問題児たちと元殺し屋が異世界からやってくるそうですよ? 作:unworld
ノーネーム本拠では
逆廻十六夜
春日部耀
久遠飛鳥
黒ウサギ
ジン=ラッセル
の会合が行われていた。
もちろん題材はペルセウスに囚われたレティシアの救出の件だ、
しかし、逆廻十六夜は実際のところ歯噛みをしていた。
…自分がもう少し早く気付いて行っていれば!…
などと思っていた。
理由はペルセウスに決闘を断られた以上、挑戦権を獲得すればいいということを思いついた十六夜が向かったギフトゲームがグライアイとクラーケンのギフトゲームなのだが…
何者かによってクリアされていたのだ。
さすがの十六夜もこれは予想外で何も成果をあげられずにいた。
「くっそ!すまねぇ…俺がもうちょっと早く行ってれば」
「十六夜君の所為じゃないわ。
だけど…手詰まりね」
「うん…どうしようか…」
逆廻十六夜
久遠飛鳥
春日部耀は小さくうなりつつ頭をひねった。
しかし、妙案は思いつかない。
黒ウサギはほとほと困り果てたようにため息をついた。
ペルセウスへの挑戦権を失ったとなるとレティシアを諦めるしか方法は無くなる。
しかし、レティシアを諦めるなどできるはずもなかった。
だが、行く手は八方塞がり。
「どうにかしたいものなのですが…黒ウサギも頭がいたいのでございます…」
「黒ウサギ…大丈夫?」
「ええ…ジン坊ちゃん、大丈夫なのでございますよ。
せめて、ゲームの勝者が見つかればいいのですが…」
「見つけてどうすんだよ。黒ウサギ」
十六夜はさも不服そうに黒ウサギに言った。
自分の手柄を横取りされたも同然だ。黒ウサギにはイラつく気持ちもわからなくもなかった。
「ここの蔵にある武具と交換してもらいます。
それがダメだったら、お金と交換でもいたしましょう」
「却下ね」
「右に同じく」
黒ウサギの言い分をきっぱりと両断する飛鳥。
それに便乗するように言った燿。
これにはさすがの黒ウサギもこれには怒らざる負えなかった
「いいですか!飛鳥さん燿さん!
しょうがないのですよ!
ペルセウスへの挑戦権を失った以上そうするしか手は残っていないのです!」
「でも、それでも!私は納得いかないわ!」
果ては言い合いになってしまう。
まぁ、しょうがないことだろう。
二人ともここのところの心労が酷いのだ。
しかし、見かねた十六夜が声をあげようとしたその時。
「おいおい、ケンカすんなよ。ノーネームの皆さん。
それともケンカするほど仲が良いってか?」
「「「「!?」」」」
十六夜でない声がドアの向こうから発せられる。
しかし、ノーネーム側はそれどころではなかった。
敵か味方かわからないこの状況。
皆が席を立ち臨戦態勢に入る。
しかし、その声の人物は、カラカラと笑いドアを開けた。
「おっと。夜分に失礼」
それはフードを目深に被った百合人であった。
……………
黒ウサギは新たな侵入者に臨戦態勢をとり警戒する。
しかし、らちもあかないので質問をすることにした。
「誰…ですか?」
百合人は黒ウサギも達の臨戦態勢を見て手を上にあげひらひらとふった。
「はいはい。俺に敵対する意思はございやせんよ。
だけど、そっちが攻撃してくるなら話は別だが…無いんだろ?」
敵を見定めようという百合人の目が黒ウサギ達ノーネームのメンバーに注がれる。
黒ウサギはその視線を送っている目の奥を見て、自分との実力差を悟った。
そして、唾を飲み込みつつこう言った。
「そ、それは質問には答えていませんね。
黒ウサギは貴方は誰ですか?と言ったのでございますよ。
質問にはちゃんと答えていただかないと困ります」
黒ウサギの緊張は臨界点をとうに越していた。
明らかに青年は自分より遥かに高みにいる。そんな存在に自分は喧嘩をうったも当然だった。
百合人はそんな心中を察したのか苦笑しつつ答えた。
「俺は…サウザンドアイズ所属 達皆上 百合人だ。
以後よろしく」
「では、信用の証としてフードをとっていただけませんか?」
「ちっ…めんどくせぇな…
別にいいけどよ…俺の顔見ていいことなんてまるでねぇぞ?」
百合人は文句をブツブツと垂れつつ目深に被っていたフードをとった。
そのフードの奥に隠された顔をみて
女性陣の頬はすこし赤くなった。
そのフードの奥に隠された顔は、見事にキリリとして随分と凛々しい顔であった。
それは大人の魅力を漂わせ、同時に幼さを秘めた顔であった。十六夜とは少し違う印象をもつイケメンという奴である。
人は時にルックスで人を判断しない。そういうがそのケースは稀だ。
人間は
視覚
聴覚
嗅覚
味覚
などを使って何かを判断するのだ。
その中でかなり多く使われるのは視覚。
つまり、ストライクゾーンど真中の男を見るとついつい目で判断してしまう場合が多い。
性格や何やらを無視して、勝手に目が追ってしまう。らしい…
今回の場合、
昭和育ちの箱入り娘 久遠 飛鳥は箱入り娘というだけあってあまり男を知らない。
だが、しかし、そんな少女の前に颯爽とルックス抜群の男性が出てきたのだ。
どう思うだろう。
確実に悪くはない印象だ。
次に春日部燿だが
燿は元々体がそこまで強くなかったため。寝ている生活が続いたそうだ。
それゆえに男に触れない。
繰り返すようだが、そんな純粋な少女にルックス抜群の男がやってきたのだ。
…もはや、予想がついてしまうが、悪くはない印象だ。
さて最後に黒ウサギだが…
別にいいだろう。
自慢が200年守ってきた貞操だ。
以下略だ。
まぁ、細かいことはおいておこう。
百合人はフードをとり、顔を表す。
「これで満足か?」
「///えっ…ええ!大丈夫なのでございますよ。
それで達皆上様はなぜここに?」
「…悪いが…出来れば百合人と呼んでくれ。
その苗字はそこまで好きじゃない」
「あ、す、すみません!」
「別に謝ることじゃあない。
先に無礼を働いたのは俺の方だ。説明不足でごめんな?」
「あ、はい」
黒ウサギは心の中でやりづらいなぁ…などと思っていたわけだが。
「んで、俺がきた目的?だっけ?
一つはもちろんサウザンドアイズの使者として」
「それは…どういう?」
「ん?わかってんだろ?お前らペルセウスと問題起こしたろ?」
「それがなんだってんだよ?」
十六夜は苛立ち気に言った。
それはそうだろう。
いろいろ気に食わないところがあるのだ。
「いや、別に問題起こすなとは言えねぇよ?
だがよ?
お前らの自己満足でコミュニティ一つ潰されるのはめんどくさい。
だから今回のギフトゲームは俺が干渉させてもらうぜ?」
百合人がそう言うと、飛鳥は自分の座っていた椅子を倒し立ち上がり怒号と共に叫んだ。
「なっ!ふざけないで!!
あんなコミュニティをのさばらせておく方がめんどうだと言うことよ!」
百合人は怒られていると言うのに意にも介さず言葉を続けた。
「そう怒んなよ。
説明不足だったな。
お前らの目的はレティシアの救出なんだろう?
それは好きにさせてやる。
だが、ペルセウスの処遇は俺らでカタをつけさせてもらうぜ?」
百合人は単刀直入にそういった。
別に隠してどうということはない。
それだけだったのだ。
「『ふざけるな』」
しかし、十六夜は納得がいかなかったようだ。
椅子から立ち上がり拳を握る。
「ふざけるな。冗談じゃねぇ!!
これは俺らの問題だろうが!
関係のないやつらは関わるn「だまれ小僧」!?」
百合人の表情が一変し凄まじい毒を吐いた。
「たった…十数年しか生きてねぇ小僧が。
わかったような口を聞くんじゃねぇ。ぶち殺されてぇのか」
「やってみろやコラァ!!!」
十六夜は人間らしからぬスピードで百合人へと肉薄する。
しかし、十六夜の体は次の瞬間宙をまっていた。
「はっ?」
十六夜はワケもわからず素っ頓狂な声を上げた。
そのまま床へと落下し背中を強く打つ。
「ぐっ…あっ!」
百合人は嘆息し、こう言った。
「これは正当防衛だ。
俺は悪くねぇ。
この小僧が悪りぃんだ。
それよか、お前ら取引しねぇか?
俺はお前らのレティシアを取り戻すのは何も言わん。協力してやってもいい。だが、ペルセウスとの交渉だけは俺に委ねてもらいたい。
お前らにも利はあるだろ?」
黒ウサギは顎に手を当て思案するような顔を見せるが次の瞬間
「…わかりました。箱庭の貴族の誇りにかけて約束はお守りいたしましょう」
「よろしくな。
さてと、もう遅いしここに泊めてくれ。
とりあえず眠い」
「あ、はい。
こちらへどうぞ」
「サンキュー」
百合人は黒ウサギとこんなやり取りをすると、大きく欠伸をする。
黒ウサギは不思議そうに百合人を見る。
百合人が借りる寝室へ向かう途中。
「百合人さん。あの…すいませんでした!」
「ん?どした?」
黒ウサギは突然百合人に向かって頭を下げる。
百合人は驚いたように黒ウサギを見る。
黒ウサギはしどろもどろになりながら説明した。
「あの…正直言ってしまうと、黒ウサギは百合人さんがサウザンドアイズ所属というのを信じていません。
黒ウサギはサウザンドアイズに出入りしておりますが、百合人さんの顔を一度も見たことが無いのです。」
「ま、そりゃあそうだわな。
俺が参加しているのはかなり上位のギフトゲームであまり向こうには帰らないんでな…しっかし…」
百合人は黒ウサギへと近づきその綺麗な容姿を見る。
「こんな可愛いウサギさんがいるんなら帰るべきだったかな?」
「///…な、何をおっしゃるんですか!」
「おおっ…すまんすまん冗談だ。
ごめんな」
百合人は子供をあやすように黒ウサギの頭を撫でる。
黒ウサギはむすっ…としつつ除けようとはしない。
「…行きますよ!百合人さん!」
黒ウサギは赤面しつつも部屋へと案内する。
百合人はその背中を追うように歩き出した…
やりすぎた。
後悔ばかり、反省はしてない。
ほんとにすいません
誤字など訂正がございましたら、どうぞお気軽に連絡ください。