開き直ってワンピ世界を楽しむ事にしました   作:歯磨き粉

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オカマバー

 凪の帯(カームベルト)を抜けて偉大なる海路(グランドライン)に入った後、しばらく飛行していると島が見えてきたので、この先どうしようか落ち着いて考えるついでに腹ごしらえをするためにも俺はその島に向けて進路を変更する。

 

 人が周りに居ない事を確認してから降下して島の端に着陸した後に、先程空から確認した街に向けて歩いていく。

 

 さて…ハンコック達にあんな別れかたをしたのはいいが、勢いで出てきたのもあって完全にノープランなんだよなぁ。

 

 勿論最初はあのハーレム島に居続けることも考えた。

 以前にも言ったが、俺はこういったTS…性転換物が大好物なのだ。

 それも誰しもが認める美人、美少女になる奴である。

 そして同じく美少女達が暮らす空間に混じり、一緒にキャッキャッウフフをする作品が特に大好きだ。

 

 ここで重要なポイントなのが男になってその美少女達とハーレムを築く事ではないのが大事だ。

 そのような空間において男は淘汰されるべき存在であり、世界の異物と成り果てる。

 

 そして、ハンコック達のようなテレビですら見たことのない超絶美少女と一緒に暮らすことで生まれる美少女同士の華の空間…これ程までに清い空間がこの世にあるだろうか?いやない。

 二人で楽しく喋っているだけでアマゾンリリーの女性達ですらメロメロなのだ。かくいう俺も今まで夢見てきたシチュを文字通り再現できて非常に楽しかった物だ。

 

 しかし、それでもやはりここがONE PIECE世界である以上ハンコックはルフィに恋をし、海賊王となって帰ってきた以降も同じ美少女空間を維持できると考える程に能無しではない。夢の中だと思っていた当時ならまだしも、ここはもう現実と理解してしまっている。

 

 しかも俺は聖地マリージョアを襲撃した大犯罪者なのだ。政府の船が女ヶ島にやってくることは数十年ないだろうが、俺の知ってる原作はルフィがビッグマムとバトってる所までなので、それ以上先も政府の船が来ないとは言い切れない。事実原作では海軍の船が凪の帯を渡っていたしな。

 もし、その時俺を匿っているなどとバレたらハンコック達にも迷惑をかけることになるので、やはりここにずっと住んでいる訳にもいかないのだ。

 

 更に言ってしまえば自分はONE PIECEファンの一人だったので、ルフィ達の仲間に入れてもらうのもいいかもしれないし、逆にライバルになるのもいいかもしれない。純粋にこの世界を楽しみたいという気持ちもかなりデカかったりしたのだ。

 

 結局俺はかなり後ろ髪を引かれつつも女ヶ島を離れる事を決めたのだった。

 

 ただ少し問題なのが、ここがルフィが航海を始める時間軸ではない点だ。

 

 ハンコックが皇帝として就任したのは18歳なのだが、確かルフィと出会うのはハンコックが29歳でルフィが17歳だったはずだ。

 つまり、今から11年後に原作が始まる計算になる訳だ。

 女ヶ島に辿り着く日やルフィがフーシャ村を出て航海に出る正確な日付はわからないが、ルフィはなにかと話題に尽きない男なので、賞金首の手配書をチェックしたりすれば大体どのあたりまで原作が進んでいるのかがすぐにわかるだろう。

 

 せっかくだからその様子を見物するか、仲間に入れてもらったり、ライバルの海賊にでもなるのも悪くないと思ったが、11年も暇をつぶさなくてはならなくなってしまったので、その間にグランドライン以外の場所を旅するというのも悪くないかもしれない。

 

 最期の島ラフテルもこの眼と飛翔術を使えば不可能ではないかもしれないが、それでは面白くないし海賊王になる気もない。それなら原作だと過去編以外じゃあまり語られる事ない四つの海を見て回るのはどうだろうか。

 

 よし、そうと決まればまずはこのワンピ世界を旅して回ってみるとするか!

 

 さて、まず最初の目的地はどこにしようかと悩むうちに気が付けば人が多く行きかう街にたどり着いてしまったので、思考を切り替えて当初の予定通り腹ごしらえをすべく飯屋を探すついでに、宿をとって一日を使ってじっくり考える事にした。

 ワンピは原作で明確に描写される事が非常に少ないせいで、危険度に対しての死亡率が非常に低いが、危険な事には変わりがないので、慎重に行くのは大事なことだ。

 

「そこのお兄さん、少し聞きたいことがあるのだけれどいいかしら?」

「おう、どうした?」

「この辺りに、値段は気にしないからお風呂に入れて美味しいご飯が食べられる治安のいい宿屋はない?」

「あんた程の別嬪さんなら確かにそういうのは気にしてもおかしくはないが、この島にある街じゃそんな対した物は中々…いや、あったな。ただ少々問題があってな」

「問題?」

「そこはな…オカマバーなんだ。」

 

 ここが噂のオカマバー【カマバッカバー】か…何というかお店の外装からしてすでに色々とドギツイが、確かに女性にとっては一泊する上での安全性は確保されていそうだ、言っては悪いが変な男が近寄りにくそうだからな。

 

「ンゥいらっしゃァいませぇん!!…あら?あらあらァ!やだ、とーってもキューティなお客様じゃないィ!」

「こんにちは、街の人に聞いたら評判の宿屋だって聞いたの。一泊いいかしら?」

「勿論よォ!貴女みたいな子なら大歓迎!一泊1万ベリーよ!」

「話に聞いていた値段よりもかなり安いのね?」

「えぇ、普通のお客さんならそうだけど、貴女のような子猫ちゃんなら特別料金よォ!んふふ!」

「それは助かるわ、それじゃあ今日一日はここでゆっくりさせてもらうわ」

 

 そう言いつつ懐から1万ベリーを取り出す。これは昔、賞金稼ぎをしていた頃のお金だ。かなりの額を稼がせてもらったが旅をする際には邪魔になるので、最低額だけ持って残りは女ヶ島に置いてきてある。

 

「お風呂は言ってくれれば用意をしておくわァ、食事も同様よォ」

「それじゃ、さっそく一食頂くわ」

「腕によりをかけて作るから、待っててねぇん!」

 

 その後出てきた食事に舌鼓をうち、綺麗に清掃されたお風呂に入り、部屋に戻るとすでに、ふかふかのベッドが用意されていた。

 店主の見た目に反して話に聞いた以上の質の良さに驚いた自分は結局その宿屋で何泊かお世話になることを決め、その数日を使って、自分の今後の立ち回りを考えていた。

 

 最終的に自分が出した方針はせっかく過去のワンピ世界に来ているのなら主要人物達の過去を覗いてみるのはどうだろうか?という事だった。

 原作キャラ達には悪いが少しちょっかいをかけてみるのも面白そうだからだ。勿論ちょっかいと言っても少し話を交えてみる程度のつもりだが。

 

 賞金首である以上、七武海にでもならない限り海軍側にはあまり行けないが、海賊側なら四皇達に会いに行ってみるのはかなりの名案ではないだろうか。

 勿論カイドウやビッグマムのような危険度が高すぎる相手は例外だが、白ひげ、赤髪は手土産を持っていけば大丈夫だろう。

 

 そうして、今後の方針を決めた自分は、早速今日にでも旅立つべく、支度をしていると街中が何やら騒がしいことに気が付いた自分は宿屋を出て、屋根に飛び乗り、街に目を向けるとそこには港にジョリーロジャーを掲げた船が止まっており、そこから粗暴の悪そうな男達が暴れまわっているのが見えた。

 

 おぉ!これはまさしく海賊だな。ルフィ達はこういう事しないからあまり感じなかったが、本来の海賊たちといえば略奪者だもんなぁ。と思考するのと同時にこのままでは被害が大きくなる一方だという事に気が付く。

 自警団らしき武装した人物も複数見えるが、多勢に無勢らしくすでに壊滅寸前だ。よく見るとカマバッカバーの店主も戦っていて、口の動きでニューカマー拳法と叫んでいるのがわかった。

 まさかのカマバッカ王国出身だったようだ。あの人には一宿一飯の恩義がある事だし、加勢させてもらおう。

 

 背中に常に背負っている黒い魔道弓を構えると、弓の一部の場所から魔力を込めた事によって鈍い輝きを放ち始める。そして魔力で出来た弦を引き絞り、魔力で出来た矢を複数つがえ、住民達に切りかからんとする人物に次々と矢を放つ。

 一人も外すことなく、かつ急所をあえて外して当てた為、当たった海賊たちは地面に転がったまま悶絶しているがこのくらいの報いは受けて当然だろう。

 突然の攻撃に動揺した海賊達だが、この距離では普通の人間でも目視で屋根の上に立つ自分を見つけることは容易だった為、船長らしき人物が自分に向かって何か指示を出していた。

 しかし、数だけが取柄の海賊たち等、敵ではない。住人から近い海賊達を仕留めた後、少し魔力を込めて無数の矢を作り出しその全てを海賊達に放つ。

 

「追い詰めるわ!【ディプラヴィティ】!」

 

 命中したすべての海賊達に外傷はない。これはソーンの持つスキルの一つだからだ。ただしその代わりに…

 

「な、なんだ!?急に何も視えなくなっちまった!」

「あ、熱ィィィ!!か、体が燃えてるみてぇだァァ!!」

「急に眠く…zzz…」

 

 命中した海賊達は外傷がないにもかかわらず全ての海賊達が眠っていたり、火傷によって焼け爛れ、盲目状態に陥る者も居た。

 このスキルはソーンの代名詞の一つでもある、ダメージが一切ない代わりに多数の状態異常効果を与えるアビリティで、その数は優に10を超える。

 それらの状態異常に睡眠、暗闇、火傷があり、本来はその全ての状態異常が同時に罹る凶悪なアビリティだが、今回はその効果のみに絞って矢に魔力を乗せて放った為に海賊達は行動不能に陥ったわけだが、こういった手加減も過去にそこそこ戦った経験のお陰だったりする。

 

 さて、あとはあえて残しておいた船長に話を付けるとしよう。

 飛翔術を発動させて船長のすぐ上空で停止し、今なお状況を把握できていないのか間抜けな面を浮かべた船長に話しかける

 

「あなた達も運がないわね、私がこの島にいて、しかも私が世話になった人物を襲おうなんて。」

「そ、そんな…まさか貴様…なんでお前がこんな所に…」

「私を知っているの?やっぱり億越えにもなると有名人になるのね。」

「た、頼む!見逃してくれ!」

「それは無理よ。何もせず、ただこの島で滞在するだけなら私も何もしなかったけれど、あなたはこの島を襲った。ならそれ相応の報いは受けて当然じゃないかしら。私も賞金首の一人だけど、あなたは街の人に言って海軍に引き渡してもらうわ。」

 

 そう告げると、男は遂に観念したのかがっくりとうなだれてしまった。

 さて、街の住人には自分が魔眼の狩人として知られてしまった以上この街にはもう居られないだろう。

 なにより自分はマリージョアを襲撃した大犯罪者だ。その懸賞金の高さだけで恐れられてしまう。

 事実、自分の正体に気が付いたらしい何人かの住人は顔を青ざめていた。

 それに、こうなった以上海軍がここに来ることは間違いないし、なによりもあの海賊が自分の事を話さない訳がないので、さっさとここから離れるべきだろう。

 

 そう決めてそのまま飛翔術で空を飛び、次なる島に行こうとした瞬間だった

 

「待って、ソーンちゃん!」

「…ミレイさん?」

 

 自分を呼び止めたのはあの宿屋店主だった。数日程泊まっている間、色々と喋り相手になってくれたので、お互いに名前で呼び合うくらいにはなっていた。ミレイという名はいわゆる源氏名だったが、ああいう場所なら当たり前の事だろう。

 

「貴女がまさかあの魔眼の狩人だとは思わなかったけれどォ、それでも私のお客さんの一人なのは変わらないわァ。だから、もしまたいつかここに来た時は必ずカマバッカバーに来てねぇん!」

 

 なんと度胸のあるオカマだろうか。ボンちゃんといいこの世界のオカマはいい奴が多すぎると心の底から思わずにはいられない。

 

「勿論、約束するわ!いつか必ずここにまた戻って来るわね!」

「待ってるわよぉん!」

 

 約束を交わし、今度こそ島を離れるべく飛翔術によって空高く舞い上がり、大海原へと踊り出すのだった。




新イベ大変尊いです。実はソーンさんの次にシルヴァさんが好きなんですよねぇ!
それだけに今回の新ガチャで念願のシルヴァ×ソーンさんの戦闘掛け合いが実装されて滅茶苦茶嬉しいです。
もっともっとシルソン見たい…ホントはシルヴァさんも出したかったんですけど、憑依設定だとややこしくなるのでやみした。

なお、150連回しても光シルヴァさんはお迎えできませんでした。運命力が足りなかったようです…サプチケ早く来い
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