それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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私だけじゃ駄目だった、でも皆が居たから友達、ううん、親友を救えた!


こうして彼女は『普通』を得た

数日、これがアーキテクト、D08ドリーマー、ペルシカのナノマシンプロジェクトドリームチームが掛けた日数である、何の?ではその一部を覗いてみよう。

 

始まりは指揮官が男性化したPPKと致したという話をSOCOMから聞いてドリーマーから通信が来たところから始まる、向こうも向こうでFMG-9から聞いた諜報班から報告を受けてのことなのでそれはもうコイツ本当にドリーマーかとアーキテクトが思うくらいの慌てっぷりにもう一周くらいして冷静になった彼女は返事を待たずして切られたモニターを眺めつつ

 

「よし、かなり前倒しだけどプランBだね!」

 

ハッキリ言えば、彼女には一つ手札があったりする、そもそもにして最初の計画では一気に投与であり、何もそれは注射器なのを使っての投与ではなく専用の設備を使ってナノマシンを体内に送り活動を促進させ、肉体を修復、そして残されている【エアハルテン】にも急激に活性化させて消滅させる、それが当初アーキテクトが考えた計画であったのだ。

 

だが0からそれをやるには幾ら専用のを使っても負担が重いとPPSh-41に言われ、その後のシミュレーターでもなるほどこれは駄目だとなり、今現在まで進めていた段階ごとに変わったという話、だが今回の事件でこれは悠長過ぎるとなればまたこの設備が日の目を見る事になった。

 

(確かに0からだったらユノっちへの負担は重い、でも今の段階で5割まで進んでいる今ならこの計画は使えるはず……)

 

シミュレーターを起動、数値を手早く入力してから結果を表示する、思考や口では落ち着いていると思っていたがどうにも焦ってはいるようで何時もならば気にもしない結果表示までの時間が今回はもどかしく感じてしまっていることに何だかユノっちの所為で人間っぽい感情をするようになってきてるなぁと嬉しそうに笑った所でピコンとシミュレーションが終わり結果が表示された。

 

そこに書かれていたのは成功の一文字、但しナノマシンは再度調整が必要であり、しかも調整したとしても設備を使ってのこの作業の時間はなんと24時間、まるっと一日を費やすという結果であった。

 

「……ま、まぁやるっきゃないよね~」

 

少しだけ現実が見えてしまい引き攣った声になる、つまりこれから楽しい楽しいデスマーチの開幕が決まったということ、そしてそれは彼女だけではなくドリーマーもペルシカも同じであり、それを行って尚掛かったのがその数日、速さの代償は机に転がっているPK特性の眠気覚ましの瓶が数本だろう、それを使って仮眠こそ取ってはいたがほぼほぼ貫徹で仕上げた。

 

そして今日、医務室にはその機材と指揮官、それとPPK達も揃っており説明を受ける。致したことによりもしかしたら子を宿しているかもしれないので予定よりも大幅に早くナノマシンを対処することになったということ、そのためのナノマシンと設備は用意したのだがこの作業には24時間掛かるということ、その間、指揮官には寝てもらうのだが自分たちが翌朝の今日まで24時間体制で見守るということ、などその他細かいことも合ったが凡そはそんな物である。

 

「という訳だ、安心して万が一もないように頑張ったから!」

 

「ご、ごめん……私が迂闊だったばかりに」

 

「いえ、それを言ったらあたくしだって」

 

「はいはい、反省会はもう昨日済ませたのでしょう?ならばもうお開きです、では指揮官、時間も惜しいですからそこに横になって下さい」

 

指示され病衣姿の彼女がベッドに横になり、アーキテクトがパタパタと準備を始める、ここから彼女達の長い作業が始まるのだがPPSh-41とSOCOMからしてみると大変という感じも確かにあるのだがそれ以上に

 

「なんか、懐かしいわねこの感じ」

 

「そうですね、少し前は当たり前に行い、院長に怒られたこともありましたね」

 

元々が病院勤めだった二人からすれば24時間体制の作業というのは懐かしさを感じるらしい、ともかくその間にもアーキテクトが準備を進めて完了し、最後に

 

「おやすみユノっち、次起きたらきっと驚くよ?」

 

「うん、楽しみにしてるね。おやすみなさい、皆」

 

機械が作動すると同時に指揮官の意識が落ちたのを確認、PPK達も不安そうに見つめるがアーキテクトたちを信じ自分たちは自分たちが出来ることをと医務室を出ていく、こうしてPPSh-41たちの長い、長いお仕事が始まるのであった。

 

と言ってもやることと言えば基本的に三人交代で仮眠を取りつつの経過観察が主であり、ドリーマーにも手伝ってもらいながらシミュレーションにシミュレーションを重ねているのでアクシデントらしいアクシデントは起きずに時間が平和に流れていくだけであり、強いてあげるならアーキテクトが軽く寝落ちをしそうになったということだろう

 

「うぅっとと!?ご、ごめん」

 

「今日までに無理してるんでしょ、良いから寝てきなさい」

 

「え、でも」

 

「いいですよ、別段これくらいならば問題ないですし……数値、よし」

 

こうして夜が更け、日が昇り、いよいよ作業完了まで数分を切ったという所、最終確認をアーキテクトが開始し始める。この時点でシミュレーターでは既にエアハルテンの残量も2%未満になっているはず、と思いつつモニターを操作して確認してみれば予測どおりの数値に満足気に、そして嬉しそうに頷いて、数分後

 

「ん、ん~」

 

「おはようユノっち、そしておめでとう、治療は成功だよ!」

 

「成功!やった、やったねお母さんっ!?ん、ん?大きくなってる?」

 

「……のう、アーキテクト。一日見なかっただけでこうも変わるのか?」

 

副官の疑問に答えたのは医務長のPPSh-41、彼女は作業中にもナノマシンについての資料を読み漁り、特にエアハルテンについては何処かに過去の文献がなかったなど独自のルートで探すほどだったのだがそこに答えが偶々転がっていた

 

「あのナノマシン、エアハルテンですがどうやら維持のために投与されたものが摂取した栄養素を吸収するらしく、今回のリバイブでその栄養素も指揮官に変換がなされた結果かと、ああ、でも胸に関しては……」

 

「間違いなくドリーマーだよ、最初のナノマシンにちょっと厄介なのが組み込まれててさ、それの解除が少しばかり遅れたからこうなったってこと」

 

因みに既に立てるらしくベッドから降りてみれば昨日までとは世界の見え方が違うことに違和感を感じて、どうしてだろうと考え込んでいると隣に心配したPPKがよってきて、そこで理由に気づいた。

 

自分の身長が伸びているということに、今までは自分のほうが低かったのに今は大体同じくらいになっているのだ。

 

「……やった、伸びた!!」

 

「喜んでいる所申し訳ないのですが、指揮官の身長はそれが頭打ちです」

 

「もう、容赦無さすぎるわよペーシャ」

 

容赦なく切り捨てるPPSh-41、固まる指揮官、フォローに入るSOCOMに笑い出す副官と場が騒がしくなり始め、そこでアーキテクトが指揮官の写真を取り端末で協力してくれたドリーマーにも無事成功したということを送り、それから

 

「……本当に、良かったよ、ありがとうみんな!」

 

アーキテクトは更に心に誓った、今後もこの基地で過ごしていこうと、そして何があろうと絶対に彼女達の味方であり続けるんだと、だってこれ以上に面白いことなんてもう見つからないと知ってしまったのだから。




これにてユノっちのナノマシン問題も終幕、あと明日にでも資料を再編集しますが彼女の容姿等も変わってますので此処でも書いておきますね

身長
少し伸びた(153)

体重
少しだけ重くなった(それでも軽い)


Cになった!!

以降はハイエンド化が進むくらいしか指揮官にイベントねぇな?

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