あらゆる者が行き交う辻の上に、古き時代から在り続ける旅籠屋。
竹の垣根に囲まれた辻堂と呼ばれる旅籠屋には、人に迷い己に迷った者達が訪れては去っていく。
チリンと鳴るしか能のない、鈴の一人語り。
それは誰にも知られずに闇に埋もれる者達への、弔いの語り。
物言わぬ鈴の、空しい独り言にすぎない。
こちらは小説家になろう様にも投稿しています。
竹の垣根に囲まれた辻堂と呼ばれる旅籠屋には、人に迷い己に迷った者達が訪れては去っていく。
チリンと鳴るしか能のない、鈴の一人語り。
それは誰にも知られずに闇に埋もれる者達への、弔いの語り。
物言わぬ鈴の、空しい独り言にすぎない。
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1 男の内に飼われるモノ | |
2 香りに惑い、溺れかけた女 | |
3 ちっさな命と 忘れられぬ温もりと | |
4 壁に模られる者 | |
5 子鬼が生を望む夕暮れ | |
6 魂とさえ呼べぬ者 | |
7 鈴の盗み聞き | |
8 子を想うも 待ち人を想うも女なり | |
9 その身を 想いを守る者 | |
10 黒いけむくじゃらの家出 | |
11 琵琶の音が呼び寄せる者 | |
12 忘却の術から漏れ出る記憶 | |
13 怨念を固めし者 | |
14 恩義を果たす鷹 | |
15 付喪渡しの夜行船 | |
16 庭の水面に珠に舞い | |
17 奪われてこそ咲く命 | |
18 古傷を背負う者の行末は | |
(完)遠い日の誓いを守る者 |