罪の向こう、愛の絆シリーズ 【続・六花の森】 作:千野 伊織
孤児となったナルト。
三代目火影・猿飛ヒルゼンは里親を募集しますが、ナルトの素性を知る大人たちからは応募はありません。
そこで思いついたのが里親が見つかるまでの一時的な養育係。
その養育係に六花は応募します。
ヒルゼンと六花が再会した時、ヒルゼンは運命を感じます。
そして六花もまた、ナルトに出会い運命を感じます。
※関連話:『六花の森(完)その結晶はいつかまた輝く』『続・六花の森~陽だまり。ミナトとクシナ』『罪の向こう、愛の絆~芙蓉と扉間』『罪の向こう、愛の絆(完)~罪の向こう、愛の絆』
「はて、どうしたものか・・・」
ヒルゼンは火影の席に座り、右肘を机についてその手で頭を抱えた。
四代目火影・波風ミナトが殉職し、急遽ヒルゼンが火影の役に戻ることになった。
あの事件から二ヶ月。
木ノ葉の里の復興も少しずつ進んでおり、年の瀬に向けて里も徐々に活気を取り戻している。ヒルゼンも引退していたといえ、ミナトへの引継ぎ中で火影の事務仕事はヒルゼンも共に行っていた為、再び火影に戻った所でそれほど変化は無かった。
しかし、やはり四代目火影が就任わずかで落命したことは里に大きな衝撃を与え、九尾の事件を知る大人の忍の間に大きく影を落としていた。
その影は、人柱力になったナルトにも差していた。
“九尾事件“については、事件当日から箝口令が引かれた。
他里に対し事件を完全に隠蔽するのは難しくとも、出来るだけ詳細は悟られてはならない。また事件について今後も流布されては、里市民に不安と混乱を招くことになる。
また、ミナトの最後の意思と思惑を知らないヒルゼンは、ナルトの人生の重荷にならない様、時が来るまでナルトが九尾の人柱力である事を隠すことにした。
その為、ヒルゼンは『ナルトに九尾が封じられていることの口外を禁じる』という掟を作り、掟を破った者には厳罰に処した。
それに伴い、九尾の封印をしたミナトとクシナの子である事実も、ナルト本人およびその事実を知らない里の人々に対し極秘にされる事となった。
ナルトはこれまでヒルゼン直轄の暗部の監視のもと、病院で面倒を見られていたが、このままずっと病院と暗部で育てるわけにもいかない。
そこで木ノ葉の忍達にナルトの里親を募ったのだが、今現在、誰一人として名乗り出る者は居ないのだ。
ヒルゼン自身が育てたいのはやまやまだが、妻のビワコは九尾事件で命を落としている。ヒルゼンには娘もいるが嫁入り前と言うこともあり、やはり任せるには父親として気が引けた。また、孤児院に入れるという手もあったが、ミナトとクシナが命と引き換えに守った存在、そしてヒルゼンのナルトを里の英雄として見て欲しいと願う気持ちから、それも出来なかった。
「まだ里親の募集をかけて一ヶ月ですし、もう少し様子を見てもいいのでは」
今日もまだ里親希望者が居ないという報告をしにきた暗部の忍が、目の前で顔をしかめているヒルゼンに向かって冷静な声で言った。
「うむ・・・だが、やはりナルトの将来の為にも早く里親を見つけてやりたいからのう・・・」
「里親と同時に、養育係の募集をかけてみるのも手では無いでしょうか?やはり里親だとハードルが高すぎますし、養育係と言う仕事なら求職者からの応募があるでしょう。それに養育係なら、忍ではなくとも事情を知らない一般人にも任せることが出来ます」
「そうじゃな…養育係がつけば気長に里親を待てるしのう。そうしよう」
こうしてその日のうちに、ナルトの名前と素性を伏せ、忍だけではなく一般人へも「殉職した上忍夫婦の乳児の養育係募集」として求人を出したのだった。
「ええぇー嫌だよ!僕は絶対嫌だからねっ!六花のご主人様は誰だっけ⁉」
「ゼツよ。だから、二人の子供だと思えばいいじゃない。ね?」
「はぁ⁉・・・無理だよ、そんなの」
「あ、いま少し笑ったわね?ふふっ」
あれからナルトの様子をずっと見守っていた六花は、もちろん『ナルト』の養育係の求人が出たことも直ぐに知った。
本当は里親になりたかったのだが、里親になるは色々と条件が厳しく、大前提として結婚し夫と妻二人が揃っていることが絶対条件であったため無理だった。
ということで、六花はゼツに養育係になると宣言し、当然ながら反対されている。
しかし“二人の子供”という言葉にゼツの気持ちも傾き始めたようである。
「養育係の契約期間はたった一年間だし、途中で里親が見つかればそこで仕事は終わるわ。ね、お願いっ!」
六花はテーブルの上に鎮座するゼツに向かって掌を合わせて頭を下げた。
「お店はどーすんのさ。まさか僕に子守をさせる気じゃないだろうね」
「養育係に専念する。それにまだ乳児よ?つきっきりでお世話しないと。だから暫くお店は休むわ」
「ていうかさ、そもそも六花に赤ん坊の面倒が見られるの?経験は?」
「・・・無い。へへっ」
「はいダメー!却下!」
「勉強するわ!それに初めて子供を産んだお母さんたちだって子育て未経験だわ。条件は同じよ。だから、ゼツパパも手伝って!ねぇ?」
六花は合わせた掌の上に頬を載せ、首をかしげて上目遣いをして言った。
「ゼツパパ言うなっ。なんでこれから九尾を取ろうとしてる人柱力の子育てなんかしなきゃならないんだよ!」
「そこも考える。人柱力が尾獣を抜かれても死なない方法を探すわ!」
・・・無くもないんだけど…輪廻転生の術。それを言うと六花は絶対やるからなぁ・・・
「分かったよ。じゃあ一年間だけね!それ過ぎたら僕がナルトから九尾を抜くからね!てか、絶対採用されるとも限らないしね!」
「ありがとう!ゼツ大好き!」
「こんな時に初めて“大好き”なんて言うのかよ。まったく…相変わらず卑怯なんだから…」
コンコンコン。
「おお、もう来たか・・・・・どうぞ!」
ノックの音にヒルゼンは慌てて机の上の書類を片づけ、返事をする。
ガチャッ…
「三代目様、養育係志望者の方をお連れしました」「失礼いたします」
「・・・!!」
暗部の忍の後ろに続いて入って来た女の顔を見て、ヒルゼンは驚いた。
「さあ、どうぞ、こちらに・・・」
ヒルゼンは立ち上がり、火影の席の前に置かれた椅子を掌で差した。
女は椅子の隣りに立つと、ヒルゼンに向かって一礼した。
「どうぞ、かけてくだれ」
「失礼いたします」
女は椅子に座り、ヒルゼンと目を合わせるとニッコリと笑顔を見せた。ヒルゼンは一瞬ぼうっと女を見つめてしまったが、焦って瞬きをして目を逸らし、手元に準備していた女の志望書に目を遣る。
「ええと・・・橘 六花さん・・・で、よろしいかな?」
「はい。橘六花と申します。よろしくお願いいたします」
「あの・・・その、先日、柱間様と扉間様の墓前でお会いしましたな」
「はい。あの時はご迷惑おかけしました」
「いやいや何も迷惑など・・・早速だが、これまでの経歴と、今回志望した理由を聞かせて貰えますかな」
「出身は旧・千手領地で、夫と死別した事を機に、昨年の十一月に木ノ葉の里に引越してきました。旧領地では、十歳から十六歳までを教える私塾で、十八歳の時から五年間教師をしておりました。現在は小さな喫茶店を経営しておりますが、採用された場合はこちらのお仕事に専念するつもりです。今回志望した理由は、亡き夫と私には子供が出来ず、赤ちゃんを抱っこしたかったという未練が正直な所です。子育ては未経験ですが、自分の子供同然に大切にお世話したいと思っておりますので、よろしくお願いいたします」
六花は落ち着いた口調で嘘の履歴を述べ終わると、軽く微笑んで見せた。
「うむ。なるほどな・・・ここには忍ではないと書いてあるが、間違いないかの?」
「はい。間違いありません。ただ、剣術は子供の頃より習っておりましたので得意です」
「おお、それは頼もしいのう。ははは。その、養育を頼みたい乳児についてだが、ちょうど生後二ヶ月を迎えたばかりの男児じゃ。先日任務で殉職した上忍の両親の遺言通り、将来は忍アカデミーに入学させる。まぁ一年間ということでそこまで気にする必要は無いが、一応その前提で養育して貰いたいと思っておる。養育して貰う場所は、里が準備した住居か自宅かを選べるのだが、どちらが希望ですかな?」
「はい。出来れば私の自宅でお預かりしたいです」
「その場合は調査にいかせて貰うことになるが、それは問題は無いかの?」
「はい。問題ございません」
「うむ。分った。では採用結果は後日直接知らせに行かせますゆえ、それまでお待ちくだされ」
「はい。どうぞよろしくお願いいたします」
六花は立ち上がり、ヒルゼンに一礼すると出口に向かおうとした。
「ああ・・・ちょっと個人的な事をお尋ねするが、あなたの両親、いや祖父母の名前はなんとおっしゃるのかの?・・・」
六花は足を止め、再びヒルゼンのほうを向く。そして少し寂しい顔をして答える。
「申し訳ありません。父とは二歳の頃、母とは六歳の頃に死別しており、親戚もおりませんので覚えておりません。あの、それが何か・・・」
「ああいや、すまぬ。あなたが昔の知人にあまりにも似ておるので、血縁の方かと思うてな・・・申し訳ない」
その夜。
ヒルゼンは自宅の本棚から昔の写真アルバムを取り出した。
一ページ目を開くと、すっかり色褪せてセピア色になっている写真が現れる。
その一枚目は、扉間の弟子になってすぐ柱間と扉間、そして兄妹弟子のダンゾウ、ホムラ、コハルと一緒に写っている写真である。それを見てヒルゼンは目を細め、口角を上げた。
暫く思い出に浸ると、慎重に次のページを捲ってゆく。
そして、十ページほど捲ったページで手が止まった。
「・・・やはり・・・生き写し・・・いや本人としか思えぬ」
老眼鏡をかけたヒルゼンは、アルバムを手元から少し引いて目を細めた。
それは扉間とその妻・芙蓉の結婚披露宴での写真だった。
左に扉間、右に芙蓉、その二人を挟んで扉間側にヒルゼン、ダンゾウ、ホムラ、芙蓉側にコハルと芙蓉の親友・千手樹が写っている。
その写真の中の一人…芙蓉に、六花は瓜二つなのである。
写真はモノクロだが、実物の芙蓉の美しさは今でも忘れない。
ヒルゼンの眼の奥に芙蓉の容姿が蘇る…亜麻色の髪に、まつ毛の長い大きな目、琥珀色の瞳、雪の様な白い肌…
顔かたちが似ているだけなら偶然かもしれないが、六花はその髪の色、瞳の色、肌の色まで全く同じだった。いや、佇まいまでも同じなのだ…
しかし、芙蓉は扉間と結婚して僅か二ヶ月後に顔岩展望台から転落死している。
もし、たとえ生きていたとしても、現在は六十歳をゆうに超えているはずである。
ふと、ヒルゼンの頭に今日の六花の言葉が浮かんだ。
『夫と私には子供が出来ず、赤ちゃんを抱っこしたかったという未練が正直な所です』
「もしや、生まれ変わりか・・・」
ヒルゼンはおもむろに顔を上げると、窓の外を眺めた。
その夜は満月で、その光が煌々と里を照らしていた。
◆
「久しぶりね」
その声に、窓辺で満月を眺めていた六花は振り返った。
そこにはカグヤが居た。
目が合うと、六花は微笑んでヒミコの前に歩み寄る。
そして暫く二人は無言で微笑み合うと、六花から口を開いた。
「最近、ヒミコさんの夢をよく見ていたんです」
「どんな夢?」
ヒミコはそう言うと、六花の後ろの窓へ歩み寄り、月を見上げる。
「ヒミコさんが出てくる夢というか…ヒミコさん自身の記憶の一部なのだと思います」
「芙蓉。あなたは私と会えた唯一の転生者だからでしょ。で、何か言いたいことでもあるの?」
「いいえ。でも、ヒミコさんも辛い想いを沢山されてたんだなって・・・」
「・・・。ごめんね。芙蓉が辛い想いを沢山するのは、私との因縁なのかもね・・・」
六花は少し寂しげな笑顔のまま黙って首を横に振ると、ヒミコの隣に立った。
二人の顔は青白い月の光に照らされ、その顔は二人が今この世に生きている同じ存在とも、異世界に居る同じ存在にも見える。
月は、二人の魂と時空を水平にした。
「でも、芙蓉はやっぱり優しすぎよ。時々私が変わってあげたくなるわ。ふふふ」
「優しいんじゃありません…ゼツが言うように、ただ甘いだけなんです。八方美人で、結局周りを傷つけ、苦しめている…」
「ふふっ。私はあなたのそんな所も好きよ。でもね、あなたが迷おうが心を痛めようが、尾獣をすべて集めなければ、愛するマダラは復活しないし世界は救われない…それが現実よ。それが出来ないなら今すぐ“六花”を止め、時が来るまで身を潜めて生きることね」
初めて見るヒミコの厳しい表情と厳しい言葉に、六花は唖然として言葉が出ない。
しかし、六花は解っている。良く解っているのだ。
六道仙人と会ったあの日。
“芙蓉”は誓った。
この世界を救う“碧眼の少年”が現れるまでマダラとは一心同体で居よう。
マダラが誰かと手を取り合えば、必ず新しい世界が拓ける。柱間の次は、その碧眼の少年…その人に違いない。そう信じよう。
それまで私はどんな事でもする。世界が救われるその日を見届けるまで、生き続ける…
そう誓った。
しかし、この三十年間で、やはり自分の性分では、マダラの計画を手伝うことには限界があると充分解った。
六道仙人の言うことに従うだけならばマダラに協力せずとも、時が来るまで生きながらえていればいいだけである。
しかし六花にそれをさせないのは、マダラへの愛情と、マダラをもう一度信じたいという強い気持だった。
その為に、“その時”まで、マダラの計画に従うしか無い…。
たとえマダラの計画が間違っていようとも、世界が救われる時、そこに必ずマダラの力が必要であるはずだ…そう信じて。
「そんな顔しないの。言ったでしょ?あなたが手を汚す必要は無い。すべてオビトに任せておきなさい。あなたは現実を受け止め、その結果を淡々と待っていればいいのよ、芙蓉」
「・・・解っています。でも私は、マダラさまが誰かと手を取り合ってこそ、世界が救われると私は信じています・・・オビト君にも」
「ふーん。でも相手を変えるのはほぼ不可能だと思うけど。男を信じるなんて愚行よ。信じて裏切られるのが関の山だと思うわよ」
ヒミコの言いたいことも解る。
しかし、人は“自ら”変わることならできる。
そう、マダラなら…
「きっとマダラさまなら変わることができます…それに、これは私が一方的に信じているだけだから…だから、マダラさまが最後に何を選ぼうと、裏切られたなんて思いません。」
「本当にお人好しね・・・ううん。甘いわ」
日付が変わり、押し迫る寒さと静けさの中、霜夜は更けてゆく。
◆
良く晴れた冬晴れ。
いよいよ今年も残すところ三日となり、年用意為の客で商店街は賑わい、行き交う人々も忙しない様子である。
六花は今、前と後ろを私服警備の暗部の忍に挟まれて里の大通りを歩いている。
「くしゅっ」
「あら大変。寒いのかしら?もう一枚毛布を掛けましょうね」
六花はそういうと立ち止まり、鞄の中から小さな毛布を取り出して、クーファンの中に居るナルトの首までしっかりと毛布を掛けた。その間、暗部の二人も立ち止まり、六花とは少し距離を取ったまま素知らぬ顔で辺りを見回している。
――一時間前――
「これがおぬしに任せる子じゃ。名前は『うずまきナルト』という」
ヒルゼン、暗部のくノ一と男の忍、そして六花が里本部の和室で、布団に寝かされているナルトを囲んでいる。
「健康状態や注意点の引継ぎはこの者が行うので後で聞いてくれ。どれ、まずは抱いてやってくれぬか?」
「えっ、あっ、はいっ!!」
六花は恐る恐るナルトに手を伸ばす。左手を頭の下に入れ右手は尻に回すと、慎重に抱き上げた。
「うぅっ・・・ほぎゃあ・・・」
ナルトは明らかに嫌な顔をして泣きそうな顔になる。
六花は抱くのを一瞬躊躇ったが、思い切って胸に抱き上げてみた。
温かい…そして甘いミルクの香りがする。
首は座っておらず、ナルトの頭は六花の左腕にもたれており、手足の動きもまだ小さい。また、四キロに満たない体重はそれ以上に軽く感じられ、その感覚に六花はほんの少し恐ろしくなる。
それでも気を引き締め、しっかりと、しかし優しくナルトを抱きかかえた。
するとナルトは歪めた顔を緩め、また穏やかな顔に戻り、安心して六花に身を委ねた。その様子に、六花は安堵で身体から汗がどっと出るような感覚になり、はぁと息を吐く。
「抱っこがお上手ですね。でもそんなに力まなくても大丈夫ですよ。この子は色んな人間に世話されていたので、初めての人にもすぐ慣れてくれますよ」
くノ一が穏やかな顔で六花に言った。
「はい…」
六花は弓の様に目を細め、愛おしそうに微笑んでナルトを見つめながら返事をした。
その様子を見て、ヒルゼンもようやく胸を撫で下ろすことが出来た。
実は他にも四人ほど養育係の志望者はおり、中には子育て経験が豊富な者も居た。しかし、ヒルゼンは敢えて六花に任せることにした。
その大きな理由は、六花ならナルトに仕事の枠を超えて我が子同然に愛情を与えてくれるだろうと思ったことが一番。
そして、運命を感じたからだ。
勿論、運命を感じたなどと部下たちには言うことは決して出来ないが、ヒルゼンはあの扉間の妻である芙蓉に容姿も性格も生き写しの六花が現れたことは、ナルトにとっての運命なのだと感じたのだった。
「ようこそ。ナルトくん。今日から暫くは、ここがあなたのお家よ」
「あうぅ」
「わぁ~お返事できるのね!お利口さんだわ!」
「いや、絶対違うし」
六花はゼツのツッコみを無視して、ベビーベッドの中に寝かせたナルトの顔に顔を近づけ、改めてナルトの顔をじっくり見てみる。
ナルトも、六花の額あたりをじっと目つめている。
六花はナルトを慈しむ瞳で、静かに見つめ続けた。
「・・・!」
「どうしたの?」
ベッドの柵の隅に居るゼツが、急に驚いた表情になった六花を見て問う。
・・・青い眼…ナルトくんが“碧眼の少年”…!!?・・・
「う、ううん。ナルトくん、目が青くて綺麗だなぁって思っただけ」
「そうかな・・・六花の眼のほうが・・・綺麗だけど?」
「何よ急に~うふふ。ありがとう。ゼツパパ!」
「だからゼツパパ言うなっ!」
青い眼の少年なら、きっと沢山居るだろう。
しかし六花はこの時、ナルトこそ六道仙人が言う世界を救う“碧眼の少年”だと思った。
それは、ナルトがミナトとクシナから産まれ、九尾を身体に宿して過酷な人生のスタートを切った境遇が一番大きな理由だが、それよりも“直感”のほうが大きかった。しかし。
・・・それは私の都合の好い解釈かもしれない。もし、この子がそうでなくても構わないわ。元気に育ってくれれば、それで・・・
六花はそう思うと、ナルトに毛布をしっかりとかけ、眠るまで静かに見守っていた。
つづく