ネタ要素はないです。
昼下がりだ。週末に入り始める方方。今日は休みなので、昨日色々と買い込んで現在に至った。ちょうど今は家の自室で彼女と過ごしている。
窓からは光が差し込む。とても明るい金色のだ。空は強いて言うならケラマブルーといっても良いくらいに澄んでいるように感じられた。あいにく魚の群れとでも表すべき雲はその影を潜めているようだ。
わずかに開いた二枚のガラス窓の隙間から心地の良い風が二人を優しく撫でるように部屋に吹き込む。
星のように輝く舞ったホコリ。ゲーム機から発せられるファンの回転の音はわずかながらも心を癒し、時計の秒針の音が二人を高揚させる。
昼間の二人だけの家にはただ、話し声とゲームの音くらいしか聞こえないが、それでも十分すぎる興奮を湧き起こす。なぜなら意中の女の子との密室でのひと時だから。それは偶然かもしれないか必然かもしれないがそんなこと二人からすればどうだってよかった。
彼女が一つお菓子をつまむと、彼はゲームのコントローラーをガチャガチャ言わせながら小言を喋る。
時にゲームの納得のいかない点であったり、時に笑わすための言葉であったり。かるいやり取りをしていたふたり。
それから彼女がちょくちょく手を伸ばしていたお盆からお菓子がなくなり、彼のプレーしていたゲームは潮時となってきた。
「あのさあ?」
「なに?」
彼の短い声に、彼女は問い返す。
「今日泊まってく?」
「いいよ。なに食べる?」
彼女は適当に返す。彼は特に希望を言うことはなく、二人の間には白黒しない中性的な空気が漂う。
「じゃあパスタでいい?ナポリタン」
「カルボナーラ」
彼女は喉元で返事をすると水滴の滴る少ないコップの中身を飲み干し、お菓子の乗っていたお盆を台所に運んだ。彼女が帰ってくるときにはこれということもなく。ゲームも進展はない。
「進んだ?」
「それなり。あと少ししたらセーブする」
陽光はより赤くなり、月光が力を帯び始める。
かすかに聞こえる鼓動のような電車のジョイント音が気持ちを高める気がした。
「ご飯まだ早いよね?」
「そうだね」
ゲームの終焉は食事の時を考えながらだった。
立ち上がると、ベッドに座る彼女を見下す構図になる。
上目遣いの彼女は見慣れる顔の知らない部分だった。
「横、いい?」
「いいよ」
彼女のダボつた髪のまとまりは、鈍い紅に反射して妖艶な雰囲気を醸し出していた。遠くの防災無線から流れる定刻を告げる歪んだオルゴールの音は、古いレコードから流れるクラッシック音楽のように空気を熱くさせる。空のカラスがわざと聞こえるような鳴き声を茶化したように響かせるが、それに耳を傾けるひとは居なかった。
「今更だけど……」
――好きだわ。君には負けた。
「なにそれ?」
彼は声のした方へは顔を向けたりはしない。ただ、怪訝な心地では無かった。二人は、言葉を思いつかずに居た。沈黙は彼が破った。
「恥ずかしいけど、頭のてっぺんから足先のツメまで全て君のこと知りたい」
「プロポーズのつもり?だとしたら、最悪だよ……」
ブロスの間。心音が高鳴る。
――私以外だったらね。
そこで終わればよかったのかもしれない。ただ、一度熱が上がると鉄のように熱は冷めなかった。
彼女を見る。
「いいよ。そんなにもとめるなら」
あくまで軽くいってみせるが、彼女が覚悟をしていったことを感じ取った。
夕日はたまに桃色になることがある。その色に部屋が染められるのは頂けない。
白い幾多の丸い突起のついたリモコンは鉛のごとく重かった。エアコンから出る空気は紅潮する体を冷ますには生ぬるかった。
「じゃあいくよ」
「うん……優しくね」
ベッドに彼女を押し倒した。最初はじゃれ合う子猫のように。黄色い声が室内に広がって居た。
お互いの瞬きだけが合図となる。服はチャックがひどく硬く、とても重く、張り付き、湿っていた。震える手で服を脱がせるのは人づて縄ではいかず、脂汗を浮かべながら聖域へとたどり着こうとする姿は樹海を進む者にも、新大陸を進む者にも負けない。
ホットパンツのベルトはへんな噛み合わせをしてしまい、ガチャガチャと手こずらせる。それは結局中途半端な部分で脱がせるのを諦めることにした。キャミソールは薄く、肌に癒着する勢いで張り付いていたが、先ほどよりも楽だった。ブラはなかった。
中途半端な脱がせ方をしたパンツの下から見えるニーソックスはそそられるものがあった。
「ニーソやばい……」
「恥ずかしいよ……。はやくしてよ……」
その言葉が脳内を音節ごと巡る。最高潮とはこのことか。
残すはストライプのそれだけだ。表現方法はいくらでもあるその場を守るのはそれだけ。
「ふく……脱がないの?」
そんなこと言われてることにも気がつかない。
手で彼女の髪に触れる。ダマになる髪を見て変態的な思考を起こす。
「っ……!!」
言葉にならない声が合図だった。
守りはいともあっさり破かれた。ほだけかけた蝶結びのリボンのように。
そしてそこには……。
あってはいけないものがあった。そして、あってなければないものはなかった。
「……君のことを好きになってよかった!!!」
「うん」
彼は彼女への気持ちを高めた。それに気づかなかった自分への思いも、違和感もひっくるめて愛へと変化した。彼はそのまま、愛の赴くままにその時を過ごした。
メスショタには気をつけよう!