その少女と最後に見た景色、ホタルの群れが湖の上を飛んでいる幻想的な光景だった。
その後少女は転校してしまう。
もう二度と会えない。そう思ったが
また始まる。
ホタルが紡ぐ恋物語が
夏の終盤、秋に差し掛かってきている今日この頃ですが、今さら夏期特別話やります。
まあ、アンケを取った結果ですが
結果発表
活動報告 計0票
これは酷すぎる。
で、Twitterは
Twitter 計6票
Twitterで投票して頂いた方。本当にありがとうございます。
では票はどうなったのか?
夏期特別編 2
ハロウィン 1
クリスマス 1
年末特別編 0
新年特別編 0
バレンタイン特別編 2
と言うわけで、夏期とバレンタイン両方やります!
今回は夏期特別話です。
それではどうぞ!
それは夢のようだった。
とても幻想的な光景。
今でも鮮明に思い出す。あの景色
湖。
森の中にひっそりと潜むそのポイントは人々の心にダイレクトアタックしてくる程の衝撃があった。
あちこちで光が飛び交い、それらが水面に反射する。
そう、蛍だ。
その日、俺は初めて蛍を見た。
蛍の群れが湖の上を飛び交う光景を見られたのは偶然だった。
俺の女友達が行こうと誘ってきた。
でもその時はまだ知らなかった。
これが俺と彼女の最後の思い出作りになるなんて…
次の日、転校してしまったんだ。彼女は
彼女曰く、俺との最後の思い出を作りたかったらしい。
何で最後に言ってくれなかったんだよ。
それ以降、俺と彼女は音信不通となった。
2XXX年夏
俺は高校生になった。
昔から住んでいる町の平凡な高校
この高校は珍しく、ノート提出と言うものがない。
だからただただ授業中は外を眺めながら聞くだけで充分だ。
ただなんとなく、ただなんとなく。毎日を過ごしていく。
その性格からか、高校には友達は誰一人居ない。
それどころか、俺の目付きの悪さから不良と言うレッテルを貼られてしまってしまっているため、好き好んで近づこうと言う人がそもそもとして居ないのだ。
まぁ俺としては自分の時間が増えるからありがたいっちゃありがたい。
そして今は朝のSHR中。外をボケーっと眺めていると
「これから転校生を紹介する」
と、先生が言い出した。
正直興味深い。
俺だって人並みには興味と言うものが存在する。
まぁ、初印象でどれだけ怖がってくれるかだが
「どうぞ。入ってきて良いぞ」
そして転校生が入ってきた瞬間、教室内がざわついた。
ほとんど男が盛り上がってることから考えて、美少女なのだろう。と予測して転校生が居ると思わしき方を見る。
俺は転校生を見て驚いた。
なぜならその転校生と言うのが
「はじめまして。
俺は目を見開いて驚く。
まさかあいつが
暫く会っていなかったため、顔の特徴を忘れかけていたが思い出した。
「ん?」
やべっ!目があった。
すると彼女の目が輝きだした。
まずいなこりゃ
俺はこの学校では不良(設定)だ。
そのため俺と関わるとろくなことが起きないことは想像着く。
(この学校では俺に関わるな)
と言う目線を送ってアイコンタクトする。
すると彼女は一瞬考えてから手をポンッと叩く。
「私はそこに居る
そんなとんでもないことを言いやがった彼女を見て、俺は椅子ごと倒れる。
ざわざわざわとまたもや教室内がざわつき始める。
なんだってんだよ…
俺は倒れた状態でため息を着く。
そして俺は椅子を起こして、椅子に座って机に伏せる。
そして頭の前で指を使ってモールス信号を送る。
『ナ ン テ ウ ソ ヲ イ ツ テ ル ン ダ』
これは俺と花音が昔、モールス信号にはまって覚えていた。
緊急時以外はモールス信号で話していた時期があったな。
覚えてっかな?
そうして顔だけ向けると、少しだけ考える仕草をしてから小さく指を動かし始めた。
『チ ヨ ツ ト フ ザ ケ チ ヤ ツ タ テ ヘ』
何がテヘッだよ。
あーもう…
彼女と言うのは置いといて、幼馴染みだとバレるのは別に良い。
だが、問題は俺の設定だ。
不良と言うレッテルが張られている俺と知り合いだとバレると歌音もどうなるかどうか…
『ト リ ア エ ズ ナ ン ト カ ウ ソ ダ ト ツ タ エ テ ク レ』
そしたら歌音はまた口を開き始めた。
「付き合ってるのは嘘です!結弦君の存在はついさっき知ったので自己紹介に使わせて頂きました」
そう言うと教室内て笑いが巻き起こった。
取り合えずこれでなんとかなっただろう。
でも何で歌音が?
転校して行ったのに突然帰ってきたらそりゃ驚くだろう。
「じゃあ結月さんの席は…幸先君の隣で良い?」
ゲッと肩を震わせる。
『コ レ カ ラ ヨ ロ シ ク ネ ハ ー ト』
何がハートだ…
だが内心は俺も喜んでいる。
何より歌音が俺のことを覚えててくれてたことを
思い出はだんだん色
とりま、寝よう。
適当に勉強して平均的な点数を取ってれば良いんだよ。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
side歌音
まさか結弦君が転校先の学校に居るなんて。
嬉しすぎてにやけてないよね?大丈夫だよね?
モールス信号の事も覚えてたんだ。かく言う私もだけどね。
そして私が席に着くと、隣でスヤスヤと結弦君が寝ていた。
可愛い…じゃなくて!
「結弦君。学校で寝ちゃダメだよ」
と、肩を揺らしながら言う。
だけど全然目を覚まさない。
どうしよう…
そうだ。
そうして私は結弦君の耳にふぅ…と息を吹き掛ける。
「うわぁっ!」
大袈裟に大きい声を出しながら飛び起きる結弦君。
昔から耳弱かったもんね。
そして結弦君はこっちを睨んでくる。
おー。怖い怖い。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
side結弦
今日の学校は終わった。
そして俺はすぐに帰ろうとする。
「結弦君。一緒に帰ろう?」
正直、学校で関わりたくないので無視する。
しかしずっと着いてくる
そして俺と歌音は学校の外に出た。
「はぁ…なぁ、歌音」
「何?」
「学校では俺と関わらないでくれ」
そう突き放した態度を取った。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
自分でもなぜこんな態度を取ったんだと後悔しているが過ぎたことは仕方がない。
そんなある日
「ゆ、結弦君」
と、歌音が恐る恐る話しかけてきた。
それに俺は返事をする。
すると返事してもらえたことが嬉しかったのか笑顔になる。
「明日休みでしょ?なにか予定とかある?」
と、聞いてきた。
「いや、特には無いけど」
「なら買い物に付き合ってくれる?」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
俺は歌音を待たせたら悪いと思い、早めに待ち合わせの場所に来ていた。
すると遠くから歩いてくる歌音を見つけた。
「結弦君!」
歌音の私服はとても歌音に似合っていた。
「待った?」
「ちょっとな」
「そこは待ってないって言うもんだよ」
「俺にそんな気遣いを要求することが間違ってる」
これが俺と歌音の素のノリだ。
それにしてもここでなに買うんだ?
「じゃあ行こう」
そう言って先導する歌音。
そして俺も歌音に続いてスーパーに入っていった。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「どうかな」
「似合ってる」
「具体的に」
「具体的にって言われてもな…」
俺は現在歌音の服選びを手伝っているのだが、俺は感想を伝えるのが大の苦手で上手く伝えられない。
「どれも似合ってるんだから良いんじゃないか?」
「そう言う適当なのはあんまり女の子好きじゃないな~」
そう言ってまた新しいのを持ってくる歌音
結局歌音は最初に手に持った二着を買うことにしたようだ。
でも実際に似合っていた。
やっぱ歌音は美少女だからな…結構なんでも似合うんだろうな。
それに比べ俺は…
そして暫く店のなかを見て廻ったりした。
「ここで休憩しない?」
と、俺と歌音は喫茶店に入った。
「それにしてもこんなに買ってもらって良かったの?」
全部俺が払った。
こう言うときは男が払うもんだと思う。かといって買ってもらったり奢って貰うのが当然みたいな態度を取る人はムカつくけどな。
あれ?気遣いを要求することが間違ってるみたいなことを言ってた人は誰だっけ?
そして少し休憩したら喫茶店を後にした。
出て少しすると急にトイレがしたくなってきた。
「ちょっと待っててくれ」
そう言って俺は駆け出す。
「お手洗いかな?」
しかし、俺は考えていなかった。
ここら辺は人気が少ない。つまりこう言うところでは必然的にどうなるかを
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
俺がトイレから戻ると歌音を数人の男が囲って腕をつかんでいた。
「離して下さい」
「良いから俺達と遊ぼうぜ」
「きっと楽しいよ」
「い、嫌…だ」
今にも泣きそうだ。
見てらんねぇ
「結弦君助けて」
「助けを求めたって誰もこな」
「ところがどっこい。それが来ちゃうんだな~」
と言って男たちの背後に立つ。
すると一斉にこっちを見た。
「結弦君!」
「てめぇっ!邪魔するな~!」
と、一人の男が殴りかかってくる。
ったく…逆ギレか
「なぁ、人を殴るって意味知ってるか?」
そして握りこぶしを作って胸の前に持ってきて握りこぶしと男を交互に見る。
そして睨み付ける。
すると俺の目の前で男は止まった。
冷や汗をかいて殴りかかろうとしている腕が小刻みに震えている。
「良いぜ。殴れよ。その代わり、てめえも殴られることを覚悟しろよ」
と、もう少してぶつかりそうな距離まで近づいて
握りこぶしをちらつかせる。
「ぎゃーっ!」
と悲鳴をあげて男は逃げていった。
「に、にげろー!」
それにつられて他の男も逃げていく。
「ったく…とんだ腰抜け野郎だな」
その瞬間、歌音が俺に抱きついてきた。
「ゆ、結弦君…怖かった…」
俺は歌音の頭を撫でる。
「ごめん。一人にして」
そう言うと歌音は顔を上げてこう言ってきた。
「手、繋いでも良い?」
「ああ、」
そう言って俺は歌音の手を取る。
「ありがとう」
そしてまた歩き始める。
気がつけば辺りは朱色に染まっていた。
「そろそろ帰るか」
そう提案する。
「あと一ヶ所だけ、寄って良い?」
そう言ってスーパーから出て山に入っていく。
「どこ行くんだ?」
「ふふっ、どこだろうね」
そして暫く歩くとそこは
「ここは」
「うん。昔、結弦君と見に来た場所」
蛍がいっぱい居て、その光が湖に反射して、まるで聖域を思わせる光景。
「また来たかったんだ」
と、言って地面に座る歌音。
それにつられて俺も歌音のとなりに座る。
「キレイ…あの時のまま」
と、歌音は目をキラキラさせながらそう呟いた。
「歌音の方がキレイだけどな」
「ふぇっ?」
そう言うと歌音は目を白黒させながら驚き始めた。
「まぁ、こういう状況での定番の台詞をはいてみただけだ」
すると歌音は耳まで真っ赤にしてうつ向いた。
「結弦…君」
と、消えそうな声で呼んできた。
「ん?」
と、歌音の方を見るとモジモジしていた。
「私ね。ずっと前から…その…あの…うぅ…」
歌音の言葉が何回も詰まっている。
「結弦君の事が好き…でした…」
そう言われ俺はドキッとした。
「一緒に遊んだ日も楽しくて、一度は別れることになったときは悲しくて悲しくて…でも結弦君と同じ学校にまたなれたことが嬉しくて嬉しくて…さっき助けてもらったときは凄く結弦君がかっこよく見えて…もうこの気持ち押さえれそうにない」
そして繋いでる俺の手を両手で優しく包み込む。
「私と付き合ってください」
この時結弦がどう返したのか、どんなことを言ったのかは定かではない。
運命の赤い糸がどのように絡まっているのかも
今日この日、光るホタル達をバックに
二つの影が一つに繋がったと言う。
はい!これにて夏期特別話終了
いやー。短編でまとめるのって難しいですね。
今回の話は祭りとかでは無いですが夏を思わせるホタルなのでセーフです。
結構凝縮しすぎてだいぶ飛んだりして駄文感が半端ない。
どういう内容にするかは決めてたんですが、それを文章にして相手に伝えるのって難しいですね。
それでは、今現在連載中の三作品【無意識の恋 Second stage】【東方魂愛想】【こんな僕に彼女は必要なのだろうか?】もよろしくお願いします。
毎週投稿で無意識の恋から火曜、木曜、土曜です。
それでは!
さようなら