ダンジョンに死の恐怖がいるのは間違っているだろうか。(仮)   作:TE

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あけましておめでとうございます!

かなり遅くなってしまいましたが、今年初の投稿となります!

読書の皆様、今年もよろしくお願いします!


第40話~神会~

第40話~神会~

 

「・・・・・・」

 

トライエッジに初期化されて約二か月。

俺、ハセヲはとうとう【錬装士(マルチ・ウエポン)】の最終形態である3rdフォームへと戻ることが出来た。

 

これで2種類から3種類全ての装備を使えるようになったから戦闘の幅が広がるし、この遠征で現れるであろう『異物』との戦いに万全の状態で挑むことが出来る。

 

「お前はどうして階層主であるゴライアスに単騎で突っ込むという無茶をしたのだ!下手したら死んでいたかもしれないのだぞ!!」

 

そんな俺は絶賛リヴェリアから説教を受けていた。

しかも、正座させられた上に他の団員たちの前で晒し者にされている。

元の姿に戻って早々にこれとは幸先が悪すぎるだろ・・・。

 

「聞いているのか!ハセヲ!」

「はい・・・」

 

周りにいる団員がくすくすと笑っている。

さっきまで俺の姿に脅えていたのに180度態度を変えやがって・・・。

 

「でも凄かったよね!ハセヲが急に飛び出したかと思ったら、大剣でゴライアスの拳を弾き返したり、大鎌でゴライアスの足を両断して倒れたところに【ワギリランゼツセン】?っていう技でゴライアスを木端微塵にしちゃったんだもん!」

 

簡単なゴライアス討伐の説明ありがとうよ、ティオナ。

 

「ティオナは下がっていろ!ハセヲ!私の質問に答えろ!」

 

この後、リヴェリアの説教はガレスが率いる第二部隊が来るまで続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハセヲが遠征に行って数日が経った頃。

地上では、三か月に一度だけ開かれる神々の会合『神会(デナトゥス)』が行われていた。

 

「ハセヲ君、ベル君・・・。ボク、頑張るからね!」

「ヘスティア。先に言っておくけど私の発言なんて期待しないでよ?」

 

その場にはヘスティアの姿もあり、大切な眷属の名前を呟きながら気合いが入っている。

そんなヘスティアの隣にいるヘファイストスが溜息を吐きながら釘を刺す。

 

一体何のことなのかというと、この神会(デナトゥス)は『命名式』というものがあり、冒険者の一生に関わる称号の進呈が行われる。

 

例えるなら、

 

アイズの『剣姫』

アスフィの『万能者(ベルセウス)

オッタルの『猛者』

フィンの『勇者(ブレイバー)

 

などと言った称号(二つ名)で周囲に認知される事になる。

 

そんな称号を進呈されるには、主神が『神会(デナトゥス)』に参加する条件と同じで、レベル2以上の上級冒険者にならなければならない。

 

つまりヘスティアは眷属であるハセヲとベルのどちらかがレベル2となり、『神会(デナトゥス)』に参加する資格を得たと言う事になる。

 

しかし、ハセヲがレベル2になった事は秘密にして、ベルがレベル2になったと同じタイミングでギルドに報告しようと決めていた筈だった。

 

では何故ヘスティアは神会(デナトゥス)に参加しているのか?

ベルもレベル2へとランクアップしたのだ。

『一ヶ月半』という恐ろしい速さで。

 

そのきっかけはハセヲも目撃した『ミノタウロス単騎討伐』である。

 

ヘスティアはランクアップしたベルを祝福しながらも複雑な気持ちであった。

なぜならば、ランクアップへの世界最速がアイズの『1年』。

それを自分の眷属たち(ハセヲとベル)が大きく上回る形となってしまった。

 

しかも一人ではなく二人もである。

ベルが『一ヶ月半』でハセヲが『二ヶ月』。

ハセヲの場合は正確にはもっと早いのだが、報告しなかった期間もプラスして『二ヶ月』とヘスティアは報告したのだ。

 

絶対に怪しまれるし、暇を持て余す神々が興味を示さない訳がない。

ハセヲとベルの身を守る為、ヘスティアは相当の覚悟を持ってこの神会(デナトゥス)に参加している。

 

「さて、次はお楽しみの命名式や」

 

今回の神会(デナトゥス)の司会進行役となったロキが命名式を宣言した。

 

神々の目の色が変わり、次々と冒険者達に称号(二つ名)が決められていく。

 

暁の聖竜騎士(バーニング・ファイティング・ファイター)

美尾爛手(ビオランテ)

 

などなど、ハセヲが聞いたら頭痛がするだろう二つ名が決まっていく。

それはヘスティアも同じだった。

 

どうもこの世界の人間は美的センスがずれているようで先ほどの称号でも大喜びするのだ。

 

ベルもその一人だが、ハセヲは勿論違った。

もし変な称号を付けられたらその神を殴りに行くと割と真面目な表情でヘスティアに伝えていた。

 

愛する眷属達の為にヘスティアはなんとしても無難な称号を勝ち取る為に気合いを入れる。

 

「ほんじゃあ次は~っと・・・」

「っ!」

 

渡された冒険者の資料をめくると、ベルの顔写真。

つまりベルの番となった。

資料にはステイタス関係は書かれていないが冒険者としての経歴が書かれている。

ランクアップにかかった時間も例外ではない。

 

「二つ名決める前になぁ。ちょっと聞かせろやドチビ!」

 

それにいち早く反応したのはヘスティアの天敵とも言えるロキであった。

 

「一ヶ月半でランクアップちゅうのは一体どういう事や?うちのアイズでも一年かかったんやぞ?」

「・・・・・・」

「うちらの『恩恵(ファルナ)』はこういうもんやない!」

「・・・・・・」

「おいこらドチビ!説明せえ!」

 

ロキに問い詰められるヘスティアはどうにかしないとと考えるも何も思いつかないでいる。

まさに絶体絶命。

 

「あら、別にいいじゃない」

 

そんな時、救いの手が差しのべられた。

救いの手を差し伸べたのは、『猛者』オッタルの主神『フレイヤ』だった。

 

その後、2人の口論が始まり、フレイヤがロキを黙らせる形となってヘスティアはベルの追及に対して回避する事が出来た。

 

「・・・んじゃ、ドチビの眷属のベル・クラネルは『リトル・ルーキー』に決定っと。次が最期やな・・・ハセヲはんか・・・」

「・・・!!」

 

ベルの次はハセヲと気の休まる時間はヘスティアにはなかった。

ハラハラしているのは丸わかりなヘスティアをよそに他の神々達がハセヲの称号について話し合いが始まった。

 

「ハセヲか~。最近話題になっている子だよね~」

「俺一回勧誘しようとしたけど逃げられたわー」

「ロキの所の眷属を倒したって噂の奴だよな?」

「でもあれ泥酔状態だったから倒れたって話だぞ?」

「少し前、女神たちに囲まれていた所を見た」

 

ハセヲはどうやら思ったよりも顔を知られているようで、神々がハセヲの事を述べていく。

『女神たちに囲まれていた』という話を追求したいヘスティアだったが、そこは我慢して大人しくする。

下手に動揺して抵抗すればヘスティアの神友タケミカヅチの二の舞となってしまうからだ。

 

タケミカヅチの眷属の(みこと)はディオニュソスによって『絶♰影』という称号となってしまった。

ハセヲにも『♰◯◯♰』みたいな称号が付けられれば何をするか分からない。

気を引き締めるヘスティア。

 

「ロキと酒の飲み比べをして全戦全勝しているらしいから『酒豪(バッカス)』とかは?」

「いやいや。レベル5の上級冒険者にボロボロになっても勝ったその姿から『不屈の闘志(アンコンケラブル)』だろ!」

「女神達に囲まれて顔を真っ赤にして逃げてたぜ?名前からとって『ヘタヲ』で良いんじゃね?」

 

ハセヲの称号(二つ名)の候補が次々と上がっていく。

ハラハラドキドキのヘスティアをよそにヘファイストスが手を挙げる。

 

「もっと特徴的な所から見ていくのはどうかしら?彼は三種の黒い武器を使うから『黒憑ノ弎戒具(トライエッジ)』はどう?」

「ヘファイストス!?」

 

まさか神友から痛い提案が来るとは思っていなかったヘスティアは驚愕する。

しかも、当て文字が『トライエッジ』と因縁の有る言葉であった。

 

「・・・他に何か案あるかー?」

「そういうロキはどうなんだい?彼とは仲が良いだろう?」

 

ディオニュソスがニヤニヤしながらロキに聞く。

そんなディオニュソスにイラっとするロキだが、スルーして考えてみる事にした。

 

「ん~・・・そうやな~・・・・・・」

 

長考するロキにヘスティアはただ願う。

無難な称号(二つ名)を、と。

 

「『死の恐怖』・・・なんてどうやろか?」

 

ハセヲの称号(二つ名)が決まった瞬間であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遠征が始まって5日ほど経過してハセヲ含めたロキ・ファミリアはセーフティーポイントである50階層へと辿り着いていた。

 

「今日は一日ここで休暇とする。各自野営の準備。夜に59階層へ向かう会議を行う。解散」

 

フィンの号令によって動き出す一同。

野営の準備で一番動くのはハセヲであった。

 

「ハセヲさん。ここに大型のテントを張りたいのでお願いします!」

「ああ、わかった」

 

そう言って誰もいないスペースに手をかざせば、テントの部品一式が出現する。

 

「ハセヲさーん!こっちにもお願いするっす!」

「へいへい」

「ハセヲさん!こっちには料理器具を!」

「わかった。すぐ行く」

 

といった感じでハセヲのアイテムボックスに入った野営グッズ一式を出す為に動き回っている。

 

「ハセヲ。大活躍だね!」

「うん。皆の負担もかなり減った」

「というか、ハセヲって正直者よね?団長にわざわざ収納できる容量が増えたから何か入れる物があるかって言いに行ったそうよ?言わずにドロップアイテムとか拾って入れれば誰にもばれないのに」

 

テキパキと動くハセヲの姿を見て満面の笑みを浮かべるティオナに同意するアイズ。

そして、他ファミリアに自分の情報をあっさりと話すハセヲに呆れるティオネ。

 

3rdフォームとなったハセヲは当然アイテムボックスの容量が増えたと判断。

それをわざわざフィンに報告。

ハセヲは自分の利よりも遠征メンバー全員の利を優先させた。

 

「ハセヲさんは責任感が強い人ですからね。出来る事をしないのは嫌なんですよ、きっと」

「そうだね!それにその行動でギクシャクしていた周りの目が一気に和んだし!」

 

レフィーヤの言葉にティオナが賛同する。

遠征開始時は他ファミリアの新参者で冷たい目をされ、階層主を一人で倒し厳つい3rdフォームの姿になった時はさらに恐怖の視線を浴びていた。

 

しかし、ハセヲはそんな事は全く気にせず、この50階層に来る間に率先して物事に取り組んだ。

野営の準備に荷物運びに料理の支度等々、ハセヲは少しでも力になれるように動いた。

 

その働きが徐々に認められ、今では軽口を言い合えるような関係になっている。

 

「あんた、本当に皮むき下手ね?あっ、ハセヲさーん!この子に皮むきのお手本を見せてあげて!」

「はあ?まあいいけどよ・・・」

 

包丁でジャガイモの皮を剥きだすハセヲ。

その光景にティオナ達4人は溜息を吐いた。

 

「そういえばハセヲって料理上手だったよね・・・」

「はい・・・。女性顔負けの手際の良さと料理の美味しさに敗北感を味わいました」

「この前の遠征の料理対決はなんだったんだと思わされるレベルよね・・・」

「・・・・・・」

 

前の遠征で同じ50階層で料理対決を行ったが結果はティオナの優勝。

と言ってもティオナ以外まともな料理を出せなかった(ティオネ:料理放棄。アイズ:乾パンを切っただけ。レフィーヤ:完成させるも転んで料理を地面にぶちまける。)からそうなったので、もしハセヲがいたらぶっちぎりの優勝であっただろう。

 

「おい、てめえら!ぼさっとしてねえで仕事しやがれ!」

 

落ち込む4人にベートが現れた。

そんなベートにティオナが話しかける。

 

「ねえねえ。ベートって料理出来るの?」

「はあ?んだ、藪から棒に。んなもん出来なくても困らねえだろ」

「と言う事は出来ないんだね?良かったー。これでベートまで料理が出来ると言ったら私はショックで寝込んでいたかもしれない」

「確かに・・・」

「あ、あはは・・・」

 

安心した4人はすたすたと自分の仕事へと向かい歩き出した。

そして、一人残されたベートは、

 

「なんなんだテメエラアアアアアッ!!」

 

怒りで遠吠えを挙げるのであった。




如何でしたでしょうか?

結局、ハセヲの称号は変わらずとなりました、、、

案を出してくれた皆様には本当に感謝です!

第2回も順調に行けばある予定なので、その時も案を頂けたら幸いです!

ではまた次回お会いしましょう!
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