それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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サブタイと本編は一切関係ない模様


FALはオシャレお姉さん

FAL、第一部隊のアタッカーでありこの基地では最古参もいいところの一人でもある、そして所謂染まった方々が多いこの基地では比較的マトモでありこの基地ではちびっこ戦術人形達のお姉さん的な立ち位置でもある。

 

「まぁ、私がマトモというより一部の染まりきったのが凄いって話よね…」

 

ティーテーブルに備え付けられた椅子に座り紅茶を飲みつつ肩に登ってきているフェレットを弄りながら誰にでもなく呟く、別段そんな一部の染まりきったのに疲れているという訳ではない、と言うより何だったら偶にはそういう動きするのも悪くはないとも思っている。

 

そして、何故か彼女がこうやってお茶をする時は決まってもう一人いるのだが最近はその一人が濃い格好をしていて実を言えば笑いを堪えるのが辛かったりしている。

 

「でさ、何時までフェレットの着ぐるみ着てるわけ?」

 

「…脱げないのよ」

 

「呪いの装備か何かなのかしらそれ?お祓いはG3がオススメよ」

 

「嫌よ、絶対もっと呪われるじゃないそれ」

 

モフッと言う擬音が何とも似合いそうなフェレットの着ぐるみ、もといFive-seveNが疲れたような声でそう呟く、なぜこの姿なのかそれは彼女にも分からず気付けばこうだったと言っている、当初はアーキテクトの悪ふざけなのではと疑われたが後の調査で違うと判明すれば尚の事謎が深まったのは言うまでもないだろう。

 

「うっふふ、いやまぁいいんじゃないの、割りかし人気よ貴女の今の格好」

 

「そうね、大人気すぎてお姉さんそろそろ体力辛いんだけど?」

 

「頑張りなさいよ…私はやらないからね?」

 

ほら来たと指を刺せば後方から見えるのはG41を筆頭にした遊ぶの大好き人形たち、Five-seveNはのそりと動き出してその見た目からは想像できない速さで逃亡を開始する。

 

因みにその集団を指揮してる存在が居たりする、それが

 

「捕まえるんだ!何としてでもマスコットとして一度は屋台に引っ張り出してやる!!」

 

「何やってるのよ…」

 

かなり真剣な目と声で指揮するスチェッキンの姿、どうやら自身の移動式屋台の客寄せマスコットとして起用したいらしいがFive-seveNがそれを二つ返事で了承する訳もないのでだったら仕方ないと捕まえてでも連れて行くことにしたらしい。

 

まぁ、今日もこの基地は賑やかな休日を迎えたわけである、そしてFALの1日は始まったばかりだと言うように彼女は紅茶とチョコを一口、ビターテイストの仄かな苦味と甘味が舌の上で広がり、楽しませる。

 

「ふぅ、最前線に配属って聞いた時はこうものんびりとした時間が過ごせるとは思ってなかったわよねぇ」

 

また独り言を始めるFAL、因みに彼女的にはペットのフェレットに話しかけているつもりらしい、が傍から見ると少々悲しい人に見えてしまう。

 

勿論だが紅茶をこうやって飲んで一日を過ごすわけではない、これはあくまで朝の一幕、朝の優雅なティータイムが終われば彼女は行動を開始する。

 

「さて、今日の記事はっと。特に目新しいのはないかしらね」

 

まず行うのは掲示板のチェック、なにか面白いことでもと眺めるも面白いには面白いが特に大きな事は書いてなかったので少々肩を落とす、最近のFMG-9の記事は無難すぎないかしらと思いつつ、ふと一枚の記事に目が止める。

 

そこに書いてあったのは『M1014、遂にフライトか?』というゴシップなのではこれという記事だが写真には確かに飛んでいる彼女の姿とアーキテクトの満足げな表情が映っていた。がよくよく見てみればM1014の表情は飛べて楽しげと言うより

 

「怖がってると言うべきよねこれ…ああ、確か高所恐怖症とか言ってたっけ?」

 

「空の旅は楽しいと思うんですけどね」

 

声がし隣を見れば81式カービンの何とも悲しげな顔がそこにあった、と言うより音もしなかったんだが何時からそこに居たんだとFALが驚くがそんな事は気にしないと彼女は続ける。

 

「私は、ヘリなどでしか飛べないですから彼女のあの飛行ユニットは羨ましいんですよね」

 

「アーキテクトに言えば作ってもらえるんじゃないの?」

 

「と思いまして一度打診したのですが彼女曰くSG人形だから上昇の負荷に耐えられるのでRF人形にこの装置の使用は無理とのことです…残念です」

 

声が本気だった、しかも更に小声でRFタイプの戦術人形でも飛べるようなのを開発してもらえればいいのではと呟くものだからFALの表情は更に引き攣る、どうやら彼女も染まってた一人らしい、まだこの基地に来て一月経ったかどうかくらいだと言うのに

 

だが個人の趣味嗜好に口を挟むつもりはない彼女は81式カービンに別れを告げて掲示板から立ち去る、と急に肩のフェレットが自身から駆け下りてどこかに駆けていくではないか。

 

「あら、珍しいわね…」

 

基本的に自分から離れないフェレット、それが急にどうしたのかと興味本位で跡をつけていけば、辿り着いたのは休憩室、そこには休日では珍しく一人でのんびりしたらしく指揮官が居てフェレットはどうやら彼女に戯れついていた。

 

「うわっと、あ『うどん』あれ、FALはどうしたの?」

 

「(うどん、うどんかぁ)一人なんて珍しいわね指揮官?」

 

「そうかな、いつもPPKと一緒じゃないとって訳じゃないから一人もよくあるよ?」

 

「あら、別にPPKとは言ってないのだけど、副官のことかもしれないし?」

 

そんな指摘をするも指揮官はあ~、おばあちゃんも居ないのは珍しいかなぁと返答されて、この娘は本当に良い子よねぇと頬が緩んでしまう。

 

此処で分かるように、他の人形たちを染まっただ何だと言っておきながら彼女も十二分に指揮官に対しては染められている、なので割と彼女に対しては甘い、例えば

 

「それにしても私のフェレットに名前つけてたのね」

 

「うん、白くて長いから『うどん』!可愛いでしょ?」

 

「ええ、とてもいいと思うわ」

 

刹那、フェレットが嘘だろお前という感じに飼い主であるFALの方を振り向いた気がするが恐らくは気のせいだろう、とこのように彼女に対しては日常に限れば割と何でも肯定的になる。

 

もし、彼女からの何かを否定するとすれば自分が本気で嫌なことは当たり前として、もう一つ、それは

 

「FAL、えっと、コーヒー飲む?」

 

「悪いけど私は紅茶しか飲まない主義なのよ」

 

FAL、彼女は重篤の紅茶ジャンキーである。




え、某地区を巻き込んだアイドル計画はどうしたんだって?いや、その、上手く巻き込む方法が思いつかなくて…バイクを報酬にするまでは浮かんだんですけどね?

もし、明日の更新が馬鹿みたいに早かったり、遅かったりしたら間違いなく地球防衛に勤しんでると思われます

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