『トロイア討滅戦』から数ヶ月、『煩悩の姫』と『煩悩の騎士』は屋敷でのんびりとしていた。そこに客がやってくる。…それは、『トロイア討滅戦』の時に戦った魔剣使いだった…

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『トロイア討滅戦』のその後

「ふぁぁ…ねむ…」

屋敷の中で、俺はあくびをしていた。

…正直、こんな平和な生活してていいものなのか…とは思っている。というのも、俺と『煩悩の姫』は、たまに行われるイベント以外では、このように屋敷でのんびりしている。『姫』の方は、ギルドに入っていて、サブマスターになっているものの、1週間に数回程度、ギルド勧誘するぐらいなのである。

しかも、この屋敷には、滅多に人は来ない(来るのは『姫』のギルドのマスターさんか、『姫』の熱狂的なファンの魔剣使いぐらい)ので、正直言って、「暇」なのである。

「アクタル…お茶いれて…」

『姫』が気だるそうに言う。どうやら、ギルド勧誘をしても、人が来なくて落ち込んでいるようだ。

「はいはい…今いれますよっと…」

俺がこう言った時に、ドアノッカーの鳴る音がなった。誰か来たようだ。

「すいません、姫様。お客様が来たみたいなので、後でよろしいでしょうか…」

「むぅ…仕方ないですねぇ…。…ちょっとお客さんの対応をしていてください…。私、まだ準備が出来ていないので…」

「分かりました」

『姫』が自身の部屋へ急いでいったのを確認した後、俺はドアを開けた。しかし、そこに立っていたのは、いつもとは違う見慣れない顔の男であった。しかし、俺…いや『姫』も知っている人であった。俺が気づいたのは、男の隣にいる女性…いや「魔剣少女」、あれは確か…『魔剣グラム』。俺らが知っている中で、『グラム』を使う魔剣使いといえば…あの『トロイア討滅戦』の時に戦った、あの『ジャガーノート』使いの男ぐらいだ。

…あの人が、何故こんな場所に…

「久しぶりだな、『煩悩の騎士』。この前は世話になった。」

…なんだ?俺たちに皮肉を言いに来たのか?

しかし、今の俺には、『三池典太』も『戦槍ミネルヴァ』も…『小狐丸』も手元にない。それに対し、相手は『グラム』を顕現させ、多分『ジャガーノート』もいるのだろう。つまり、今、攻撃されたらひとたまりもない。相手に敵対心が無いのを願う…

「…安心してくれ。こちらに戦う意思はない…」

良かった…。本当に敵対心無くて良かった…。

「…あ、これつまらないものですが…」

相手はそう言って、菓子折りを渡してきた。…意外と軽い。

まぁ、前に敵対したとはいえ、客人は客人だ。屋敷内に入れなければ、非常識ってものだ。

「…えっとぉ…、何しに来たのか分かりませんが…とりあえず中にドウゾ…」

「お邪魔します。…ところで主は…?」

『姫』はたしか…

「なんでしょうか?こんなとこまで尋ねてきたのは…」

出てきた。しかも、やけに真面目。まるで俺と初めて会った時みたいに。あの忘れっぽい『姫』でも、自分が苦しめられた人のことは覚えてるらしい。

「いや…、少し騎士殿と話したくてね…」

…俺と?何故?いやいや、『姫』と話がしたいなら分かる。でも、俺?

「…アクタルと?」

『姫』も不思議がって首を傾げている。そりゃそうだ。

「…つまり…その、『アクタルと話がしたい』が為に、こんなとこまで?」

…ん?『姫』のようすが…。なんかいつもと違う。珍しく戦闘モード。

…よく見たら、震えていた。虚勢を張ってただけだった。かわいい。

「いや、待ってくれ。何度も言うようだが、私に戦う意思はないんだ。…菓子折りの中身を見ていただければ分かってもらえると思う。それは私なりの『親睦の証』だ」

俺は、菓子折りを開いた。まぁ、軽かったし、こういうのの典型的な例、「石鹸」だろうと思っていたが、中に入っていたのは、なんとビックリ、ペ⚫シコーラではないか。

…第二魔界にもあるんだ、⚫プシコーラ。俺が元いた世界じゃ、俺もよく飲んでたけど、正直俺はコ⚫・コーラ派だ。

『姫』はというと、小声で

「テネプシコーラ?」

と呟いていた。違うそうじゃない。

…というか、その隣のはメ⚫トスじゃないか…。とりあえず、『姫』に小声で

「あー…このお菓子(?)と一緒に飲まないで下さいね。これと一緒に飲むと、お腹の中でBDが起こります…」

と言っておいた。『姫』も

「わ…分かりました」

と言っていたから大丈夫だろう。

「で…では…、そちらのテラスで…」

「…待ってくれ、私から提案がある。」

ん?なんだろうか…。客人がどこかに連れて行くようだ。

 

「…で、ここは?」

「ご存知ないか?ここは『リゾルタ海岸公園』だ」

…俺たちは、客人に誘われて、海に来ていた。まぁ、夏だ。海は来たかった。

『姫』が、頭に手を当てて困惑してる。

正直俺も困惑はしている。相手から提案されて、何故海なのか…

「分かりやすく言おう、ここは海だ」

「それは流石に分かる…」

「それは…分かりますわ…」

俺と『姫』は、さらに困惑した。

「…で、男子更衣室はあっちで、その反対側が女子更衣室だ。」

「…なぁ、なんでこんな場所に…」

「さぁ、行動開始だ!!」

相手が、そう言って俺の背を押し、『ジャガーノート』と『グラム』が『姫』の手を引いていった。『三池典太』が遅れて走っていくのも見えた。

 

『サービスシーンを書くと思っていたのか?残念、無しだ!』

 

「…お待たせしました…」

『姫』が恥ずかしそうに出てきた。フリルのついた水着を着ている。あと水着なのは…『三池典太』か。青色のビキニだったか。…というか、来た女性陣5人に対し、水着なのが2人という。『ジャガーノート』、『グラム』、さらに『ニルヴァーナ』も水着ではない。

「あの…『ニルヴァーナ』?さっきも言ったけど…せっかく海に来たんだからさ…」

『姫』がこう言うと、ニルは

「あるじぃ?もしかして、ニルが水着を着ること、考えてたなぁ?」

と言った。あちらでは『ジャガーノート』が

「あれれー?もしかして私が水着を着ると思ってたのですかー?」

と言っている。

「「救えないなー」」

ニルと『ジャガーノート』の声がハモった。やはり精神に攻撃してきそうな魔剣が2人いると…辛い。

「殿ー、早く行きましょうよー」

『三池典太』は無邪気に私の腕を引っ張る。

「…すまない、俺はこの人と話があるんだ」

俺はこう言って断った。

「さぁ…海の家にでも行こうか」

客人はそう言い、俺を海の家に連れていった。

 

「…騎士殿と『三池典太』は仲がよいようですな」

「…あなたと『ジャガーノート』、『グラム』ほどではないと思いますが…」

「謙遜しないでいただきたい。実際、あの時に、私は負けたのだから」

あの時は…『戦槍ミネルヴァ』だったが…まぁ、一緒にいるという観点から言えば『三池典太』との方が仲がいいのだろう。

「…んで、こんな場所にまで来て、私に話ってなんですかね?」

「あぁ…そうだな。騎士殿…」

客人がこう言った時、俺は警戒した。しかし、客人が続けた言葉はこうだった。

「騎士殿は、どの魔剣が好きなのか?」

は?なんで?俺は困惑した。

「…それは…どういう…?」

「言葉通りの意味だ」

…え?そんなこと聞きに、私に会いに来たのか…

「あ…あぁ、俺は…全魔剣をすこるんだが…」

『すこる』、これは『魔剣を好きになる』という第二魔界特有(?)の言葉だ。

「…そうか、私は…分かるようにジャガノ、グラム、ルナ…あとエンプレスに、ロールお嬢様がすこなんだが…」

客人が自身が『すこ』な魔剣を話し始めた。…『姫』なら「私はニルヴァーナをすこるよ!」とか言うだろうな…

 

「殿ー!」

『三池典太』が走って来ている。

「ん?どうしたんだ?」

「なんと、大典太ねぇ様からアイスを貰いましてね!」

「あー、あんま走るなよ。アイス落とすぞ」

俺がそう言った刹那、『三池典太』が人にぶつかり、アイスが相手の身体に落ちてしまった。

「あ、すみません!俺の魔剣が…」

俺がこう言うと、相手の方が『三池典太 』に

「すまねぇ、オレの身体がアンタのアイス食っちまった。今度は、これでもっと豪華なアイスを食べるんだな」

と言って、メダルを渡してきた。なに、このイケメン。キョクチョー?

 

あれから、時間が経ち、海に夕日が沈んでいく。

「…そろそろ帰りますか…」

「…そうだな…」

俺と『姫』は疲れきった声で言った。

「…あ、客人」

「…なんでしょうか?」

「…一応、俺らは、アンタのこと…信用することにした」

「そうですか…それは良かった」

…実際、この方とは、もう戦いたくないから…な…

 




…まさか、あの先生から「『トロイア討滅戦』のその後、書いていいですか?」と言われるとは…
あ、今回の作品は実質その先生とのコラボです。…私なんかでいいのかなぁ…。
今回は、私のネタを詰め込みたい欲から長くなりました。(作品書く欲が少なくなっていたのは内緒で…)
…というか、もうその先生が誰かバレる描写してるからなぁ…怒られないことを願う。

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