問題児たちと元殺し屋が異世界からやってくるそうですよ?   作:unworld

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どうも、疲れています。



『ペルセウスとの決闘なのでございますよ?…結果オーライだろ』

 

 

まだ朝日が昇る前の少し薄暗い朝。

そんな早い時間から剣を振り下ろすようなブンッという音がなっていた。

 

「11505…11506…11507」

 

ブンッという音と共にその巨大な両刃斧が振るわれる。

その見るからに巨大な斧を振るっているのは…Yシャツのようなものを着た百合人であった。

 

百合人は毎日欠かさずこれを続けていた。

ずっとこの400年ほど一日も欠かすことは無かった。

 

「14997…14998…14999…15000!」

 

最初は少ししか振れなかったが、今はここまで数を伸ばした。

百合人は努力派だ。

努力し力を手に入れる。

 

百合人は斧を乾いた地面に突き立てる。

そして、百合人自身もその乾いた地面に寝そべった。

服に張り付く汗が心地よい。まだ夜は明けきっておらず、すこしヒヤリとする風が服の隙間から百合人の体を冷やす。

今はちょうどいいが風邪などをひいてしまったら元も子もないのだ。

 

百合人は地面から起き上がる。

しかし、その土に違和感を感じた。

 

「…土が死んでやがる…こりゃあひでぇ…」

 

百合人はこういう系統の土をいく度となく見てきた。

ただの水はけの悪い地面かと思っていた百合人にとってこれは衝撃的であった。

 

百合人は土の塊を拾い上げる。

しかし、その途中で土の塊は崩れ砂となって百合人の手から滑りおちた。

 

「こいつは…まだ救えるかな…

いや、すこしキツイか…もし地精の力を手に入れたとしてもこれはかなり難易度が高いな…

…きっかけは作っておいてやるかな…」

 

百合人は紫色のギフトカードからある小瓶を取り出しその中身の液を一滴、地面へと垂らした。

 

するとみるみるうちに枯渇していた大地は少しずつ潤いを取り戻していく。

これで少しはここの役にたてただろう。

 

「良かった…なんとかなるな…」

 

先ほど百合人が垂らした液は

『再生の蓬莱液』

という超高価なこの箱庭に2.3個しかないとてつもなく希少な薬だ。

 

効果は傷や病気などはもちろん大地や水などの自然にいたるまで、たちまちに再生する究極の万能薬。

なぜこのような便利グッズを百合人が所持しているかというと、

 

とある大富豪の一人娘を助けたとき、そのお礼にということでその家の家主にもらったのだ。

 

ついでに娘ももらってくれと言われたが丁重に断ったのは余談だ。

 

これも百合人の日々の行いが良いため…なのだろうか…

 

「さてと…汗ヤバイな…風呂でも掃除して入るか…」

 

意外や意外。

百合人は生粋の風呂好きだったりする。

百合人が前いた世界では、綺麗な水がとてつもなく希少で、風呂と言うものを知る由もなかった。

しかし、箱庭世界にきて風呂というものを知り、風呂好きになったのだ。

 

それはさておいて、百合人はノーネームの屋敷に戻り、

風呂を探そうとする。

 

「そういやぁ俺。ここの構造しらねぇんだよなぁ…」

 

まぁ、しかし、百合人の捜索能力は割かし長けていて、風呂場はすぐに見つかった。

 

だが…

 

「うわっ…マジかよ…」

 

意外にも広かった。

しかし、ところどころ少しだが、汚れているところがあった。百合人的にはだが…

 

「むむぅ…妥協はしたくないし…仕方ない。」

 

百合人はそこらにあった毛をブラシに変えて掃除を始める。

 

百合人のギフトは超がつくほどの便利な能力であるはずだ。

しかし、百合人はそれをこういう戦闘系以外の方にしか活用しないため。

百合人の欲によって生まれたとされるギフト『万物変換』に感情があったとしたのなら、そこはかとなく微妙な顔をしているであろう。

 

百合人が掃除を終え、ギフトカードから水樹を取り出し浴槽に水をはった。

しかし、これだけでは冷たい水だ。

だが、百合人は水に手を触れそれを一瞬にしてお湯に変えて見せた。

 

「おっし!出来た!」

 

百合人が風呂の支度をしようと更衣室のドアを開けた瞬間…

 

そこには…

 

タオル片手に一糸まとわぬ黒ウサギがいたのであった…

 

…………………

 

朝日が地平線から顔をあげるかという刻。

黒ウサギは布団から飛び起きた。

 

「やめ…て…やめて!……あれ?

ここは…なんだ…夢でございますか…」

 

悪夢。

黒ウサギが見たのはそれだった。

 

黒ウサギの故郷が戦火に包まれていく様子。

黒ウサギは知らず知らずにうちに涙を流していた。

そして、服は冷や汗のせいで体に張り付き、それはそれは男がみれば妖艶な姿ではあるが、当の本人にとっては不快極まりなかった。

 

「シャワーでも…浴びてきましょう…」

 

布団から出て風呂場に行くまでの黒ウサギの足取りはとても重かった。

あえて、言うなら寂しいであろうか…

 

こんな自分を支えて欲しかった。

思わず黒ウサギは自分の肩を抱き寄せる。

 

元来ウサギは集団行動をする生き物だ。

黒ウサギも例外ではなかろう。

しかも、こんな気分が落ち込んだ時は尚更だ。

 

黒ウサギはそんな自分に自嘲しつつ生まれた時の姿になり更衣室の扉をあける。

しかし、そこで黒ウサギの思考はそこで止まってしまった。

 

なぜなら

 

誰もいないはずの浴室から百合人が出てきたのだから…

 

………………

 

「「えっ?」」

 

黒ウサギと百合人の視線は重なり、素っ頓狂な声を同時に上げた。

そして、沈黙…

 

しかし、黒ウサギの変化はとてつもなく早いものだった。

顔を真っ赤にして煙を吐き出すと

 

「うきゃぁぁぁぁぁ!!!!」

 

奇声をあげ、まだボーとしていた百合人の顔面に拳を入れる。

流石に死線をくぐり抜けてきた百合人とはいえ、この状況には反応できず吹っ飛ぶ。

 

さすが黒ウサギ。

200年守ってきた貞操はこのようにして守られたのか…ずいぶん手荒だが。

 

黒ウサギはそのまま立ち去ろうとするが…足元のタオルに滑って転び、頭を強打した。

 

「痛い!痛いのです!!

頭をうったのでございますよ!」

「大丈夫か?黒ウサギさんよ」

 

そこへ頬を押さえた百合人が歩いてくる。

黒ウサギは咄嗟に持っていたタオルで身を隠す。

しかし、その行為は黒ウサギの肢体をエロくみせる相乗効果を起こしてしまっていた。

 

百合人の歩みは黒ウサギの体をみるなり停止し先ほど殴られた頬を押さえつつ、少し顔を赤くして明後日の方向を向いた。

そして、百合人は黒ウサギへと手を伸ばした。

 

「とりあえず起きろよ。黒ウサギさん」

 

黒ウサギは百合人より顔を真っ赤にしながら手をとった。

 

「あ、ありがとうございます。

百合人さま。」

「…あ、まぁ、『さま』なんてよしてくれ。ガラじゃない。

それに、俺にはさまなんて呼ばれる資格はねぇよ。

せめて、呼ぶなら『さん』にしてくれ。黒ウサギさん」

「では、百合人さんは黒ウサギのことを黒ウサギさんと呼ぶのをやめる、という条件でなら飲みますよ?」

「そっか…じゃあ、よろしく黒ウサギ」

「はい、よろしくなのです。百合人さん」

 

黒ウサギと百合人は硬く握手を交わす。

その光景は喜ばしい雰囲気なのだが、いかんせん場所が場所だ。

 

黒ウサギはくしゅんと可愛いくしゃみをする。

百合人は苦笑しつつ

 

「風呂は湧いてるから入りなよ。

俺はまたあとで入るからさ。」

「そうですか。

では、お言葉に甘えて…っ!」

 

黒ウサギが一歩踏み出した瞬間黒ウサギの足が滑りこけてしまう。

しかも、滑り続け、そのまま湯船にボチャンだ。

 

しかし、黒ウサギは咄嗟に百合人の服を掴んだために、百合人もそれに巻き込まれる。

 

「ぷはっ!大丈夫ですか!百合人さん!」

「おお…まぁ別に体は問題ねぇよ?ただ、服が…ビリビリでビチョビチョだ。」

 

百合人の服はボタンが弾け、服も黒ウサギが掴んだおかげか、裾から腰にかけて縫い目にそうように破れていた。

 

「も、申し訳ありません!」

 

黒ウサギが思い切り謝罪すると、百合人は笑いつつ黒ウサギの頭に手を置きなでた。

 

「気にするな。どーせ、一瞬で直せる。

ま、今は諦めて風呂に入ってしまおう。」

「そ、そうなのですか?」

「そーなの、俺のギフトだ。

まぁ、深くは追求するな。長くなるし説明しづらい。」

「わ、わかりました。」

 

黒ウサギはそこで言葉を止める。

そして、百合人を見やった。

 

百合人の体は全体的に筋肉質

腹筋、胸筋、背筋、上腕二頭筋など目に見える部分だけでも相当な訓練と努力を積んできたことは素人目にもわかることであった。

しかし、気になるのは包帯でぐるぐる巻にされた右腕であったが黒ウサギにとっては些細なことであった。

鼻は高く。引き締まった頬。

目も大空を思わせる澄んだ水色をし、そして、紫色の髪が水を滴らせ濡れていた。

 

黒ウサギの胸の鼓動は高まった。

ドクンドクンと百合人を見ているといつもの自分では感じないような鼓動を感じ取ることが出来た。

そう思えば思うほど、鼓動は早くなり大きくなり、平静を保っていられなくなった。

 

「お、おしゃきに!失礼します!」

「お、おう。」

 

黒ウサギの動揺しきった行動に百合人は唖然としつつ黒ウサギの行動を見守った。

 

 

 

黒ウサギは脱衣所へ飛び込むと自分の真っ赤になった頬を押さえた。

髪もいつの間にか淡いピンクに染め上げられていた。

 

なぜ

なぜ

なぜ?

 

黒ウサギは考えたが答えは「わからない」

 

…もう考えるのはよそう。

それにそろそろリリ達が起きてくる時間だ…

 

黒ウサギはそう心の中で思い着替え脱衣所を出る。

しかし、その足取りは行きよりははるかに軽いものであったのは間違いなかった。

 




どうもunworldです!

あるぇ?
おかしいなぁ…バトル回にしようと思ったら出来てない…
解せぬ。

そんなことはさておき…
更新遅れてごめんなさい。
次はもうちょっと早くできるように努力します。
それでは、次のお話でお会いしましょう。

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