開き直ってワンピ世界を楽しむ事にしました   作:歯磨き粉

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短いですが、なんとか書きかけていた話ができたので、再び投稿です!
今度こそ次からは週一更新になります。


魔眼の狩人【ソーン】

 偉大なる航路に浮かぶ一隻の海軍の軍艦に、一人の海賊が乗り込んでいたのだが、何故かその海賊は捕縛されておらず、それどころかその軍艦内に備え付けられた入浴施設でお風呂に入って寛いでいた。

 その海賊はかの女帝と同レベルの絶世の美女ともいうべき美貌であった為、邪な考えを持った何人かの海兵達が覗きにやってきていたのだが、ほんの少し開けようとした瞬間に壁越しに矢に貫かれる事で、その場に倒れ込み、火傷で苦しむものや盲目状態で壁にぶつかるもの達の犠牲によって海兵達は恐怖を覚えていた。

 

「おい、また性懲りもなく覗こうとした奴が居たみたいだぞ」

「またか。それで、今回はどんな症状なんだ?」

「それが今度は毒だったみたいだ。物凄い腹痛に襲われたらしく、今医務室に駆け込んでたな」

「いい加減だれか止めてやれよ、被害がどんどん大きくなってるじゃないか」

「まぁ、気持ちはわからなくもないな。…かく言う俺だって覗きに行こうとしたら同胞が一人苦しそうに転がっていたんだ。アレを見なければ俺も同じように転がってたさ。」

「お、お前な……それは一人で行こうとしたのか?」

「あぁ、勿論そうだが…まさかお前!」

「そのまさかだ。俺たちは一緒に航海する仲間じゃないか!」

「死ぬときは一緒に。そうだな?」

「そうだ。さぁ俺たち男の夢を叶えに行こうぜ!」

 

 入浴施設のある前まで来た二人は最後に互いに顔を合わせる。

 

「(覚悟はいいな…?)」

「(勿論だ兄弟!!)」

 

 そして、二人同時に突撃しようとドアに手をかけた瞬間に二人を襲ったのは凄まじい吐き気だった。

 まるで全身が腐敗したかのような吐き気だ。

 

「う…うぉぇッッ…!」

「き、気持ち悪い…な、なんで急に…」

 

 あまりの気持ち悪さに倒れ込み、視線が下に向いた事でその原因があらわになる。二人の身体には矢が突き刺さっていた。

 

「くっ…まだだ…まだ諦めるわけには!」

「ぬぐおおおお!!!」

 

 吐き気抑え込み、力を振り絞って立ち上がろうとした瞬間、今度は二人の視界から一切の光が消える。

 

「今度は暗闇に…!も、もうダメか…」

「クソッ…俺たちの夢もここまでか…」

 

 非常に無念そうに倒れた二人の海兵は、その後救護室に運ばれて同じように苦しむ海兵達の仲間入りを果たすのだった

 

「全く、海賊とはいえ淑女の身体を覗こうとするなぞ…今回覗こうとした海兵達にはキッチリと話しを付けておくとしよう。」

 

 そうつぶやく男は、縦じまのスーツを身にまとい、丁髷に立派な口ひげとインパクトのある見た目をした彼の名は海軍本部少将のモモンガだった。

 

「ふぅ…さっぱりした。お風呂まで貸してもらっちゃったけど、よかったのかしら?」

「お前との協定の一つだ。俺たちに拒否権はない気にするな。」

「なら良かったわ。…何人か不届き者が居たから医務室送りにしたけれど、かまわないわよね?」

「当然だ。俺からも後でキツく言っておこう」

 

 そう言ってソーンに向き直るモモンガはその姿に目を見開く。風呂上りゆえの色香だけでなく、衣服も少々着崩しており、どう見ても男しか乗っていないこの軍艦内で女性がしていい恰好ではなかったからだ。

 

「頼むわね。今後もこうやって海軍の船を休憩所に利用させてもらうから、そのたびにああやって覗かれてはいい気はしないのよ。」

「…貴様も少々無防備すぎる所もあるのではないか?せめて衣服くらいはキチンとしておくべきだろう。ただでさえお前は露出が多いんだ」

「あら、見苦しい物を見せたかしら。安心して、すぐこの船から離れるわ。」

「そういう意味で言ったわけではないが…まぁ、いい行くならさっさと行くがいい」

「それじゃお邪魔したわ。また会うときがあったら、その時はよろしくね。」

 

 そう最後に言葉を残し、ソーンは空に飛びあがり去っていく。

 

「壁越しでも正確に射抜いてくるか…しかも明らかに手加減されていた。全く末恐ろしい女だな。海賊に頼るのは不本意ではあるが、確かにあれほどの人物ならば海賊達の抑止力となるのも納得か。」

 

 ある日、世界政府から王下七武海に新たに加入した二人の人物が発表された。

 王下七武海は海軍と共に四皇達や他の海賊達の抑止力となる為に生まれた制度だ。

 そんな七武海に加入するだけあって、この大海賊時代の中でも特筆して強大な力を持つ海賊だけが選ばれている。

 その為、今回新たに加入する二人もまた話題に尽きない海賊達だった。

 

 海賊女帝【ボア・ハンコック】

 彼女はその美貌と初頭手当8000万ベリーという規格外の金額によって、その実力を世に知らしめていた。

 

 そして、もう一人、魔眼の狩人【ソーン】。これが海賊達にとっては最悪な人物の加入だった。

 

 ある日突然現れたその人物は、大小問わず無差別に数多の海賊達を一方的に狩り続けた事で、世界最強の賞金稼ぎとして名を馳せていた。

 彼女に狙われたが最後、双眼鏡を使用しても認識できぬ程の距離から、光り輝く矢によって正確無比かつ無慈悲なる矢の雨に晒され、それらに射抜かれた者は一人残らず、抗う事が不可能な睡魔、身動き一つできない程の身体の痺れ、眼を開けているのに光が一切入ってこなくなる、猛毒によって走る激痛、火に焼かれていないのに全身に現れる火傷、強烈な倦怠感が襲ってくる。といった様々な状態異常に罹り、無力化されてしまう。

 

 そんな海賊達の中には船内に立てこもることでその矢から逃れられる者達も居たが、すると今度は帆を穴だらけにして逃げられなくした後に、最初の攻撃は小手調べだったと言わんばかりの無数の矢で船体を穴だらけにして沈没させてしまうのだ。

 

 抵抗しようにも矢を放ってくる本人は双眼鏡でもどこに居るか探せず、反撃は不可能。船内に立て籠れば船ごと破壊されるという一方的すぎる攻撃方法から海賊達からは魔眼の狩人と恐れられていた為、当時彼女は世間からも大きな注目を集めていた。

 

 しかし、ある日彼女は海軍支部の一つを壊滅させてしまう。世間からはこの突然の狂逸した行動に驚かされていた。

 賞金首を狩り続けていた事で英雄視すらしていた者も居たのだ。

 

 実際の所はその海軍支部が腐りきっていたのが原因なのだが、当然ながらその事実は隠され、更にはその海軍支部の行いの一部までも濡れ衣として着せられていた。

 民衆の英雄から突然海賊に堕ちたソーンを世間は叩きまくっていたが、海賊達にとってはまさに朗報だった。

 賞金首になってしまうと賞金を貰えなくなるので、名声を上げる以外には賞金首を狩る必要がなくなるからだ。もう魔眼の狩人に恐れる必要はない!そう思い、再び数多くの海賊達が名乗りを上げ、民衆の被害は再び大きくなっていた。

 

 しかし、その数年後にそんな彼女が七武海入りをしたことで、手のひらを返すように今度はソーンを持ちあげるような報道が数多くされるようになっていった。七武海は海賊達への抑止力として働く為、再びあの魔眼の狩人として海賊を潰してくれると期待されたからだ。

 裏切り者と叩いていた者たちは再び彼女を英雄視するようになっていた。

 

 そして、同じく七武海に加入という知らせを受けた海賊達は再び訪れるその一方的な蹂躙を恐れて、その場で解散してしまう海賊団も少なくなかった。

 

 七武海に強力な海賊が入った事で、世間は海軍の力がより強大になったと報道し、民衆もまたより一層海軍へ強い期待を抱くようになる。

 だが、そんな当の本人は世間の話題が自分に集中していることなぞまるで気にしておらず、自由気ままに空を飛んでいたのだった。

 

 

 




ソーンの二つ目のアビリティ【ディプラヴィティ】に腐敗という状態異常があるので、それを軽めにかけたので、海兵は吐き気に襲われています。

この【ディプラヴィティ】はゲーム内じゃそこそこ性能なんですけど、ワンピース世界に落とし込んだら超凶悪なアビリティに変化しちゃいました。
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