罪の向こう、愛の絆シリーズ 【続・六花の森】   作:千野 伊織

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◆今回(10)の登場人物は、ゼツ(黒)、トビ(=うちはオビト)、ペイン、小南、砂隠れの技術者(o.c)。

六花とトビ、二人の任務は砂隠れの里が秘密裏に開発しているあるものの情報を盗み、金脈を築くこと。
果たして二人の任務は成功するのか?

そして任務を終え、暁のアジトに戻って来た六花とトビ。

次の任務は耳を疑うような事でした。
六花に突きつけられる厳しい選択!!


続・六花の森(10)~六花とトビのコンビ。最後の任務

 

薄暗い店内では、着飾った女に挟まれた男性客たちが各ソファ席に座り、酒を飲みながら談笑している。

六花はその中で、ある男と二人きりで座り、男のためにウィスキーの水割りを作っている。

「なぁキラリ、今夜こそ、いいだろう?気持を確認してからもう二週間経つよ」

「でも貴方には奥様がいらっしゃるし…駄目よ。それに貴方の地位をおびやかす様なことしたくない…だって私、本気で貴方のこと愛してるから」

「キラリ・・・僕も君のこと本気で愛してる。僕たちの出会いは運命だ!」

「ありがとう・・・」

六花は優しく微笑み、男の目の前に水割りをそっと置いた。

 

・・・・・・

「・・・ああ。寝ていたよ。ごめん」

六花の幻術にかけられていたとも知らない男が、六花の隣りで目を覚ました。

「ううん。とっても気持ち良かったから私も少し寝てた。ふふっ」

ベッドの中、下着姿の六花は上半身裸の男に抱き着つくと、男の腕を枕にして男の顔を見た。そして上目遣いで甘えるように言う。

「あの計画、まだ終わらないの?あとどれくらいかかる?早くゆっくり会えるようになりたいなぁ」

「尾獣兵器のことか…あれはまだ一年以上はかかりそうだよ。技術者が足りないんだ。だが僕たちが開発した尾獣のチャクラを抽出する技術が有れば、兵器に転用することは可能だ。これが成功すれば僕も主任から上官に昇進できる…そうしたら妻とも別れる。キラリ、結婚しよう」

男も六花の顔を覗き込み、笑顔で答えた。そして六花は、さりげなく質問を続ける。

「うん!待ってる…でも今はこうやって、こっそりでも貴方と抱き合えていれば幸せ…。ねぇ、その技術者って今は何人位なの?」

「今は八人だよ。あと二人は最低でも欲しいんだが…技術者不足で計画が遅れていることに風影も怒っててね。来週、火の国で目星をつけている技術者を誘拐して来るらしい」

「そっか…ちょっと怖いね。でも開発ってすごくお金がかかるんでしょう?お金ってどうなっているの?だってうち(風の国)って資源も少ないし…」

「これは極秘なんだけどね、隣国の川の国が小国なのを良い事に、国境沿いの資源地帯で発掘してそれを売りさばいているらしい。まぁその金は、風の国民全員の生活の役にも立ってるわけだけど」

「じゃあ私も風影様に感謝しなきゃ。暮らしに困らないこと、そしてこんな素敵な貴方に出会えたことに・・・ねぇ、もう一回、しよう?」

「ああ・・・キラリ、愛してるよ」

 

ガチャッ。バタンッ!!

 

二人の唇が触れそうになった瞬間、突然部屋の扉が勢いよく開いた。

「ヨモギ主任!ご無事ですか⁉」

猫の面をつけた男を先頭に、砂隠れの忍が五人なだれ込んできた。

「なっ、何事だ⁉」

「その女は土の国のスパイです!情報を得た後アナタを殺害するつもりです!」

猫の面をつけた男がそう言うと、五人の忍が六花をベッドから引きずり出した。

六花は舌打ちをし、顔を歪めて悔しがっている。

「直ぐにその女を牢にぶち込め!」

猫の面の男がそう言うと、五人は嫌がる六花を連れて部屋から出て行こうとしたが、そこで六花が猫の面の男に向かって叫んだ。

「フン!オレを殺したところで、もうその男から聞き出した尾獣兵器の情報は電信の術で仲間に伝えたぞ。遅かったなぁ!!」

そう言い、髪を振り乱し暴れる六花を五人の忍は無理やり引っ張り、牢へと連れて行ってしまった。

面の男は六花の言葉を無視し、ベッドで放心状態のヨモギに歩み寄った。

「大丈夫ですか?お怪我などはありませんか?」

「・・・あ、ああ大丈夫だ・・・」

それを聞くと面の男は窓辺に立ち、おもむろに窓枠にもたれると腕を組み、話し始める。

「はぁ・・・しかし参ったなぁ。アナタ、あの女に情報を洩らしたんですか?」

「いや、それは!確かに少し話をしたが核心は教えてない!問題無いレベルだ!」

ヨモギは身体を起こし、両手を振りながら必死で男に向かって訴えた。しかし男は更に畳みかける。

「それはどうでしょうね・・・第一、アナタが土の国の女スパイに騙され、ベッドを共にした時点で刑罰の対象です。主任の役職は勿論、下忍にまで格下げされて一生奴隷同然で働かせることになるでしょう。いや、今の風影様は冷酷なお方だ。即死刑かもしれない」

「・・・くそっ!!なんでこんな事にっ・・・!!」

ヨモギは目を固くつぶり、両手の拳をベッドに叩きつけでうな垂れた。

「・・・今、アナタがスパイに騙された事を知っているのは、私たちだけです」

「頼む!!誰にも言わないでくれ!!頼む!!」

ヨモギは顔を赤くして必死に男に向かって頭を何度も下げた。

「アナタは優秀な技術者だ。いまアナタに居なくなられては尾獣兵器の開発も遅れてしまう。…解りました。誰にも言いません。しかし!タダではお受けできませんよ?こちらのお願いも聞いて戴かないと…」

男はそう言うと、ベッドに近づいてしゃがむんでヨモギの顔を見上げる。するとヨモギは布団を剥ぎ、男に向かって土下座をした。

「解った!!なんでも言うことを聞く!」

男は猫の面の下でフフッと笑うと、立ち上がり、今度はヨモギを見下す。

「尾獣兵器の開発には潤沢な資金があるようですね・・・それを、我々にも少し回して頂けませんか?」

「⁉・・・お、横領しろと言うのか⁉そんなこと・・・」

「スパイに騙され情報漏えいをした罪と、横領の罪、どちらが重いでしょうかね…?」

「…わ、解った!!言う事を聞く、だから、頼む!スパイの件は黙っててくれ!!」

「はい。我々は金さえ手に入ればそれでいいので…ヨモギ主任、くれぐれも頼みましたよ?・・・」

 

 

 

ガチャン・・・キィィィ・・・

 

「あーあ。せっかく寸劇に出演してくれた礼に、砂の忍どもを楽しませてやろうと思ったのに・・・お前のほうが随分楽しんでたみたいだな」

そう言うと、トビ(オビト)は猫の面の顎を撫でた。

牢の中では、後ろ手にされ手錠を鎖で繋がれた六花が地べたに座り、血の気の引いた青い顔でうな垂れて居る。

そしてその周りには、先ほどの五人の忍たちが血を流して倒れている。

 

【挿絵表示】

 

トビが死体を跨いで六花のもとへ歩み寄ろうとすると、目の前に身体を大きく広げたゼツが立ちはだかった。

「それ以上、六花に近づくな」

「フン!そんな薄汚い女に手など出さん。全く、“下僕”に忠実な“主”の番犬とは笑わせるな…ほら、早く服を着ろ。帰るぞ」

トビはそう言うとゼツに向かって六花の服を投げ、ゼツはそれを受け取った。

「ヨモギから得た情報は、ペインに報告する前に俺に教えろ」

「・・・解った」

六花はうな垂れたまま小さな声で返事をすると、トビは先に部屋を出て行った。

「ゼツ・・・やり過ぎよ・・・」

六花は開錠術で手錠を外しながらゼツに向かって言った。

「何言ってんの?六花が甘すぎるんだ。アイツ(トビ)が幻術で六花を襲わせてるって判った時点で本気で倒しに行くべきだった。ていうか、“今すぐ”アイツを殺してやりたいよ」

「私なら殺さずに気絶させるだけで済ませられたわ!殺す必要は無いでしょ⁉」

「うるさい!いいから早く服を着るんだ!」

「・・・・。」

 

 

「ご苦労だったな、六花、トビ・・・」

「いや~相変わらず六花さんのエッチな幻術とお芝居すんごく上手で僕、ホント感動しちゃいましたぁ!それに砂の上忍と中忍五人を一瞬で倒しちゃうんだもん。凄いですよ!」

オビトは腰を屈めてわざとらしく六花のことを褒めて拍手をした。

いま、六花とトビ(オビト)は暁のアジトに戻り、椅子に座るリーダーのペインとその隣に座る小南の二人の前に立って居る。

「トビ、静かにしなさい…六花、あなたは工作員としての働きも素晴らしいけど、戦闘能力も高い。常々言っているけれど、正式に暁のメンバーになってはどう?」

小南は、はしゃぐトビを諫めると六花に向かって言った。そしてペインもそれに続ける。

「今回の任務成功により、長期的に相当な額の金を風の国から得られるようになる。そして、砂隠れの尾獣兵器についての情報を対立している土の国に売れば莫大な金になる。今回の成果は暁の正式メンバーとして相応しい働きだ。正式なメンバーになれば、同じく正式なメンバーと組める。そうすれば今後の任務も更にやりやすくなるだろう。お前にとっても悪い話ではないと思うが…?」

六花は俯き気味に話を聞いていたが、ペインが話し終わると顔を上げた。

そして真っ直ぐペインを見ると、ゆっくりと瞬きをしてから答える。

「断る。何度も言っているがオレはメンバーになる気は無い・・・わざわざここに戻って来てやったんだ。さっさと次の任務の話をしてくれ」

その言葉を聞くとペインは顔の前で手を組み、小さく溜息を吐いて目を閉じた。そして言う。

「…そうか…残念だな。次の任務は、お前と縁の深い者を連れて来てもらう任務だ…詳しくは隣のトビに訊け…あとは任せたぞ」

ペインはそう言うと立ち上がった。

「ちょっと待ってくれ!ちゃんと説明しろ!コイツから聞けってどういうことだ⁉」

「・・・“うちはマダラ”の指示の元に動けということだ。」

「・・・!」

「・・・健闘を祈るわ」

そう言うと小南も立ち上がり、ペインと二人一緒に姿を消してしまった。

 

「ちょっと、どういう事⁉いったい私に何をさせるつもり⁉」

「こういうことだ」

「!!?」

六花はトビをまくし立てたが、トビの右目を見たとたん、直ぐにその場にうずくまってしまった。

「・・・何?・・・今のは・・・?」

六花はトビに幻術を見せられた。

一瞬、血の海を見た気がしたが死体は見えなかった。

「新たにメンバーに加える男を、迎えに行くのだ」

「私はメンバーの勧誘にも無関係の約束の筈よ・・・それに今の幻術、いったい何をするつもり?」

「無血で終わらせたいのなら、もう一度選ばせてやろう…お前が暁の正式なメンバーになるか、それとも自分の代わりの人間を共に迎えに行くか…どうする?」

六花は困惑し、俯いて瞬きをする。

どんなことがあっても、オビトの思惑で動かされているこの犯罪組織“暁”の正式なメンバーになる気は無い。

自分が加入しなくとも、これまでにもう何名か加入しており、この先新たに勧誘するメンバーも既に決まっている。

しかし、“自分の代わりに”という言葉が引っかかる。どういう事なのか?

「六花…」

「おっと、番犬は黙ってろよ。俺はコイツに訊いているんだ…さあどうする?」

いつもの様にゼツか六花の左肩に載り言葉を発しようとしたが、トビはそれを制止し、六花に詰め寄る。

すると六花は顔を上げ、揺るがない瞳で真っ直ぐトビを見て言う。

「暁のメンバーになるつもりは無い。その意思はこれからも変わらない」

「…フン。まったく頑固だな。まぁいい。これから迎えるメンバーが加われば、お前など用無しだろうしな…いや、娼婦を演じられる奴は他に居ないか?ははは。

お前がメンバーになりたくない理由は人柱力を殺して尾獣を奪うのが嫌だからだろ?自分の手を汚したくないだけの卑怯者め」

 

『…男は女に支配される為に生きている存在…あなたが手を汚す必要は無い。すべてオビトに任せておきなさい。あなたは現実を受け止め、その結果を淡々と待っていればいいのよ、芙蓉…』

 

六花が言葉を発しようと口を開いたと同時に、六花の頭にヒミコの言葉が思い浮かんだ。

六花もう一度口を閉じ、トビに向かってそっと微笑んで見せた。そして、答える。

「そうね…私は卑怯者だわ。汚いことはあなたに全て押し付けてる…ごめんなさい。でも、私に出来る事ならば、何でもする…」

「・・・。新しいメンバーになる男は、うちは一族だ。名は『うちはイタチ』。イタチとは既に接触し、暁に加入する意思も確認済みだ」

六花はそれを聞いても驚きもせず、真顔で頷いた。

しかし内心では驚き、心が痛んだ。

オビトに続いてまたも、うちは一族…

その事もだが、愛する木ノ葉の里の仲間のひとりが暁に加わる事に胸が痛む。

一瞬だけ、自分がメンバーに加わらない事への罪悪感が頭によぎり、それを追うように六花は目線を逸らした。

 

「三日後の夜十一時、旧うちは領地に在る檜枝岐神社に来い。作戦はそこで説明する」

「…作戦?どうしてメンバーを迎えに行くだけなのに作戦があるの?」

六花は怪訝な顔でトビに問うた。

・・・チッ。コイツ、いつも勘だけはいいな・・・

トビは六花の事を完全に舐めているため、言葉を選ぶのを忘れ、心の中で舌打ちをした。

「まぁ、イタチはそれだけ一筋縄にはいかない人物だということだ…」

そう言うとトビはその場から姿を消した。

「ちょっと待って!・・・・・・はぁ・・・」

六花が眉を寄せて大きく溜息を吐くと、それまでトビの言動を黙って観察していたゼツが口を開く。

「六花、アイツの言うことは聞かなくていい」

「え?・・・」

「僕の半身の黒ゼツの報告だと“オビト”は、うちは一族を皆殺しにするつもりだよ」

「なんですって⁉なぜ⁉だってオビト君もうちは一族なのに…!!」

六花はそう言うと、驚いて開いた口のままゼツを凝視する。

「オビトは完全に“うちはマダラ”になりきるつもりなんだ。芙蓉である君が知っている通り、マダラはうちは一族に失望し里を後にした。マダラが死ぬ前、その経緯もオビトに話して聞かせたんだ。

現在、うちは一族の存在は二代目火影の政策を受継いだ志村ダンゾウにより必要以上に危険視されている…今、そのことで迫害されているうちは一族により里は危機にあり、うちは一族もまた取り潰しにされる危機に直面してる。

里の中でまさに戦争勃発の構図が出来上がってるのさ。そんなうちは一族と木ノ葉の里に、あの時マダラの忠告を聞かなかったことを今こそ“思い知らせる”気なんだよ」

六花は話を聞き終わると、ゆっくりと顔を正面に向け、悲しい顔になり目を細めた。

あの時のマダラとの会話で、自分がマダラに問うた言葉を思い出す。

 

『…腹癒せ…ですか?うちは一族を差別し、マダラさまの忠告を聞かなかったことへの…』

 

「・・・やっぱりマダラさまは、ずっと木ノ葉の里とうちは一族を、恨んでいたの・・・?」

「あれ?気付かなかったの?うっそぉーマジで」

「軽いわね・・・兎に角オビト君を止めないと」

ゼツは肩から六花の胸の谷間に移り、六花を見上げて言う。

「マダラの意思を潰す気?今回は黙って目をつぶってな。おそらくオビトは六花にうちは一族抹殺の手伝いをさせる気だ。アイツはこの数年で六花がマダラを愛してることに気付いてる。その事が腹立たしいんだよ。自分はリンを失ってるからね。だから六花は暫く木ノ葉には帰らないで。解った?」

「・・・・待って。なにか引っかかる・・・」

六花は胸の前で掌を組み、その上に顎を載せて考え始めた。六花の両腕で寄せられた胸の谷間でゼツが潰される。

「…三週間前、オビトは私に『九尾を最後にする約束を守るかはお前の働き次第だ』って言った。それにペインと小南の二人から、今までになく強く正規メンバーに勧誘され、断ったら初めて『残念だ』って言われた…

きっとオビトにとって、イタチが加入する今、正規メンバーとしてオビトに協力しない私はもう用済みなんだわ。

…だからもしかして、うちは一族の混乱に乗じて九尾を回収し、再び九尾で里を襲わせる気なのかもしれない!!」

「もういいって!それ以上考えなくて。うちは一族抹殺はマダラの意思…でもそこに下手にオビトの私情が入ってるから厄介なんだよ…六花はもうこれ以上関わらない、考えない。以上、終わり!さっ、行くよ。宿を探さなきゃ」

しかし、六花は俯き考え込んだまま動かない。

「ゼツ・・・」

「なぁに?さっ、行こう。話は歩きながら聞くから」

「あなたがこれまで私に全てを教えてこなかったのは、私のことを気遣ってくれてきたからよね・・・ありがとう。」

「どうしたのさ、急に」

六花はゆっくりと顔を上げると、強い意志を宿した眼差しで正面を見据える。

その視線は真っ直ぐ、揺らぐこと無く、決意の先を見つめている。

 

「私・・・ナルトくんを、守る」

「もういい加減に母親ごっこはやめろよ!ナルトを救いたい気持ちは解る。でも人柱力はナルトだけじゃない。情に流されて命を捨てるなんて、そんな馬鹿げたこと僕がさせやしないからな!」

しかし六花は尚も真っ直ぐ、正面を見据えている。そして表情を変えることなく言う。

「大丈夫よ。輪廻転生の術は使わないから…だけど、オビトにはナルトくんに指一本触れさせない…お願い、力を貸して、ゼツ…」

「貸すわけないだろ」

「なら・・・・私が、マダラさまを蘇らせるわ」

「⁉」

「私ね、マダラさまが柱間さまの次に手を取り合う相手は、ナルトくんだって信じてるの。でもそれはきっと一筋縄にはいかないと思う。柱間さまとのように争いが続くかもしれない。でもね、絶対、マダラさまなら大丈夫だから・・・それに、ナルトくんも」

「六花!ちょっ」

「ゼツ、今まで本当にありがとう。守ってくれて・・・そして愛してくれて」

「ちょっと待てって!分かった、オビトを止めてナルトを守るのに協力するよ。その代わり、マダラからでっかいお仕置きされても知らないからねっ」

その言葉を聞き、六花は胸の谷間のゼツを見てクスッと笑う。

その眼にはうっすらと涙が滲んでいた。そして言う。

「また池に突き飛ばされて、裸にされて首輪と手錠で繋がれて、一晩放置されるかな?それとも今度こそ殺されるかな?フフフッ」

「笑って言うことかよ!って・・・君、芙蓉に戻る前の記憶、思い出してたの⁉」

「うん、全部じゃないと思うけどね」

「六花・・・」

ゼツは涙ぐみつつニコニコしながら自分を見ている六花の顔を見上げて、考える。

・・・仕方ない、計画変更だ。長門に輪廻転生の術を使わせ、尾獣はマダラ自身に回収させるか…六花だけは絶対に死なせない。六花は再び母さんの器になれる人間、それに何より・・・

 

 

つづく

 

 

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