宇宙艦これヤマト2199 人類最後の希望の艦隊の物語   作:コスモゼロ

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得体の知れない敵、ガミラス。彼等に対抗するため、地球を救う為、164年の時を経て、再び出撃するヤマト。どんな戦いが待つのか。地球の未来は。

第一章最終話「大和の復活 抜錨!ヤマト発進!」


大和の復活 抜錨!ヤマト発進!

(こんな大昔の艤装を、何故敵が…)

 

すると、上空から、轟音が響く

 

(っ!敵だ!)

 

古代と島は、付近に身を隠す。すると、ガミラスの艦載機は、ミサイルによる爆撃を開始した。

 

(何で奴等、こんな物を攻撃するんだ?)

 

すると、ガミラス空母ヌ級から、次々と艦載機が出て来る。

 

『現在、敵は坊ノ岬沖を爆撃中の模様。各員、現状のまま、シェルターで待機』

 

(大丈夫か?)

(俺達はあの(ふね)に乗るんだ!こんな所で死ねるかよ!)

 

 

(敵は一体、何処から来るんだ?)

 

古代は、島の変わりに敵を電子双眼鏡で探す。

 

(っ、母艦か!)

 

すると、敵ヌ級から主砲が発射される。発射された主砲は、シェルターに直撃し、底に居たメインクルー候補は全員死亡した。すると、艤装の下が開き、一人の女性が出てくる。

 

(?誰だ?あれ)

(さぁ?)

 

出てきたのは、大和だった。

 

数分前

国連宇宙軍極東管区司令部

「大和に迎撃させろ!」」

「沖田君、大和はまだ完成は……」

「本部長、ここで計画が水泡と散る事があってはならんのです。」

「…………解った。だが、まだ発進は」

「それは承知の上です。大和、聞こえるか。」

『はい、何でしょうか』

「坊ノ岬沖の艤装の下部に行ってくれ。君の艤装で迎撃する。」

『了解!』

 

で、現在に至る。

 

「斜めになっていると、立つのが少し辛いわね。二番砲塔、迎撃用意!拡角三十、仰角一杯!よく狙って。ってーーー!」

 

大和が発射の合図をすると、三式融合弾が発射される。空母ヌ級に命中し、敵は爆沈する。その後、大和は、その位置のまま、抜錨まで、待機する事と成った。

 

「赤いわね。あの時の面影が一切ない……」

 

大和が、敵を爆沈させた直後、ジェットの轟音が響く。かと思えば、敵が徐々に減っていく。

 

(防空隊だ!)

 

防空隊の、99式戦闘攻撃機 (コスモファルコン)が、あっという間に敵を落としてゆく。

 

(こちらアルファリーダー、お客さんの歓迎パーティーは終了した。)

『オーケー、アルファリーダー、此方でも確認した。速やかに帰投せよ』

(ラジャー…………ちっ!あいつら)

 

(おーい!何だよ!置いてけぼりかよ!)

(生きていた?この、赤錆びた艤装が…)

 

その後、救援に来た加藤に一発ずつ殴られ、運ばれていった。

 

冥王星

「バラン星のゲール司令に報告した方がよいのでは有りませんか?」

「空母を一隻失ったのだ。あの日和見主義者に帝星司令部へ報告されたらどうなると思う。」

 

大和の砲撃映像を見ながら、冥王星の司令は

 

「ここは、我々だけで処理するのだ。ロングレンジで叩く。惑星間弾道弾をすぐに準備させろ。」

「はっ!」

 

「我々は失敗する訳にはいかないのだ。」

 

中央大病院

 

加藤に一発ずつ殴られた古代と島は、佐渡先生に診察を受けていた。後ろには、手を治療してもらっている加藤がいる。

 

「はい、手は大事にしましょうね」

「っっ!」

 

「おい、睨んでるぜ、あいつ」

「えっ」

「ふっへっはっはっはっはっはっは。若いっちゅうのはええのう。放射線の方は、まぁ、大丈夫じゃろう。あ~、ミーくんとも暫くお別れじゃのぅ。ぁっそういえば、お前たちにも召集が掛かっとったんじゃないの?」

「は、はい」

ミャオ~

 

極東管区司令部

『世界各地で、エネルギー供給が難しくなってきています。』

『その上、飢餓、暴動、そして謎の植物が放出する、有毒胞子が、世界を破滅へと誘っている。』

「我々に残された時間は、後僅か」

『敵に察知された、今計画実施の期日は』

「ヤマト、ソウリュウ、イセの三人からの許可を得て、前倒して、72時間後に抜錨します。」

『聞けば、先の空爆で主要メンバーの大半が、戦死したとか』

「その件について、支障は出ておりません」

『第二次火星海戦の英雄である貴方が言うのだ。間違いは無いでしょう』

「ふんっ!」

『この計画は、国連主導ではあるが、現在、各ブロックは寸断され、残念ながら、直接力をお貸しする事が出来ない』

『現状、我々も苦しいのだ』

『お願いします。我々は、ヤマト艦隊計画に、一縷の望みを繋げているのです』

 

冥王星

 

惑星間弾道弾のミサイル発射場のハッチが開く。

 

「10,9,8,7,6,5,4,3,2,1,0」

 

冥王星基地から、ヤマトを叩くべく、惑星間弾道弾が発射される。しかし、地球はまだ、この事を知ることが出来ない。

 

地球 国連宇宙軍極東管区司令部前

 

多くの士官候補生が集められている。およそ999人。彼等は、ある計画の為に育てられた。彼等は、地球の技術の粋を結集して作られた装置に入り、宇宙艦娘をサポートする。妖精と成ることが出来るように、そして、戦闘を行えるよう訓練された。彼等は、三ヶ所に分けられ、残りの凡そ2000人は、999人999人に分けられ、別の場所で、各艦の艦長の話を聞く。

 

「いよいよ発令されるのかなぁ?」

「地球脱出のイズモ計画か?」

「でも、地球を見捨てるなんて…」

 

999人の前に、沖田が立つ。

 

「諸君。諸君はこれまで、特殊任務の訓練を受けてきた、イズモ計画の選抜メンバーだ。今日、私はここで、正式に君達の任務を発表する。だがこれは、地球脱出を目的とした、イズモ計画ではない。」

 

会場がざわめく。

 

「これから説明する。まずは、これを見てもらいたい。」

 

すると、沖田の背後に有ったスクリーンに映像が移し出される。

 

「これは、先日のメ号作戦に置いて回収された、メッセージ映像だ」

 

すると、音声が流れ出す。

『私は、イスカンダルのスターシャ。』

「これは…」

『貴殿方の地球は、今正に、ガミラスの手で、滅亡の淵に立たされています。』

「ガミラス」

『私はそれを知り、一年前、私の妹、ユリーシャに、次元波動エンジンの設計図を託して、地球に送り出しました。』

「火星で見たのと、同じだ」

『貴殿方がもし、それを理解し、完成させていたならば、イスカンダルへ来るのです。私達の星には、汚染を浄化し、惑星を再生出来るシステムが有ります。』

「なんだって!?」

『残念ながら、私がこれを地球に届けることは、もうできません。』

 

「これが、イスカンダル人」

そう言ったのは、相原義一三等宙尉

「きれいな人だな~」

そう言ったのは、太田健二郎三等宙尉

 

『今回新たに、次元波動エンジンの機動ユニットである、波動コアを、もう一人の妹、サーシャの手で、貴殿方に届けます。私は、この未知の苦難を乗り越え、このイスカンダルへ来ることを信じています。私は、イスカンダルのスターシャ』

 

「一年前、地球は、イスカンダルからの技術供与を受け、次元波動エンジンを搭載した、恒星間航行用の艤装を既に、三隻完成させている。」

「恒星間航行?そんな事が…」

「その一隻が、ここに集められた諸君の乗艦する艦だ。その名は、『ヤマト』!」

 

〔ヤマト?ヤマトだって?ヤマトだと?〕

 

「ヤマト?」

「カプセルの情報によれば、イスカンダルは、地球から遥か16万8千光年彼方の、大マゼラン銀河に位置する。往復33万6千光年の旅は、未だ人類が経験したことの無い、未知の航海だ。強制はしない。残りたい者は残って構わん。明朝○六○○(マルロクマルマル)抜錨し、出航する。それに遅れた者は、残留希望者と見なす。以上だ」

 

敬礼をして、話が終わる。

 

「残念です。山本の奴も、生きていれば…」

そう言ったのは、篠原弘樹三等宙尉

「言うな」

 

「これから、各セクションの責任者を読み上げます。機関科、徳川彦左衛門」

徳川彦左衛門三等宙佐は、キリシマの機関長でもあった方である。

「技術科、真田四郎。真田三佐には、副長を兼任していただきます。続いて、戦術科、古代進」

「えっ」

 

「へぇ、あの人が」

そう言ったのは、星名透准尉。

「嘘だろ」

 

「航海科、島大輔」

「おっ」

 

沖田の私室

 

『入るぞ』

 

扉が開き、土方が入ってくる。

 

沖田は、鞄を閉じた

 

「用件は察しがついている。」

「ならば話が早い。どうしても行くのか?」

「あぁ」

「その体でか?俺の目は節穴ではない。一体何年の付き合いだと思ってる。俺に任せろ。それも勇気だ。」

「16万8千光年の旅は、わしの命を奪うかもしれん。しかし、わしは行くよ。行って、必ず帰ってくる」

「そうか。ではもう、何も言うまい。」

「地球のことを、頼む」

 

技術本部

真田三佐は、カプセルをケースにしまうのを見届けていた。

 

木星付近を、惑星間弾道弾が通過する。しかし、惑星間弾道弾が向かってきていることを、地球は知らない。

 

山本家

 

チーン

 

加藤が、山本の兄の仏壇の前で、合掌する。そして、合掌を終えた後、山本玲〔三等宙尉〕に声をかけた。

 

「君もヤマトに乗艦するそうだな。」

「兄と同じ、航空隊を希望しました。」

「残念だが、君の配属は主計科だ。」

 

加藤が去った後、山本は、洗面台に立ち、自分の、伸びた髪の毛を切った。

 

徳川家

「何も、親父が行かなくても。」

「後2ヶ月で退役じゃないですか。」

「あの人は、わしに頼むと言ってくれた。それで十分なんじゃよ。」

 

すると、扉が開き、徳川太助が出てくる。孫の愛子を抱いて。

 

「愛子、ほら、お爺ちゃんに行ってらっしゃいをしな~。」

「じいじ」

「おぉ、愛子、行ってくるよ~。じいじは必ず帰ってくるからな。」

 

バス停

島は、大和に乗るためのバスに乗るために、並んでいた。

 

「兄ちゃーん。」

そう言って走ってきたのは、弟の次郎

 

「次郎!どうした。」

「これ、持ってけって…」

 

そう言って渡してきたのは、『航宙安全御守』と書かれた御守りだった。

 

「昔、お父さんに渡し忘れて…。それでって、母さんが」

「心配性だな、母さん。安心しろ、兄ちゃんは必ず帰ってくる。だからその間、母さんの事、頼んだぞ。」

「うん」

 

すると、バスがバス停に着いた。

 

古代家

 

『ヤマト艦隊計画の発表に端を発した暴動は、激しさを増し、第7地区、管理センタービルが、暴徒の手で爆破された模様です。極東管区行政府は、暴徒に対し、冷静になるように呼び掛けていますが、』

 

古代は準備を終え、テレビを消し、兄の、守の形見である、ハーモニカを手にした。

 

「行ってくるよ。兄さん。」

 

 

バス車内

(心配じゃのぅ。)

(お酒なら、オムシスで作れるから、大丈夫ですよ。)

(ミーくぅん!)

(あ、そっちですね)

 

バスの車内から、大和の艤装の下部が見える。

 

(なっ!)

 

ヤマト艤装下部、第三艦橋付近

 

『各部点検終了、オールグリーン。』

『塔乗員輸送車、誘導。第三デッキへ』

『整備補給隊は、直ちに艦載機の積み込みに当たれ。繰り返す、整備補給隊は、直ちに艦載機の積み込みに当たれ。』

 

例のカプセルの前で、榎本勇甲板長と、整備士が話していた。

(こいつは、自動航法室行きみたいですね。)

 

(ん?)

輸送車の扉が開き、古代が降りてくる。

 

(ふっふっ)

 

古代が第三艦橋の前に立つ

 

(これは)

 

艦長室

(全員乗艦しました。欠員有りません)

雪が、沖田に報告する。

 

(うむ。後はエンジンだけだな。)

 

機関室

(これが、その波動コアです)

 

防護服を着た真田が、ケースに入った波動コアを見せる。

 

(このカプセルが最後のパーツだったのか)

 

真田が、エンジンの扉を開け、波動コアをセットし、回路を繋げる。

 

(回路接続、確認しました。)

山崎奨二等宙尉がそう告げる。

(エンジンに火は入ったのか?)

 

(『いや、それにはまだ、相当な電力を必要とします』)

 

(女神様も意地が悪い)

そんなことを言ったのは、藪助治一等宙曹

 

第一格納庫

(『申告を済ませた乗員は、艦内常套を着用、上官の指示に従い、所定の部署で待機せよ。繰り返す、申告を済ませた乗員は、艦内常套を着用、上官の指示に従い、所定の部署で待機せよ。』)

 

山本は、ゼロを見つめていた。すると、人が入ってくる。入ってきたのは、古代だった。

 

(戦術長どの!)

 

加藤が古代に話し掛け、敬礼し、古代も敬礼する。

 

(一応命令は訊きますよ。上官ですからね。だが、部下が無駄に死んだりしたら、その時は、オトシマエ、付けさせてもらいます。)

(その心配は無い)

(当てにしてるよ)

 

第一艦橋

雪は、自分の席に座って何かをしていた。

 

(帰る。必ず帰ります。)

 

すると、後ろの扉が開き、人が入ってくる。雪は、使っていた機械をしまう。

 

(ぁ、君も、この艦に乗るのか)

(えぇ、戦術長の、古代さんね。私は、船務長を務める森雪、宜しく)

 

雪が、握手の為に手を出す

 

(艦長は何処)

 

艦長室

 

ドン、ドン

 

(誰か)

(古代進であります)

(入れ)

(失礼します。)

 

扉を開け、古代が入ってくる。

 

(何だ)

(はい、戦術長を拝命した件です。自分には…まだお受けする資格が有りません。)

(先日の爆撃で、各セクションのリーダー候補が、戦死してしまったのだ。)

(しかし)

(お前の席に座る筈だった男も、わしは死なせてしまった。)

(ぇ?)

(お前の兄、古代守だ。)

(っ!)

(お前の経歴は見させて貰った。その上で、十分責務を果たせると、わしが判断したのだ。後は、お前自身が決めろ)

 

 

「ねぇ、ヤマト」

「どうしたんですか?ソウリュウさん」

「ヤマトって、私のお婆さんと一緒に戦ってたんだよね。」

「えぇ。」

「私の婆さんさ、3年前に死んじゃったんだ。『蒼龍』婆ちゃんはさ、あの災厄がどんなものだったか、全く話してくれなかった。母さんの『そうりゅう』は、海上自衛隊の第二潜水隊群の旗艦の潜水艦で、一回も戦闘せずに退役したの。」

「そうだったんですか。」

「だからさ、どんな災厄だったのか、教えてよ!ヤマト!」

「そうですねぇ。では!」

「うん!」

「私もソウリュウさんも、無事にこの星に帰ってこれたら、この話をしましょう。私の手料理も振る舞いますから。」

「分かった!」

「その為にも、無事に帰ってきませんとね。」

 

大和が笑顔で語りかける。ソウリュウはやる気に成ったようだ。

 

「でもさぁ、ヤマト」

「何ですか?イセさん」

「私達はさ、たった一年で作られた艦何だよ?攻撃を受けて、一撃轟沈みたいなことに成ったらどうすんのさ」

「確かに、急ぎで造られた艤装ですが……ですが!私達の艤装は、今の地球の持てる科学力と、技術力の粋を結集し、其処に、イスカンダルの技術を取り入れてるんです。そう簡単に沈みはしませんし、沈ませません。」

「っ、」

「何が有っても、守ります。もう、あの時の様には成りませんし、させません。今度こそ、守るんです!」

「分かったわ。約束よ?守れなかったら許さないわよ。」

「はい!」

 

第一艦橋

(何よ、あの態度失礼しちゃうわ)

 

古代が入ってきた扉の反対側から、島が入ってくる。

 

(やぁ、第一艦橋は、ここでいいの?俺は、航海長を拝命した、島大輔。この前、会ったよね。)

(艦長なら上です。)

(え?)

 

その時、古代が、第一艦橋に入って来る。

 

(おぉ、古代。どうした、何かあったのか?)

(大丈夫、問題ないよ)

 

その直後、後ろの扉が開き、ゾロゾロと人が入ってくる。

 

(副長の真田だ。第一ブリッジ要員、揃っているな。)

(((はい!)))

 

すると、艦内に、サイレンが鳴り響く。

 

(各員、速やかに配置に付け)

(((はい!)))

 

全員が席につく。そして、副長が指示を出す。

 

(司令部に状況を確認。)

 

(司令部より返信。地球に向かう、惑星間弾道弾を確認。目標は…っ!本艦とのことです!)

(まだ抜錨出来ないのか…)

 

『波動エンジンを始動させるには、もっと大電力が必要なのだ。』

 

(問題は、それだけの電力を、どうやって調達するかだよ。)

 

「ん?司令部から入電?」

「どうしたの?ヤマト」

「イセさん、ソウリュウさん。お二人の波動エンジンの状態はどうですか?」

「何で急に」

「いいから早く!」

「エネルギー120%充填完了」

「私も。でも何でさ、急に。」

「惑星間弾道弾が、私に目掛けて飛来してきます。まだ間に合います。お二人は、直ちに発進、衛星軌道に退避してください!」

「そんな!」

「ヤマトはどうすんの!?行くんだよね!?」

「私は、準備が出来次第抜錨。惑星間弾道弾を迎撃し、お二人に合流します。急いで下さい!」

「分かったわ。絶対に、失敗するんじゃないわよ。」

「分かってます」

 

ソウリュウとイセは、顔を見合い、頷くと発進の準備に入る。

 

「「偽装解除!波動エンジン始動10秒前!もやい解け!波動エンジン始動5秒前!4,3,2,1」」

「イセ!」

「ソウリュウ!」

「「抜錨します!」」

 

そう言って、二人は旅立つ。

 

第一艦橋

雪が、驚いた様に叫ぶ。

 

(随伴艦、イセ・ソウリュウ、発進!?)

(どういう事だ?)

(見捨てられたのか?)

(電力は、全然来ないし。ちゃんと間に合うんですよねぇ)

 

その時、第一艦橋に怒声が響く。

 

(狼狽えるな!)

 

上から来た椅子が、そのまま艦長席に移動する。

 

(通信士、司令部と直接繋げ)

 

パネルに長官が映る。

 

『おぉ、沖田君』

(電力供給の方はどうなっていますか?)

『現在、ヤマトへ極東管区の全エネルギーを回し始めた所だ。それでも、必要な電力を供給出来るかどう…』

 

極東管区

管区内に、警報音が鳴り響く

 

「管区全域で電力、ダウンしています。」

「予備電源に切り換える。」

「電力供給が出来ない以上、ヤマト発進は断念し、先に出撃した二隻に任せる他に…」

「本部長、これを見てください!」

 

ヤマト機関制御室

山崎、藪は、パネルを見ていた。

 

(山崎さん!)

(これは)

 

極東管区

藤堂、芹沢はパネルを見ていた。

 

「北米、アフリカ、ユーラシア。各ブロックからエネルギーがヤマトに。」

「全世界が、ヤマトに電力を回してくれている。」

 

「何か、力がみなぎって来る。これなら。行ける!」

 

ヤマト第一艦橋

(どうだ?)

(『成功です!火を入れられます!』)

 

徳川が沖田の方を見る。

 

(あぁ。波動エンジン始動!)

(機関始動。フライホイール接続。出圧上昇。90,96,100、エネルギー充填120%!)

(波動エンジン、回転数良好。行けます!)

 

「こちら大和!皆さん、惑星間弾道弾をとらえました。パネルに映します!」

 

(『発進するぞ』)

 

「了解!…、船体起こせ!偽装解除!」

 

すると、大和の地面付近に皹が入り、大和と、大和の艤装が起こされ、旧大和の偽装が剥がれ、新たな艤装が現れる。

 

第一艦橋

(これは!)

『この艦は、敵の目を欺くため、偽装していたのだ。』

(偽装?じゃあ、僕たちかがが見た、廃棄艤装が。)

(そうだ、ヤマトだ。宇宙戦艦ヤマトだ!)

 

ヤマトの、主砲、副砲が、定位置につく。

 

「敵の惑星間弾道弾を、ここで迎撃します。主砲発射準備!」

 

第一艦橋

(主砲発射、準備!)

 

主砲塔

(配置に就けーー!)

 

「抜錨!ヤマト、行きます!」

 

第一艦橋

ヤマトと同じタイミングで沖田が言う

 

(抜錨!ヤマト発進!)

(抜錨!ヤマト、発進します!)

 

ヤマトの居た部分の地面が盛り上がり、艤装全体が出てくる。

そして、ヤマトと地面を繋げていたもやいが解け、錨(ロケットアンカー)を回収し

 

外&第一艦橋

 

南部が、モニターに表示されていることを言う。

 

(ショックカノン、エンジンからエネルギー伝導終わる。測敵よし。)

 

「自動追尾、始め!」

 

(自動追尾良し)

 

ヤマトが、舵を左に切る。ヤマトの舷側を惑星間弾道弾に向け、主砲が自動で向きを変える。

 

(照準合わせ。-1.3)

 

主砲がほんの少しだけ動く

 

(照準良し)

(撃ち方ー、始めー!)

 

「凪ぎ払え!!」

(ってーーー!)

 

主砲から、青色の光が放たれ、すべてが集まる直前に、惑星間弾道弾に直撃する。大爆発が起こり、ヤマトは煙の中へ消える。爆発の衝撃波は、衛星軌道に居た二人にも届いた。

 

「くっ!何!?この衝撃波!」

「わからない!それよりヤマトは!?」

 

極東管区司令部

 

「電源、回復します」

 

画面に映るのは、爆発した後の煙と、その影響で起こった稲妻のみ

 

「ヤマトは」

「溶けて、蒸発してしまったのでは」

 

その数秒後、ヤマトが煙の中から出てきた。

 

「ソウリュウ、あれ!」

「ヤ、ヤマト!無事だったのね!」

 

『ご迷惑を御掛けしました。ですが、この通りピンピンしてます』

 

「お疲れ様、ヤマト」

 

『ありがとうございます、イセさん』

 

ヤマトは、主翼を展開し、宇宙へと向かった

 

極東管区司令部

「ヤマト、健在なり!」

 

第一艦橋

(波動防壁解除。ヤマトに損傷無し)

 

その報告を聞いたとき、全員が(ヤマトも)安堵した。

 

(うむ…古代)

(は、はい)

(、良くやった)

(ぇ)

 

(素直に喜べよ)

 

そう言って、島が手を出す

古代も、手袋を外し、お互いの手を握り会う。

 

『皆さん、こちらヤマトです。本艦はこのまま、衛星軌道に、大気圏内速度にて、上昇し、イセ、ソウリュウの二艦と合流します。』

 

今、ヤマトが行く。地球を救う為に。164年前とは違い、敵の事は、名前しか分かっていない。母星は何処に在るのか。イスカンダルは待っている。君達が来るのを。地球は待っている。CRS(コスモリバースシステム)を持ち帰って来るまで。去らば、地球。また会おう。




次回、第二章『太陽系を越えて』

地球を飛び立ったヤマト。火星沖でのワープテストを行う。其処で行き着いた先は、ヤマト、イセ、ソウリュウに搭載された武装の、真の姿とは。

次回、第二章第一話『地球から、木星へ』

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