初投稿で二次ははじめて、文も練習中なので感想を貰えるとありがたいです。
超能力、異能力、つまりは超常的な力。それらが御伽噺から現実のものになった現代。個性と呼ばれるようになった力を悪用する者、ヴィラン。またそれに対し、日常を守る為動くヒーロー。世界にはその両者が存在していた。
ヒーロー育成の為のヒーロー科、それを持つ数ある学校の中で頂点のうちに数えられる高校、雄英高校。その入学試験、実技の会場に1人の少年がいた。異質な恰好をした少年が。他の受験生が皆動きやすい服装なのに対し、少年は神父服を着ている。紺に近い黒色の神父服、それを着て、当然ながら皆の注目を浴びる少年。
「やっぱりこうなるよなぁ」
その名を
荒人はひたすらに後悔していた。幼馴染の少女に懇願されて着てきた神父服、恥ずかしい思いをするのは想像していたがそれを超えている。着ているそれは動きにくさは無く、むしろいつも来ている運動着よりも動きやすいくらいだった。両親共にキリスト教徒であり、自分自身も神を信じている彼にとって、憧れでもあった神父服を着ることにはあまり抵抗もなく、幼馴染の少女には言わないものの嬉しくもある。しかし今はただひたすらに恥ずかしい。周りからの視線を感じ、早く始まってくれと願いながら視線を気にしないよう集中する。それから数秒後、
「はいスタート」
試験進行を務めるプロヒーロー、プレゼントマイクの唐突な一言で試験は始まる。その後にも何か言っていたが、少しでも早く注目から逃れようと試験の説明を思い出しながら荒人は走り出していた。
実技試験のルールは単純、会場内にいるヴィランに見立てられたロボットを倒すこと。ロボットは四種類ありそれぞれ1P、2P、3P、0Pとポイントが割り振られている。0Pのものは完全に障害であり、倒す必要も、利点もない。荒人が会場内に着くと、すぐさまロボットが襲ってくる。それを見ると同時に神父服の少年は個性を発動させた。
「ヒョウテキホソク、ハイジョスル」
ロボットが荒人に向かい腕を振り上げる、そのとき、いく筋もの光が走りロボットはバラバラに切り裂かれた。
「そうあれかしと、叫んで斬れば、世界はするりと片付き申す」
胸元にロザリオを揺らす少年の両手には、
その後荒人は時たま他の受験生を助けながら順調にポイントを重ねていた。また一体ロボットを倒し次を探そうとしたところで地響きを感じる。顔を上げると試験説明で、その姿が明かされなかった0Pのロボットがその巨大な威容を露わにしていた。
「随分と気合いを入れだことで」
荒人は逃げ惑う受験生と0Pを眺め、どうしたものかと考える。倒す必要はまず無いだろう、ポイントにもならないのにわざわざあんな物と戦うのは馬鹿のすることだ。しかし、彼にはそんな馬鹿な幼馴染みがいる。違う会場で彼女は嬉々として立ち向かっていることだろう。そして彼女は倒すだろう。彼女の力を考えれば当然のことだ。彼女が倒せたものを倒せない。子供染みた意地だが、それは嫌だった。何より彼もまた馬鹿のうちの一人だった。巨大なロボットと戦い、それを打ち倒す。それを想像するだけで、走り出したくなる。
結果的に考えたのは少しの間だけだった。荒人は0Pへと走り出す。彼は自らの衝動に突き動かされながらも冷静だった。正直今のままの力では少し厳しい。
彼は0Pの前に立ち、自らの個性のギアを一段あげる。
「我は神の代理人。神罰の地上代行者」
彼は唱えた
「我が使命は神に逆らう愚者を、その肉の最後の一片までも絶滅すること」
その身が軋むほどに力をこめ、両の手の銃剣を握りしめ、言葉と共にロボットへと斬撃を放つ
「AMEN」
試験が終わり、神父服の少年は会場の前で門の柱になる寄りかかっていた。やはり神父服であることで浮いていた。そんな少年に飛びかかる一人の少女がいた。
「ご活躍だったそうじゃないか」
長い黒髪をなびかせ、少年に掴まる少女。
「どうせ、お前も倒したんだろ。つーか離れろ、亜流花」
彼女こそ、荒人の幼馴染みにして同類の戦闘狂、
「まぁ、そうだけどね。というか、やっぱり我慢できなかったんだね。試験は冷静に、効率重視でいくとか言っていたのに」
バツが悪そうに荒人はモゴモゴと反論した。
「仕方ねーだろ。あんなんでできたら」
「ま、君ならそうだろうね」
亜流花は嬉しそうに笑う。
「うるせー、帰るぞ」
荒人は強引に話を切り上げ、歩き出した。
「待ってくれよ」
亜流花もその後を追う。
これはヒーローを目指す1人の少年の物語だ。銃剣と十字架を握りしめ、夜を統べる少女と共に歩く1人の少年の物語。
主人公は神父から、幼馴染は吸血鬼から名前をとっております。