東方八百語   作:さわたり

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いまいち印象が薄い再思の道。


四面:再思の道『彼岸花と純白の執行』

「この辺はあんまり来ないぜよ」

 

「私もね。花の異変の時ぐらいかしら」

 

「それならどんな無法地帯か分かったものじゃないね。僕は幻想郷に来るのは初めてなのだし」

 

妖怪の山も小さくなり、魔法の森もそろそろ抜けるかというところ。4人は霊夢を先頭に目的地へと飛んでいた。

 

「この辺は霧にも怨霊が混ざってるしな。森に住んでる私でもあまり来たくないところだぜ。まあ、涼しいんだけどな」

 

「そうね・・・。話変わるけどエディ。その・・・昌鯖夜界ってのはどんな魔女なの?」

 

「・・・君たちの想像を遥かに超える強さ。そして愉快犯的動機・・・手に負えない奴だよ」

 

「どれだけ強いわけ?」

 

「負けながらもへカーティアや純狐と渡り合った・・・といえば分かるかな?君達は戦ったんだろう?彼女たちと」

 

「それはなかなかね・・・」

 

「どうやら手駒を集めてるらしくてさ。僕もしつこく勧誘されてるんだよ」

 

その言葉を背中に受け、霊夢は頷く。ことは予想より重大なのかもしれない。強いものとの決戦を覚悟して、厳しく表情を変えた。

 

そんな中、霞の向こうに人影。遠くからも見える美しい青髪。諫である。

 

「彼女・・・先見諫じゃないか。おーい」

 

「お前は・・・エディアか」

 

彼女はエディアを守るような位置で後ろにやると、霊夢達に近づいた。

 

「お前らは何者だ」

 

「博麗霊夢、巫女よ」

 

「私は霧雨魔理沙。ただの魔法使いだぜ!で、こいつは・・・」

「魔法使い・・・なるほど。理解した。お前たちを捕らえさせてもらう!そして昌鯖夜界の居場所を吐いてもらおうか!」

 

魔理沙の言葉を遮ると、彼女に接近。黒の太刀を抜き、斬りかかった。

 

「は!?え、あ、どういうことなんだぜ?」

 

「分からんか。さては貴様はここで勧誘された魔女だな?覚えておけ!我が名は先見諫!神綺様の元にて魔界に仇なす者を討つ・・・執行者だ!」

 

「ククッ・・・」

 

「笑うなエディア。お姉様が考えてくれたのだ。なかなかハイセンスだろう」

 

「ごめんごめん。でも言わせてもらうけどさ」

「皆まで言うな。私は奴らを捕らえなければならん!」

 

こちらも一切話を聞く様子はなく、再び魔理沙へと向かう。しかしそれに霊夢が割り込み、弾幕で足止めをした。

 

「ここは私が戦っとくわ。適当に隠れてなさい」

 

魔理沙と梅太郎に言い放つと、空へと舞い諫を挑発するように呼び寄せた。

 

「仲間を庇うのは結構だが・・・その分の攻撃を一身に受けるというのは理解しているのか?」

 

「それでやられるほどヤワじゃないわよ。さっきの斬りつけ、笑っちゃうほど弱かったじゃないの」

 

「そ、それは力の都合だ・・・魔界とはわけが違うんだ」

 

「あっそう。どうでもいいけどあんた、郷に入らば郷に従えって言葉知ってる?」

 

「・・・知っているさ、その弾幕ごっことやらだろう?それに従ってやる義理はないのだが」

 

そう言って太刀を向ける諫に霊夢はため息。困った様子で少し距離を置いた。

 

「そうやって勇むのは結構なんだけどさ、そうなりゃ3対1よ?あんま私達を舐めないで欲しいわね」

 

「・・・幻想郷には3人、有力な魔法使いが居ると聞いた。我らの呼ぶコードネームに合わせれば・・・知恵の魔女、人形の魔女、星色の魔女。まさか星色と言うのは・・・」

 

「魔理沙でしょうね。あいつまだ人間だったはずだけど」

 

「捨虫をしていないのか。どちらにせよ厄介だな。魔界にさえ名の響く魔法使いとは。確かに公平に戦えるルールに貴様ら自らはまってくれるのは・・・楽かもしれんな。いいだろう、一応でスペルカードとやらは用意してあるんだ」

 

「ちょうどいいじゃない。行くわよ」

 

2人は一瞬睨み合うと、距離を離す。『封印されし執行者(sealed enforcer)』が動いた。

 

「『壱の太刀・一刀両断』!!」

 

さっそくスペル発動。霊夢の目の前を斬る。

その斬撃痕から諫を中央に左右に弾幕が広がる。予想以上に強烈なスピードと大きさ、濃さ。避けきれないと言うわけでは決してないが、多少疲れるのも事実であった。

 

「なかなかすごいのくるわね・・・!!」

 

弾幕の隙間を抜け、回り込むように移動。弾幕が薄い位置に収まって避けていった。

 

「これを避け切るか・・・!」

 

ゆっくりと斬撃痕が薄れ、消滅。最後の一波は凄まじいスピードであったが、その交差の間を霊夢は抜け切った。

 

「ならば『弐の太刀・双牙咬合』だ!」

 

そういって力を溜めながら通常弾幕。警戒しつつ霊夢は距離を置いた。

 

「それで逃げられるわけがないだろう?」

 

そう言って霊夢から向かって右に移動。斬撃をまっすぐ放った。

 

「それだけ?さっきのやつよりも弱いじゃない・・・!?」

 

かわす体制を一瞬でとり、余裕の表情で諫の居る方を見たが、もうそこに彼女はいない。変わって、左側に黒い太刀を振るう少女を見た。

 

「ちょっとどう言うことよ・・・!」

 

Xを描くように交差する斬撃波。その範囲の広さゆえに間を抜けるなどと言う芸当はできない。下がりながら避け、交差が終わったその一瞬を抜ける。そして次の斬撃を抜ける。それを数回繰り返す間に、瞬間移動と言って差し支えないスピードで左右へ飛び回っていた。

 

「こりゃとんでもないわね・・・おっと!」

 

一旦弾幕が止むと、逃げるように移動しつつ斬撃と米型の混ざる通常弾幕。戦いを長引かせて疲弊を誘うのだろう。彼女は本気だと言うことを霊夢は感じ取った。

 

「勘違いでここまで頑張ってること知ったらどんな凹み方するか・・・いっそ楽しみだわ」

 

呆れ気味にため息。遠方から飛び光弾を1弾ずつ確実にかわして行った。

 

しかし、これを続けられてはたまったものではない。体力勝負なら、魔界人の諫に恐らく軍配が挙がる。いらだった霊夢も攻撃を仕掛ける。

 

互いの弾幕が飛び、ぶつかる混沌とした状況。たまに跳ね返りの弾が混ざり、避けづらさが加速する。

 

「このっ・・・!」

 

焦りからか、諫が再び高速移動開始。先ほどのスペルの続きを放った。

 

「分かってるとはいえ・・・!ここまで隙間が小さいと避けづらいものね!」

 

 

「霊夢のやつ、難儀しとるぜよ」

 

「確かにな、っていうかエディ。お前なんで私が敵じゃないってこと言わなかったんだ?」

 

「聞いてなかったんだよあの子。まあ、ぶん殴ってから言えば聞いただろうけど、面白そうだったし?」

 

「なかなかいい性格してるぜ・・・」

 

「真面目に言わせて貰えば・・・彼女から逃げ切る、いや、あの諫なら勝ってしまうであろう化け物と君たちは戦うんだ。弾幕ごっこについても調べてたらしいしね」

 

「んなの慣れっこじゃきー、今更怖がりゃあせん」

 

「私たち2人は特に異変解決のエキスパートだからな!」

 

「・・・そういうのならまあ、信用させてもらおうか。君達を導く相手に選んで良かったよ」

 

 

 

霊夢が避け切ったため、2個目のスペルは終了した。まさかこれが。驚きと困惑を見せながら諫はスペルカードを取り出した。

 

「ならばもはやこれを使うしかないか・・・。行くぞ!!『参の太刀・閃刀輝刃』!!」

 

太刀に全身全霊の魔力を込めて8度振るい、紫眼を瞬かせる。

その魔力の影響を受け、斬撃が倍増。そこから飛び出るように斬撃型弾幕が飛ぶ。さらにその軌跡から米粒型の弾幕が放射。方向の違う弾幕が入り乱れ、非常に混乱した状況に。瞬時に、そして鋭く判断しながら隙間を縫う。

 

16個、全ての斬撃を避けて霊夢も攻撃するが、そう簡単には当たらない。そして第2波。先程より遅いながら弾は大きい弾幕に。ゆっくりと繊細に避け、対照的に早く飛び交う米粒弾幕を避けた。

 

「何よこれ。めんどくさいわね・・・!霊符『夢想封印・壊』!!」

 

繰り返すこと5回。早くなり遅くなりと紛らわしく交互に飛ぶ弾幕の隙間から、いらだった霊夢が札を出現させる。

 

「この程度!」

 

「もう遅いわよ!」

 

自らへゆっくりと迫る隙間を抜けようとしたその瞬間。札が爆発四散。炎型の弾幕となって彼女を囲んで追い詰めた。避ける余裕はなく、全身にヒット。

 

「くっ・・・こんなことで・・・!」

 

「代わりにその夜界ってのをぶっ飛ばしてあげるから安心なさいな。なんでパチュリーとかアリスとか魔理沙は知れてんのに私は知れてないのよ。なんかムカつくわね」

 

「・・・?まさかお前らも・・・」

 

「そうだってんでしょ。ほら出てきなさいあんたら。冥界行くわよ」

 

「了解したぜ」

 

「さ、魔女んとこば向かうぜよ!」

 

「全く・・・君は話を聞かないから」

 

適当に残して去る3人を見ながら呆然とした様子の諫。さっきの苦労はなんだったのだとため息ととも肩を落とした。そして、今後は冷静になろうと誓うのであった。




中ボス居ないとこんぐらいですね。今回は会話ゴリッゴリで行ってみました。なんで3000字ちょい。
書き溜めはここまで!次はかなーり遅れて5面だと思うんで気長にお待ちを
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