宇宙艦これヤマト2199 人類最後の希望の艦隊の物語   作:コスモゼロ

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※前作の後書きでもお知らせしましたように、今回の話は、サイレント・レイ様から許可を得たコロニーの話です。違反報告はご遠慮ください。

波動砲は強すぎる…
それを知ったヤマトは、波動砲の使用を極力制限する。
元の航路に戻ろうとする中で、冥王星を叩くべきだという話が出てくる。


救出!国連宇宙軍残存艦!

「やるべきよ!」

 

イセがヤマトを制止する。

 

「落ち着きなさい、ヤマト。貴方の気持ちも分かるわ。でも、航海日程に余裕がないの。貴女が仲間の仇を打ちたい気持ちは本当に良く分かるわ。でも解って!」

 

すると、ソウリュウが通信をキャッチする。

 

「ヤマト、イセ、救難信号を捉えたよ。」

「救難信号?」

「識別は?」

 

「国連宇宙軍標準コード、艦名『アカシ』と推測」

「アカシ?アカシは、土星防衛戦で沈んだはずでしょ?ハルナやフブキとかと」

「そのはず、でも、間違い無くアカシ、だと思う…多分」

「場所は何処?ソウリュウ」

「え?いいの?ヤマト」

「えぇ。貴女達の立てた予定航路とも違うから」

「…………な、何か、凄いこと言われた気が」

「で、場所は?」

「ちょっと待って…………………………分かったわ。土星のコロニー、カムイ・コタン」

「うそでしょ!?」

「何で?イセ」

「貴女は知らないでしょうけど、彼処は甚大な被害を受けたコロニーなのよ!?そんな事は…」

「行ってみましょう。」

「でも」

「いいから、それを確かめてからまた話し合いましょう」

「…分かったわ」

 

ヤマトが指示を出す。

 

「全艦、進路変更!面舵60、土星コロニー、カムイ・コタンに向かいます!」

 

「了解!」

「了解!おも~か~じ」

 

カムイ・コタン

「こちらアカシ!こちらアカシ!地球、応答願います!地球、応答願います!」

「アカシさん、新型エンジンの製造、装着、完了しました。」

「ありがとう、ハルナ。この試製波動エンジンがあればガミラスと対等に戦える。」

「はい、アカシさんのお陰です。後は………」

「うん、運用するための電力だね。発電機を動かすにしても熱源反応で敵に察知される危険がある。ドックは一応回路から切りはずして使ったから問題はなかったみたいだけど……」

「お陰で全員の傷が治りましたね。」

「うん、あの時の戦いで沈んだ仲間も多いけど、助かった者も少ないながら居る事は確かだよ。」

 

すると、無線室の扉が開く

 

「アカシさん、ハルナさん。お昼御飯、出来ましたよ。ここに置いておきますね。」

「ありがとね、フブキ」

「ありがとう、フブキちゃん」

「いえ、そんな事は」

「フブキ」

「なんですか?アカシさん」

「皆は食べたの?」

「はい、幸いにも、このコロニーには、かなりの食料庫があるので、飢えは出ていません。」

「良かった…」

「えぇ、本当に」

「それでは」

「うん、ヤハギにコロニーの修理状況聞いといて」

「分かりました。失礼しました。」

 

フブキが置いていった食事を取っていると

 

「ふぅ、ねえハルナ」

「なんですか?」

「やっぱり美味しいね」

「はい」

「残存艦覚えてる?」

「はい、巡洋艦ヤハギ、戦艦ムツ、巡洋艦オオヨド、駆逐艦フブキ、駆逐艦ハマカゼ、駆逐艦アマツカゼ、私、工廠艦の貴女です。」

「そっか……、無線室出て久々に会いに行こっかな。」

「無線ならオオヨドさんの方が扱い上手ですし、たまには交代してもらいましょうか。」

「そうするかな」

 

そう言って席を立とうとしたとき、アカシがあることに気付いた。

 

「こ、、これは!!」

「?どうしたんですか?アカシさん」

「これ!聞いて!ハルナ!」

 

『こ…ら…ちゅ…所ぞ…宇ち…戦艦…繰り返…』

 

「アカシさん!オオヨドさんを!」

「解ってる!オオヨド!オオヨド!すぐに無線室に、なんなら全員来て!」

 

数十秒後、全員が息を切らせてやって来た。

 

「どうしたの?アカシ」

「オオヨド、出来る限り鮮明に聞き取れるように調節して!」

「分かったわ」

 

「OKよ」

 

『こちら…国連…軍所属…宇宙戦艦ヤマト…ますか…繰り返します……ちら国連宇宙…旗艦、宇宙…ヤマト、聞こえますか?応答願います。』

 

「こ、これは…」

「やりましたよ!アカシさん!」

「皆!助けが来たよ!」

 

〔ヤッターーーーーーー!!!助かったーーー!!〕

カムイ・コタンの皆が心から喜び、涙を流すものも居た。

ハルナもその一人だった。

 

「グスッ、アカシさん、や、やりましたよ、やっと、やっと助けが来たんです!」

「何をボケッとしてるのアカシ!バレても構わないから全力で答えなさい!私達は此処に居るって!」

「分かったわ。皆は発電機を廻していつでも出撃出来るようにして!波動エンジンを動かすよ!艤装に電気廻して!」

 

「「了解!」」

 

ヤマト

『此方、国連宇宙軍残存艦アカシ!私の他にも7人無事よ!ドックで傷も治してる!私達はカムイ・コタンに居るわ!』

「ヤマトです。分かりました!これから向かいます!待っていてください。」

 

「ヤマト、良かったわね」

「えぇ、本当に」

「泣いてるの?」

「嬉しいんです。」

「そっか」

 

「ソウリュウ、哨戒機出してくれる」

「ヤマト、泣きながら言わないでよ」

「御免なさい、お願いします。」

「分かったわ。攻撃隊は発進待機。ゼロ、発進!」

 

ソウリュウから初めて航空機が発艦する。嬉しそうな顔をしていた。

 

「両舷全速!カムイ・コタンへ急行します!」

「「了解」」

 

カムイ・コタン

 

『アカシ!発電完了、送電完了、動かせるよ!』

「分かりました、発進口で待機してください。」

『アカシは?』

「現在もヤマトとの交信中です。」

『分かったわ、ありがとう。』

「えぇ」

 

「ハルナ、後五分で到着するって!」

「分かりました、無線機を背負って発進準備を整えましょう!」

「分かったわ、急ごう」

 

五分後

 

「ヤマト、見えたわ、連絡入れて」

「此方ヤマト、皆さんを確認しました。」

『此方も確認したわ。』

「皆さん出れますか?」

『問題ないわ』

「分かりました。出て来てください。」

『了解』

 

すると、一人ずつ出てきた。

 

「ありがとう、ヤマト、気付いてくれて」

「私じゃありません。お礼はソウリュウにお願いします。」

「ソウリュウ、ありがとう。気付いてくれて」

「ううん、全然いいよ。ところで、あのコロニーどうする?」

「壊しましょう」

「何で?」

「恐らく、先ほどの影響で敵が確認しに来ます。」

「成る程。でも、砲撃じゃ無理だよ。」

「そうですね。」

「周辺にもうひとつあった」

「では、イセとソウリュウの試射はその二つのコロニーで行いましょう。」

「分かったわ」

「了解」

 

三分後

 

「お二人とも、どうですか?」

『発射準備完了』

『此方もOK』

「では、お願いします。」

『発射!』

『てー!』

 

二人が同時に波動砲を撃ち、二本の線が光る。すると、二つのコロニーは爆散して、砕け散った。

 

「凄い武器だよ!これならガミラスと対等に、いや、それ以上に戦えるよ!」

「アカシさん。これは無闇に使う武器じゃないんです。解って下さい。」

「あ、ごめんね」

「皆さんは自力で地球に戻れますか?」

「戻れるけど、私達は貴女達についていくよ」

「無理ですよ、ワープも出来ないのに」

「あら、できるわよ?」

「へ?」

「アカシが作ったこの波動エンジンならな」

「どういう、事です?」

「土星防衛戦の三ヶ月前に、波動エンジンの完成を知ったからね。作ってみたんだ、コアごと」

「な、成る程」

『いいんじゃない?」

『仲間が増えるのは有りがたいよ」

「いつの間に帰ってきてたんです?」

「ついさっき」

 

すると、イセが急に

「はい、これ」

「これは…」

「貴女専用の国連宇宙軍の制帽よ」

「何で急に」

「忘れてたわ」

「え、」

「それ、なんだか特殊機能付いてるみたいよ、わからないけど」

「ありがとう、イセ」

「それじゃあ、いきましょ」

「はい。予定の航路に復帰します!全艦取り舵60、反…」

ズドン!

 

ヤマトを謎の衝撃が襲った。

 




次回、宇宙艦これヤマト2199第二章第四話「エンケラドゥスの救難信号」
人類滅亡まで、後、354日

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