それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

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根っこは寂しがり屋系奥さま


夜勤勤務があった日

基本、グリフィンの基地というものは24時間年中無休にて警邏や警備、夜間戦闘があれば戦場に赴き、遠目の監視地点にだって向かう。

 

突然なんでそんな話をと言われそうだが、ともかくこの形式は彼女たちP基地の面々だって例外という訳ではない、彼女たちだって24時間戦っている、休日と選定された日だって何かあれば即座に仕事に戻れるくらいには実を言えば神経を張り巡らさている。

 

「そうか、今日は第4部隊が夜間警備の日だっけ?」

 

「はい、少々久しぶりですがあの襲撃があったので目は増やしたい、そんなお話でしたわ」

 

「そうだね、夜はオモイカネだけでも改修されたお陰で前のナデシコくらいなら運用できるようになったけどそれでも万全じゃないからね」

 

という訳でこれが今回のお話の理由、本日はどうやらクリミナが所属している第4部隊が警戒任務に出る日なのだがその時間帯が所謂夜勤勤務の時間帯、やはり基地でもクリミナは既婚者であり夜は彼女の側に居たほうが良いだろうということで滅多に回されないのだが、極稀にお鉢が来る時がある、と言うよりもクリミナが気にしないでくれという旨を伝えてはいるので正直に言えばもう少し頻度が高くともというのが本音だったりする。

 

それはユノも理解しているし、別にずっと会えないわけじゃないしと思っているので問題はないのだが、彼女は少々寂しがり屋の少女でもある、なので

 

「おっと、ふふっ」

 

「……気を付けてね?」

 

準備を進めていたクリミナの後ろからギュッと抱き着くユノ、言葉では、頭では大丈夫だと言ってるし思っている彼女だが心の奥底では不安で仕方がない、何かあり帰ってこないんじゃないかとか、重傷を負ってしまうんじゃないかとか色々と考えてしまう。

 

指揮官故の最悪の考えが彼女の頭を過ぎっては消えずに頭に残ってしまい思わず抱き着いてしまった、また帰ってきてくれるよねと、どうかこの温もりが無くならないようにと。

 

「大丈夫ですわ、必ず貴女のもとに帰ってきます……」

 

「絶対、だよ」

 

潤んだ瞳で自分を見つめる妻に思わずタガが外れそうになるがこれから任務なのでそんな時間があるわけ無いでしょと自制してせめてとして口付けを交わし

 

「では、行ってまいりますね」

 

「うん、あ、これ向こうで皆で食べて、おにぎり作ってみたんだ」

 

よいしょと少々大きめのお弁当箱を渡してからユノはクリミナ達を見送りにヘリポートまで出る、部隊長たるスプリングフィールドもヴァニラに見送られるのだが、ユノから見てみると向こうは大人の余裕というものを感じたらしい、自分は今も不安で押しつぶされそうだと言うのに彼女等はそんな素振りは見せずに、少ないながらも信頼してると分かる会話を挟んでから抱き合い、ヘリに乗り込む、と書けば素晴らしい成長なのだが抱き合あった瞬間あの二人は

 

(い、勢いでやってしまったけど周りに人居るじゃんこれ!?)

 

(あ、あわわわわわ!!!???)

 

後にIDWは一言、慣れてないならやるな。兎も角彼女等を見送ったユノだが、まだ寝るには早い時間、さてどうしたものかと考えながら歩く、とは言うが彼女は完璧に一人というわけではない、基地には他にも暇してる人形達も居るし彼女たちと会話をしていれば直ぐにでもそろそろ寝ないといけない時間というものは迎える。

 

「お嬢様、もう床に就いたほうが良いのでは?」

 

「うえっ、もうそんな時間だったんだ……えっと明日は、変わらないか」

 

《そだね~、まぁ後はあたいに任せてゆっくり休みな、寝ないと毒だからね》

 

オモイカネとG36にそう促されてしまえばユノとしても寝ないと明日に響くのは確かだと思っているので二人に挨拶をしてから自室に戻る、戻るのだが開けた扉から見える部屋は当然ながら彼女一人、何時もならば読書でもしているクリミナの姿は無い、別段初めてではないこの光景だが、それでも

 

(っと、イケない。今後だってあるかもしれないんだからこんな事で寂しがるな私、クリミナに要らない心配させちゃいけないからね)

 

ブンブンと生まれかけていた感情を頭を振って追い出して寝間着に着替えて、寝る前の習慣にしているホットミルクを作ってノンビリと飲み始める、本来ならこれでリラックスとなるのだが……

 

(むぅ、ちょっと失敗したかな)

 

どうにも調子が狂う、沸々と封をしたはずの感情が浮上し始める、遂には視界がかすみ始めて慌てて目を拭けば、涙が付着したのを見て、ヤバいと思った時、トントンと扉がノックされ慌てて涙を拭ききってから、どうぞと答えれば、入ってきたのは娘たち

 

これにはユノは驚きつつ、どうしたのかと聞けば

 

「ふふん、お母さんが寂しがってないかって思ったの」

 

「嘘、ルピナスが寂しかっただけ」

 

「私は、その、今日は一緒に寝たいって……だめ、でしたか?」

 

と彼女等は言っているが本当はクリミナに今日はユノが一人になってしまうので出来れば一緒に夜を過ごして下さいと頼まれたからである、まぁ彼女たちならば頼まれなくても気を利かせて、こうしてやってきただろう。寝間着姿の三人のその言葉にユノは目をパチクリさせてから、穏やかな母親のような笑みを浮かべて

 

「ありがと、あぁ、じゃあ皆もホットミルク飲む?」

 

娘たちのそんな気遣いを彼女が気付かないわけもない、だが口には出さずに感謝だけを伝えて三人にホットミルクを出してから会話をし、皆で仲良く一つのベッドで眠る、眠ったのだが

 

(うーん、やっぱり三人とも意外と寝相悪いよね……)

 

気付けばベッドから落ちかけていたシャフトを腕の力だけでなんとか自分の隣にまで戻したと思えば今度はルピナス、最後には何をどうすればそうなるのかステアーもユノのお腹の上で丸まり始め、朝起きるまでその場所から動かなかったとか。

 

だがお陰でユノは寂しさも何も感じずに夜を過ごし、朝にはクリミナも無事に帰ってきた、だがその日は一つ波乱が起きた。

 

「その情報確かか?」

 

「確かです、向こうからは何も来ていませんが本社からそのような通達があったのは掴んでます」

 

情報部が掴んだのはあの襲撃から発生した防衛戦、それは各基地にも街にも少なからずの被害が出てしまったのは知っていた、そして今回もその延長なのだが来たのは隣の【B基地】のこと、そして内容は……

 

「防衛戦の折に向こうのM1895がMIA、簡単にやられるような奴ではないはずじゃが……」

 

《そんな、ううん、すぐにナデシコからも捜索して協力することを伝えよう》

 

《おい、それアタシも乗っかるからな、空から直接探してやる!》

 

「うむ、ワイズマン指揮官にはわしから伝えよう、向こうとてこっちの情報部が握らないとは思ってはいないじゃろうからな」

 

あの襲撃はどうであれ自分達が火種、ならば協力は惜しまない、何よりもあの基地には自分が救われた恩がある、ユノの瞳に絶対の決意が見えていた。




とは言うが娘たちもお婆ちゃんもメイドも妹も仲間たちも居るから案外大丈夫そうだな!

最後は向こうであったことをこっちで拾った感じです、いや、マジでどうなるのあっち!?
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