卍解しないと席官にもなれないらしい。   作:赤茄子 秋

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人物プロフィール

萩風カワウソ:男

立場:護廷十三隊 四番隊 副隊長

髪は片目が隠れる程に前髪が長い、これは自分の顔面偏差値が低いので意図的に伸ばしている。ロン毛では無い。前髪に白いメッシュの入った黒髪で碧眼、背は高め。腕には副隊長の証である副官章がついている。

斬魄刀:天狐
能力は景色の偽造、炎熱系の斬魄刀なので炎の斬撃を放つ事も可能。景色を偽れるが偽ると揺らぎが出てしまうなど、鏡花水月などと比べると欺く力は弱い。

解号:「送り出せ〜」

卍解:陽炎天狐 炎周・九十九提灯
99の分身を作る卍解、その一人一人が萩風に及ばないが萩風のチカラを持っている。分身は虚像と実像を自由に入れ替える事ができ、虚像の最中は攻撃を受けない。
たが一撃を受けると消える事や、ダメージが本体に反映されるなどの弱点も多い。
斬魄刀は紅玉のようになり、格好も赤みがかった装束に変化する。

卍解・改:紫怨・火狐ノ皮衣
萩風が修行中に一度折れた陽炎天狐を自身で直した際に手に入れた力。九十九提灯の力を本体に集めた力であり、尾が増える程に力を解放していく。今現在に萩風が確認できているのは五本である。
外見は毛皮のついた陽炎天狐の装束となり、斬魄刀は九十九提灯の時と変わらないが、どちらも赤から紫に変化している。
また二つの自由に動き回る狐火を従えている。そして、尾が4本目以降は毛皮が紫の炎を撒き散らす。

技:斬天焔穹
天狐へ込めた霊圧の炎を斬撃の形で放出した技。
派生技に相手を殺さない峰打ちのような技である【斬天焔穹・円転消化必倒刃】がある。


千年血戦篇 第一次侵攻
18話 陥落する虚圏と宣戦布告


それは突然の事であった。いや、事件の前兆というのに気づかなかっただけなのかもしれない。だが、今回も突然の出来事であり…これもまた、更なるとてつもない事件の前兆でもあった。

 

「阿近三席、虚の消失が止まりません!このままでは…」

 

技術開発局で虚の消失が多発したのだ。今までも誤差程度の物は起こっており、その都度調整をしてきていたが、今回は常軌を逸したレベルの被害だ。

 

一つや二つではない、数千、数万の単位での、虚の消失だ。

 

「そんな事はわかってる、他に報告が無いなら下がってろ!」

 

現場の隊士達の報告はあり得ないと言った風に響き渡る、無理もないだろう。このような事態を経験した事は無いからだ、だがこのままでは何が起こってしまうかくらいは全員理解している。

 

だからこそ、焦っているのだろう。

 

「隊長…これは…」

 

「わかってるよ、こんな事をこなすのは奴等しか居ない」

 

十二番隊隊長 兼 技術開発局 2代目局長 涅マユリは天才である。様々な倫理を無視した実験でソウルソサエティを発展させてきた怪物である。

 

そして、その怪物が恐れていた可能性の一つが起こったのだ。

 

この可能性は旅禍、石田雨竜が現れた時から考えていた可能性だ。

 

「虚を存在そのものから消し去れるのは、奴等……滅却師(クインシー)だヨ……!」

 

☆☆☆☆☆

 

いつもの様に、彼はそこにいた。杖をつきながら、隊士から現状の報告を受けていた。

 

彼がこの場に居た理由なぞ一つ、彼が長だからだ。死神最強、故に護廷十三隊を纏め上げる長だ。

 

「以上が報告になりがっ!?」

 

その長たる人物の部屋に、その者達は堂々と踏み込んでいた。邪魔だと言わんばかりに、報告中の死神を殺害している。

 

「何奴」

 

その人物の背後には全身を白い外套と制服、そして顔の見えないようにか、それとも兵の区別をつかせない為か、サングラスのような素材で顔は隠されている。

 

「お初にお目にかかる。護廷十三隊総隊長山本 元柳斎 重國とお見受けする。宣戦を布告しに参った」

 

そして彼等はここの主人に向け、大それた事に戦いを仕掛けると宣言した。

 

「だが貴殿に手土産の一つも無しというのも、些か納得もいかないだろう」

 

余程余裕なのか、彼等…いや正確には彼等のリーダー格らしき使者は饒舌だ。

 

だが山本重國は動じない、何故ならば数の利を取られた所で意味をなさないから。

 

「安心せい、貴様ら狼藉者の首で十分」

 

そして、彼等の命を刈り取る為の戦闘態勢に入っているからだ。しかしその殺気を前にしても彼等は動じない。どこか余裕があるように感じる、それに対して杖から斬魄刀を取り出そうとすると、リーダー格の使者は「手土産が届いたぞ」と呟き指をパチンッ!とならす。

 

そして突如として巨大な槍が彼等の後方の壁面に突き刺さる。身の丈なんて物じゃない、4mは超えているであろう。

 

現れたそれには山本重國も驚愕している、だが驚いているのはその槍の大きさや力ではない。

 

「雀部っ…!!」

 

彼の信頼に足る右腕、護廷十三隊一番隊副隊長…雀部 長次郎 忠息(ささきべ ちょうじろう ただおき)が、槍に貫かれていることだ。

 

「嘆くな、彼を褒め称えてやるべきだ。我等にとっては矮小な存在であるが、彼は君たちの行く末を示してくれたのだ。即ち、抗うのも無益な死だ。5日後、【尸魂界(ソウルソサエティ)】は我々【見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)】に殲滅される」

 

☆☆☆☆☆

 

「今日はここら辺にしようか」

 

その声で一角は地面へと身を任せる。一角が弟子入りをし、この洞窟に来て2年ほど。一角の実力は跳ね上がった、虎が翼を得たような気分だ。

 

それ程までに劇的に実力をつけた。最初、ここに来いと地図を渡された時は遠回しに弟子入りを拒否した嫌がらせかと思うほどに遠い所だった。

 

準備を二日で済ませて一週間程で走り切ったが、残りの五日間は地獄だった。入った瞬間に地面に膝をつき、立ち上がることすら出来ずに地面に2日寝そべった。その後に何とか洞窟で歩ける程度にはなったが、そこへ「早かったな一角、体の調子はどうだ?」と、悠々とここに来た萩風を見た時は鳥肌が立っていた。

 

今でこそ、斬魄刀を振るったりはする事ができる一角だが。未だに、全身を泥の中を進むような感覚をこの洞窟で感じている。だが外へ一歩出ると体の軽さは異常である、ここで何百年も修行してきた萩風の実力だが、一角の全力ですら底が見えていない。それに畏怖を感じるのが、弟子である今の斑目一角だ。

 

「一角、まだまだだな。隊長になれんぞ」

 

「前にも言いましたが、俺は今の隊長の下で戦い続けるだけですよ」

 

「お前の道か、俺には真似できそうにないな」

 

よく言う、彼もまた卯ノ花隊長の下に居たいからこそ隊長の推薦を断り続けているのだろう。殆どの他の隊長や副隊長はそれに気づいている。卯ノ花隊長への恩義で、彼は四番隊を離れないのを、わかっている。

 

すると萩風の袖から電子音が鳴り響く。卯ノ花隊長から渡された連絡用の端末だ。本来なら副隊長が2年も休暇を取ることはできない、だが緊急の呼び出しには必ず出席する事でそれは許諾されたと聞いている。

 

この前の死神代行についての招集の他に、萩風の友人である雀部と茶をする為にちょくちょく帰っている。一角はここ最近帰れてないが、そろそろ有給が切れるので戻る予定ではある。

 

今回は誰からどの様な呼び出しか?そう聞こうとしたが、それを思いとどまる。

 

端末で連絡している萩風の表情に、影が差し込んだからだ。ただ連絡中は「あぁ…そうか、わかった…」と返事だけをして端末を耳から離す。少しだけ萩風が止まったと思うと…

 

「っ!?」

 

斬魄刀を引き抜いて壁へ向けて斬撃を放った。

 

この洞窟はかなり丈夫な上に自己再生の能力もあるので、崩落などの危険は無い。だが萩風がこのような突発的な行動をしたのが初めてだったので、あまりの衝撃と圧力で一角は動けない。

 

「萩風さん、どうかしたんですか?」

 

恐る恐る、一角は問う。

 

「隊葬だ。雀部が……一番隊の副隊長、雀部長次郎忠息が死んだ」

 

一番隊の副隊長、それが護廷十三隊にとっても萩風にとってもどれだけ重要な人物か一角にはわかっている。

 

一番隊は入隊するだけで栄誉とされるエリート集団、そこの副隊長である雀部は隊長クラスの実力者と呼ばれる古参の死神だ。総隊長からの信頼も厚く、同じく副隊長である萩風の友人…いや、親友である。

 

いつも修行中は真剣な表情で研ぎ澄ましていた萩風だが、茶に行く時の萩風の表情はいつもと違い気が緩んだ綻ぶ笑顔だったのを一角は知っている。

 

今の萩風の行動からして、恐らく殺されたのだろう。親友へ理不尽な死を与えた者を、許さないという殺意がのっていたのを一角なら理解できる。

 

「一角、荷物を纏めたら直ぐに行くぞ」

 

萩風は自分は冷静になっていると言い聞かせるように、荷物を纏めに外へ出た。その背中は、目覚めてはいけない鬼神が起こされたように感じる。

 

☆☆☆☆☆

来訪者は突然現れた、その者達によって虚圏(ウェコムンド)にいた破面は蹂躙されていく。

 

白い装束を纏うその集団はウルキオラの指揮した破面の軍を容易く打ち砕き、侵攻を続け…遂には、首領までその矢を向けていた。

 

既に第二階層まで解放したウルキオラが雑兵を殺し続けていたが、今は無様にも地面に横たわっている。今の状態でも周りを囲う雑兵くらいは処理できる。だが、その奥に控える何人かが敵の主戦力に瞬殺されるのもわかっていた。

 

はっきり言うと、そいつらの数人を相手してもウルキオラの敗北はあり得ない。ウルキオラの力は破面でも異常だ、そこらの死神の隊長格を上回る実力だ。

 

「貴様らは……なんだ」

 

しかし目の前の男、敵のトップと思われる敵には手も足も出なかった。

 

「光栄に思うがいい、ウルキオラ・シファー。今より、この地は我が領土となる」

 

ユーハバッハ、それが彼の名であった。白の集団であるこの集団の中で、この男だけは黒い外套を身に付け異彩を放っていた。

 

奴らの種族を、ウルキオラはわかっている。石田雨竜と同じ、滅却師だ。だが目の前の怪物は、滅却師と一言で表せるような存在ではなかった。

 

徹底的に蹂躙され、一方的な敗北を受けた。

 

「ハリベル……」

 

目の前には自身に次いでの実力者であるハリベルもまた、磔にされて運ばれている。見せしめだ、殺してはいないが対抗できるだけの力を残さないで倒されている。

 

直ぐに自分もそこに行くのは、ウルキオラは理解していた。

 

「俺では、貴様に勝てない」

 

「何を当たり前の事を言っている。お前の運命は、お前以上に理解している」

 

ウルキオラに向けて剣が向けられる。だがウルキオラが投了するわけにはいかない、それは虚圏のトップとしても、ウルキオラ・シファーとしてもできない。

 

今のウルキオラで勝てない、新天地解放ができたウルキオラでも勝てるかわからない怪物。そんな絶望的な力の差を感じるユーハバッハに勝てるビジョンがウルキオラには見えない。

 

だが、自身を怪物と比喩した時の状態を打ち崩した死神を、ウルキオラは知っている。

 

「俺は勝てない……だが、貴様らは必ず報いを受ける。我が友、萩風カワウソが必ず貴様らを討ち滅ぼす!俺たちを倒した優越感に浸れるのは、今だけだ!」

 

そう叫ぶと、ウルキオラは翡翠の槍を片手にユーハバッハへ向かっていった。




お気に入りが2万を超えました、累計ランキング13位になりました。

えっと……私が何を言ってるかわからない人もいるかもしれないですが、私も何が起こってるのか理解ができていないです。

ありがとうございます、これからも定期投稿を心がけて頑張ります。

それと萩風の顔とかの質問が来ていたので、プロフィールに書いておきました。ご確認ください。
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