宇宙艦これヤマト2199 人類最後の希望の艦隊の物語 作:コスモゼロ
大和
アジア・太平洋戦争が終結してから数十余年。この間に人類は、ある大きな危機を乗り越えてきた。
それは、"
『深海棲艦』は、太平洋戦争時代の
『西暦2029年、世界を震撼させたある事件が起こった。
太平洋へ遠洋航海に出ていた日本の練習船の青雲丸が、何者かによって攻撃を受け、参加していた商船大学の乗組員数名が死亡、負傷するというものだ。
日本へ帰港した青雲丸を調べた際に、通常弾とは思えないほど小さい穴が、艦低部、上甲板に発見された。
穴の大きさから推察するに、ロケットランチャーよりも威力が高い武器であると予想された。
その為日本政府は、造船中の船に装甲の強化を命じ、日本近海を航行する船舶の安全を確保するため、海上自衛隊の、第一,第二護衛隊群を出撃させた。しかし、二週間後、護衛艦いずも,こんごうを残し、全艦が轟沈したと伝えられた。返ってきた護衛艦の二隻は、損傷が激しく、帰還できた事が奇跡だと言われた。護衛隊群の司令が幕僚に対し報告をした際、この様に報告したという。
『やつらは人間の様だった。だが、それだけでは無く、やつらは主砲の様なものを持ち、魚雷を放ち、航空機を出してきた。しかも、我々の武装は大きすぎて通用しない』と。
奴等こそが、後に『深海棲艦』と呼ばれたもの達だった。
そして、その数週間後、日本近海を航行する船舶の沈没事故が相次いで起こった。生き残った人々は、口を揃えてこう言った『奴等は人の姿をした化け物だ』と。
世界各国でも同じ事件が起こっていたらしく。国連は、第一級非常事態宣言を発表。世界中の軍隊が臨戦態勢に入った。
しかし、人型で小さく、小回りも効く彼等になすすべもなく、遂に人類は、地球上の全制海,制空権を失った。各国が絶望に陥る中、日本に、世界に"一筋の希望の光"が差し込んだ。
彼女はこう言ったという。『私は、彼等に対抗する手段を持っている』と。それが嘘か真かは考える余裕などなかった。しかし、結果として、日本の行動は間違いとはならなかった。そのとき話し掛けた艦娘こそが、かつて日本が誇った大型戦艦、『大和』だったのだ。
その後、艦娘が次々と現れ、奴等を倒していった。
そして、深海棲艦との戦いが続いて6年、奴等のに最後の時が訪れた。物質の消耗戦に成っていく中、世界に残る全資材を投入し発令された作戦は、"天二号作戦"。
地球最後の艦隊の編成は大規模連合艦隊だった。主力は、日本,アメリカ。その他に、ドイツ,イギリス,イタリア,ロシアが参加。
この作戦の艦隊旗艦は、超弩級戦艦、大和型1番艦大和、副艦に2番艦武蔵が選ばれた。
大和は旗艦として主砲を連発、太平洋戦争時代とはまるで違う活躍をした。
しかし、目の前に居る最後の敵を倒せば人類の勝利だと確信したその時、沈む直前の重巡リ級が、魚雷を駆逐艦に向けて放った。それに気付いた大和が彼女を庇う為に前に出た。
その次の瞬間。
敵は狙っていたかのように一斉に大和へ向け砲撃,雷撃,航空攻撃を敢行。
大和も負けじと応戦したが、数の差により、戦闘開始から50分で海の底へと沈んだ。
大和の指示で、指揮権を武蔵に委譲し、最後は武蔵指揮の元、戦いは終結した。
人類の存亡を賭けたこの戦いは、後の時代まで語り継がれるだろう。
実録、人類に起こった大いなる危機 完』
パタリと本を閉じる。
それと同時に、"部下"から通信が入る。
『提督、至急中央大病院にお越し下さい。"彼女"が目覚めました。』
「分かった。すぐに向かう」
______________________
2035年、坊ノ岬沖東シナ海 深海棲艦決戦
「また…沈む…。あの時のように……。皆…絶対に…生きて…帰って…………。」
そう言って彼女の意識は遠退いた。
______________________
2199年 冥王星海戦3週間と2日前 地下都市、中央大病院
彼女は失った意識を取り戻し、目をうっすらとあける。
しかし、ずっと目を閉じたままだったせいで、差し込んだ光が物凄く眩しかった。一瞬目を閉じ、再び開けると、見たことの無い天井が広がっていた。
(ここは………、確か私は、あの時の集中攻撃で………。じ、じゃあ、何で生きてるんだろう。)
「気がついたようじゃな。わしは
「あ、あ……あ、ぅ」
「えぇえぇ、無理に話そうとせんでくれ。それよりも、人が来る前に伝えなければならんことがある。覚悟を決めて聞いてくれ」
私は、少し動く首を縦に動かした。
「そうか。…………いいかい、あんたはついさっきまで"昏睡状態"だった。落ち着いて聞いてくれ。その期間は"164年"じゃ。普通ならばあり得ない事だ」
「あ、ぁぁぁぁ!あ!ぅ…」
私は、その衝撃に耐えられなかった……。
(164年!?私が沈んだのが2035年だったから……、今は2199年!?一世紀半以上眠っていたってこと!?じゃあ、武蔵は!?アイオワは!?皆はどうなったの!?)
「やはり、耐えられないか。じゃが、落ち着いてくれたようだな。」
何とも意外な事に、彼女は物事を冷静に捉えられていたのだ。
すると、奥にある引き戸が開き、二人の人物が入って来た。一人は彼女に見覚えの有る姿をしていた。
(霧島!いきていたの!?でも、服装が違うわね。それに、あの男の人は一体・・・)
「来たみたいじゃな」
「佐渡先生、容態の方は」
「うむ、まだなんとも言い難い所ではあるが、話に対し、首振りで受け答えは出来る」
「そうか、ありがとう。"キリシマ"、君は出撃の準備をしてくれ。」
「分かりました。失礼しました」
(やっぱり霧島だったんだ。それにしてもこの人は………少し目が怖いです)
「わしは、国連宇宙軍第一艦隊司令、沖田十三だ。起きて直ぐで悪いが、我々の話を聞いては貰えないだろうか。大和」
(何故私の名前を?国連宇宙軍?)
「どうかね」
大和は首を縦に振った。
次回、『冥王星沖海戦』ヤマト発進まで、後、27日