あらゆる者が行き交う辻の上に、古き時代から在り続ける旅籠屋。
 竹の垣根に囲まれた辻堂と呼ばれる旅籠屋には、人に迷い己に迷った者達が訪れては去っていく。
 チリンと鳴るしか能のない、鈴の一人語り。
 それは誰にも知られずに闇に埋もれる者達への、弔いの語り。
 物言わぬ鈴の、空しい独り言にすぎない。


 こちらは小説家になろう様にも投稿しています。
  1 男の内に飼われるモノ()
  2 香りに惑い、溺れかけた女2013年10月13日(日) 17:14()
  3 ちっさな命と 忘れられぬ温もりと2013年10月14日(月) 19:04()
  4 壁に模られる者2013年10月15日(火) 20:09()
  5 子鬼が生を望む夕暮れ2013年10月19日(土) 17:30()
  6 魂とさえ呼べぬ者2013年10月23日(水) 21:19()
  7 鈴の盗み聞き2013年10月25日(金) 22:10()
  8 子を想うも 待ち人を想うも女なり2013年10月26日(土) 21:04()
  9 その身を 想いを守る者2013年10月27日(日) 23:08()
  10 黒いけむくじゃらの家出2013年10月28日(月) 21:14()
  11 琵琶の音が呼び寄せる者2013年10月31日(木) 00:08()
  12 忘却の術から漏れ出る記憶2013年11月02日(土) 17:04()
  13 怨念を固めし者2013年11月03日(日) 19:22()
  14 恩義を果たす鷹2013年11月04日(月) 16:28()
  15 付喪渡しの夜行船2013年11月05日(火) 22:21()
  16 庭の水面に珠に舞い2013年11月10日(日) 23:13()
  17 奪われてこそ咲く命2013年11月11日(月) 20:06()
  18 古傷を背負う者の行末は2013年11月12日(火) 23:26()
  (完)遠い日の誓いを守る者()
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