宇宙艦これヤマト2199 人類最後の希望の艦隊の物語   作:コスモゼロ

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西暦2200年、ヤマトの帰還から半年程が経ち、地球はこれまでにない速度での復興を推し進めていた…


ヤマトとムサシ

アカシが”特異点”の研究を藤堂から任されて数ヶ月、彼女は久しぶりの休暇を貰い、英雄の丘へと足を運んでいた…

 

「ヤマトさん?」

 

英雄の丘へ辿り着いたアカシは、約1年ずっと見続けてきた見覚えしか無い背中を見つけた

 

「アカシさん…お久しぶりですね」

「えぇ……。勉強は進んでますか?」

「えぇ、学び始めた頃は歴史の変化に驚きましたが、間もなく終わりそうです」

「さっすが艦娘1の秀才と云われるだけありますね。

……いつも此処に?」

「いえ、1週間に1度程。今の地球の復興状況や私達の近況を伝えに」

「そうなんですね」

「えぇ。おかしいでしょうか?」

「そんな事は無いと思いますよ?提督は、私達のお父さんの様なものですから」

「良かったです。アカシさんは今、何を?」

「私は………

 

嘗ての仲間との久しぶりの再開を果たした事ではいつも以上に英雄の丘に滞在した二人は、辺りが暗くなった頃に解散して、帰路に着いた

 

ヤマト家

 

帰宅したヤマトは、ポストの中に封筒が入っていることを確認にした

 

(?一体何でしょうか)

 

家に入り手洗いを済ませたヤマトは、机の上に置いておいた封筒の封を切る

 

(23世紀なのに…データではなく律儀に封筒ですか…)

 

そんなことを考えながら、封筒の中身を見ると、そこにはある文字が書かれていた

”指令書”

 

「指令書?珍しいですね。」

 

そこには、ヤマトに軍本部に出頭するように書かれていた

 

「明日の1100時迄に、軍本部、総隊司令部まで出頭せよ。総隊司令土方竜……」

 

(土方司令……沖田さんの同期で一番の親友だった方、ですよね。そのような方が、一体どういう要件で…)

 

呼び出しの理由がわからぬままその日は眠りについたヤマト。

翌日、新たな出会いがある事を知らぬまま…

 

〜〜翌日〜〜

 

(余り寝付けなかった……眠い…)

そんなことを考えながら、軍令部行きのバスを待つヤマトの下へ、1人艦娘が声をかける

 

「あら?ヤマト?」

 

声をかけてきたのは、かつて旅を共にしたムツだった

 

「お久しぶりです、ムツさ…ん?」

 

ヤマトが疑問を持ったのもおかしくはない。なにせ彼女は、赤子を連れていたのだ

 

「あら?どうかした?」

「え?い、いえ、ムツさん…、旦那さんいたんですか?」

「ん?……あ〜〜、この子の事?残念、私はまだ独身よ」

「え!?じゃぁ、シングルマザー………。ムツさん、苦労してるんですね……」

「ちょっと!何か勘違いしていない?」

「え?だって…」

「たしかに、この子は私の子どもだけど、私が産んだわけじゃ無いの」

 

ムツの言葉に、ヤマトは首をかしげた

 

「この子は、私の妹。母が産んだ、およそ20歳差の妹なの」

「そうだったんですね……。では、その子も」

「いいえ。艦娘にはなれないわ。」

「え?」

「出生時の適正調査で、適正無しと判断されたの。」

「そう、だったんですね。……あれ?ムツさんが居ない間って、その子、どうしてたんですか?」

「あぁ、其れは、ナガトに任せていたの」

「へぇ〜〜、ナガトさんに……ナガトさんに?……え!?」

「あら、ナガトは生きてるわよ?まぁ、再起不能の傷を負ったから、もう退役してるけど」

「そ、そうだったんですね…。てっきり幽霊に任せていたのかと…」

「まぁ、起きてからずっと宇宙にいたんじゃわからないわよね」

 

なんて事を話して居ると、バスがやってきた。

二人でバスに乗り込み、30分程揺られながら、他愛もない話をして軍令部に向かった。

 

軍令部

 

(此処に来るのも、久しぶりですね…)

 

予備役になっていたわけでは無いが、藤堂軍令部長官の計らいによって、当面の間は歴史学習の為に軍務を離れる事を許可されていた。

 

「ヤマトさんでありますか!」

 

建物を眺め、初夏の暑さに睨みを効かせていた所を、声をかけられた。

そこにいたのは、駆逐艦よりも幼い様な子どもだった。

かつての艦級で言えば、海防艦位だろうか?

 

「たしかに私がヤマトです。貴方は?」

「はい!土方総隊司令より、お迎えの任を仰せつかりました!宙雷艇”シムシュ”であります!」

「そうでしたか。ご苦労さまです、シムシュさん。」

「ありがとうございます!お暑い中、ヤマトさんもお疲れ様であります!」

「ふふっ、ありがとうございます」

 

ハキハキと喋り、こちらを見上げる姿に可愛らしさを覚え、ヤマトも頬が緩む

 

「それでは、早速土方司令の元へ案内願えますか?」

「勿論です!こちらへどうぞ!」

 

幼いながらもしっかりとしたシムシュに連れられ、軍令部の中へ入って行くヤマト。

軍令部の中では、何やら多くの人が忙しなく動き回っていた。

 

(近い内に何かあるのでしょうか?)

 

そんな事を考えながら歩いていると、シムシュが立ち止まり、眼の前の扉をノックした。

 

「失礼します!宙雷艇シムシュであります!ヤマトさんをお連れ致しました!」

 

『入れ』

 

扉の奥から、厳格そうな声が響いた

 

「失礼します!」

 

シムシュが扉を開け、ヤマトに入室を促す

 

入室したヤマトは、正面に据え置かれた執務机を目にして、かつての時代を思い少し懐かしむ。

 

「宙雷艇シムシュ、土方司令の命を受け、宇宙戦艦ヤマトさんのお迎えを完了いたしました!」

「うむ、確認した。ご苦労。下がって構わない。」

「はっ!失礼いたします!」

 

司令から指示を受け、シムシュは部屋を後にした。

そして、土方司令が口を開く。

 

「突然呼びつけてすまない。君に、会わせておきたい者がいるのだ」

「会わせたい人、ですか?」

「あぁ、入り給え」

 

『失礼します』

 

土方の呼びかけを受け、隣の部屋から1人の艦娘が入室した。

 

「紹介しよう、ヤマト。彼女は」

「む、武蔵!?どうしてここに」

 

彼女が驚くのも無理は無い。

入室してきた艦娘は、かつての武蔵そっくりだったのだから

 

「残念だが、彼女は君の言う武蔵では無い。名前自体は相違無いがな」

「で、では、彼女は…」

「自己紹介してやれ」

 

そう言われ、彼女が口を開く

 

「私は、超弩級航宙戦艦、ヤマト型2番艦のムサシ。宇宙戦艦ムサシだ。ようやく会えたな、ヤマトよ」

 

「宇宙戦艦、ムサシ…。ヤマト型、2番艦!?」

「そうだ。彼女は、旧国連宇宙海軍が万が一と云う時の為に建造物していたヤマト型の2番艦だ。完成する前に君は抜錨したから、知らないのも無理は無い。」

 

「ヤマトの話は、ずっと防衛軍で聞いていた。帰還してから会うのが楽しみだったよ。」

 

「彼女はこれから、アメリカの艦娘と共に、地球初の超長距離深宇宙探査航海に出港することになっている。出港する前に、姉妹艦同士、会わせておきたいと思ってな」

 

「そうだったんですね…。時代は違えど、こうしてまた、姉妹艦に会うことが出来るとは思いませんでした…。土方司令、心よりお礼申し上げます。」

「嘗ての対戦から200年弱。見知らぬ時代、右も左も分らない中、よくやってくれた。感謝するのはこちらの方だ。」

「その通りだ、ヤマト。貴女がこうして帰ってきて、地球を救ってくれたお陰で、これから私は興味深い航海に出ることができる。本当に、感謝してもしきれない。」

「そう言ってもらえると、頑張ったかいがあると云うものね。」

 

「ムサシ」

 

「何だ?」

「任務、頑張ってね」

「……あぁ、ありがとう ”姉さん” 」

 

直接の感謝を貰い、1年弱戦い続けた事の意味を深く噛み締めたヤマトは、自宅への帰路についた……

一方で、地球には今、1つの大きな使命が有った………




次回 終戦
ついに、地球に使節が、やって来る……

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これまで宇宙艦これヤマトを読んでくださっていた皆様、大変おまたせ致しました、最新話でございます。
最新話の更新から1年半強、自身の周りも多少落ち着きが訪れましたので、最新話を執筆させていただきました。
今後、年内に後3〜5本程更新できればと考えています。
気長にお待ちいただけると幸いです。
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