それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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アーちゃん「お仕事終わったよね!?ユノっちをちょっと借りるよ!!」

ユノっち「ひゃあああぁぁぁぁぁ!!!??」

おばあちゃん「…騒がしいやっちゃのう」


みらくるふぁくとり~!

(拝啓、今はお空から見てくれていると思うお母さんへ、私は今…)

 

「はーい、ユノっちスマイルスマイル!」

 

また自由な彼女によって拉致られスタジオに居ますと若干遠い目になっているのは我らが指揮官、ここは何時ぞやアーキテクトが始めた謎の販促動画を撮影したスタジオ、そして彼女の現在の衣装は前回と全く同じ、詰まる所、また撮影である。

 

しかし今回彼女は更に遠い目になっている要因が一つある、それはステージの先、FNG-9がダミー諸々を使ってカメラなどを操作しているのよりも少し奥、そこに誰が来ても座れるようにと椅子が配置されている、所謂観客席があるのだがそこには

 

「ね、ねぇ、アーちゃん」

 

「ん、どったのユノっち」

 

「何でPPK達が居るのかなって」

 

指揮官が指差した方には確かにPPKとP7とステアーが観客席に座り、彼女が反応すればPPKが微笑みながら手を振り、P7とステアーはがんばれー!と言葉にしながら手を振っているのでとりあえず反応し返すのだが改めてアーキテクトに聞いてみれば

 

「いや、ユノっちがどんな風にやってるのかって聞かれたからぜひ見に来てよって伝えたら、ね?」

 

「…ま、まぁ、良いけどさぁ。少し恥ずかしいけど

 

しかし見てくれているのなら今日は少し頑張ろうかなって思いつつ気合を入れて前回指示された定位置に付いてからアーキテクト、もといアーちゃんうさぎに視線を飛ばせば、向こうもニッコリと笑顔を浮かべてFMG-9に指示を飛ばしてから自身も指揮官、もといユノっちおねえさんの隣に立てば、FMG-9が声にはせずに指で3カウントをしてどうぞとハンドサインを送られ、台本を読んだ通りに

 

「「さん、にー、いち、ドッカーン!!わーい!!!」」

 

掛け声と同時にまたあの盛大BGMが鳴り響く、二度目なのでまぁ慣れた事なのだがそれでもユノっちおねえさんは何だかなーと思いつつ、今回は何が出るのかな~と思っている。

 

「は~い、良い子のみんなおはこんばんちは!『みらくるふぁくとり~』のマスコット『アーちゃんうさぎ』だよ~、凄いね、まさかの二回目の放送だよ!」

 

「あ、えっと、ユノっちおねえさんでーす、今日はどんな発明品を考えたのかなアーちゃんうさぎ?」

 

「ふっふっふー、聞いて驚くなかれ本日の開発品も皆満足間違いなし、では早速紹介していこう!!」

 

こちらだ!と事前に用意されてた台に掛かったカバーを外せばそこに居たのはミニチュアサイズのハイエンドモデル達、どれもクオリティーは高いの一言に尽きるのだがこれだけではただのハイクオリティのミニチュア人形であり、しかし彼女がこれだけな筈がないと思いつつ

 

「凄い可愛いけど、これは何なの?」

 

「可愛いでしょ?しかし可愛いだけなはずがない、では紹介しよう、今回の発明品は『一撃殺虫ハイエンドさん!』名の通りこの人形たちは害虫を駆除することに特化させたお人形さんなんだよ!」

 

「え、え!?害虫駆除、それ本当に!?Gも、いや、虫全般駆除してくれるの!?」

 

「おぉう、ユノっちおねえさんの食い付きやべぇ、まぁその通りだよ~、この子達は設定した虫を的確に駆除、しかも処理を淡々と行ってくれる優秀な子たちなのだ!」

 

その言葉を聞いてユノっちおねえさんの眼が輝きに輝きが増していく、忘れがちだが彼女は虫全般が死ぬほど嫌いである、なので彼女からしてみればこの発明品は今までのアーキテクト製品の中ではこの時点でトップに躍り出るほどだった。

 

アーちゃんうさぎは勢いある反応に珍しく若干押されながらもあのほそい棒を取り出して虚空を叩き空中投影モニターを表示させる。

 

「量産の関係上、AIはそこまで高性能じゃないけど、それでも十分だし自己を持ってるから現在地点から残り充電時間を逆算して自分で充電に戻ってくれるし、処理するか否かの判断も下してくれるよ」

 

「頭いい子達なんだね~」

 

「そりゃ私が作ってんだからね!で、武装関連はオリジナルをベースに対虫程度に抑えたものになってるよ、更に弾薬はコストが掛からないようにと光学兵器に換装してあるよ~」

 

「凄いね!え、じゃあこのデストロイヤー似の武器は?元はほら、グレネードじゃん」

 

確かな疑問をアーちゃんうさぎにぶつけたタイミングで、ユノっちおねえさんの目の前から投影モニターが現れる、突然のことに驚きながら誰なんだろと見てみれば映っていたのはヴァニラ、だが静かにFMG-9が掲げたカンペには

 

「…『解説おねえさん?』」

 

「皆さん始めましてね、私は『解説おねえさん』アーちゃんうさぎの紹介から来たわ」

 

突如の登場とそんな名乗りにFMG-9が肩を震わせているがそんな事は気にしないようにしつつ、ヴァニラもとい解説おねえさんはユノっちおねえさんの疑問に答えていく。

 

「光学兵器、それは『ですとろいやーさん』と『あーきてくとさん』以外のハイエンドさんの武装って話だけ、この二人だけはプラズマ、虫を殺せる程度の低威力プラズマの爆発によって殺すという武装になってるのよ」

 

虫の為にプラズマ、色々とオーバーキルな感じがするがユノっちおねえさん、まさかの大歓喜、彼女にしてみれば殺せれば良いのだ、虫は滅ぼすべきなのだとすら思っているので止めない。

 

と言うより既にこの基地の配備に数体作ってもらおう、彼女の目にはその炎が灯っていたと隣で偶々見てしまったアーちゃんうさぎと解説おねえさんが後に語る。

 

「で、アーちゃんうさぎ、この子達は何体くらい同時に活動させて大丈夫なの?」

 

「一体に付き普通に5linkの五小隊が組めてお値段何とこちら!」

 

「あら、随分と安いわね、何か理由が?」

 

「え、だってこれ売るの繋がりができた基地だけだし…しかもハイエンドモデルがデザインじゃん?その、他の基地じゃあ絶対にまずいし…」

 

なるほどねと解説おねえさんも納得し、ユノっちおねえさんも知らない基地にこれは難しいよねぇと理解する、流石に彼女もそういう事はわかる少女である。

 

「おっと、そろそろお時間だね~、連絡先はここ、皆のお電話待ってるよ~。という事でアーちゃんうさぎと~」

 

「解説おねえさんと」

 

「ゆ、ユノっちおねえさんでした!」

 

「「「それじゃあまた『みらくるふぁくとり~』でお会いしましょう!」」」

 

こうして収録は無事に終了、その後は指揮官は直ぐにアーキテクトにハイエンドさん達の配備を命じて、この基地ではGとの接触率は大幅に減少したとのことらしい、まぁ

 

「ひゃあああああああ!!!???」

 

絶対と、言うわけではないのだが。




アーキテクト製品紹介コーナー
『一撃殺虫ハイエンドさん』
ミニチュアサイズのハイエンドモデルをベースにした害虫駆除を目的とした人形、詳細は本文通り、現状では『だいりにんさん』『あーきてくとさん』『げーがーさん』『どりーまーさん』『うろぼろすさん』『あるけみすとさん』『ですとろいやーさん』『いんとぅるーだーさん』『はんたーさん』『しょけいにんさん』『すけあくろうさん』シリーズが存在している。

元ネタ分かる人いるとそれなりに嬉しい

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