問題児たちと元殺し屋が異世界からやってくるそうですよ? 作:unworld
百合人は黒ウサギのフラグを建設しつつ、風呂からあがりリビングルームと呼ばれるところにきた。
「お、そろってんな」
すると、
十六夜と飛鳥、耀がきちんと席に座っていた。
明らかに敵意むき出しなわけだが…
「おお、お前ら早起きなんだな。
早起きは三文の徳とも言うしな、して悪いことなんてねぇよ?って、そんな敵意出すなよ。
お前らには何もしねぇって。」
「本当だろうな。」
「本当だってんだよ。
いい加減、お兄さんのことを信じなさいよ。
俺は素直な奴は好きだが、疑り深い奴は好かんのでな。」
百合人はそう言うと席に座る。
そして、虚空から契約書類【ギアスロール】を取り出した。
そして、十六夜達にもみえるように広げた。
『ギフトゲーム名
“FAIRYTALE in PERSEUS”
プレイヤー一覧
逆廻 十六夜
久遠 飛鳥
春日部 耀
黒ウサギ
“ノーネーム”ゲームマスター
ジン=ラッセル
“ペルセウス”ゲームマスター
ルイオス=ペルセウス
“サウザンドアイズ”
達皆上 百合人
クリア条件
・ホスト側のゲームマスターを打倒
・レティシア=ドラクレアの奪取
敗北条件
プレイヤー側のゲームマスターによる降伏
ホスト側のゲームマスターによる降伏
プレイヤー側のゲームマスターの失格
プレイヤー側が上記の勝利条件を見たせなくなった場合
舞台詳細・ルール
*ホスト側のゲームマスターは本拠・白亜の宮殿の最奥から出てはならない。
*ホスト側の参加者は最奥に入ってはいけない。
*プレイヤー達はホスト側の(ゲームマスター除く)人間に姿を見られてはいけない。
*姿を見られてプレイヤー達は失格となり、ゲームマスターへと挑戦資格を失う。
*失格となったプレイヤーは挑戦資格を失うだけでゲームを続行することはできる。
*なお、プレイヤー側 達皆上百合人はギフトの使用回数を一桁数までと制限する。
*また、ルールを破りし者には相応の制裁が加えられる。
宣誓
上記を尊重し、誇りと御旗の下“ノーネーム”及び“サウザンドアイズ”達皆上百合人はギフトゲームに参加します。』
ギアスロールにはこのような事がかかれていたのである。
別に百合人が設定したわけではないのだが…やはり箱庭側は百合人のギフトを制限してきた。
制限される方はたまったものではないが…箱庭側もさすがだというところだろう。
しかし、このギフトの使用回数の少なさ…
さすがの黒ウサギも苦笑ものだった。
「制限されてしまうギフトというのは…しかも、数回なんて…
百合人さんのギフトはどのようなものなのでございますか?」
「んー…簡潔に説明するとしたら…
意味不明なほど不条理なギフトだな
。」
「といいますと?」
黒ウサギは不思議そうに聞いてくる。
自然と顔が近くなるが、百合人は気にせず続けた。
「そーだな…まぁ、いつか敵になるかもしれんやつらにあんまし情報はやれんなぁ…まぁ、でもヒントくらいはやるかな…」
百合人は机のうえにおいてある。
キャンドルスタンドを無造作に掴む。
そして…
「よっと」
キャンドルスタンドを違う形に変えて見せた。
しかも、そのキャンドルスタンドにはしっかりとキャンドルが設置されており、火がこうこうと燃えていた。
百合人が手をかざして火を消し終わると…
「ど、どういうことなのですかぁ!!???」
黒ウサギが奇声をあげながら頭を抱える。
むぅ…と百合人は呻くとため息をついた。
「どーした。黒ウサちゃんよ。
まぁ、俺のギフト見せたんだからもういいだろ?話進めようぜ?」
「く、黒ウサちゃん!?
ど、どーいうあだ名のつけ方をしているのですか!」
「えーだって、そっちの方がかわいいだろ?」
「えーじゃありません!」
「とりあえず話を進めようか?黒ウサちゃん。」
「……了解なのでございますよ。」
およよ…と黒ウサギはうさ耳を垂らしながら嘆く。
まぁ、その動作はかわいいものであるのだが…
「んー。よし、お前ら聞けよ?
今回のギフトゲームは俺が参加することになってる。
黒ウサちゃんも同様だ。
だから部隊を作って攻撃しようと思う。
異論はあるか?」
皆が首を横にふる。
十六夜は不服そうに百合人を睨みながらも話を聞いている。
「んじゃあ…
今回は三つの班に分けるぞ。
まずは
えーと 久遠飛鳥だっけ?と春日部 耀な。」
「ちょっといいかしら?」
「どーぞ。」
「私たちがチームを組んで戦ったとして、私たちは何をすればいいの?」
飛鳥は百合人の言葉を遮るように発言した。
その顔には明らかに疑問の表情が伺えた。
百合人は手で制しつつ、こう続けた。
「まぁ、まて。話は最後まで聞きなさいな。
戦うねぇ…そうだな。
確かに、お前らのギフトは強いし、使える。
だがな?
お前らまさか『自分たちが戦力として数えられてる』とでも思ってたのかよ?」
「な、なんですって!!」
「むっ…」
百合人の言葉を聞くと飛鳥は椅子を倒して立ち上がり、燿も不服そうに目を細めた。
百合人はそんな二人など意に介さず言葉を続けた。
「おいおい、感情的になるなよ。
確かに俺はお前らを『戦力として』は見てないが『囮として』なら見てる。
そもそも、お前らのギフトはこのゲームにおいて、あまり意味をなさないんだよ。
久遠、お前のギフト『威光』は詳しくは教えられないがとても強力なギフトだ、が…今のお前じゃあ、それを全く活かせていない。
宝の持ち腐れもいいとこだ。
それを初めての実戦に使ってみろ。
ただの足手まといだ。」
「な、なんて失礼なの!『非礼を詫びなさい』!!」
飛鳥は『威光』を使い、命令した。
しかし、百合人の口が一瞬閉じるがそれまでだった。
「…ふむ、なかなかの威力だ。
だが…
『喧嘩売る相手間違えてねぇか?小娘?』」
別に百合人は『威光』を使ったわけではない。
百合人が行ったのは明確な殺意をぶつける。ただ、それだけであった。
しかし、その行為は比較的平和と呼べる世界で過ごしてきた飛鳥を心のそこから恐怖させるには十分過ぎた。
「…っ!…」
飛鳥は小さく呻くとその場に膝をつく。
「…!?飛鳥!?」
「飛鳥さん!?大丈夫なので御座いますか!?」
素早く耀と黒ウサギが駆け寄りのその体に触れる。
しかし、その手は驚きによってすぐに離されることになる。
飛鳥の体は冷や汗で濡れていた。
それも凄まじい発汗量だ。
…一体何が…
耀は少し考えを巡らせるが思い当たることは一つしかない
しかし…その考えは飛鳥が意識を取り戻したように立ち上がったことで頭の隅におかれた。
「飛鳥!大丈夫!?」
「飛鳥さん!?」
「っつ!大丈夫よ。心配をかけたわね。春日部さんも黒ウサギも話しに戻っていいわよ…」
「そんなわけにはまいりません!
さぁ、お部屋へ…」
黒ウサギと燿が飛鳥を労わるように部屋へと付き添って行く。
百合人は呆れるように嘆息すると、
「しょうがねぇなぁ…作戦は明日に立てるか…」
百合人が部屋の扉を開け出て行こうとすると、
「待てよ」
今まで沈黙を保っていた十六夜がゆらりと立ち上がり言葉を放った。
百合人は不思議そうに動作を止めた。
「お、どうした?少年。」
「…おい、お前よ。
まさか自分が強いとか思ってあんなことを言ったんじゃねぇだろうな?」
十六夜はいままでに無いほどに激昂していた。
心の奥底から湧き上がってくる怒り。
しかし、百合人はとぼけたように言った。
「んー…どーだろうな…
実際俺は少なくともお前よりかは強いし、現に久遠があの状態なら足手まといも事実だろう?
そんくらい理解しろよ」
「あぁ?お嬢様が足手まといだぁ?
んなことは、あっちに行ってから決めればいい。
お前にとやかく言われる筋合いなんかねぇんだよ!!」
「…はぁ……呆れたよ。
まさか、感情論でしか言葉しゃべれねぇのかよ。
向こうで決める?
はっ!小せぇ頭ひねって考え出したのがそれかよ。
くだらねぇ!実にくだらねぇよ!!
バカなのかよ!
頭腐ってんじゃねぇのかよ!!!
ケンカ売んのもいい加減にしろよ?
クソガキが!」
百合人は大声をあげてそう言った。
さらに言葉は続いた。
「わざわざお前らの復讐を果たすために俺は挑戦権を獲得してきてやったんだろう?
なのに、文句なんか垂れてんじゃねぇよ!
おい、ガキ。
てめぇ、まさかとは思うが、
自分が強いとか慢心してんじゃねぇだろうな?
そんだったら期待外れもいいとこだな!」
「はっ!だったら期待外れかどうかは試してみるかよ!!」
こうして十六夜と百合人の実にくだらない争いが始まったのである。
どうもunworldでございます。
あれ?
どうしてもペルセウス戦に移行できないんだけど…
困ったなぁ…
さてと、百合人の行動にはちゃんとした理由も原理もあります。
それは次回で語るといたしましょう。
百合人のキャラが嫌いな方はごめんなさい。
もともと、争いの世界の中にいた設定なので口調も行動も荒くなるのですよ!
許してください!
痛いです!殴らんといてください