宇宙艦これヤマト2199 人類最後の希望の艦隊の物語   作:コスモゼロ

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ガミラスとの和平も終了し、真の平和が地球に訪れる。
ヤマトの帰還から1年余り。地球の闇は、徐々に広がっていた…


波動砲艦隊

ソウリュウを見送ったヤマトに掛かってきた電話。その相手は、共に地球を救った"アカシ"だった…

 

ヤマトは、アカシに呼び出され新都のカフェを訪れていた___

 

("話したいことがある"なんて、どうしたんでしょうか、アカシさん……。何だか少し、怖いですね…)

 

呼び出しの時間より30分程早くカフェを訪れていたヤマトは、窓際の席で注文したコーヒーを飲みながらアカシの呼び出し理由を思案する…

しかし、幾ら考えても"コレ"と言った理由が思い当たらず、最終的に考えるのを辞め、彼女が来るのを大人しく待つことにした。

 

"いらっしゃいませ"と店員の声が店内に響き、聞き覚えのある、いや忘れる筈も無い"待ち合わせで"という声が耳に入る。

入口を見れば、ピンクの髪の毛をツインテールに結んでいる彼女(・・)が居た

 

「こっちです」そう言って手を上げアカシを誘導する。

 

「いやぁ流石ヤマトさん。早いですねぇ、遅れてすみません」

 

そう言って明石は頭を下げる

 

「気にしないでください、30分も早く来たのは私の方ですから」

「ですが、お呼び立てした方が遅く来るのと言うのは、私的に余り気持ち良く無くて…」

「律儀ですね、アカシさんは。何か飲まれますか?」

「そうですね、ではコーヒーをアイスで」

「わかりました」

 

ヤマトが店員を呼び注文をしている中、アカシは、どう話を切り出すか考え(あぐ)ねていた…

 

店員が去り、覚悟を決めた様にアカシがヤマトを見据える

 

「…?アカシ、さん?」

「貴女に…、お話ししなくてはならない事があります。ヤマトさん」

 

深刻そうな表情で話を切り出すアカシを見て、これは只事では無いと察したヤマトは、ふと(ソウリュウに何か有ったのかも知れない)と思った。

思ったが今日出発したばかりなのだからそんな訳が無いという結論にも直ぐ達することが出来た。

 

「気が付けば帰還してから2年が経ち、早くも2201年になりまそたね」

「えぇ。あの時の航海は、今でも昨日の事の様に思い出せます」

「私達はあの航海で学んだ筈です。…、過ぎた技術は身を滅ぼしかねないと……」

「……波動砲…ですね」

「えぇ。あの時沖田司令が結んだ『地球・イスカンダル和親条約』。地球は今、それを…………反故に、しようとしています」

 

絞り出す様に、苦しそうに言葉を発したアカシ。

艦長が結んだイスカンダルとの条約を反故にする……?

ヤマトはその言葉を呑み込めていない。いや、直ぐに呑み込めるはずも無い。

あの時のスターシャ女王の言葉の重さを考えれば、そんな事を出来るはずが無いのだから。

それなのに地球は……

 

「……それは一体、どういう事なのですか?アカシさん」

「今地球は…『波動砲艦隊構想』と云う名の元で、軍備増強計画を進行中です。」

「波動砲艦隊?」

「はい…。詳細はこの場では言えません。データの入ったUSBをお渡ししますので、ご自宅で確認してみて下さい。」

 

そう言うと、アカシは持参したカバンから一つのUSB端末を取り出しヤマトに渡した。

 

「これ、明らかに最高機密データですよね…?良いんですか?」

「土方司令から"内々で"許可は得ています。得てはいますが……公には公表されていない情報ですし、もし持ち出しが発覚すれば司令でも庇いきれない可能性があります…。なにせ計画のバックは…」

 

一呼吸置いてアカシがヤマトの耳元まで近づきささやきかける

 

芹沢参謀長なんです

 

芹沢参謀長…、本名を芹沢虎鉄(せりざわ こてつ)。国連宇宙軍、現地球連邦防衛軍宙将であり統括軍務局参謀長を務める軍のトップ2。

嘗てイズモ計画派である伊藤や新見をヤマトに送り込んだ男。後に沖田さんに話を聞いたときには、ガミラスとの戦端を開いた張本人でも有ったと云う。

 

「一体……なぜ…?」

「ガミラス戦争は、我々地球人類にとって初めての星間戦争でした。あの戦争の恐怖、戦争で得た教訓がこういった方向へ向かったのでは無いかとは考えています。」

「10年近い戦争で、失った人口は7割…。運よく地下に逃れることが出来た人々も、残り僅か1年と言う恐怖の中で生活してきたんですもんね…」

「半年前、ガミラスと和平を結び戦争は終結。国交を結び、今ではガミラス人が地球に来る機会も増えました。ただ、平和になったとは言え、軍の1部は未だに対ガミラスを想定しています。恐らく、この計画もその1部かと…」

 

人は植え付けられた恐怖を直ぐに拭う事は出来ない。

ましてや一度は地球人類を滅亡寸前まで追い込んだ相手を、そう易易とは信頼できない気持ちも判る。

 

「とはいえ、これではあまりにも…」

「えぇ。…ヤマトさん。そのファイルを見る際は覚悟をしておいて下さい。渡した私が言うのも何ですが、かなりショッキングな内容です。」

「わかりました…。」

 

この話を終えた後、少しの他愛もない話をしてからヤマトとアカシは解散した。

 

自宅に戻り、諸々の作業を終えたヤマトは、アカシから貰ったデータを閲覧する。

そこには、ヤマトの想像を遥かに超えるショッキングな内容が書かれていた。

 

「拡散…波動砲。…前衛武装宇宙艦娘"アンドロメダ"。時間、断層……。こんな、こんなのって…」

 

それは正に、戦後地球の抱えた"闇"とも言える部分だった。

進む新都の復興も、異様ともいえる好景気も、すべては"時間断層"なる未知の空間による物。

そしてその恩恵を与え繁栄を深める一方で、地球が進もうとしている道が、ヤマトに見えてきた。

 

「これではまるで…、"地球帝国"ではないですか!!」

 

ヤマト邸に、虚しく彼女の慟哭が響き渡る。

救った意味とは何だったのか、今の地球に良き未来が待っているのか、情報を閲覧した彼女は、それが分からなくなってしまっていた。




次回、宇宙艦これヤマト2199最終話
「変わりゆく世界」

その日、彼女は出会った。"もう一人の自分"に

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皆様お待たせ致しました。
と言うかお待たせしすぎましたね。
2018年から始まった本シリーズは次話で正式に完結します。
本当はもっと色々描きたかったのですが、収集付かなくなりそうなので断念しました。
次話投稿後からは、本腰を入れて2202に取り掛かるつもりではあります。
どうかお楽しみに。
それでは、良いお年を
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