もしも・・・二人の・・・いや、衛宮士郎とセイバー : アルトリア・ペンドラゴンの関係が反転した世界があったら?どうなっていただろうか?
私は、この世界の理を超えてしまったのだろうか?否、断じて否である。理とは、世界の絶対的ルールである。それを超えることは、人であるにみでは、決して叶わない・・・・だが、今、私の目の前にいるこの『英霊』は、どこか、懐かしく、そして、とても、愛おしい・・・
【問おう、貴方が私のマスターか?】
数時間前 :衛宮家一室
「ん・・・?夢?」
私は、とても現実的な夢を見た、いつかの世界、その世界のどこかで、あったことのある、あの青年・・・
「考えても、仕方ありませんね」
着替えて、朝食を作らねばなりませんね?
ドタドタドタドタドタドタ
「はぁ、今日は昨日にもまして早いですね・・・」
がら!
「リアちゃぁぁぁん!おっはよぉぉぉぉ!」>ガシ<
「あの、着替えるのに邪魔なんですが?タイガ・・・」
「ん〜、相変わらず白くて柔らかい肌よねぇ〜」
この人は、藤村大河、時折家に来るお節介さん?正直私もわかっていません。
私ですか?私は、衛宮璃亜。本名は、アルトリア・ペンドラゴンと言いますが、お爺様(衛宮切嗣)に引き取られる際、名前をアルトリア・ペンドラゴンから、衛宮璃亜に変え、養子になりました。
「朝食を作らねばなりませんので、離してもらえるでしょうか?」
「い〜や〜だ〜」
「朝食抜きにしますよ?」
「ご、ご勘弁を!?」
「分かればいいんです」
数時間後 :衛宮家台所
「今日は、スクランブルエッグですかね・・・・」
大河がひっついて離れてくれませんでしたから、時間があまりなかったです。
「璃亜ちゃ〜んまだ〜?」
「全く、大河は・・・」
7 : 30
「な!?大河!申し訳ありませんが、あとはご自分でお願いします!」
「え!?ちょ!?璃亜ちゃん!?」
「部活の朝練があるのを忘れていましたので!」
「行っちゃった・・・」
衛宮家 :正門
「見つけたぜ・・・嬢ちゃん」
「ッ!?いない?たしかに今、男性がいたような」
穂群原学園 :剣道部部室
「すみません!遅れてしまいました!」
「璃亜さん、今日はどうしたのです?珍しく遅刻じゃないですか」
「すみません、ちょっと所用で」
この方は剣道部顧問、軍畑剣心先生。高校時代は世界覇者として名を連ねた方だ。
「もしや?大河さんですかな?」
この人に隠し事はできないようだ・・・と、常常思い知らされるのであった。
数時間後 :三年一組
「おやおや?今日はやけにお疲れじゃありませんか?璃亜さん?」
「凛・・・」
「大方、大河さんでしょうけどね?」
彼女にも隠し事はできないようだ・・・・
「ん?凛、目の下にクマがありますが?」
「あぁ、ちょっと寝不足でね」
体を壊さなければ良いのですが・・・・
放課後 :衛宮家付近
「・・・・」
誰かに付けられている?もうすぐ家なのですが、どうしたものでしょう・・・・
「嬢ちゃん、警戒を怠ったな?」
「な!?」Σビクッ!?
「くっ!!」
「おいおい、逃げても無駄だぜ?嬢ちゃん?」
「きゃ!?」
「おっと?ちょっと飛ばしすぎちまったか?」
くぅ・・・なんて槍さばき・・・あんなの人間技じゃありません・・・・一体、どうしたら・・・・
【身体は剣でできている】
「え?な、なんです?」
「お?こんなとこにいたか」
「ひぅ!」
もう、逃げ場が・・・このままだと、本当に・・・・
【身体は剣で出来ている】
さっきから聞こえる、この声は・・・・
【セイバーいつか、また・・・】
「身体は剣で出来ている・・・血潮は鉄で、心はガラス・・・」
「あ?なんだそりゃ?」
「幾度の戦場を超え、不敗・・・たった一度の敗北もなく・・・たった一度の勝利もなしに、担い手は1人、剣の丘で・・・」
「はぁ、終わりだな?マスターの命令もあるしよ?じゃあな、嬢ちゃん」
「鉄を打つ、けれど!その生涯に意味はいらず!この身体は!無限の剣でできていた!」
「なんだとぉ!?」
な、なにがおきて・・・・・
「召喚に従い参上した・・・」
「そして、貴様はどいていろ、ケルトの英雄」
「なに!?うぉ!?」
「そうか・・・ならば、こう言うべきか」
私は、この世界の理を超えてしまったのだろうか?否、断じて否である。理とは、世界の絶対的ルールである。それを超えることは、人である身では、決して叶わない・・・・だが、今、私の目の前にいるこの『英霊』は、どこか、懐かしく、そして、とても、愛おしい・・・
「問おう、貴方が私の、マスターか?」
そして私は出会った。夢の中で見たあの青年、サーヴァントセイバー : 千子村正(衛宮士郎)に・・・・出会ったのだった。