボルト)五重(クインティ)!」

 至近距離で超強力なエネルギー弾を発射する。狙いはもちろん、太刀川たちが開けた穴だ。しかし、既に貫通しているので、少し斜めに撃ち込む。

 一つの入口から、二つの出口ができた。

〈ッッッッッヒォオオォォォォオオ〉

 トリオン兵が咆哮する。

 すると、穴からトリオン兵の端までの約6000mが切り離され、凝縮した。

「なにが…!?」

 切り離された部分は凝縮をすすめ、形を整え始めた。

 それはボーマンダやカイリュー、ディアルガのような形になった。(元のはどちらかというとレックウザやラティオス、ギラティナ(オリジンフォルム)のような形だ)

「あの道は…!鋼!今すぐ向かえ!」

 太刀川が叫ぶ。

 村上鋼(むらかみこう)。鈴鳴第一のエース。ガロプラ戦ではレイガストを上手く使い、遠征艇の奪還を阻止した。ガロプラの戦士からの呼び名が盾使い(・・・)になるほど、(レイガスト)を使いこなしている。攻撃手(アタッカー)

 あの道というのは、本部に対し直線になっている道だ。砲撃を受ければ、本部への直撃は免れない。

「鋼だけじゃなく、他の隊員もシールドを使って阻止しろ!絶対に本部に攻撃を与えさせるな!」

「「「了解!」」」

〈コォオォオォ…〉

 口のような部分にトリオンを集め始めた。レーザーを発射するためにチャージをしているようだ。

「どのくらいの幅でやってくるんだ…?」

 恐らく、幅によってレーザーの強さも変わるだろう。広ければ大きく出さなければならなくなり、狭ければ1点に集中させて強度をアップしなければならなくなる。

「今だ!シールドを出せ!」

「「「シールド!!」」」「『盾』印(シールド)二重(ダブル)+『強』印五重(クインティ)!!」

 〈オォォォオァァオアァアアォッッッ!!〉

 奇声のような方向とともにレーザーを射出した。

 それはかなり細い。しかし、それはダイヤモンドすら砕くほどの圧力を持っている。

 レーザーの目前には大量の幅の狭いシールドと、それより一回り大きく硬い『盾』印。そして、村上鋼がいる。

 そして、レーザーが1つ目のシールドに当たる。

 一気に割れていく。

「クソっ!やっぱり無理か!」

「諦めるのはまだ早い!村上先輩の所まではシールドを作り続けるんだ!」

 どこかでそのような声がする。

 そして一回り大きな遊真の『盾』印に当たるその一刹那前、今生成されているシールドの直後に、1人の少年と大きな岩山のような生き物が現れた。

「君、その盾で俺を覆え!」

 人間の彼は鋼にそう言った。

「え…と…。…分かった。レイガスト!」

 少年の体を覆った。

「メガハガネール、『ワイドガード』!」

 〈グォォオ!!〉

「そして俺は、『まもる』!」

 少年の周りをエネルギーの盾が覆った。

 そう。少年は怪我を負っていない、この場にいる唯一のポケモントレーナー、グリーンだ。

 これでグリーンの体には二重の盾ができ、シールド群にはメガハガネールのワイドガードが追加された。

 グリーンとメガハガネールの目前までレーザーが迫っていた。

「耐えろ…」

〈クオォォ…〉

 そしてその時はやってきた。

 ガ…キィィィィィイイイイインン――――!!

 グリーンと鋼は思わず目を閉じていた。

 2人が目を開けると、

 ワイドガードと『盾』印のおかげで、グリーンのところには達していなかったことがわかった。

「うおおおおお!!!」

「喜ぶのはまだ早い!付近にいる者は全員、攻撃を開始しろ!」

「「「了解!」」」

 太刀川の指示に皆が応える。

「近界民、ありがとう」

「ん?ああ、いや。こっちも援護してやるって決めたから。人が困ってんなら助けるのは当たり前だろ?」

 爽やかな笑顔でグリーンは答える。

「名前は?」

「グリーンだ。お前は?」

「村上鋼。鋼でいいよ」

「じゃあ鋼。行くぞ!」

 グリーンと鋼は地上のトリオン兵に向け、走り出した。

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