あらゆる者が行き交う辻の上に、古き時代から在り続ける旅籠屋。
 竹の垣根に囲まれた辻堂と呼ばれる旅籠屋には、人に迷い己に迷った者達が訪れては去っていく。
 チリンと鳴るしか能のない、鈴の一人語り。
 それは誰にも知られずに闇に埋もれる者達への、弔いの語り。
 物言わぬ鈴の、空しい独り言にすぎない。


 こちらは小説家になろう様にも投稿しています。
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