宇宙艦これヤマト2199 人類最後の希望の艦隊の物語 作:コスモゼロ
その記憶は、ヤマトが、まだ大和として在った頃の話。
第四章最終話「終結」
大和が、横須賀基地司令に直談判しに行った翌日、大和は、防衛省に呼ばれていた。
防衛省
「これが、防衛省ですか……」
中に入り、10分程待つと、秘書ではなく、防衛大臣本人がやって来た。
「始めまして、大和さん。私は、防衛大臣の、島辺です。」
「戦艦大和です…」
「本日貴女にお越し頂いたのは、貴女に御聞きしたいことがあるのです。」
「はぁ……」
「単刀直入に申します。貴女は何者ですか?」
「分かりません。私が分かるのは、戦艦大和の記憶を持っている事です。」
「そうですか……。では、昨日、横須賀司令に、『対抗手段を持っている』と言ったそうですね。その対抗手段とは何ですか?」
「それは……、私には、艤装と呼ばれる装備があります。それを体に装着することで、彼等に対して攻撃をすることが出来ます。」
「成る程。その艤装を装着出来るのは、他にもいるのですか?」
「一般人や、他のクラスの人は無理です。ただ、私の他にも、駆逐艦や空母等も存在しているでしょう。」
「貴女達の名前は、何でしょうか。」
「名前、ですか……。そうですね………。艤装をつけられるのは、その艦の記憶を持った女の子だけですから。艦の娘と書いて、艦娘。艦娘でどうでしょうか?」
「艦娘、ですか。了解です。では、艦娘の扱いとしては、海上自衛隊所属とします。階級は、戦艦は2佐、空母が3佐、巡洋艦は1尉、駆逐艦、潜水艦は2尉、支援艦は3尉ですね。」
「分かりました。」
「本日は有り難うございました。大和2佐」
「有り難うございました。」
西暦2028年12月20日 TB○
『本日14時、防衛大臣は記者会見で、全国に居る、艤装使いを集めていると述べました。艤装使いの詳細は、機密のため言えないとしていますが、、深海棲艦に対抗することのできるということを明かしました。次のニュースです………』
この日、このニュースが流れて以降、海外艦を含む艦娘が、防衛省に集まってきていた。そして、凡そ2週間が経つと、判明している限り全ての艦娘が現れた。
その3週間後、国会で、『艦娘に対する、安全及び権利保護法』が制定され、艦娘の権利が損なわれることなく生活することができるように成った。
そして、西暦2029年1月29日 この日、人類・艦娘対深海棲艦の、凡そ6年に及ぶ戦争が、幕を開けた…………
最初の頃は、資材が余りあるほど有り、余裕だった……。しかし、そんな中、一つの事件が起こる。
当時、大和・武蔵は、一度戦場に出たきり、資材の消費が激しいため、常に待機を命じられていた。そう…、あの戦争の時の様に………。
西暦2031年4月7日 この日は、大和が坊ヶ崎で沈んだ日である。
当時、大和は、こんなことを呟いたという………
『もし、この世界に、神という存在が居るとしたら。私は、神を二度と信じない。人類を死地に追いやり、私の大切な、あの人を失わせた神という存在が在るのなら!!私は、その神を二度と信じない!!』と
この日、深海棲艦の異常行動を感知した防衛省深海棲艦対策本部幕僚会は、調査のため、赤城・加賀を軸とした、特別調査艦隊を編成。
その際、加賀の随伴を担っていたのが、駆逐艦『吹雪』である。
彼女達は、マレー沖へ派遣され、敵情を調査。発見されずに帰還するところを、敵潜にバレ、それに気付かぬまま、午後二時三四分、駆逐艦吹雪機関部に、魚雷3本命中。その影響で、大破炎上。その後、爆沈。
14:30
「本当、何も無くて良かったですね。加賀さん。」
「気を抜くのはまだ早いは、吹雪さん。大和さんに早く会いたいのは解るけれども。」
「そうですよね。だって、加賀さんには、瑞鶴さんが居ますもんね。」
「あ、赤城さん。何故それを」
「うふふ」
「Lancico del siluro!(魚雷発射!)」
全四門から発射された魚雷は、無防備で、一番遅れていた吹雪に命中。直後、大きな水柱を立て爆発。
「嘘!魚雷!いやだ!沈みたくない!いやだ、いやだよぅ」
その直後、爆発を起こし、沈んでいった。
「Colpire!Conferma di affondamento(命中!撃沈確認)」
17:46 帰還
「旗艦赤城。報告します。調査終了後、帰還途中にて、敵潜と遭遇。魚雷の先制射により、駆逐艦吹雪機関部に、全弾命中。その後、大破炎上、爆発。捜索を続けましたが、発見に至らず、撤退。……………、撃沈です。沖田司令。」
「了解した。報告書の詳細部に、爆沈と表記し、提出せよ。この件は、私から大和に報告する。」
「了解しました。……、失礼します。」
「赤城」
「はい」
「すまなかった。」
「いえ。その言葉は、私ではなく、大和さんに。」
「そうだな。」
大和型 部屋
コンコンコン
『私だ、沖田だ。大和、話がある。』
すると、扉が開き、大和が出てくる。
「君に、報告することがある。」
「はい」
「本日、17時46分に帰還した、特別調査艦隊の話だ。」
「はい」
「本日14時34分、加賀随伴艦吹雪の、……、撃沈が確認された………」
「そ、んな………そんな………嘘、ですよね、沖田司令。嘘と言って下さい!お願いです!!沖田司令!!!!」
「残念ながら…、事実だ……。」
「そんな……、何で吹雪ちゃんじゃなきゃ駄目だったんですか!?吹雪ちゃんの代わりに、他の艦娘が沈めば良かったのに!!」
パシン
乾いた音が響き、大和が、熱くなっている自分の頬を触る。何が起きたか、頭が理解し出した。
しかし、叩いたのは、沖田ではなく、武蔵だった。
「大和!!ふざけたことを言うな!!!!」
「むさ、し?」
「貴様も分かっていることだろう!!、私達艦娘は、船だ!酷い被害を受ければ沈む!良いか!!いくら吹雪がお前にとって大切であったとしても!そのようなことを言って良いはずが無いだろう!」
「………、ごめんなさい。武蔵、私、取り乱してて。ちょっと、外に行って頭冷やしてくるわね。」
この日から大和は数週間塞ぎ込んでいた。大和の傷が癒えたのは、吹雪撃沈から、4ヶ月半がたった頃だった………
それから4年後
西暦2035年10月11日
この日は、大和が沈む日であり、大和がヤマトに移るまで意識を途絶させた日でもある。
深海棲艦は、ほぼ世界中からいっそうされていた。
しかし、まだ、たった一ヶ所、奴等に奪われたままの場所がある。
其処の名前は……、『沖縄』
過去の対戦で、アメリカにより占領された島県だ。其処に、飛行場姫と呼ばれる最後の敵と、敵の最終戦力が集結していた。
人類も、深海棲艦も御互いに、負けることの出来ない最後の戦いに成った。
この日、艦娘の既存戦力、凡そ137人が集まっていた。
司令である沖田は、訓示を言う為に、台の上に立っていた。
『諸君、この日は、我々人類に取って、最良の日と成ることを願う。我々に、残された資材も日数も少ない!しかし、この作戦を成功させる事によって、人類は解放され、また再び、自由な生活を送る事が出来る!これより、本作戦の作戦名を伝える。作戦名は、『天二号作戦』!!今回の艦隊総旗艦は、大和、副艦に武蔵。その他主戦力に、アイオワ、ガングート、ローマ、イタリア、ビスマルク、ウォースパイト。その他戦艦等だ!………、これより、天二号作戦を発令する!!全艦、出撃せよ!!』
「「「了解!!!!」」」
西暦2035年10月11日11時23分 東シナ海
「全艦、戦闘用意!!」
(吹雪ちゃん。貴方の仇、取らせてもらいます!!)
「攻撃、始め!!!!!!!!」
「各砲座、個々に照準合わせ。副砲は、周辺の駆逐を、対空砲、弾幕張り続けて!!」
「主砲、斉射三連、ってーーーーーーーー!!!!」
大和は、装填しては撃って、装填しては撃ってを繰り返し、当時とは打って変わった活躍をした。
そして、もう少し踏ん張れば、人類の勝利と言うとき、隣に居た天津風が大破し、その直後、リ級から魚雷が放たれた。大和は、天津風を庇うため、前へ出たが、それは、大和の下を通り、命中しなかった。
大和が天津風を逃がし、合流しようとしたその時、ヲ級やル級、タ級が包囲していた。
「くっ……、これでは、………。武蔵、聞こえますか?」
『どうした?大和』
「これより、旗艦権限を武蔵に移行、貴女に、全権を預けます。必ず勝利してください。人類の明日のため」
『何を馬鹿な事を言っているんだ!よせ!!やま…』
「さて、これで舞台は整いました。…、思う存分、戦いましょう!」
「sommerso!yamato!!(沈め!大和!!)」
「ってーーーーーーーー!!!!」
「sparare!!(撃て!!)」
大和は、一人で、20近い敵を倒して行き、後15人程に成ったとき、飛行場姫から放たれたと思われる爆撃編隊が、一斉に急降下、大和に向け、爆撃を刊行した。
「う、そ………」
「Questa è la fine(これで終わりだ)」
その直後、全ての爆弾が命中。そして、大和は、同じ坊ヶ崎で、その生涯を終えた。
「あぁ、また沈むのね。あの時の様に……。皆、無事に、作戦を終えて、生きて、帰っ、てね……」
武蔵
「武蔵」
「どうした?ビスマルク」
「大和が……、沈んだわ」
「………、そう、か。」
「作戦は?」
「押しきる。それだけだ。」
「了解」
大和沈没から、30分。武蔵達の活躍により、飛行場姫は撃破され、人類は、平和を取り戻した………
西暦2035年10月11日午後10時54分 深海棲艦戦争。『終結』
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ヤマト
「…………あ、あれ、私、は……………」
回りを見ると、ソウリュウが寝ていた。
「ソウリュウ、起きてください。何をやっているんですか?早く起きてください。」
「んぅ、何?うるさいなぁ、って///」
急にソウリュウが遠ざかる。
「何ですか?ソウリュウ。急に飛び退かないで下さい。」
「いや、目を開けた直後に人の顔が目の前に有ったら誰でも驚くよ……」
「スミマセン」
「それよりも、私達、何で寝てたんだろぅ」
「分かりません。」
「皆は?」
「起きたみたいです。」
「良かった。」
「えぇ、それでは、行きましょうか。全艦、ワープ準」
「ちょっと待って、ヤマト、貴女まだ、旗艦権限停止中だよね?」
「あ」
「と、言うわけで、ワープ準備!」
「「「了解」」」
「私、旗艦じゃなくなった……」
次回、宇宙艦これヤマト2199第五章『マゼランへの道』次回、第五章第1話「猛将、ドメルとの戦い〔前編〕」
人類滅亡まで、後、295日
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ヤマト「作者さん」
はい
ヤマト「さっきのソウリュウの反応が凄く可愛かったです」
そうか(あ、この人、やっぱりそっちのけがある人なんだ。)
ヤマト「何か変なこと考えませんでした?」
んなわけないだろ~ハッハッハッ
ヤマト「そうですか……。それよりも、遂に、スネーク、ではなく大塚さん、ではなくもないけれど、ドメル将軍との戦いですね!!」
うん、何か違うの聞こえたけどそうだね。
ヤマト「ドメラーズにこの端末見せたらどんな反応しますかね?」
一応タグにMGS(ネタ)とは入れたけど自重しようね
ヤマト「すみません。」
良いけどさ。それよりも、ヤマトって、吹雪じゃなくて、今はソウリュウが好きなの?
ヤマト「な、何を行って張るんですの?オッハハハハ」
何かいろいろ変な言葉になってるがそういうことなのね。まぁ良いけどさ。それではまた次回。第五章で