魔獣創造を手に入れたが開き直ることにした   作:ダ・ヴィンチちゃん

38 / 38
魔獣神

 一つの神話が滅びた。生き残りはいるが復興は厳しいだろう。

 主犯は聖書の神。対応したのは魔獣神として世に名を知られていくエミヤ・リリィ。僅か一日で終わらせた。

 当然住む者の居なくなった天界や、生き残りが僅かにしかいない冥界の領土の所有権は彼にあるがいらね、と義父であるオーディンとゼウスに所有権を明け渡した。

 そして、今更ながらハーデスにサマエルの件を追求しにいくエミヤ。聖書の神の復活など色々あって先送りになってエミヤ本人は忘れていたがブリュンヒルデが覚えていた。

 エミヤはわざわざ会いに行くの面倒くさ~いと渋ったがいいえ行きます、とブリュンヒルデが襟首を掴んで引きずる。

 ぶーたれるエミヤだが本当に嫌なら振り払うだろう。それをしないのは、そこまで嫌じゃないか、ブリュンヒルデが多少なりとも特別なのか………。

 

「というわけでして、サマエルの封印を無断で解きテロリストに貸し与えた事実は確認済みです。弁明はありますか?」

《ファファファ。貸し与えた?それは誤解だ、奪われたのだよ。いやはや人間というのは油断ならん。うむ、儂の管理不足。その件に関しては責任をとろう》

「奪われた?そのような戯れ言を信じろと?」

《信じぬと?ならどうする?》

「えー……そりゃまあ、テロリストの残党としてぶっ殺す」

 

 

 

 

「旦那様、ああいう圧力外交はどうかと………」

「彼奴が悪い。素直に罪を認めて冥府の英雄差し出せばいいのに、元人間で神と呼ばれるようになった俺を嫌って下に見るからこーなるんだ」

 

 ボリボリと人骨のようなのを食いながらケラケラ笑うエミヤ。

 

「まあ冥府の管理はプルートだっけ?彼に任せようぜ。何、復讐してくるならその時は改めて喰えばいい」

「………だから大人しく付いてきたんですか?私に言われたからではなく、食事のために」

「食事ねぇ……こんな身もないのを食っても腹の足しにゃならねぇし、デートしようぜブリュンヒルデ。冥府のうまい飯屋探そう」

「…………はい!」

 

 

 

 神話同士の争いは人類の発展とともに沈静化していく。人がそもそも神を信じなくなってきているのだ、自分の神話こそ最強、などと宣言するのも馬鹿らしい。

 しかしそんなある意味平和を気に入らぬ者達も居る。悪を司る悪神アンリ・マユなど格神話の悪神達だ。

 己の神話が最強かは関係なく、ただ人も神も魔も関係なく力なき者が死に力ある者が蔓延る世を創ろうとして、最低でも行動した一週間後には消える。

 新しく生まれたばかりの勢力の王は喰った喰ったと腹をなでる姿が同盟神話によく目撃される。

 その新勢力はある意味同盟の象徴でもある。

 北欧からは主神オーディンの娘ブリュンヒルデ。

 須弥山からも同じく主神帝釈天の娘ジャヤンティ。

 ギリシャからは主神ゼウスの娘達九姉妹(ムーサイ)のカリオペイア、クレイオー、エウテルペー、タレイア、メルポメネー、テルプシコラー、エラトー、ポリュムニアー、ウーラニアー。

 インドは主神シヴァの義妹ガンガー。

 その他神話からも主神に連なる女神達を嫁としてあてがわれ、平和の象徴となった男。

 黒猫の顎をなでながら読んでいた雑誌を閉じる。

 

「おもしろい漫画がとうとう終わった。残りのはつまらん……最近の映画もリメイクばっかだし、飽きてきた」

 

 ビクリと彼の妻の大半が震える。そばに控えていたメイドのうち一人も顔を青くしてガタガタ震え出す。

 

「別にこの世界滅ぼしたりはしねーよ。お義父さん沢山居るしな。というわけで、次の世界いこうぜ次の世界。候補は三つ……一つは魔人族、人間族、亜人族の三種族で別れて喧嘩してる世界。ここにある迷宮っての攻略してみたい。次に百年ごとになんか別世界から強いのが神か魔王として現れる世界。ちょうどその周期が近くてな、魔王として現れたら神として、神として現れたら魔王として振る舞うのも楽しそうだな………最後はここに似てるな。色んな神話のごった煮。神々が遊ぶゲーム盤。命懸けたものから手持ちの小遣いをかけたものまで色んなゲームが出来る世界だ。お前等、何処の世界行きたい?」

 

 魔獣の王はケタケタ笑う。未知なる世界で自分が殺されるなど微塵も考えない……訳ではない。余程気に入らないことでもされない限り、彼は格は兎も角次元は合わせてやるのだ。ひょっとしたら勝てる存在もいるかもしれない。

 でも彼は笑う。死ぬかもしれなくても、その課程はきっと楽しいだろうからな。

 

「………旦那様は、変わりませんね。未知が待ち受けていようと、楽しそうです。怖くないんですか?」

「ワクワクするな。人生楽しんだ者勝ちだもの……」

 

 ケタケタケラケラ楽しそうに笑う彼に、戦乙女ははぁ、とため息をはいたのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

悪神殺しはD×Dの世界へ(作者:ヴォルト)(原作:ハイスクールD×D)

 『悪神殺し』の異名を持つ鬼崎摩桜は『最後の王』との相性を考えて永遠の十七歳(笑)(アイーシャ)の『通廊』に入って過去の世界へ行ったと思ったが、現代と何ら変わらない景色を見て平行世界に来てしまった事を確信してその世界に住みつくことにした。神が、人外が実在するこのハイスクールD×Dの世界で神殺しは何をもたらすのか……騒乱か、それとも……。


総合評価:4691/評価:7.19/連載:28話/更新日時:2018年06月29日(金) 14:00 小説情報

白兎の兄が規格外なのは間違っているだろうか(作者:ディーノpc35)(原作:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか)

作者の自己満足のための作品です。▼作者がただこんなのを見たいだけの作品ですのでそれでもいい方がいれば見てください。▼規格外の強さを持ったオリ主がベルの双子の兄としてオラリオで様々なバランスブレイカーを起こしていく作品です。


総合評価:1222/評価:8.07/連載:41話/更新日時:2026年08月22日(土) 18:30 小説情報

初代B小町にアイ超えスペック持ちTS転生者が入ってから始まる話(作者:るつまと)(原作:推しの子)

もしもアイを超える原石が芸能界に存在したら…。


総合評価:1134/評価:7.34/連載:8話/更新日時:2026年08月11日(火) 13:49 小説情報

転生したら異世界の宇宙最強の龍でした!〜0から星と生命を作り出して一大文明の支配者になったので現代日本へ帰還します。自分は日本が一番暮らしやすい。〜(作者:電動ガン)(オリジナル現代/コメディ)

目覚めたら無だった。何も無い。宇宙さえも。自分の身体を見る。銀色の甲殻、長い尻尾これモンスターだ!?よく見ると俺の他にも二頭のモンスターが。ドラゴンだこれ!!▼俺たち三頭の女神龍は宇宙創成の前の世界にいる。俺たちを生み出した主神の指示で世界を作り生命を繁栄させることとなったけど・・・・・・それ何年掛かるの?▼何億年も掛けて生命が宿れる星を何個も作り、失敗し、…


総合評価:2752/評価:7.66/連載:144話/更新日時:2026年09月06日(日) 21:02 小説情報

エセ・スパイダーマンがノー・ウェイ・ホームに参戦する話(作者:マッキーガイア)(原作:スパイダーマン)

やぁみんな!僕はノリと勢いでスパイダーマンになった男だよ!▼スパイダーマンがいない世界で著作権フリーとばかりにスパイダーマンのコスプレしちゃったら大いなる責任が伴っちゃった感じの人です。なんかノーウェイホームに参戦するらしい。終わったね!神作が


総合評価:5854/評価:8.17/連載:7話/更新日時:2026年09月04日(金) 18:54 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>