罪の向こう、愛の絆シリーズ 【続・六花の森】 作:千野 伊織
六花が木ノ葉の里に来て五ヶ月近くが過ぎたある日。
カカシとリンは任務を命じられ、ミナトの同伴無しで里を出ます。
六花は不安に思い二人を探します。
しかし、そこで事件が・・・。
遂にマダラの思惑通り、オビトは”うちはマダラ”を受継ぐことになります。
そして六花はマダラの最後に立ち会った後、オビトに着いて行こうとしますが・・・
※原作の場面を引用しています。
桜が散り、気温が高い日が続いている。
多くの人が行き交い陽炎が立つ、里の大通りの風景がまぶしい。
しかし、建物の軒先で手拭を頭から被って顔を隠し、その光景を眺めている六花の表情は暗かった。
四ヵ月前、年が明けて間もなく、六花はあの蕎麦屋を辞めた。
大晦日の前日にミナトが再びクシナと、そしてカカシとリンを連れて店に蕎麦を食べに来てくれた。きっとミナトが抱く疑惑は晴れてはいないだろうが、カカシとリンを連れて来てくれたことで、疑惑は深まっていない事を確認できて安堵した。そして、大晦日の営業が終わった後、キネタから求婚された。その二つを理由に、六花はようやく店を辞めることが出来たのだった。
それから今日まで、昼間は寂しい時間を過ごし、夜は悍ましい営みに耐える日々だった。
そして、ヒミコとは数ヶ月会っていない。
どうやら満月の日であっても、曇りや雨で月が隠れている時は現れることが出来ないようで、会えない時が続き寂しかった。
しかし、六花は只ぼうっとしていたわけでは無い。
六花は、木ノ葉の忍の動きを偵察し、常に忍界の情勢について把握するようにしていた。
六花の暗い表情の理由…それは昨日知った、カカシとリンの任務についてだった。
現在、ミナトは数名の忍を連れて二日前から別の任務で里を不在にしている。
そこへカカシを隊長とした三人一組の班が作られ、火影から任務を任される事になった。任務の内容は、霧隠れの忍が湯の里に侵入して不穏な動きをしている件についての調査だ。戦争は終息したものの未だに各地で火の粉はくすぶっており、木ノ葉の里の忍たちにとって、その火消しが重要な任務になっていた。
カカシはあの日、オビトから写輪眼を譲り受けた事により新術を完成させることができ、精神面でも成長し、それから幾つも難しい任務をこなしていた。
しかし、そこには毎回ミナトの姿があった。
今回はミナトが居ない初めての任務である。
成長したカカシと、同じく医療忍者として更に成長しているリンならば、きっとうまくやってくれるだろう。
しかし、六花は言い知れぬ不安を感じていた。
そこに、自分の仕組んだ事でオビト、カカシ、リンに傷を負わせてしまった罪の意識も加わり、助けてやらねばという気持ちが更に不安を助長させていた。だが今の自分の立場を考えると、下手に手を出して事態を悪化させては元も子も失う。
色々と省みて、六花は黙って二人を見送ることに決めたのだが、やはり不安な気持ちと何も出来ないもどかしさで表情は暗くなってゆくのである。
そして、六花の表情を暗くさせるもう一つの理由…
それは勿論、マダラのことである。
ゼツはどうやらアジトを出入りできるらしく、時々アジトに戻って来てはマダラの様子を伝えてくれるのだが、なんと、マダラはまだ生きているというのだ。
嬉しい反面、何か問題でもあったのだろうか、マダラは一体何を考えていて、どうするつもりなのだろうかと心配になる。
しかしその心配はマダラの死を願うようでもあり、やり切れない気持になる。
今すぐにでもマダラの元へ飛んでゆきたい。
しかしそれは出来ないし、マダラが望むことでは無いだろう。
六花は空を見上げた。空は、白い雲が浮かぶ薄い青空だった。
・・・同じ空の下に居るのに、なぜ会えないの?・・・
◆
・・・身体が…馴染んできてる…もう少し…もう少しで会えるぞ…リン!カカシ!・・・
「ねぇ!さっき外行ってきたんだけど、君の言ってたリンとバカカシっていうのがヤバイよ!!」
「!!何があった⁉」
岩壁から出て来た白ゼツの言葉に、オビトは飛び起きた。
「二人きりで霧隠れの忍達に囲まれてる!!」
それを聞いてオビトは寝台から飛び降り、入り口を塞ぐ一枚岩に向かって走って行った。
ダッダダダダダッ・・・・・ガッ!!!
そして思い切り右腕で岩を殴った。しかし。
ズリュッ!!
「ぐあっ!!・・・・」
オビトの右腕は千切れそうになり、かろうじて肩にくっついたまま床に落ちた。
白ゼツはオビトに駆け寄った。
「その身体じゃ岩は壊せやしないよ」
「ぐっ…リンとカカシを…助けに行かなきゃ…!!」
「僕の体を着るといいよ」
すると白ゼツは顔面から身体を蔦状に広げると、オビトの身体にまとわりつき、そのまま身体を包み込んでゆく。
「…お前ら…マダラの部下だろ…いいのか?」
するともう一人の白ゼツが壁から現れ、答える。
「その子は…良い子だ」「リンとカカシを助けたいんでしょ?」
「…ありがとうお前ら!!」
◆
ダダダダダダッ・・・・
六花は急いでいた。
数ヶ月ぶりに戦闘服を身に纏い、夕方の曇天のもと、六花は春の野をひたすら走っている。
「ねぇ、僕の言うことを聞かないでこんな事して、後でどうなるか解ってる?」
「そんなこと言いながら、ちゃんと一緒に来てくれてるくせに」
「無駄足だと思うよ?大丈夫だってあの二人なら。ねぇ、今引き返すなら許してあげても良いよぉ?」
「うん。そう思うけど、どうしても胸騒ぎが止まらないの…この眼でしっかり見ないと!」
「ハァ~」
「あ!リンちゃんとカカシ君を見つけたわ!」
「うん、無事みたいだね。さ、帰ろ?」
「…⁉ ねぇ、リンちゃんのチャクラがおかしいわ!このチャクラどこかで…あっ!」
「カカシ!直ぐに私を殺して!私は利用されている…霧隠れの忍に三尾を身体の中に入れられた…このままじゃ木ノ葉を襲うかもしれないの!」
・・・そう、尾獣だわ!九尾と同じ!!・・・
六花はリンの言葉を聞き、心の中で叫んだ。そして、敵が三尾をリンの中に入れることにより木ノ葉の里で暴走させようという事を直ぐに察した。それが分かった以上、直ぐに二人に接触するのは危険だ。
六花は焦りを何とか抑えつつ、霧で煙る森の中、二人と並走する。
「オビトにお前を守るって約束した!そんな事は絶対に出来ない。何か必ず別の方法があるはずだ!…」
「…私の万華鏡写輪眼なら、マダラさまが九尾を操ったように三尾を操れるはず!!…」
「…うん。でも一度人柱力になった人間は尾獣を抜かれたら死ぬよ…」
「…そんな!!じゃあどうしたら・・・・・⁉…」
ビュンビュン・・・ガン!ガン!
リンとカカシを追う霧隠れの忍が二人を攻撃した。
「このままじゃ二人が敵に捕らわれてしまう!」
…シュ!…シュ!
六花は刀を抜いて霧に身を紛らせると、後方からリンとカカシを狙う敵二人を写輪眼で動きを止め、静かに息の根を止めた。
しかし、もう二人、敵が横をすり抜けリンとカカシに近づいてゆく。六花はその敵二人を追う。
ダダダダダッ・・・・ザッ!
ザッザッザッザッ・・・・ザザッ!
『!!?』
“二人”の眼に同時に映ったのは、信じられない光景だった。
カカシの右腕が、リンの心臓を貫いていた。
「・・・嫌っ・・・」
六花は両手で顔を覆った。
ブワッ!ザシュッ!!グサァッ!!
ゼツが体のかたちを変え、後ろから六花を切りつけて来た霧隠れの忍からガードし、そして体を尖らせ突き刺して倒した。
「六花!ぼうっとしないで!早くここから離れるんだ!早く!!」
「・・・っ!」
六花は急いでその場を走り去った。
ハァハァハァハァ・・・
六花は河原に出ると、石の上に両手をついて肩で大きく息をしている。ボタボタと汗と涙が入り混じった大粒の雫が河原の石に滴り落ちてゆく。
「…リンちゃん…カカシ君…私が…私が最初から着いて行っていればこんな事には…」
「今回は全く六花に責任なんて無いじゃん!まぁ僕が止めたのに言うこと聞かずに来ちゃったからこんな場面見る事になちゃったけどねぇ。さ、少し休んだら家に帰ろう」
・・・あーあ。あれを見せない為に、せっかく六花をアジトから遠ざけておいたのに・・・
ゼツは心の中で大きく溜息を吐いた。
そして六花はゆっくりと顔を上げる。
目の前の河の川面にはキラキラと揺れる水溜りが出来ていた。
フッと空を見上げると今宵は満月で、辺りは煌々と月明りで照らされている。
「…満…月…」
・・・ザッザッザッ・・・
「⁉」
音の方を見ると、黒いマントを身に纏った人影が走っている姿が見えた。感知をしてみるとそれはオビトだった。
「オビト君だわ⁉どうしてこんな所に⁉」
そう呟き終わる前に六花は立ち上がり、オビトの後を追って走り出した。
◆
「この世の因果を・・・断ち切る。その為に戻ってきた。」
オビトは二度と戻ることは無いと思っていたマダラのアジトに再び戻って来た。
そして、マダラと距離を取って対峙している。
「フッ・・・誰にも見られてはいないだろうな?」
マダラの問いに白ゼツが答える。
「見てたのは僕だけ。オビト…敵を皆殺しにしちゃったから大丈夫。ただ、カカシだけは殺す気なかったみたい。でもカカシは何も見て無いよ…木ノ葉の増援が来た時『誰が敵を⁉』ってわめいてたし…」
「・・・かつての仲間だけに未練があったか・・・?」
「違う…どうでも良かっただけだ。この世にアイツが生きていようが死んでいようがもうどうでもいい…これから創る世界にカカシは居る…リンも!…俺に、夢の創り方を教えてくれ…マダラ」
オビトのその言葉を聞くと、マダラは得も言われぬ顔でニヤリとした。
「もう礼は要らん・・・こっちへ来い・・・今日からお前が救世主だ」
・・・・・・・
「…この黒い棒は俺の意思をカタチにして作ったものだ。これは六道の術の時に使え」
オビトはその黒い棒をマダラからしっかりと受け取った。
そして、マダラに背を向け出口へと歩いてゆく。
・・・ブチブチブチッ!
その音に、オビトはマダラの方へ振り返った。
すると、マダラは魔像と繋がっていた蔦を切っていた。
そして苦しそうな目と荒い息でオビトを見据えて言う。
「…さあ動け…俺が復活する…までの間…お前が…うちはマダラだ…」
オビトは頷き、また前を向いて出口に向かって走って行った。
「…いつまで…隠れてる…気だ…六花…」
その声と同時に六花が入り口の岩の影から飛び出し、マダラに駆け寄った。
「マダラ様っ!!!」
「…本当に…世話の焼ける…奴だ…お前は…」
「ホントだよ~せっかくここから遠ざけといたのにさ、自分の足でここまで来ちゃったんだよ?六花ったら。」
ゼツが六花の左肩に載ってマダラに言った。
「…六花…見ていた通りだ…俺が復活…するまで…オビトを…手助けしろ…」
「は、はい!!・・・・マダラ様!マダラ様!!?」
「だーかーらー焦り過ぎだって六花~。予定通りなんだからさぁ~」
「…フンッ…」
マダラは僅かに笑うと六花を抱き締めた。六花もマダラをギュッと抱き締める。
しかし、徐々にマダラの腕の力は抜け、心臓の鼓動は小さくなってゆく。それに反比例して六花の腕にはますます力がこもり、鼓動は速くなってゆく…
遂にマダラの力は全て抜け、マダラの全体重が六花に圧し掛かった。
六花は、しっかりとマダラの身体を受け止め、最後にもう一度ギュッと抱き締めた。
そしてマダラの身体をゆっくりと地面に寝かせると、その顔を覗き込む。
「…待ってる…待ってるから…あなたが…皆と一緒に世界を救うのを…ずっと!」
六花はマダラの両頬を優しく両手で包み込むと、そっと口づけをした。
「待って」
その声に、オビトはゆっくりと振り返った。
その右目には、万華鏡写輪眼が浮かんでいる。
・・・万華鏡写輪眼…やっぱり、オビト君はさっきの場面を見ていたのね・・・
「・・・アンタは、確か・・・俺に何の用だ?」
目の前に居るオビトは、以前自分を介抱してくれた元気で優しいオビトとは、まったくの別人だった。
その事に六花は胸が苦しくなり、思わず俯く。そしてまた、ゆっくりと顔を上げた。
「その眼…アンタもうちは一族か?」
「私は、うちはマダラの・・・下僕です。六花と申します。」
「・・・・」
「本当のうちはマダラが復活するまでの間、あなたの手助けをしろと命令されています。これから私も、あなたと行動を共にします。」
「必要ない。邪魔だ消えろ!」
ビュウゥゥ・・・・
先ほどまで吹いていなかった、湿気を帯びた風が吹き抜けてゆく。
月はもう随分と高く昇っていた。
「でも・・・」
「邪魔するなら、お前を殺す!」
「・・・!」
六花は少し怯えた顔になり、目を泳がせた。
すると、肩に載るゼツが口を開く。
「六花、帰ろう。いいよ、こんなガキに着いて行かなくて。必要な時だけ手を貸してやればいい」
「・・・お前は、黒ゼツ?」
「あぁ、さっきマダラが白ゼツの半身にくっ付けてた黒いやつの本体が僕ね。あっち分身だから」
「お前らが誰なんてどうでもいい。俺に構うな!消えろ!」
「言われなくたって消えてやるよ。でも言っとくけど、お前に六花は殺せやしないよ。ううん、殺させない。絶対にね・・・それがマダラの意思だから。」
「ゼツ・・・」
「ほら六花、家に帰るよ」
その言葉に、六花は静かに頷いた。
そして悲しそうな目でもう一度オビトを見て言う。
「私は木ノ葉の里に居ます。必要な時は黒ゼツを使って連絡を下さい。では・・・」
そう言うと六花はオビトの前から姿を消した。
「・・・・」
オビトは少しだけ何かを考えた後、また直ぐに歩き出した。
◆
今日中に木ノ葉の里まで帰ることは諦め、六花は野営をする事にした。
薪を焚き、暖と灯りを取る。しかし今宵の月光は強く、それでも当たりの月明りは薄れない。
満月を見上げると、先ほどのマダラの死の悲しみが急激に込み上げてきて、そのまま涙になって目から溢れ出た。
またきっと、会える。
しかし、今度こそもう、マダラはこの世に居ない…幻術では無い。
初めて二人が結ばれたあの夜も満月だった…
そして夫婦の契りを交わしたあの夜も満月だった…
月はいつも、例えふたりが遠く離れていても、同じく照らしてくれていた。
しかし、今はもう、マダラは居ない。
「やっぱり人が死ぬのは辛いわよね。予定通りだとしても」
その声に六花は顔を正面に向けた。
カグヤがゆっくりと歩み寄り、六花の隣りに座った。炎に照らされている体の部分だけ、透けている。
「・・・ヒミコさん・・・あっ!でもゼツが!」
「大丈夫よ。私が現れる時はゼツを眠らせてあるから。それより、大変だったわね。今日、も」
そう言ってヒミコは拭えるはずもない六花の涙を人差し指で優しく拭ってくれた。
「今日も?・・・ああ、ええ・・・」
六花はハンカチを取り出して涙を拭いながら、少し苦笑して答えた。
「あなたは男に尽くし過ぎよ。ゼツのことも甘やかし過ぎ。まぁでも、それがあなたの男の操り方なんだろうし、それもアリなのかしら?」
「操るなんて!私はただ・・・」
「愛してるだけ?夫が居るのに?ふふっ」
六花は眉間を寄せ苦しい表情になって俯いた。返す言葉など無い。
「ごめんごめん、意地悪言って。あなたを責めたりなんかしないわ。男なんて女を抱くことでしか愛を確認できない下等な生き物よ?それに比べて女は心を捧げる崇高な生き物…一方、常に男の愛情を確認しないと安心できない脆さもある」
六花は顔を上げて、不思議そうな顔でヒミコを見た。前回のヒミコの発言に対し矛盾を感じる。ヒミコも自分の弱さを自覚しているのだろうか?
ヒミコは微笑みを湛えたまま、遠くを眺めている。そしてまた六花を見て言う。
「だからこそ、男を利用しているのよ」
「・・・?」
「マダラは愛に対して絶望する一方、あなたの愛に支えられていた矛盾する存在だった。あなたが芙蓉の時も、そして六花の今も…あなたは女神よ。搾取されているんじゃない。与えてあげてるの…ゼツにもね。そこに快感の一つも無くてどうするのよ。ねぇ?」
「・・・!」
六花は目を見開き、地面に視線を泳がす。心臓の鼓動が速くなり、六花はそれを収めようと胸を手で押さえた。
「あのオビトって子もそうね。リンを愛し守るっていうその強い気持ちに支えられていた。結局それを果たせず自ら闇に落ちてしまったようだけど…そう、それだけ女が男に愛されるということは、女が男を支配しているも同然のことなのよ」
六花は歪めた顔を少し緩め、今度は寂しい顔をし、膝の上にゆっくりと手を重ねるとヒミコに向かって問う。
「・・・でも、私は本当に、マダラ様に愛されていたんでしょうか?」
「あはははは!…本当は解ってるくせに…でしょ?芙蓉」
「・・・」
「大丈夫よ。マダラにはまた必ず会えるから。それまでこの世に生きている毎日を精一杯楽しみなさい。それは罪なんかじゃない。あなたに与えられた権利。そして、私の願いよ」
ヒミコはにっこり笑って、膝に載せている六花の手の上に左手を載せた。その手はすうっと六花の手をすり抜けたが、確かに六花の手を握っている。
「失うものがあるから得るものがある。それもこの世の摂理ね。ふふっ」
そう言って笑うヒミコの顔を、六花は少し目を細めて見つめた。
ヒミコが失ったものはどれほどのもので、得たものはどれほどだったのだろうか…。
「そんな顔しないの。ね?笑って?」
六花はまだぎこちないが、精一杯笑って見せた。
月明りに照らされ、六花の瞳はキラキラと輝いている。
「そう。それでいいわ。ふふふっ」
そう言うと、ヒミコはすうっと姿を消してしまった。
六花は身体を正面に戻し、ボウボウと燃える炎に目を凝らすと、炎の温かさが最後に感じたマダラの体温と重なる。
あの体温をまた感じられる日を、感じ続けられる日々を想像する。
ゆっくりとその場にうずくまって横になると、そっと目を閉じた。
つづく